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― 生徒会室 ―
…… おじゃま、しまっす。
[書類をまとめて、数学科の準備室へ届けた帰り。
ついでだからと、生徒会室へ運ぶ資料を頼まれた。
こんなところで長話するような知り合いも居ないし、長居は無用と。
さっさと置いて戻ろうとすれば、部屋は無人で]
無用心だなぁ。鍵の用心するって、言ったばっかなのに。
てか、お菓子も無いとか…… いやいや、取り締まる側がお菓子持ってちゃ駄目でしょ。
[ひとり突っ込みしつつ、誰かが戻ってくるのを待っている。
普段は、会長あたりが座っているのだろう、上座に腰掛け、軽く伸びをすれば、安物のパイプ椅子はきしりと鳴る。
蝉の合唱に、時折混じる自転車のベルや、グラウンドの運動部員たちの掛け声や、ボールを打ちはなす音。
こんなに賑やかなのに、静か過ぎると感じるなんて、どうかしてる]
メモを貼った。
? なにこれ。
[窓際の空きダンボールから、幾色もの布がはみ出ている。
ついでに、うさぎの付け耳も。
はて、と手を伸ばし、一枚摘み上げてみると
1.チャイナドレス
2.ウェディングドレス
3.タキシード
4.バニーガール
5.水着
6.メイドさん]
{1}
『何だ、もう来てたのか!』
はい?
[うさみみとチャイナドレスを手に、どーゆー取り合わせなのかと首をかしげていたら。
ノックもなしにやってきた顔は、確か副会長の先輩だったような]
『逃げ回ってるって聞いたんだけど、なーんだ。
じゃ、さっさとそれ着ちゃって』
……え、え、な、なんー…?!
[何が何やら分からないまま、ぐいっと準備室へ押しやられ。
早く早く、と急かされる声が、あちらから聞こえる。
先輩相手に、強く問い返す事も出来ず。
仕方ないので、着替えてみた。
女性らしさや、長い手足という身体的特徴からは、凡そ無縁の身で、思いっきりラインの出る服を着るのは、非常に抵抗があったけど。
危惧したほど、布地のあまりもなく、むしろピッタリなくらいで]
…… これ、まさか…
『いやー、似合う似合う!お子様雑技団みたいだけど、そんなとこもきっとお姉さま方の票をあつめぶばっ!?』
[ぺたり、という擬音があまりに似合う胸元に手を当てていれば、やっぱりノックもなしに入ってきた副会長。
いくらなんでも、女の子に対する態度と言葉じゃない。
いや、普段から女の子らしくなんて扱われたことは、数えるほどしかないけど、それにしても]
わーん、生徒会なんて変態のあつまりなんだばかー!!
[膝蹴りを食らわせると、くずおれる副会長をもう見向きせず、ちょちょ切れる涙を押さえようともせずに。
うさみみぴょこぴょこ揺らして走り去るのだった]
メモを貼った。
メモを貼った。
【人】 長老の孫 マーゴ―― 回想 ―― (442) 2010/08/07(Sat) 22時頃 |
【人】 長老の孫 マーゴ―― 少し前:2-B ―― (452) 2010/08/07(Sat) 22時頃 |
― 購買 ―
そーなんだよぅ。そりゃ、あたしこんなんだし、デリカシーもないし、出るとこも出てないけど、別に平気なわけじゃないのにー!
[えぐえぐ、とペッパーサワーの缶片手に管を巻くのを、馴染みのおばちゃんは、よしよしと話を聞いてくれた。
うさみみの付いたままな頭を撫でながら。
眉毛を捜す作業を忘れぬまま、ふと、そういえば誰かに眉毛コアラを貰ったはずなんだけど、とポケットを探るも、コアラは居なかった]
そーいえば……眉毛コアラの眉毛は、眉毛じゃないんだって。それしか覚えてないんだよね、誰に聞いたんだっけ?
てゆか、悪徳女王の45話、撮り損ねた気がして、おばちゃん絶対見てるだろーから、話聞こうとか思ってたんだよ。でも45話って、今週でも先週でも来週でもないじゃん? なんでそんな勘違いしたのかなぁ。
[慰められて気が済んだのか、同じ番組を追う者同士、取り留めの無い長話が始まる。
くい、とサワーをあおって、傾けた缶の光沢に]
ぶっ!!!!
[木の下で崩れる、今日の夢の主役に今この瞬間確定したに違いないお姫様。
しかも、ご丁寧に、最初に目いっぱい白塗りに頬紅ののせられた顔が、ズームで映り。
だんだんカメラが引いていく、というサービスっぷりだった。
噴いたサワーが勿体無い、といつもの思考に戻るまで。
缶を取り落としたことにすら気づかず、(07)分ほど固まっていた]
【人】 長老の孫 マーゴ……。 (462) 2010/08/07(Sat) 22時半頃 |
【人】 長老の孫 マーゴ[思いの他クリーンヒットしたように見えるおたまは、人形娘の動きを止めるだろうか] (467) 2010/08/07(Sat) 22時半頃 |
【人】 長老の孫 マーゴ[...ちらり、遠くも見る] (469) 2010/08/07(Sat) 23時頃 |
【人】 長老の孫 マーゴ『…やだっ! まだ遊ぶもんっ! まだまだ遊ぶのっ!』 (476) 2010/08/07(Sat) 23時頃 |
【人】 長老の孫 マーゴ[地団太を踏んで暴れる人形の手がまた伸びてくる。さっきよりも早い] (479) 2010/08/07(Sat) 23時頃 |
【人】 長老の孫 マーゴ[滑ったところで、人形娘は愕然とした顔を見せるだろうか] (481) 2010/08/07(Sat) 23時頃 |
【人】 長老の孫 マーゴ『いたい! いたいよ!! やっぱりきらい! きらい!!』 (486) 2010/08/07(Sat) 23時半頃 |
【人】 長老の孫 マーゴ『やだ! うねうね髪きらい! すぐふりまわすし! 投げるし! お水に入れるし! 何回も着せ替えするもん!』 (490) 2010/08/07(Sat) 23時半頃 |
ごめんおばちゃん! えっと、雑巾雑巾…… 、ぁ
[7分後。我に返って、慌てて片付けようと覗き込んだ、黒い水面に。
一揃いのような、エプロンドレスを纏った少女2人に、そして――]
っ、あか ……!
[今まで映らなかったその月は、確かに煌々と赤い光を滴らせていた。
よくよく見れば、ドールハウスに見えた建物が馴染みの校舎で、その傍らに立つ少女は規格外の大きさで、かつ人間に良く似てはいても、つくりものの光沢を赤くきらめかせていて。
そして、屋上に立つ、ちいさな、いや普通の少女の姿が]
マーゴちゃんっ!? ダメだよ、何言ってんの!
[いっしょに、と。
その声はけして大きくなかったけれど、はっきりと聞こえて。
一緒に。何処へ? この光景が見えている間だけは、はっきりしていく記憶が、影に呑まれる誰かを、思い出そうとし]
っ……!
[ばしゃ。
あっけない音で、投げ込まれた雑巾がたちまち水気を吸えば、夜の景色はたちまち消える。
はあ、と動いたわけでもないのに上がった息を堪え。
ぎゅ、と胸元を握り締める。ずきりと、痛みを訴えた、そこを]
【人】 長老の孫 マーゴ……ッ。……いい、よ。 (492) 2010/08/07(Sat) 23時半頃 |
【人】 長老の孫 マーゴ多分、あなたがわたしを、殺すより先に―― (496) 2010/08/07(Sat) 23時半頃 |
【人】 長老の孫 マーゴ[小さな狼が、マーゴの細い首に、おもむろに噛みついた] (499) 2010/08/08(Sun) 00時頃 |
→ 屋上 ―
は、 ……っ、 !
[呼べない名前。
分からない顔。
景色が消えれば、また不鮮明になる世界と、此処とが違う世界なのだということは、さすがに分かっている。
でも、それでも。
呼べない名前を呼びながら、グラウンドを、廊下を、階段を駆け]
……んで っ……
[開け放った屋上への扉。
その先には、誰も、やはり、居なくて]
なんで…… なんなの! 何も出来ないんなら、見せないでよ!
いっそ、忘れさせてくれればいいじゃん!
[見た、と思う光景が、今のことなのか、ずっと昔かいつかのことなのか、それすら分からない。
ただ、白々しいほど燦々と照りつける太陽の下。
ひとり、ぺたんと膝をついて、誰かの姿を確かに見たはずの其処を、ぎ、と引っかくしか出来なかった]
[意図があったわけじゃない。でも。
視線は、俯きがちのまま、けれど確かに、グラウンドの端に佇む樹を、ぐ、と見つめていた]
【人】 長老の孫 マーゴ……。あ。あは。ふ。んふ。んふふ。 (503) 2010/08/08(Sun) 00時頃 |
【人】 長老の孫 マーゴ…どうか。皆。なかま、だ、か――ら。おもいは、おなじ。 (506) 2010/08/08(Sun) 00時頃 |
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