244 とある生徒会長の日常
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だが、俺は俺のやる事をやるまで―――――……
[少年はその金糸を文字通り糸で束ね上げる。 そして糸が結わえ付けられた長定規を背負い、往く。
扉へ? いいや、違う。
グラウンドが見える窓へ。 躊躇いなく、一気にその身を空へ投げる!!!]
(48) 2016/01/15(Fri) 21時半頃
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[―――――――ダ ァ ンッ !!!! ]
(49) 2016/01/15(Fri) 21時半頃
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『馬鹿な!飛び降りただと!?』
『正気かよ!!一体何階だと思ってんだ!!!』
『きゃああああああああ!!!!』
[そんな悲鳴にも似た声が一年生達の合間から上がる。 勿論、そのまま落ちれば無事では済まないだろう、しかし]
(50) 2016/01/15(Fri) 21時半頃
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は ッ……!!
[シュ コ ォッ ―――……]
[それは空中に浮く間の一瞬の出来事。 少年は同時にいくつかの針の穴へ糸を通し、校舎へと投げ放った。
針の先は校舎の壁を抉り、突き刺さる。 そうして、まるで舞踏《ダンス》を踊るが如く 校舎の壁を蹴り、糸を手繰って地上に舞い降りる姿が其処に。]
(51) 2016/01/15(Fri) 21時半頃
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[ ゴ フ ―――――――――…… ォゥ…… ]
さて、誰か居ないか。
[砂煙を巻き上げ、少年の姿を隠したのは一瞬。 煙が晴れる頃、女子生徒が恐る恐る開いた目には 糸をも巻き取り終え、平然と立ち尽くす少年の姿があるだけだった。]
(52) 2016/01/15(Fri) 22時頃
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―――誰だッ!!!
[>>56突如現れた謎の美少女(?) 暗黒色をした剣は、グラウンドを鳴らす。
同じクラスの明乃という事は事前情報 ……というかまあ色々な色々で知り得てはいるが。 いざ目の前に立ってみるとその出で立ちは……別格だ。]
俺は、名乗る程の名前はない。
[かざ糸の……などと呼ばれてはいるが それは先代の築き上げてきた手芸部があったからこそで だから、少年は今はこう言う]
(59) 2016/01/15(Fri) 22時半頃
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―――――……通りすがりの、ただの手芸部だ。
[ズォ……、と背から抜けられた長定規。 まるで剣のように伸びたるそれは、今 暗黒騎士団《剣道部》と対峙した。]
(60) 2016/01/15(Fri) 22時半頃
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良いだろう、その裏声がいつまで続くか見せてみろ!!!
[逃げも隠れもしない。 真正面から暗黒の刃を、長定規で受け止めて―――……]
ぐッ……!!!
[だがしかし、あくまでも運動部ではない手芸部だ。 純粋な力では圧倒的に剣道部の方が上。 少年の身体は弾かれたようにグラウンドを滑る。
――――ならば。]
(66) 2016/01/15(Fri) 23時頃
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―――――神速・採寸ロンド!!!!!
[ジャコ ッ] [ ジャコ ォッ …… ]
[少年の制服内側から対なるメジャーが取り出され それはXを描いてトルンの身体を採寸せんと襲いゆく!!]
(67) 2016/01/15(Fri) 23時頃
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――――― づ、ァッ……!!!
[>>74色は暗黒。……にも関わらず それを操る動きは、いと可憐(!)であったという。
剣技・ブラックトゥルースはメジャーを叩き堕とし 手芸部がうつ手段はもはやない……かのように見えた。]
だが…… ッ “既に採寸は完了”している。
[コオ、と光に当てられれば、糸が見える。 トルンが着込む可愛らしい服から、少年の手へと伸びる糸が。]
(79) 2016/01/15(Fri) 23時半頃
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直す事に長けるという事は
つまり!!!
その逆にも長けるという事―――!!!
[医者と似たようなものだ。 直し方を知っているのであれば 壊し方をも、少年は熟知している。]
(81) 2016/01/15(Fri) 23時半頃
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――――…… 輪廻糸走・ラプソティー
[それは、相手の服を解れさせ 隙を作るという手芸部の奥義の一つ。 鎧部分には通じないだろうが、着込んだ服であれば或いは。
一年前、先代がやってのけたこの技に 男子特有の憧れを抱いたのもまた事実であるが 今、現実に対峙しているのは女物の服を着た男である。**]
(82) 2016/01/15(Fri) 23時半頃
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はぁっ……… !!
[さて、トルンがトルンであるが故の 装飾部分は一体どうなってしまったのか。
それはさておき、手首を抑えながら身体を起こした少年に 何やら地響きのような音が遠くから聞こえてくる―――……]
(107) 2016/01/16(Sat) 20時半頃
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[┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨]
[と、そんな効果音が付きそうな程の速さで 四足歩行の白い物体がこちらへ駆けて来る。]
あ、あれは……漫研部部長か……!?
[何故このような着ぐるみを着たような姿になってしまったのか 萌えの過剰摂取《ドーピング》でもしたのかは分からないが 完全に理性を失っているように見えたそれは、 ただただ恐ろしいものであった。by手芸部]
(108) 2016/01/16(Sat) 20時半頃
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ちょ、ま ッ ………!!!!
オイ待て……
[ドゴ ォゥッ―――!!! と、そんな音を立てて渾身の体当たりを喰らう。 通信機内の忠告をやっとの思いで聞き取れば、対象から距離を取り。
男相手であれば問題ないだろうと思っていた奥義も 彼女の手にかかれば問題大有りらしい。]
(111) 2016/01/16(Sat) 22時頃
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こんな時………アイツが居てくれれば……… ッ !!!!
(112) 2016/01/16(Sat) 22時頃
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……萌えの過剰供給《オーバードーズ》、か。 サービスをすれば自滅するかも、とは言うが……
[一体それは何なんだ。 少年自身は疎い為、分からない。 やはり“アイツ”が居なければダメなのか……?
そんな事を考える内にも、白い悪魔は襲い来る。]
(117) 2016/01/16(Sat) 22時半頃
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―――――――ぐ ッ……!!!
[いくらかのダメージを覚悟し、目を瞑った……その時だ。
>>114暖色の毛糸が編み込まれ、地を這い 漫研部部長、もとい白い悪魔の動きを止めた。]
(118) 2016/01/16(Sat) 22時半頃
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礼は、言わんぞ……… 俺を救った事を、今に後悔するだろうな!!!
[そうして、男も糸を通した針を四方へ投げた。 針が刺さった場所を支点として、操り人形の如く白を絡め取る。
毛糸と糸。 二つの糸は同時に漫研部の動きを奪う。 ここに螺旋十糸《ダブル・チェイン》が完成したのだ。]
(119) 2016/01/16(Sat) 22時半頃
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………ッ ………!!!!
[だが、所詮は動きを抑えるだけだ。 決定打が決まらない事には恐らく暴走は止まらないだろう。
二人の力で果たして何処まで持ちこたえられるか分からないが 今は、救世主《メシア》が来るのを信じて待つ。]
(120) 2016/01/16(Sat) 22時半頃
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俺は、……これでも手芸部部長だ。
遅れは取らない。
[編み手へと返す強気な言葉とは裏腹に その額には、疲労の汗が滲み。
少しでも気を緩めば、飲み込まれてしまいそうな錯覚を覚えた。 ―――――その時だ。声がしたのは。]
(125) 2016/01/16(Sat) 23時頃
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『 か……
け
ざ ん 』
(126) 2016/01/16(Sat) 23時頃
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……今、何て言った………?
か…… 掛け算……?
[かけ算と聞いて思い浮かぶのは 最早、あの男―――数学研究部の石動しかいない。
糸を繋ぐのに必死で、編み手の近くに彼がいるなどという事は ろくに意識出来ないまま、しかし叫ぶ。]
(127) 2016/01/16(Sat) 23時頃
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掛け算だ!!!!掛け算をぶつけてくれ!!!!
[もはや意味が分からない。 だが、数式というのはいつもそんなものだ。
サインだのコサインだのタンジェントだの 一般人には到底意味など計り知れない、が。
それに意味を見つけるのが、“彼”であると少年は思っていた。]
(128) 2016/01/16(Sat) 23時頃
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ぐ、 ッ………
[>>134胸倉を掴まれれば、ぐらりと身体が揺れる。 彼の考えている事は予想など付くはずもなかったが どうやら生気を漫研部に吸い取られてしまっているらしい。]
先に逝く俺を、許せ……
後は、任せたぞ。 お前なら、お前なら必ず辿り着ける。
[震える手は、彼の肩を掴んだかと思うと そのまま雪崩れるように地へ落ちる。]
(137) 2016/01/16(Sat) 23時半頃
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小数点の向こう側へな――――――………
[そうして、静かに目を閉じた。
嗚呼、漫研部部長よ、悲恋厨であってくれ。 そんな事を手芸部の代わりにナレーションは思う。]
(138) 2016/01/16(Sat) 23時半頃
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ディーンは、※生気を奪われているだけなので漫研部さえ倒せば復活します
2016/01/16(Sat) 23時半頃
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『どっちだぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』
『どっちだぁぁぁぁぁぁ………』
『だぁぁぁ……』
[ハカリはそんな声を、夢の中で聞いたような気がした。 そして呼ばれるように、薄く目を開き、覚醒していく。
何度も言うが、少年の成績は中の下だ。 むずかしい事なんて分からない。
だが、これだけは言える―――……]
(151) 2016/01/17(Sun) 00時頃
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顔近えよ!!!!!!!!
[それは最早反射と言っても言い。 >>142近くにある顔を殴らんと拳を振り抜いた。
心配してくれたのに何事かと思われたとしても この瞬間、手芸部ではなく、男子高校生としてのノリが出てしまった。]
(152) 2016/01/17(Sun) 00時頃
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はっ すまん、つい。
[>>157バッグが汚れるなどという事はお構いなしで 崩れ落ちた石動を心配し、抱き起こす。
無限ループって怖くね? そんな調子で殴り返されればそれまでだが 助けられた身という事は承知している。]
(159) 2016/01/17(Sun) 00時半頃
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礼を言う。 ………だが、次会う時はこうはいかない。
[今の戦いで石動の制服にほつれが出来たなら 素早く針と糸で直してから、覚束ない足取りでその場を離れよう**]
(160) 2016/01/17(Sun) 00時半頃
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