47 Gambit on board
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この村にも恐るべき“人狼”の噂が流れてきた。ひそかに人間と入れ替わり、夜になると人間を襲うという魔物。不安に駆られた村人たちは、集会所へと集まるのだった……。
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嗚呼、聞こえる。やつの足音が聞こえる……。
(0) 2011/03/19(Sat) 01時頃
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/*
軍服やファンタジー軍事っぽいものにひたすら萌える村です。(キリッ)
参加者は予め決まっており、飛び入りの募集は見物人含め致しません。
詳細はwikiをご覧ください。
http://melon-cirrus.sakura.ne.jp...
※ぴったりなこだわりアイコンが見当たらなかった為、つけていませんがwikiで内容をご確認の上自己責任で閲覧してくださいませ。
*/
(#0) 2011/03/19(Sat) 01時半頃
― Gambit on board ―
.
(#1) 2011/03/19(Sat) 01時半頃
パンゲア大陸―――此処には南北の大国に挟まれて幾つか小国が存在する。
住まう種族も様々で、その殆どは人間で、少数ながら力に優れる獣人族や長寿を誇る森人族、鍛冶職に秀でる土人族なども存在する。
南北の大国は常に緊迫状態であり、先の大戦で一時は休戦協定を結んでいるものの、国境付近や小国での小競り合いや衝突は日常的に絶えない。
此処は北の大国、軍事国家ノルデン帝国。
病床に伏す皇帝は崩御が目前となり、選帝を控え宮廷内は騒然としていた。
(#2) 2011/03/19(Sat) 01時半頃
皇帝には2人の皇子があった。
第一皇子ランドルフ・ローレンス・ノルディックは武力行使よりも和平を望む理想主義者である。
第二皇子ヴェスパタイン・レドフォード・ノルディックは武力を重んじ、軍属していたこともある苛烈な性格の持ち主である。
長く続く小競り合いに疲弊した民や属国、近隣の小国の中には、第一皇子の即位を望む声が高かった。
(#3) 2011/03/19(Sat) 01時半頃
選定は十五人の皇帝直属の師団長達により行われる。
彼らは日々の業務をこなしながら、軍人ではあるが世論から第一皇子を選定する方針を固めていた。
和平といえど、国防のための軍が必要無くなることは無い。
それを彼らは知っていたからだ。
(#4) 2011/03/19(Sat) 01時半頃
―――そして本日は、建国記念日。
年に一度の祝祭に帝都は沸き返り、城内では軍の公開訓練や模擬試合が開催されている。
十五人の師団長達も参加を義務付けられ、各々首都へと帰還することだろう。**
(#5) 2011/03/19(Sat) 01時半頃
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―ノルデン帝国宮廷―
[いくつもの国から成る、パンゲア大陸。大小様々な国がある中でも、北に位置する軍事大国、ノルデン帝国は特に巨大な力を持ち、周辺諸国から動向を注目されている。
そしてその日は、ノルデン帝国が建国された記念日であった。
国の休日には、皇帝が民の前に立ち、始まりの挨拶を告げるのが常であったが…今年は例年通りにはいかなかった。
皇帝代理として礼装をした青年、第一皇子であるランドルフは、宮廷前の広場が見渡せるバルコニーへと、足を進め。マイクの備え付けられた台の前に立った。
既に、広場には皇子の姿を見る為に集まった民で溢れかえっている。 ランドルフは、気づかれぬように、深く息を吐き出した]
(@0) 2011/03/19(Sat) 01時半頃
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帝国民諸君。
私は第十一代ノルデン帝国皇帝ブルーノ・A・ノルディックの第一皇子、ランドルフ・ローレンス・ノルディックである。
現在、皇帝は諸事情により諸君らの前に姿を現せられぬ故、私が一時の代理を務める事となった。
先の大戦においての犠牲者に哀悼の意を表すると共に、その遺族らにお見舞い申し上げる。帝国、そして家族を守る為に戦い、散った者たちを私は誇らしく思う。
生き残った我々は、彼らが守らんとした祖国をさらに繁栄させなければならない。
共に手を取り合い、今まで以上の発展を誓い、今日この日を迎えたのを喜びあおうではないか!
(@1) 2011/03/19(Sat) 01時半頃
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[凛とした声で皇子が演説を終えると、聴衆から歓声があがった。
湧き上がる民へとしばらく手を大きく振ると、ランドルフはマントを翻し、宮廷の中へと踵を返す。]
(@2) 2011/03/19(Sat) 01時半頃
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[歓声を上げ、祝祭の始まりに沸き返る民。 バルコニーの厚いカーテンの陰から、其れを見下ろし、口の端をゆがめる]
お勤め御苦労さまです、兄上。
[兄と同様、華美な装飾の施された礼装を纏い、襟元を崩した肩に、長い紫紺の髪が流れ落ちる]
(@3) 2011/03/19(Sat) 01時半頃
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ヴェス……ああ、ありがとう。
[控えていた第二皇子――弟であるヴェスパタインの姿に足を止め、ランドルフは若干の緊張で硬くなっていた表情を緩ませた]
(@4) 2011/03/19(Sat) 01時半頃
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父上の変わりにこんな下らぬことをこなすのも楽ではないでしょう。
帝都の民は相変わらず暢気なことだ。 未だ小競り合いは絶えぬというのに、師団長を全て召集するなど狂気の沙汰だ。 そうは思いませんかね、兄上。
[前線から帰還したばかりの皇子は、沸き返る祝祭の様子を冷ややかに見つめる]
(@5) 2011/03/19(Sat) 01時半頃
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[冷たさを含んだ弟の声に、疲れたように目を一度伏せて]
…たまには、息抜きも必要だ。どんな猛者も時折は士気をあげねば、気力が消耗されるだろう。
師団長を召集したくらいで帝国は倒れぬ。 それに、この度の召集は、祭りの為ではあるまい?
[閉じていた眼を開き、第二皇子を見やって]
(@6) 2011/03/19(Sat) 01時半頃
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[目を伏せる兄を一瞥。 手に持って軽く投げて遊んでいるのは、露天でよく見かけるロールケェキ。 行儀悪く食いちぎり、咀嚼して飲み下す。]
ほう…暫く帰らぬ間に、とうとうブルーノ・A・ノルディックも年貢の納め時のようですな。 自国の第一皇女を和平と引き換えに差し出したあの腰抜けの老害…
くくっ、これは失礼、実兄とはいえ口が過ぎました。
(@7) 2011/03/19(Sat) 02時頃
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はっきりと言わねばなるまい。
和平など生ぬるい。我らが帝国は圧倒的な軍事力をもって近隣諸国に侵略されることなく今日の威厳を保っている。 それが解らぬような愚政を敷く王など帝国には要らぬ!
コリーン姉上の『政略結婚ではあるが、大切にされ幸せに暮らしている』などという手紙を真に受けている訳ではないでしょう? 兄上も早々に目を覚まされよ。 帝国を失ってからでは遅いのだ。我々には民を、帝国を守り繁栄させていく責務がある。
[隣国に嫁いだ第一皇女についての諜報部隊の報告から、手紙の言葉が嘘ではないと憶測できたが、第二皇子にとって問題ではない。 皇子が暗色の瞳で見据える先は、溢れる光と、祝祭に沸き返る民の姿]
(@8) 2011/03/19(Sat) 02時頃
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ヴェスパタイン。 皇帝陛下に対する不敬罪になるぞ。口を慎め。
[第二皇子へと向ける視線が、瞬間、鋭さを帯びる]
和平という名目の政略結婚。しかし、姉上が自ら望んだ事でもある。 ………国の為に身を捧げるのもまた、王族の務めだ。
帝国の軍事力が圧倒的であるのは、陛下も預かり知る所。あれほど雄々しく、また民の力を信じておられた方が和平に踏み切らざるを得なかったのは苦渋の決断だっただろう。
お前も思う所はあるだろうが、理解を示してやれ。
[現皇帝は老い、明日をも知れぬ命。もし病に伏せていなければ、和平を受け入れていたかどうか。大切にしていた第一皇女を差し出した『父』を思えば、責める気にはなれなかった]
だが、最後の考えには同意する。 我々には民を、帝国を守り繁栄させていく責務がある。
[弟が熱を込めて語った台詞を、なぞるように力強く繰り返し]
(@9) 2011/03/19(Sat) 02時頃
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不敬罪?ふ、上等だ。 帝国内部で現帝の和平路線へ、不満の声が存在するのを知らぬわけではありますまい。 俺を含めてね。
[薄暗い静寂の中、飾り窓から光の注ぐ空の玉座を睨みつける。]
老いた皇帝が天命を全うするは天の定め。 軍事国家の皇帝でありながら、生温い寝床で死を待つ様は、牙を折られた獅子にはお似合いだ。
だが兄上。貴方も精々不穏分子に寝首を掻かれぬよう、気をつけられることだ。
[兄へと視線を戻し薄笑みを浮かべると、残りのロールケェキを食べ切り、滓の付いた指を粗暴に払う。 それから飾りテーブルに置かれた箱からもう一つロールケェキを取り出すと、第一皇子へと放る]
どうぞ。 口止め料です。馬鹿騒ぎが終わったらまた軍事視察に戻らねばならないからな。投獄されてはかなわん。
(@10) 2011/03/19(Sat) 02時頃
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ヴェス……
[もう一度、嗜めるように弟の名前を呼び]
知っているとも。和平路線へと切り替えた陛下、そして和平方向を目指す私のやり方が気に入らない者がいるのはな。だが、私も自分の信念を曲げるつもりはない。
……忠告はありがたく受け取っておく。
[きっぱりと告げると、弟の動きを眼で追って。放られたロールケェキを、おっと、と言う声と共に両手で受け止めた]
こら、ヴェス。食べ物を投げるな。 …チョコクリームか、ありがとう。
[生クリームが苦手な第一皇子は、素直に礼を告げた]
(@11) 2011/03/19(Sat) 02時頃
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知っている。 俺もまた、己の信念を変える気はない。
武力をもって他国を圧倒することこそが、帝国を揺るぎないものにするのだ。
弱気な外交など言語道断。
…菓子一つで不敬罪を見逃してもらえるのなら安いものだ。 では失礼。
[ロールケェキが第一皇子の手に収まるのを一瞥し、踵を返すと、足音を刻み響かせながら玉座の間を後にした。**]
(@12) 2011/03/19(Sat) 02時頃
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[兄弟同士、あわぬ主張に密かに溜息をつきながら。 去る弟の背に]
ああ、慌しかったから、大事な事を言い忘れていたよ、ヴェス。 ……無事に帰ってきて、何よりだ。
[穏やかに告げると、しばらく後姿を見守り。思い出したかのように、手の中にあるロールケェキを千切り、口の中に放り込んだ]
…美味いな。
(@13) 2011/03/19(Sat) 02時頃
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……あ。 いや、これは違うんだサイモン、これはだな……
[しばらくその場で立ったまま食べていると、近衛師団長であり、幼い頃の教育係でもあったサイモンに見つかった。 言い訳する前に『もうすぐ皇帝になられるお方が品のない!』と説教をされる。
一頻り叱られると、こっそりと肩を竦めてから、自らの執務室へと歩き出す。途中、廊下の窓から空を見上げ]
皇帝……か。
[様々な想いが込められた呟きを聞いた者は、本人以外にはいなかった。**]
(@14) 2011/03/19(Sat) 02時頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2011/03/19(Sat) 02時頃
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― 宮廷内・茶話室 ―
[髭面の男がどっかりかけて、煙草をくゆらしている。]
(1) 2011/03/20(Sun) 00時半頃
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