人狼議事


194 花籠遊里

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[視界の隅に捉えた二つの影
遠目からと、一瞬の出来事にそれが誰であるかなどは分からない。

だからこそ青年が望むのはただ一つ]

(……どうか、知り合いでありませんように)

[首元を繋ぐ鎖に視線を落としながら、唇を噛み締める。
舌に広がる鉄錆。少し乾いた唇を湿らせては、張り付いた喉を潤す。]

(…お腹、空いた)

[呑気なあまりにも悠長な生理現象。自身に呆れつつも、下げた顎を上げ睫毛を上向かせた先は扉の向こう]


……俺は『花』じゃない。『人』だ。

[いつか、彼は告げていた。
物語を紡ぐのは人であると。

花籠を壊すことは出来ない。
花は翅を望んではいけない。

(それは花に与えられた運命であるけれど)

小鉢にて尾びれを揺らした梅の花。
小さな水面の下でしか咲けぬ命。

箱庭にて根を下ろす花々達の香りは未だ忘れることはない。]

(…でも、俺にはあの手がある。
月の下で、引いてくれたあの人の手の感触を俺は…覚えてる)

[月が綺麗だと謂って『外』へと導いてくれた手。
青年の脳裏に浮かぶは霧雨の中でもはっきりと歪んだ脣。がなり立てる金属音は騒々しく空気を軋ませる。]


──…ッ、こんな、モン…っ

[爪が革に食い込み、厭な音の後鋭い痛みが走る。
青年は眉間の皺を刻みつつも、やめる気配も見せず続けること少し。

閉ざされていた扉が開かれた]


[“煩い”その理由一つに見張りだろうか。屈強な男が現れては此方を見下ろす。青年はたじろぐことなく睨み返せば男の舌打ちが小部屋を揺らす。

それでも怯むことなく視線を投げつければ、やがて歪められた男の脣は弧を描き、下卑た笑みを浮かべて]

「嗚呼、紫とは大違いだ」

[と、比較するような言葉を投げつける。]

…紫?

[青年が不思議そうに鸚鵡の如く問いかければ、男は瞳に愉悦を滲ませ言葉を転がす。]


[そしてその“紫の人”が此処にいる男娼の一人であること。
艶やかな黒髪の持ち主であること。
そして、訪れた日にちを耳にして、瞳を強張らせただろう。]

………嘘、だろう。

[“藤之助さん?”問う声は儚く響く。

(あるはずがない。そんなこと。けどあの花見習いが嘘を吐いたのか?本当に?)

憔悴はまともな思考を、判断を鈍らせる。

狼狽しきっていた青年は気付かなかった。厭らしい貌をした男が一歩、二歩と距離を縮めていることに。
顎を掴まれてしまうまで。]



[何故そんなにも尽くしてくれるのかと、疑問は心中を渦巻くけれど。
その後の月言葉が鼓膜を叩けば、「キミは、」と。]

 もしかして、キミは。

[行方知れぬ花のことは、知らないけれど。確か櫻が数本の花を教えてくれたと、和やかな宵闇を脳裏に。

軈てその後のの姿も彼の主人の元へと消えたならば、少しして鉄籠から出されることもあっただろうか――]

 ………鶴、と。

[そんな呼名を宙に吐き、ひとつ。ふたつ。歩を進める。
――その呼び名は、亀と名につく彼と対局したような――それでいて、お揃いの物ではあったけれど。]



[足の裏は鉄籠の硬いものから地面の柔らかな其処へと。
ゆうるりと音も立てずに、まるで影のように静かに。逆を言うならばお淑やかに。…そんなことが似合う人柄でもないけれど、せめてもの少しの間、その主への本心を隠すかの様に。

鶴と、名を紡いだ声は果たして誰かに、隣に咲く花に聞こえただろうか。

紺瑠璃の裏には夢を隠し、その夢さえ隠すように瞳を伏せる。]

…連れて行くなら、早くしてくれるかい。

[――但し素直な口先が、主の逆鱗に触れたのならば。
添う花の前で頬を叩かれでも、しただろうか。]


―霧雨の朝から数日―

[内臓がジクジク痛む。寝転がった石の床の冷たさが頬に刺さった。

此処は花籠から遠く離れた下賤な檻。花とも呼べない奇異な姿形をした者達を客が買う処。
そして店を構える前の男が奉公し、逃げ出した処。
店が見つかってから連れ戻されるまでは早かった。店の女は見逃されたものの、当の男は折檻、折檻、折檻。]

…………飽きた、って…

[自分が何かを主張したところで、此処では何も変わらない。

ゴロンと寝返りを打つ。後ろ手に回された腕に課せられた手錠が金属音を鳴らした。
さて今日の仕事はといえば「店の前に手錠で繋がれる係」これは店の趣向を伝える為。
「花が吸う煙草の火を背中で消す係」花に、自分よりも下の人間がいると思わせる為。
外から、扉の鍵が開く音。始業の時間だ。]


[排水溝が臭う店頭で、椅子に腰掛けながら空を見上げた。まだ、月は出ていない。
思い出すのは連れ戻される前の夜。無理やり言わせた言葉。]

馬鹿か。

[空に唾でも吐きかけるように自嘲した。背中の熱さと風の冷たさを感じながら、眠るように瞼を伏せる。*]


メモを貼った。


[問われた言葉には視線だけ呉れ、口元に人差し指を当て、踵を返したろう]

…鶴、ですか。良い名ですね。

[新しくついた花見習い。揶揄の様な口先、主の前でしたなら平手が飛んできただろうか
少しばかり怒る主に責任持って育てろと言われれば頷いて]

私は紫。宜しくお願いしますね。

[そう言って鶴に微笑みかければ、水揚げの日を聞いて脳裏で計算。そして耳元で]

……1か月。その間に亀吉の居所を探します。
くれぐれも、君は怪しい動きをしない様に。
私は処罰されてもいいですが、君には待っている人がいるのでしょう?

[忠告した後そう尋ね]


メモを貼った。


メモを貼った。



[主の姿に少しだけ肩の荷を下ろしたのは寸分。読めぬ宵闇よりかは大分マシだと呆れさえ滲ませた笑みを浮かべ、――そうして告げられた期間には、即座に笑みは凍ってしまった。]

 …一ヶ月?…長すぎる。

 ここから先を行った森の中、そこに月が落ちてる筈だ。
 …きっと。

[震える声は何の為か。悪寒は胸を過っては背筋を這い、ただ悪戯に気持ちを焦らすのみ。

「…だから、そこを始めに探して」
続けた聲は低く地面を這いずり回る。
脳裏にちらついた月光の名残は消ゆることを知らず、「万一其処に居なければ」、と、…薄汚れた金持ちの存在を、静かに紡ぐ。]

 ―…怪しい動きなんて、するもんか。

[月さえ。そう。彼さえ無事ならば、例えこの身が永久に地下の宵闇へ沈むこととなろうとも。
然しそうでないなら別だと――唇は歪に形を変えては、続いた質問にはただただ秘密と顔を背け]



 …紫。キミが月と何の縁があるかは知らないけど。
 信用は、する。今だけは。

 でも俺は、キミが罰されることになろうとも、その身を救うことはしないかもしれないよ。

[後に続けた言の葉は、冷酷とさえ譬喩されるかもしれない。
余裕があれば、もしかしたら、若しかすると、援護に回った飾り言葉さえ、自信を無くしては地面へと落ちて逝く。

ただ、キミに何かあることで、淡藤の頭が垂れてしまうのなら。

その時はその時だと、温情は腹に沈めた。]

――だから、だけど。…共に月を、探して欲しい。


わかりました、森ですね。
では最初にそちらに足をのばしましょう。

[震える声を聞けば心得たと頷いて
万一言ない場合はという場合のことも静かに聞く]

金持ち……ああ、あの方か。
心当たりはあります。淡藤に執着している主のことでしょう。
先にそちらを探した方がいいかもしれませんね。情報感謝します。

[秘密と顔をそむける様子には苦笑一つ
今だけは信用するという言葉に何処か疲れた笑み浮かべ]

……ええ、今だけでいい、信用さえしてくれるなら。

別に救わずとも構いません。しいて言えば私は羨ましいのかもしれない。
私は、願えなかったから。
大切なものなどもう、なにもないのです。

[飾り言葉にも首を振り、必要ないと切り捨てた]


だから私を使い捨てなさい。
亀吉君が君の月なら、それを共に探しましょう。
僕とてあの人の幸せ願っているのですから。

[そう、鶴に告げれば踵を返して
空には朧月がかかっていたろうか]



[その疲れた表情に、何処か遠い昔のデジャヴュを感じたのは――疲れているのかもしれない。なんて]

 …探したりは、しないの。……大切なもの。

[羨ましいと、正直に伝えられる欲にはただ移った困惑を示し。
願えなかったと言を紡ぐその怖色は、どんな色に染まって居たのか皆目付けることさえせずに。ただ、はきりと言うならば。その色は「後悔」のようにも思えた。]

 ( なら、もうそれ以上は )

[「キミが苦しむようなことは、しない方がイイんじゃないのかな。」

慈悲とも、御節介とも、余計な言葉添えとも取れる其れは、彼の横を通り過ぎる際にちいさくこすりを上げては目前の花へと。
草臥れた花はまるで生気さえも無く、…次に摘ままれたのならば、直ぐに折れてしまいそうだとさえ、不謹慎な感想を持った。]

 …キミ、ここから離れた方が、いいよ。

[そうしてその背を、そっと前へと押し出しては、欲の渦巻く娼館へと足を踏み入れた。*]





――その入口に、宵闇は亡かった。

かの花籠より随分質素に感じられる扉を潜り、踵を鳴らす。まるで隅々へ響いた踵音は娼館に吸い込まれては、廊下の奥の奥、遠い暗闇へと消え融けて行く。

背後を振り返っても、道標は無い。
前道も茨に呑まれてしまった。

真の信を置けるものは夜に咲く花、夜空の月。ただ変わらぬ光を、…慈悲を。情を。変わらずに躯へ与えてくれるただ一人の「  」。

《パンは鳥に食べられてしまった。》
《進む道は、茨道。》

いつの間にか、夜のろうそくは燃え尽きてしまった。うれしげにはしゃぐ朝の光が、もやに烟る山の頂で爪先立ちしている。


《行って生きのびるか、とどまって死ぬか》

籠の中から翅を空に、天に伸ばした時から、進む道は前にしか無く。

「だから、この先を」

――歩めばキミを 見付けられるだろうか。
月を森に隠した筈が、今度は自分が迷子になってしまったと、口端は震えながらに弧を描く。

そうして、その先。視えぬその先を見る為に。紫の言葉さえにも意にも介さず――否。少しばかり、同情したのかもしれない。草臥れた花に。色褪せた紫に。
だから、だからこそ。
走ったその先、開けた場所に月が大きく咲くまでの道程を、只管に。

「……待ってて。」

      ―― 走る。




衝突に衝動に呻く花々。
耳に入る怒声。
背後を追う葦音。
耳を劈く激しい音は銃口でも鳴らしているのだろうか。

それでも耳に蓋を、意識に板を立て。視界を過った月明りだけを頼りに、格好悪い程我武者羅に足を動かすのは本能か、はたまた理性か。

「   こ…ッの…!!」

――まるで禁断の果実を齧り逃げる罪人だと、人は背を指差しせせら嗤うだろうか。

石畳を駆け下りては、人混みを掻き分け。紛れ込む宵闇の影には冷汗さえ混じえながら。息が浅くなっていることなどは当に知らず、洒落た地面を蹴り立て独り、奔る。
濡れた衣服が気持ち悪いと、そんな冗談さえ捨て置いて。



――まるで見た目に魅せられ本質を知らずに恋をした白雪の王子だと、人は嗤うだろうか。

かの月の下、隠れる銀月に手を差し伸べた夜はまだ浅く。
その夜綴った愛情は、そう、自分の欲を満たす為のものだったと――言い切れはしないけれど。
震える彼を、憂を滲ませる彼を前に抱いた感情は「罪悪感」。
それが何処から来たものなのか、心中を探り当て見付けたのは「恋心」。
愛しい者を虐げ泣かした青年の、可愛く無い一つの情。

芽生えた胸花はただ擽ったく。到底慣れるものでは無いと知りながら。
それでも月を追ってしまう自分は、牀榻な莫迦だと、彼は微笑うだろうか…あの日のように。


[『探したりはしないのか』
そう問う声は胸を抉る
きっとその大切なものは、花籠の中で大輪の花を咲かせているだろう
きょうも あすも あさっても
だからこそもう、手に届かぬのだと諦めたのだ
儚く笑んで瞳閉じれば郷愁を振り払う

続く言葉は慈悲か節介かは知らねど、その若者の心根が美しいことを示唆していた
だからこそ助けたいとも思う
もう藤には戻れぬ、汚れた紫なればこそ

後悔は一度で十分だから]

――私には。もう帰る所もないのに?

[もうなにもない。たいせつなものも。
唯そう呟けば背を押し出す手を受け、真っ直ぐ歩んでいく

淡藤が強欲なる主の手に囚われたという知らせを彼の元へ運んできたのは。十日たった頃だった*]


─?─

[どれくらいの時が経っただろう。
此処へ連れられてからの時間経過はあまり覚えていない。

“紫”と呼ばれた男娼と会う機会はその後あったか、無かったか。
あったのならば、“何故こんなところに”と言葉を零しただろう。

鎖に繋がれて何度も脱走を試みようとした。その度全て失敗に終わり、身体に刻まれるは複数の刻印。

“立場を弁えろ”
“主は誰だ”
耳元で呪詛のように呟かれた言葉。

その度に心が軋み、身体が切り裂かれそうになれど、首を垂れることはせず唯々睨み付けていただろう。]


……藤之助さん。

[沈む空に向かって名を紡ぐは藤の人。
彼の宵闇を裂くような琴の旋律はもう奏でることは出来ない。]

(…せめて、せめて同じ場所にいられたのなら)

[朧月と違い、彼と特別親しい訳でもあるまい。

枯れぬ桜の梢と違い包み込むような暖かさも愛らしさもあるまい。

彼岸花を思わせる灼熱の桔梗のようにうまく仮面をかぶることもできまい。]

(…それでも、)

[手のひらを握り締め、俯く夜は長い。爪はすっかり伸び整えられた髪はかつての潤いもなく、ただ伸ばされたままの散切り頭。

落ちるため息は、深く─…]


……どれだけ罪を洗い流せば、空は許してくれるのでしょうか。

[薄暗い室内を眺める瞳は、ボンヤリと昏く。]

……高望み、だったのでしょうか。

[『花』が、『人』になど。
ぽつりと落ちる呟きは、唯々静まり返った屋根裏部屋を揺らしていく。]

…『花』はいつも…美しくなければ、いけなくて。

[顎を引いた先に映るは、薄汚れた手]

…『花』は蝶を選んでは、なりません。
…『花』は翅がほしいと願ってはなりません。

[指先が揺れて視界はボンヤリと浮かぶ月のように曖昧なもの]



礼儀のノックは必要無し。

舞い散る鮮血は稀に見ゆる紅の螢。

月に集る薄汚れた小虫は見た目に違わぬ音を立て床に崩れる。

そうして擦れる鎖は月を空へ戻す為の重い釣り糸。

――「嗚呼、やっぱりここに居たんだ」と。
     月人は路を辿り、光に揺蕩えば安堵を込めてはにかむ。

幼少の頃から毒を食した蝶が毒を持つ翅を伸ばす様に、また「青年」も毒を散らしては紅月に唄い。

ただ一つ、その鎖を断ち切ったのならば。
軈ては「彼」へと手を差し伸べて、人は唄う。


何方かを好いても
何方かを嫌っても

けっして、ならぬ

特別など……、

──あっては、ならぬのです。


[「しあわせですか」
いつかの問いが、櫻の香りがふわりと漂うような錯覚。
腕を掻き抱くようにして、自身を包み込み、青年は─]


――そしていつかの日――
["花が逃げたぞ"
そんな言葉がささやかれるのを聞けば

手引きした男はそっと笑んだ]








「…綺麗な綺麗なお月様。俺と一緒に、永久に逃避行をしてくれませんか。」


――なんて。**



“True love never grows old”

(真実の愛は朽ちることはない)


[はにかみ、深く刻まれた笑みの痕にそっと雫を垂らして]

しあわせです。

[そっと祝詞を口遊んで、視線を向けた扉の先から零れたのは─]


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