43 朱隠し
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ふん、ばかって言う奴がばかやねんぞ。
[腕を組む。 その理屈は、面白いくらいに子どもの頃のそれと変わっていない]
もう俺も、子どもじゃないからな。 そんな、泣いたりせえへんよ。
(101) 2011/02/18(Fri) 03時頃
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俺は山の神だから例外なんだ。
[張り合うように腕を組む。 子供が大人に成る年月を経ても、アヤカシの仕種は変わらない。 むしろ青年が大人になった分、子供っぽく映るかもしれない]
……それでもお前は、 何時までも泣き虫サダだ。
(102) 2011/02/18(Fri) 03時頃
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[朧を微笑ましいと思っていたところに藤之助の言葉が飛び込んでくる]
は…いぃ…?
[言葉の意味を理解するまで数瞬…その後湯気が出るかというほど真っ赤になって呆然とする]
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じぃがお前を導いてくれる。 俺は未だ、行けぬから……先に行って待っていてくれ。
約定を果たしたらすぐに戻るから。 そしたら飛びきり美味い飴を頼むな。
(103) 2011/02/18(Fri) 03時頃
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そんなん、ずるいからなしやで〜。
[不服そうに呟いた。…子どもの時は年上の兄ちゃんだと思っていたけど、今見ると、幼く見えるような気がして]
じゃあお前は、寂しがりでいたずら好きのウト、やね。
(104) 2011/02/18(Fri) 03時頃
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何だ、酔いたかったのか?
[藤乃助に軽く笑う。
隣の部屋からもう一組、布団を朧の寝るそれの横に敷く。
丸行灯のなかから小さな炎が部屋をぼうやりと照らしていた]
ん?どうした?
[部屋を出る前。かけられた声に振り返り]
……は?
[「一平太は今のままで、可愛いだろう。」
思わず返しそうになった台詞を飲み込んで]
よ、余計な世話だ!
[熱が上がったままに強い口調をたたきつけた]
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ああ。…ずっと待たせとったからなあ。 ちょっとくらい待ったるで?
昔よりもずっと上手に作れるようになったから、楽しみにしときな。
[笑えば、目が糸みたいに細くなった]
(105) 2011/02/18(Fri) 03時頃
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さびしがり屋は余計だ。
[ぷいっと背を向ける。 其の姿は小さく、幼い子供と変わらぬそれで]
……里に戻ったら、また沢山悪戯してやるからな。 覚えてろよ。
[ぽつり、呟いた]
(106) 2011/02/18(Fri) 03時頃
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[真っ赤になった一平太に、余計に顔が熱くなる。
寝入ってしまった朧と藤乃助を部屋に残し、
一平太と居間へと戻る]
ああ、ええと……
一平太は、酔っていない。か?
[言葉は、ぎこちなく]
私は呑めませんから…
[顔を赤らめた華月斎に答える]
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おう。 もう、ええんか。 [ゆらり、と。 ウトのすぐ横に現れた老妖は。 その頭をぐしゃりと、無理矢理に撫でる。] 下駄の礼だ。 気にするな。
(107) 2011/02/18(Fri) 03時頃
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[す…と、振り返る。 面のない素顔に浮かぶのは、穏やかな笑み。
自らの紅い眸をちょんちょんと撫でて]
相変わらず笑うと目がなくなるのだな。
(108) 2011/02/18(Fri) 03時頃
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[己の頭を撫でる大きな手。 暴れるでもなく、厭うでもなく。 その手が撫でるままに、アヤカシは大人しく身を寄せた]
……じい、頼んだ。
(109) 2011/02/18(Fri) 03時頃
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えー、程ほどにしてえやあ。 やられたらやりかえすで、俺?
[楽しげに笑うと、ウトに手を振った]
…人間、意外と変わらんねん。
[くいっと目尻を持ち上げながら]
(110) 2011/02/18(Fri) 03時頃
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[二組並んだ布団に座り、華月斎の強い口調もどこ吹く風]
ああ、仲良くな。
[にまにましたまま見送ると、薄暗い部屋ですっかり寝入った朧の顔を眺める。
無防備な寝顔を見ているだけでこちらまで眠くなるから不思議だ。運んでもらった布団には入らずにそのまま朧を腕の中に抱き込んで一緒に寝てしまおう]
……帰ったほうが良かったよなあ、互いに。
そう……か。そうだな。
ああ、しかし、こちらの里に来た人の子は、アヤカシに転じるものだと聞いた。
もしも体質が変わっているのなら、呑めるやもしれないな。
[机の上に広げた皿や椀を片付けようと、手を伸ばす。
ほんの少し残った猪口を見れば、
呑んでみるかと一平太に差し出してみる。]
[朧の額や頬に口付けたり、二人の様子に聞き耳を立てている内にいつしか意識は落ちて**]
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いや、変わったよ。
[目じりを持ち上げる相手に、笑って]
……昔ほど、泣かなくなった。 俺より大きくなったし。
おかげで見上げるのに、首が痛くてかなわん。
[だから、と続けて]
さっさと行ってしまえ。 じいが待ちくたびれて、干からびてしまう前にな。
(111) 2011/02/18(Fri) 03時半頃
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あ、はい…
[差し出された猪口を受け取り、飲み干す
喉にヒリつくような感覚を覚えたが、以前のように
すぐに倒れそうになる感覚はなかった]
…あれ?…平気…かもしれません。
[と言った直後ふわりと浮かぶような感覚が襲う]
あっ…
[上体がふらりと揺れた]
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[ウトへと頷き。] ……ああ。 忘れとった。 [狐の飴を、くるりと廻す。] ほれ。 これより旨いの、拵えて貰わんとな。 ……誰がこれ以上干乾びるか。 [それから、ウトの額を軽く小突く。]
(112) 2011/02/18(Fri) 03時半頃
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…そうか?自分じゃあんまりわからん。
[もう子どもではない、とさっき言ったのと逆の事を言った]
うん。ほんなら、また後で。 俺が迷子にならんよう、連れてってな、おっちゃん。
[ウトに背を向け、慶三郎に呼びかける]
(113) 2011/02/18(Fri) 03時半頃
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[何だ、ともう一杯薦めようかとした所で]
……お、っと。
平気ではなかったか。
[ふらつく体に、支えようと手を伸ばす]
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おう。 しっかりついて来い。 迷子になっても、探さんからの。 [に、と定吉に笑みを向け。 ついて来れる速度で、歩き出そうか。]
(114) 2011/02/18(Fri) 03時半頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2011/02/18(Fri) 03時半頃
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……あ痛。
[小突かれた額を押さえ、苦く笑う。 狐の飴は帯に確りと差して]
サダがまた泣き虫に戻らんように、見張っておいてくれ。
[背を向ける定吉にそう揶揄した後、 俺は門を開きに行って来ると告げ、風に消える。
りん――…と、鈴の音を一つ*残して*]
(115) 2011/02/18(Fri) 03時半頃
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んな殺生な!
くっそ、手ぇ繋がれへんの辛いなー。
[置いていかれまいと、慶三郎の後をついていく。
供え物台の横の地面に赤い風車を落とし忘れたまま。まるでそれは、定吉が神隠しにあった事を示す証のようで**]
(116) 2011/02/18(Fri) 03時半頃
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楽士 ウトは、メモを貼った。
2011/02/18(Fri) 03時半頃
飴師 定吉は、メモを貼った。
2011/02/18(Fri) 03時半頃
[体を支えようと出された手に縋るように手を伸ばし、
ふらついた勢いで華月斎の懐に飛び込む格好になった]
あ、ごめんなさい…
[と言いつつ、体を離そうとしてもうまく体がうごかない]
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[振り向きもせずに、ただ口の端を上げ真鍮を銜える。 夜の帳のさなかでも、煙管の灯はあかあかと燈るのだろう。] ――寒いの。 [ぽつりと洩れた呟きは。 白い息とともに。闇に、融ける。**]
(117) 2011/02/18(Fri) 04時頃
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[腕の中に収まった一平太に、瞬いた。
いや、腕を伸ばしたのだからこうなるのは不思議ではないはずなのだが。
動揺する。]
――… いや、謝る事は無い。
[触れている箇所がやけに熱いと感じるのは、酒のせいか。
預けられた重みを、手繰り寄せるようにそっと、両の腕で包み込む。
熱っぽい頬を、一平太の髪にくっつける]
謝らなくて、いい。
[もう一度、同じ言葉を。
熱い吐息を耳元で]
浪人 慶三郎は、メモを貼った。
2011/02/18(Fri) 04時頃
[耳元で不意にかかる熱い吐息に思わず]
あっ…
[艶っぽい声が出てしまった
恥ずかしさのあまり俯いたまま身動きも取れない]
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