88 吸血鬼の城 殲滅篇
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
4日目
5日目
エピローグ
終了
/ 最新
1
2
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
全て表示
|
― 2F宴会場へと続く階段 ―
[階段に佇んだまま、赤の芯宿す黒い瞳は そこに集う者どもをじっと見据えている。 向けられた視線(0:234)に頓着する様子もなく、 ただ長い尾だけが揺れた。
耳をぴんと立て、様子を窺うとみえる黒犬の口元で 萎れゆく薔薇がひときわ甘い香気を漂わせていた。]
(12) 2012/04/29(Sun) 00時半頃
|
|
ああ――――――
やっぱし、ますますいい女になってやがる。
(*0) 2012/04/29(Sun) 00時半頃
|
|
― 地下墓地 ―
[深い闇の中で、闇の髄が揺れる。
意志持つ闇。形ある影。 それが、今の彼の本体だった。]
―――にしても、無粋な野郎どもだ。 淑女への礼儀というやつを教えてやれよ、クレア。
[届かぬ言葉を紡いで、闇が嗤う。]
(*1) 2012/04/29(Sun) 00時半頃
|
|
― 階段 ―
[集まった者たちの様子を見ていた黒犬は 頭をやや下げ、尾を振る。 見ている者がいれば、肩を竦めたように見えなくもない仕草。]
(53) 2012/04/29(Sun) 01時半頃
|
|
――― は。 少しはやるじゃねぇか。人間風情が。
[地の底で揺れる闇には、笑みの気配。]
(*2) 2012/04/29(Sun) 01時半頃
|
|
[白刃が煌めき、足音が入り乱れる。 娘を守る騎士に刃が食い込み、新たな血の臭気が空気に混ざる。
鼻を鳴らした黒犬は、矢のように階段から飛び出し、 娘と人間どもの間を裂くように駆け抜けた。]
―――…。
[図書室へ続く扉の前で振り向いた犬は、 嘲笑めいて口の端を歪め、溶け崩れる。 ひとむれの闇となった犬は、そのまま扉の向こうへと消えた。
あとに、薔薇の花一輪残して**]
(54) 2012/04/29(Sun) 01時半頃
|
|
なに。 あれが人間に遅れをとるとも思わんが、 ―――サービスってやつだ。
[地の底で闇が嗤う。]
(*3) 2012/04/29(Sun) 01時半頃
|
|
― 屋根の上 ―
[監獄塔へ消えた闇の欠片は 宙を跳んで城館の屋根へと渡っていた。
再び犬の形を縒り戻して、鼻面を上げ耳を立てる。 鼻先にただよってくるのは、血臭。
眷属の―――― 甘く、濃密な ]
(121) 2012/04/29(Sun) 13時半頃
|
|
[黒犬は、言葉を発しない。 ただ、喉を膨らませ、曇天の空に向けて 低く、長く吼えた。]
( クレア―――…… オレのシェリ《愛し子》。 もうすぐだ。もうしばらく、待て )
[意志は地の底より娘へと放たれる**]
(122) 2012/04/29(Sun) 13時半頃
|
|
[眷属の血は甘美な滋味。 吸血鬼の間で禁忌とされていようとも その誘惑に屈するものもいる。
ましてや今は体持たぬ身。 注がれた滋味を、闇は貪欲に飲み干した。
城に零れた血は床に吸い込まれ、 吸い寄せられるように地下の墓地へと集まる。 血を注がれた闇は赤く染まり、 いっそうの存在感を増して濃くたゆたった。]
(*4) 2012/04/29(Sun) 14時半頃
|
|
― 屋根の上 ―
[風の臭いを嗅いだ黒犬は、 屋根の北端に寄って、下を覗き込む。 舌を出して口の周りを舐めた犬は、 少しばかり、その大きさを増していた。
注意深いものがいれば気付くだろう。 吸血鬼の娘が流した血の痕は、 城そのものに吸い込まれるように薄れていく。 大量に零されたはずの血は、 しばらくすれば、点々と薄い痕を残すのみとなろう。]
(135) 2012/04/29(Sun) 15時頃
|
|
[地下深くで蠕動する闇は、なおも濃く、深くなっていく。 僅かに苛立ちの波動を放つ闇の中、 意識が描くのは、鮮やかに浮かぶ過去の情景。 再び城に訪れた、あの娘の姿。
粗相した城の召使いをひとり辞めさせ(処分し) 新たな召使いを雇うべく、人を捜させた。 そのとき、彼女がやってきたのだ。
幼い頃の面影を残しながらも、美しく成長した娘は
闇の領主の心を強く掴んだ。]
(144) 2012/04/29(Sun) 16時半頃
|
|
[覚えているか。 問われて、薔薇の香りとともに出会った時のことを思い出す。
”ああ。あのときの薔薇の娘だな。” ”クレア、か。良い名だ。”
緊張しているようにも見える娘に笑いかけ、 礼には手を振って、それには及ばないと示す。
”おまえに似合うと思ったまでだ。” ”薔薇の方が喜んでいるだろうよ”
娘の口元に綻ぶ笑みに、目を細めて頷いた。]
(147) 2012/04/29(Sun) 16時半頃
|
|
[それからすぐに娘を召し抱え、側近くに置いて愛でた。 花愛でるごとく、触れることもせず。 伸びやかに育つに任せ、手折ることもせず。
人間を食い散らかして平然としていた領主が、 このときはいくらか落ち着いていた。 消える領民の数は減り、監獄塔からの悲鳴も途絶えた。
しかし、穏やかな日々は、ひとつの報せで破られる。]
(148) 2012/04/29(Sun) 16時半頃
|
|
[領民が、討伐隊を呼ぼうと相談していると、 領主を殺そうとしていると知って怒りを発し、 すぐさま中心人物らを喰い殺した。
血の匂いを染みつかせたそのままで 城にとって返し、娘を腕の中に抱きしめたのだ。
―― おまえを手放しはしない。 ―― オレのものになれ。永遠にだ。 ―― 誰にも、渡すものか。
衝動のままに娘に牙を立て、命尽きた娘に血を注ぐ。
薔薇咲き乱れる中庭で初めの血を与えられた娘は、 闇の色香を得て、いっそう艶やかに咲き綻んだ。 どんな薔薇よりも華やかに、美しく。]
(149) 2012/04/29(Sun) 16時半頃
|
|
[それからほどなくして、城に討伐隊が押し入った。]
(150) 2012/04/29(Sun) 16時半頃
|
|
[討伐隊が領地に入り込んだと知って、 娘に手紙と領主の印章を持たせて、血族のもとへとやった。
予感だったのか、覚悟だったのか、 今となっては自分でも判別がつかない。
結局、自分は人間共に討たれ、 この城で眠りについた。]
(151) 2012/04/29(Sun) 16時半頃
|
|
[最後に、"娘"へと飛ばした思念は届いていただろうか。 目覚めたら聞いてみようかと思う。
―――いずれ、おまえの顔を見に蘇る。 なにかあれば、おまえの血を注いで名を呼べ。 いつでもおまえのために力を寄越そう。
元気でな、オレのシェリ。]
(152) 2012/04/29(Sun) 16時半頃
|
|
― 屋根の上 ―
[黒犬の視線の先、 物見塔の壁の隙間に、鮮やかな深紅と亜麻色がひるがえった。]
……………。
[ぴんと耳を立て、風に飛ばされる小さな音を拾い上げて、 黒犬は、一、二度鼻を鳴らした。 よりいっそう濃くなる血の香に低く唸ったあと、 身軽に屋根を駆け下りて、塔へ続く石橋に降り立つ。
そこからなら、宴会場と塔を繋ぐ胸壁が、よく見えた。]
(153) 2012/04/29(Sun) 17時頃
|
|
( さて。
オレの可愛い”娘”に傷をつけたのは、どいつだ? )
[残虐な衝動に、思念が歪む。]
(*5) 2012/04/29(Sun) 17時頃
|
|
[一度倒され、封印されて、力は随分と弱まっていた。
切り離した分身に力を送ろうとしても、 僅かばかりにしかならない。
いますこし、時間が必要だった。 完全に蘇るために。力を取り戻すために。]
(*6) 2012/04/29(Sun) 17時半頃
|
|
( オレが顔を見るまで、死ぬんじゃねぇぞ )
[囁きながら、側にいることもせず、 娘が零した血を吸って力を得ている、矛盾。
それは、自分が蘇りさえすればどうとでもなるという 自負の裏返し。
満ちゆく力は今にも溢れそうに、地下の岩壁を揺らしている。]
(*7) 2012/04/29(Sun) 17時半頃
|
|
― 3F 石橋 ―
[人間たちが娘を追い、塔に登っていく。 黒犬はそれを見据えたまま、動かなかった。
流される血の滴り。
呼ばれる名。
尚も、黒犬は動かぬ。]
(225) 2012/04/29(Sun) 22時頃
|
|
[今、行ったところで、 この身は力の欠片にすぎない。
行っても無意味だと知る瞳で黒犬は塔を見上げ、 ただ、意志だけを飛ばす。]
(227) 2012/04/29(Sun) 22時頃
|
|
” 見ている。
側にいる。
――― あとは全て任せておけ ”
(229) 2012/04/29(Sun) 22時頃
|
|
[そうして、娘が銀の杭に貫かれるさまも、 美しい身体が灰となって崩れていくさまも、
全てを見、聞いていた。
流され、染みこむ血を吸い込んで、 城全体が、どくりと脈動する。]
(233) 2012/04/29(Sun) 22時半頃
|
|
クレア。
[白い灰を巻き上げ、運び去っていく一陣の風。 その尾を捕らえ、黒犬が言葉を発する。]
――― オレが寝てる間、良くやってくれた。 しばらくはゆっくり休め。
いずれ、必ず呼び戻してやる。
[揺るがぬ声で告げて風を放し、 空を跳んで、階段の足元へと降り立った。 戻ってくる人間共を待ちかまえるように、 四つ足で床を踏んで立つ。]
(239) 2012/04/29(Sun) 22時半頃
|
|
[同じ頃。 地下墓地であった場所からは、気配が消えていた。
闇の中でなお濃くあった闇は全て岩と土の間に染み通り、 城が建つ小島と城そのものを黒く染めかえながら 螺旋階段へと収束していく。
同時に、昏く重い霧が湖より立ちこめ、 城の周囲を押し包んで、城の中を俄に夜へと変えた。]
(244) 2012/04/29(Sun) 22時半頃
|
|
― 螺旋階段 ―
よう。
[階段の上より最初の人間が姿を現せば、 黒犬は、どこか陽気にも聞こえる声を掛ける。]
魔物退治ごっこには、満足したか?
[明かな嘲笑に、声が揺れた。]
(249) 2012/04/29(Sun) 22時半頃
|
|
ああ。
[思念が、城をなおも黒く染めていく]
オレの可愛いシェリを殺したおまえたちを、 ただで死なせてやるってのは、もったいないよなぁ?
(*8) 2012/04/29(Sun) 22時半頃
|
1
2
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
4日目
5日目
エピローグ
終了
/ 最新
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
トップページに戻る