261 甘き死よ、来たれ
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[彼女の頭上には、名前。
尾崎さんや歌瀬ちゃんと同じように。でも、違うのは。
さっきのカウントダウンの数字が見当たらなかったこと。
何故だろうと思いつつ、名を呼んでみた。]
中秀、春。ちゃん?
[ぴくり。
聞こえてはいる、気がした。しばらく待ってみようか。思い当たる事がないわけじゃない、し。**]
受付 アイリスは、メモを貼った。
2016/12/16(Fri) 16時頃
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[つきん、と片目が痛んだ。]
(55) 2016/12/16(Fri) 16時半頃
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だめ!
[メリーを奪われ、手を伸ばすも一瞬>>58]
ッ、いっ、……
[突然、身体が捩れるような痛みが襲う。 折れるように膝をついて、悶絶の声が喉から溢れ出る]
―――っ、ぁあああ!
[骨という骨が、軋み上がる。 肉という肉が、悲鳴を上げる。]
(59) 2016/12/16(Fri) 17時半頃
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……っ、お願い、返して―――
[この身体に起こる異変よりも、 大事なぬいぐるみを取り返そうと必死でもがいて。]
っ、く……
[先程痛んだ目が、体液を落とす。 それは涙などではなく、どろりと溶ける白目の一部だった。*]
(60) 2016/12/16(Fri) 17時半頃
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受付 アイリスは、メモを貼った。
2016/12/16(Fri) 17時半頃
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[彼がメリーを弄る手を止めたなら、痛みは一時的に消えていく。
ただ、瞳だけは。 メリーから失われた片目に倣うように 溶け零れ始めたまま、止まらない。]
……っん
[銃を構える男に、ふるふると首を振って 手で片目を覆い、ごめんなさい。とつぶやきを]
行かないから、何もしないから その子を返してくださ、い……
[懇願は、切実なもの。 彼が銃を撃てば、私は死んでしまうのだろうか?
それでも恐ろしい化け物のように起き上がるのではないかと、そんな気がして我ながら畏怖が襲う。*]
(62) 2016/12/16(Fri) 17時半頃
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――う、ぁ
[メリーを投げられると、身体が宙に浮く感覚に受け取ることはできずに、ぬいぐるみが地に落ちた瞬間、叩きつけられたような痛みに蹲る。 少しだけ呻くも、這いずってメリーを抱き抱えると]
わからない、けれど―――
[何なのかと問われれば私自身も理解は追いつかない。] ……ありがとう。
[返してくれたことへの礼を告げ、弱い笑みを浮かべて、目的であった食糧も水も得ることなく、覚束無い足取りでシェルターの外へ向かおうと。
これ以上の醜態を見せてしまったら、殺されてしまうだろうから、せめて最後に、クリスマスを、やり直したいと思ったのだ。 彼が追ってくることがなければ、 そのまま鈍足で荒廃した街を歩く。*]
(66) 2016/12/16(Fri) 18時頃
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受付 アイリスは、メモを貼った。
2016/12/16(Fri) 18時半頃
アイリスは、トレイルに話の続きを促した。
2016/12/16(Fri) 19時頃
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[エフは、私がどんな風に見えたのだろう。 少なくとも、この目の状態を見れば、 誰だって震駭するだろうけれど、 それにしても、動揺の仕方が酷かったな、なんて。 私はそんなに醜いかしら?
とろとろと落ちていく眼球は 片栗粉を濃く溶かした水のようだ。 ほろり落ちる水晶体は、コンタクトレンズのような 茶色の虹彩を持っていた。
不思議と、強い痛みは感じずに ひんやりとした掌に包まれているような感覚。
それもやがて溢れきってしまえば、眼窩の奥に 脈絡膜、視神経、いわば人の体内である 充血したピンク色が覗く。]
(80) 2016/12/16(Fri) 20時頃
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……私、もうすぐ死ぬの?
[それはそれでいいのかな、なんて、無価値な私は思う。 まだ無事な片目で、片目だけになったぬいぐるみの瞳を見つめる。 違和感は以前から、あったといえばあったし、 なかったといえばなかった。
強いて言うならば、 何故私は、大切な人に渡し損ねただけのプレゼントを こんなにも大事に持ち歩いているのだろう?]
(81) 2016/12/16(Fri) 20時頃
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晴は、私のこと、好きだったかしら……。
[自信がなくて、眉を下げる。 友人として、親友として、思い合っていたのは確かだけれど それ以上の想いを抱いてたのは、私だけなのかもしれない。
臆病だったから。想いを打ち明けることをしなかった。 眠る彼女の頬に口接けて、満足をしたふり。 本当は唇と唇を触れさせたかったし、 柔らかな肌に触れたかった、 彼女だけのものになりたかった。
真っ直ぐに瞳を見つめて、好きだって言いたかった。]
もう叶わないね。
[路地裏の猫は、時折撫でてくれる彼女を想う。 正体を隠したままで、喉を鳴らして、擦り寄った。]
(82) 2016/12/16(Fri) 20時頃
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貴女のものになりたかったなぁ。
[拾って欲しかった。 飼い猫になって、貴女のそばにいたかったな。 ずっとずっと、一緒にいたかったな。
過去形の願望を抱いては、すべてが打ち砕かれていく。]
メリー、メリー。
[こぽりと、右腕の一部と肩の付け根が隆起して、肉が露出する。 ぬいぐるみの綿がはみ出している部分と、おんなじ。
不思議と血は流れないが、右腕はだらりと力なくぶらさがる。]
(83) 2016/12/16(Fri) 20時頃
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[手を繋ぐように、左手でぬいぐるみの手を持って 煌くイルミネーションを眺める。
本当はね、こんなふうに、デートスポットで リア充っていうのを、するつもりだったのよ。
恋人じゃないけれど、手を繋いで お酒を飲んでいい雰囲気になったら、 好きって、言いたかったの。
愛してるなんて、そんな言葉は まだあの時は言えなかったけれどね]
……あいしてる。
[貴女がいない今なら言えてしまう。 やっぱり私は、臆病者だ。]
(84) 2016/12/16(Fri) 20時頃
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[きらきら、きらきら。 イルミネーションが幻覚だということに気づかない。]
綺麗ね、そう思うでしょう?―――…藍。
[本当は、消えることのない、 ごうごうと燃え盛る炎の前で、 その赤を、見つめている。
私はメリー。 貴女に全てを捧げたかった、黒猫です。*]
(85) 2016/12/16(Fri) 20時頃
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受付 アイリスは、メモを貼った。
2016/12/16(Fri) 22時頃
―廃駅?―
んー…?
[何も変わっていやしない。
地面に自分の死体が転がってる以外には。]
えへっ、そりゃ無理に決まってるよなぁ。
[夢と現実は違う。
ドラ○もんやディ○ニーの世界じゃあるまいし。
勿論心の奥底から祈っていた"願い"なら神は振り向いてくれるのかもしれないが、思いつきの様な考えを口にした所で無意味なのは確かだ。]
[暫くその場所に佇んでいる、いや動けなかったと表現する方が正しいか。
すると藍がやってきた。]
…藍か。
すまねえな。
[届くはずの無い声を贈る。]
なあ、春ってのは待っても来るもんじゃねえ。
自分で奪い取らなきゃ、冬眠から目覚められないぜ?
[お供えとしてメリーの瞳を置くのは、やはり藍らしいなんて思いながら。
静かに立ち去る彼女に手を振る。]
…あばよ。
[中秀、春。ちゃん?
おっと再び来客か。
驚かすんじゃねえ、と声の主の方へと向く。
―――が、何かが違う。
いや、同じとも言えるか。]
お前は誰だ?
ってか、なんで俺の名前知ってるんだ?
どっかで会ったか?
[質問の嵐をぶつけてみる。
そして最後に]
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[幸い聴力は、衰えていなかった。 辛そうだね。ぽつりと聞こえた声に、>>105 私は少しの間を置いて、振り向く。]
……醜いでしょう?
[眼窩も剥き出しで、 隆起し肉が見えた箇所も幾つか。 けれどそれを隠そうとはせずに。
彼の顔を見たことは何度かある。]
(107) 2016/12/16(Fri) 22時半頃
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あなたは、冷くん?
[誰かが、彼の名をこっそり教えてくれたっけ。 私が彼に見惚れていた、なんて言われたけれど 別にそういう意味じゃない。 綺麗な顔立ちだと、感心していただけだから。]
……辛そうに見える? そうね、でもそんなことないの。
[どちらともつかぬ言葉を紡いで、 細める眸は片側だけ。]
(108) 2016/12/16(Fri) 22時半頃
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よかったら、聞いてくれるかしら。 私の――…
[ゆいごん、と、言おうとしたけれど よく考えたら、生きている人に 何かを伝え損ねた相手などいただろうか。]
そうね、私のちょっとした、気持ち。
[口許に笑みを添え、失われた目に触れる]
後悔がない死を 迎えて欲しいの。 無茶な話かも知れない、けど
幸せを感じて死ねたら、すてきよね。
[彼に語りかけるというよりも、独白のように。 私は、――おそらくそれが、叶うから。*]
(109) 2016/12/16(Fri) 22時半頃
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受付 アイリスは、メモを貼った。
2016/12/16(Fri) 22時半頃
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美人? ふふ、当たり前のこと言うのね。
……なんて少し前までは言ってたでしょうけど
[けど、と言葉は止めたけれど 彼の本音ならばそれは嬉しいことだと>>115、また相好を崩す。]
知っていてくれたのね。だけど残念。 藍は、こっち。
[と、片腕に抱いたぬいぐるみを示して]
私はメリー。
[冗談めかしたり、嘘をついている態はなく、告げる。]
(120) 2016/12/16(Fri) 23時頃
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……うん。 つらくもない、くるしくもない。
冷くん、最期にそう言ってくれて、うれしい。
[藍は、メリーは、どちらも幸せだから 名前のことは気にならないし、
よかった。
その言葉で、生きていたことを肯定された気持ち。 とても晴れやかに笑った。]
……じゃあね。 声、かけてくれて、ありがと。
[まるで明日も会えるような、そんな所作で手を振って 冷に、静かに背を向けた*]
(121) 2016/12/16(Fri) 23時頃
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受付 アイリスは、メモを貼った。
2016/12/16(Fri) 23時頃
アイリスは、トレイルに感謝し、炎を見つめる。
2016/12/16(Fri) 23時頃
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[焔という名のイルミネーションを眺め 少しの思案。
「あいちゃんはその人に、 自分をおくりたかったんだね。」>>0:47
……みょんこさんは、すごいなって。
そう、黒猫は私だ。>>0:24
どうしてわかったのかしらね。
くすりと笑みを浮かべて、 夕空に舞い上がる炎を眺め、
ぬいぐるみをきつく抱きしめる。 ああ、少しだけ苦しいなって、腕を緩めた。]
(125) 2016/12/16(Fri) 23時半頃
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[人格移入型 精神性身損傷症。
もしこの世界に医者がいて、医学が更に進んでいたら。 感染症というよりは、精神病の一種として そんな病名をつけていたかもしれない。
人格が無機物に入り込んだ結果、 無機物の破損が、身体の損傷を起こす いわば、思い込みで自らの身体を破壊する異常な状態。]
(126) 2016/12/16(Fri) 23時半頃
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[感覚がないとは言え、身体が酷く傷ついているせいか、 ぼんやりとした意識は幸福な幻覚を視せた。
記憶は、過去ではなく今、ここにある。 晴と過ごした日々は手を伸ばせばすぐそこに。
私は、今でも変わらず 幸せなままです。>>0:67]
(127) 2016/12/16(Fri) 23時半頃
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[だけど、貴女は隣にいないの。]
(128) 2016/12/16(Fri) 23時半頃
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[終わりにしよう。 黒猫のぬいぐるみを、火の中に投げ込んだ。
ぬいぐるみはすぐに炎に呑まれ]
―――あ、……
[燃え盛る場所からは離れているのに 産毛が焼けて、私の肌は爛れ、やがて炎に包まれる。 肉の焼ける匂いは、異臭を放ち]
ぁ……ぅ、あ……
[呻き声もすぐに消える。 口から喉に熱が入り、呼吸をすれど肺に酸素は入らない。
やがて、やがてすべてが燃え尽きて 焼死死体は、骨と焼け焦げたわずかな肉を残して、 ごろり、と転がり、何も語らない。**]
(129) 2016/12/16(Fri) 23時半頃
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[生前のわたしだったらきっと物怖じしてしまってたようなQの羅列だけど、いまのわたしには怖くなかった。淡々と一つずつ答えていく。]
わたしは小山内恵都。
あなたの名前は見えてるわ。
どこかですれ違うくらいはしたかもね。
[ そうして、ワンテンポ置いたらしい質問に、
ええ、とにっこりうなずいた。]
――そう、生きてる間に、シェルターかどこかで。
受付 アイリスは、メモを貼った。
2016/12/16(Fri) 23時半頃
じゃあわたしからも尋ね返そうかな。
わたしの名前は見えてなかったの?
じゃあ、現世は見えてる?
現世の人たちの名前は?
その頭上に数字があることとカウントダウンされてること、その意味は?
春ちゃんがさっき見てた人、
彼女もうすぐ、こっちに来ることは?
いくつ気づいてたかな。いくつ知ってるかな?
春ちゃんはさ、死後の世界ってあるとしたら、どんなのだと思ってた。
[ これは質問というより、語るための呼び水。]
わたしは、うーん、ざっくりだけど、たぶんね。
もっと平坦だと思ってた。
平穏っていうか。
もっと生々しくないっていうか。
[感覚的には生きてる頃とそんなに変わらない感じがする。現実に生きている人や物体に触れないことで、ああやっぱり、って確認してしまうくらいに。]
たぶん、この状態からでももっかい死ぬとか、しそうなくらいに。
幽霊とかゾンビってさ、ふつう眠ったりしないじゃない。
でも、なんか、……ふぁ。
急に眠くなってきたりとか、しそうで。
[わたしに合わせるように、だろうか?
春ちゃんも生欠伸したようなのが見えた。
まあ、思い込みと言われればそれまでだけど。
人は見たいものをみてしまう。
元人間の幽霊だってたぶん同じだろう。]
ん……と、ごめん。わたし、寝ちゃうかも。
[くらりと頭を泳がせた。
気を抜くとふわぁって身体が浮いてっちゃいそうだ。]
あ、でもまあ、まだ成仏しそうな気配はないから。
安心して?
[何を安心するかわからないけど、とりあえず。]
それと、天国に行ったりもしないから。
わたしは極楽送りが約束されてるのです。南無阿弥陀仏。
春に向かってまくし立てて、両手を合わせるとそのまま健やかな眠りについた。
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