5 おんがくのくにのふしぎなおはなし
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[───ズキズキと、頭が痛んだ。予兆はそれだけだった───]
(*0) 2010/03/21(Sun) 05時頃
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───北に。
[いつの間にか一行に紛れ、色褪せた羽を広げ空を掻く。
浮き上がりはしないけど、そうして気合いを入れる。
先導するネズミの後を追って*歩き始めた*]
(9) 2010/03/21(Sun) 11時半頃
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まだ若いのに、自分の価値を自分で決め付けるもんじゃないがねえ。
[不安げな道化師を見て、のんびり呟く。]
音楽は、ぼくにとっては優しいものだった。頬を撫でてくれる手のような、優しい調べ。
[けれど思い出せない。
片翼を無くした白鳥の娘が気になり、時々立ち止まっては見やる。
同じく、空を奪われた鳥。]
(77) 2010/03/21(Sun) 19時頃
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ぼくは遠い昔、北の地に住んでいたけど、あまりにも遠い昔の事だから道もなにもかも変わっているだろうね。
[北の地から流れて来て、妻と出会い、添い遂げる為にあの城に仕事を見つけたのに、妻は病気ですぐに逝ってしまった。]
(78) 2010/03/21(Sun) 19時頃
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[──声が。女と男の声が雑音のように聞こえるなか、はっきりとヨアヒムの声が聞こえた──]
そうすれば、ぼくの願いは叶うのかい。
[肯定の声が聞こえる。]
それならば、言う事を聞こう。
[頷いた途端、女と男の声がクリアに聞こえるようになった。]
(*4) 2010/03/21(Sun) 19時半頃
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釣り師 ヌマタロウは、立ち止まって額に手を当て、表情をしかめた。
2010/03/21(Sun) 19時半頃
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[声をかけられて顔を上げる。顔を上げた時には、柔らかい笑みを浮かべていた。]
ああ、ギリアンと名乗っていたね。ぼくはヌマタロウ。爺さんとかじじいとか呼んでくれていい。
[みなに聞こえるように、朗々とした声で名乗る。]
ぼくがいた頃はヨアヒムはいなかったけど、寒くて──その日暮らしでいっぱいいっぱいで、でも、家族がいる間は楽しく暮らしていたよ。
流行り病で家族を亡くし、北の地を出るまでは。
[空を見上げ、一瞬悲しそうな顔をしたけど、すぐに笑みに戻った。]
(82) 2010/03/21(Sun) 19時半頃
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そう、願いが叶う。
[同行者への裏切りと引き換えに。]
こんな厭な事は、早いとこ済ませてしまおう。
(*6) 2010/03/21(Sun) 19時半頃
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釣り師 ヌマタロウは、殿下たちは、極力遠くから見守るだけのつもり。
2010/03/21(Sun) 19時半頃
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いやいや、長く生きていれば、悲しい事も嬉しい事もあるさ。
[ギリアンの言葉に、なんでもないと首を振る。]
ぼくがヨアヒムなら。黙って自分のところに来させるはずはないと思う。
気をつけないと。 でも、騎士さまたちがいるから大丈夫かな。
(88) 2010/03/21(Sun) 20時頃
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そうだねえ。いずれ来るチャンスを逃がさないように気をつけよう。
(*8) 2010/03/21(Sun) 20時頃
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[砂時計からちいさな音楽が流れるのを耳にした>>#1
でも───違う。求めているのは記憶の中のオルガンの曲だけ。]
(91) 2010/03/21(Sun) 20時頃
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相手は魔法使いだしね、油断はしない方がいいと思うがね。
[ギリアンに言葉を返す。安心させたいのか、不安にさせたいのか。
壊れたような言葉を繰り返す道化師の青年を見たが、なにも言わなかった。
失う苦しみは良くわかっている、]
(101) 2010/03/21(Sun) 20時半頃
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音楽を取り戻しても、ぼくが取り戻したい音楽が戻らないのだ。
(*10) 2010/03/21(Sun) 20時半頃
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さあ、どうだろう。 どうだろうとぼくには関係ない。
(*11) 2010/03/21(Sun) 20時半頃
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そう、ギリアンとレティだっけか、と利害は一致している。
協力できる間はよろしく。
(*15) 2010/03/21(Sun) 21時頃
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ああ、花盛りだね。
[見渡す光景は花畑。流れる風が薫りを運んで来る。]
北の地に着く前に色とりどりを心に刻み込もう。
[歩きながら花を眺めた。]
(106) 2010/03/21(Sun) 21時頃
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ヨアヒム次第だねえ。つっ──
[──様をつけないのを咎めるように頭痛がしたが、気にせず──]
──誰か一人の願いしか叶えない、とか言いだしたら、その時は。
(*17) 2010/03/21(Sun) 21時頃
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いろんな獣人がいるね。
[そう呟いて、遅れないように*歩いた*]
(117) 2010/03/21(Sun) 21時半頃
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[>>#2空を見ていたから飛んでいた黒鳥にはすぐに気づいた。
水晶が言葉を吐いてから黒鳥の命を奪った。]
酷い事をする──
[黒鳥に黙祷をした。]
この中に裏切り者がいる、と。 有り得ない話じゃない。が、疑心暗鬼を誘う為の嘘の可能性もある。
警戒は怠らぬように、気をつけよう。
(197) 2010/03/22(Mon) 01時頃
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[その後、空へ警戒に行くザックとラルフを羨ましそうに見ていた。 羨ましいと口にしはしないが。
その後歩みが再開されれば、老人は年齢を感じさせないくらいの健脚でついて行った。
時々、こめかみを押さえて立ち止まったりしていたけど、すぐになにもない様子で歩き始める。]
(198) 2010/03/22(Mon) 01時頃
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釣り師 ヌマタロウは、黙々と歩き、話しかけられれば*答える*
2010/03/22(Mon) 01時頃
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[>>219王子に気遣われていたとは知らぬまま、無事に交易の街へついた。]
ふー……さて、宿へでも行くかね。
[宿に向かおうとした時、道化師の言葉が耳に入った。]
生き方なんか自分で決められるもんだ。 ましてや、おまえさんはまだ若い。自由に動く手足も、考える頭もある。 おまえさんにこの旅がプラスに働くよう、祈っているよ。
[ひらりと手を振り、何事もなければそのまま宿へ。]
(238) 2010/03/22(Mon) 11時半頃
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ま、他の者がどうするかはぼくには関係ないけどね。
みなが音楽以外に寄りどころを見つければ──胸の痛みは減るかもしれない。
でもぼくは、痛いほうが、いいんだ。 生きている、証だから。
(*25) 2010/03/22(Mon) 12時頃
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儚く、ね。
[宿につき、道化師の言葉を思い出す。 儚いという言葉は、早くに逝った妻を表すのに丁度いい言葉だった。]
儚くなんか、ならなくていいのに。 寄り添われた相手が悲しくなるから。
[ぺち、と額を叩いて気を取り直した。]
さあて、お茶でももらいに行くかな。
[部屋に荷物を置いて、食堂でお茶をもらってゆっくり飲んでいる。]
(240) 2010/03/22(Mon) 12時半頃
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―宿の食堂―
[烏の青年と目が合った。]
騒がしいとは思っていないし、うるさいのが厭なら端から部屋に籠もっているさ。
[柔和な笑みを浮かべて答える。 青年の手に持たれた鏡を興味深そうに見やる。]
確か、聞いた事がある。真実の姿を映す鏡があると。 嘘なんか、たちどころに暴いてしまうらしい。
それがそうかは知らないがね。
(255) 2010/03/22(Mon) 16時半頃
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見た事はないから、そんな鏡が本当にあるかなんて、わかりゃしないがね。
[からからと笑う。 ふと表情をまじめにした。]
裏切り者、か。 ヨアヒムとやらは策に長けた人物らしいな。疑心暗鬼にかられた烏合の衆ほど、簡単に潰せるものはないわな。
(258) 2010/03/22(Mon) 17時頃
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誰の心にでも、見えない傷はある。 あれだけの策士の手にかかれば、簡単に落ちてしまう者も、いるかもしれないね。
[喋って渇いた喉を、お茶で癒やす。]
信じるより、疑うほうが、なんて簡単なんだろう。
(262) 2010/03/22(Mon) 18時頃
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おや、騎士の旦那、お疲れさん。
[騎士に声をかけられれば座ったまま頭を下げた。]
今、烏の兄さんと、裏切り者について話してたとこだよ。
(266) 2010/03/22(Mon) 18時頃
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烏の兄さんも騎士の旦那も、一番大切にしたいものがなにかを考えておくといいよ。
人との絆、己の使命、恋しい女、美味しい食べ物。
ひとつだけしか選べない、そんな時もあるものだから。
[お茶を飲み干し、深い息を吐いた。]
(267) 2010/03/22(Mon) 18時半頃
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魔法ねえ、ぼくもあんまり詳しくはないけど。
[騎士の旦那に聞かれて話し始める。]
創作の御伽噺に、今回の話と似たようなのがあった気がする。
奪われた大切なものを取り返しに船出した若者たちが、疑いの種を蒔かれて途中でみな倒れてしまった──悲しいお話。
詳細が思い出せないけど、思い出したら話すとしよう。
(271) 2010/03/22(Mon) 18時半頃
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[道化師に声をかけられ、そちらを向く。]
大切なものを作れもしないのに、誰かの大切なものになろうなんて、虫が良すぎはしないかい。
ぼくがおまえさんを選んだとして、おまえさんが誰も見ていないのなら、きっと悲しくなる。
おまえさんは音楽がないから心が無いのかい。音楽があっても、心が無いのかい。
[語る言葉はカワセミにも聞こえただろう。]
ちょっとキツくいいすぎたね、すまないね。おまえさんを見ていると、この辺りが痛いから。
[胸の辺りを押さえ、俯いた。]
(274) 2010/03/22(Mon) 18時半頃
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確かに、縁起でもないね。 すまないね、こんな時にこんな話をして。
[俯いたままそう返し、 騎士の旦那と烏の兄さんに、思い出したら話す、と約束した。]
(276) 2010/03/22(Mon) 19時頃
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