人狼議事


24 明日の夜明け

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― 回想 赤い月の世界 ―
[マーゴが斃れてその場には緑ではなく、赤が広がった事だろう。
しかし赤い月に照らされるグラウンドに彼女から広がる赤は溶けるように、一つになるように、静かに染みて行く]

マーゴ‥‥‥ちゃん‥‥‥。

[大粒の雨が降る、それは無表情な人形のガラス球から毀れているようで]

泣いて――いるの‥‥‥?
そう、あなたも、悲しいのね?

[『敵』と称されていた人形はまるで小さな子供のように泣きじゃくっていた、その光景に胸が痛む]

なんで、こんな事になっちゃったの‥‥‥?
どうして‥‥‥?

連れ去られるのは、緑色になる事じゃないの?
だとしたら、ソフィアちゃんは――

[チカチカと赤と青が点滅を繰り返し、そして青の世界に――]


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― 回想 青い月の世界 ―
[マーゴの遺体を優しく掬いあげる人形、最後の悲痛な言葉は耳に焼きつき、心がいつまでもチクチクと痛んだ]

あの子は、『敵』だけど、『敵』じゃなかった。
ズリエルさんの格好を見れば、そんな気がするわ。
きっと、ただの小さな子供が大きくさせられてしまっただけ、そんな存在だったのよ。

[大きいと言う事はそれだけで恐怖となる、その内面や想いを見る事がなく人は巨大なものには畏怖するものだ]

‥‥‥あれ、なん――

[ドクンと体の芯が脈動するのを感じる、息が出来ない]

こ、れ‥‥‥何‥‥‥ラル、フ‥‥‥

[ドクンドクンと何かが芽吹くような強い脈動、もしも心臓が破裂したならばこういう痛みなのだろうかと思いながら胸を押さえてズリエルを引く手にも自然力が入る]

苦し‥‥‥やだ、痛い‥‥‥

[最後に強く大きく何かが弾けたように胸の中で脈動する、それと同時に緑色に染まり溶ける体]


― 精神世界 ―
[体がバラバラになるような痛み、よく形容されるその言葉。
本当に体がバラバラになってしまうなんて思いもしなかった、正確にはバラバラどころかドロドロなのだが。

体が溶けて行き、心だけになってしまうのが妙にはっきりと分かる、けれど心だけでもマーゴと人形との邂逅が心に刺さったまま痛みを発していて]

痛い、痛いよ‥‥‥。
なんで、こんな目に遭うの‥‥‥。
私、悪い事何もしてないのに‥‥‥。

ラルフ、ごめんね、私‥‥‥。
一緒に、居られないのかな‥‥‥。

[心だけになって最後に思うのも愛する人の事、体が溶けたように、心もまた溶けて、青い光を超えたその先の白い光へ吸い込まれるように光の泡となって消えて行く]

―――‥‥‥。


― 3A教室 ―
『―――‥‥‥レイ。
 ‥‥‥バークレイ。

 アイリス=バークレイ!』

は、はいっ!
はれ‥‥‥?

[聞きなれた声、世界史のゴドウィン先生の声だ。
辺りをキョロキョロと見回すと失笑しているクラスメイト達の姿、何が起こっているのか理解できずにただただおろおろとして]

『俺の授業で居眠りとは随分とお疲れのようだな。
 まだ夏休み気分が抜けてないってんなら、
 課題1271枚出してやろうか?
 ん?』

[顔はいつも笑顔だけれど、やる事は本当にえげつない先生。
心の中で毒づいてクラスを見回せばラルフも苦笑しているだろうか。
ゴドウィン先生のお小言を(08)分程聞かされた後席に着くよう促された]


[ため息をついて席に着けば隣に座っているシェリーから小さい手紙が送られてきて中を開く]

『なーに、ついにラルフ君としちゃったワケ?
 優等生のアイリスが居眠りなんて珍しいじゃん!
 こりゃ今夜はお赤飯かな?』

[等と囃し立てるのには真っ赤になった、その手紙のやり取りまでゴドウィン先生にみっちり叱られたのは言うまでもない]

―――‥‥‥

[授業中もまったく身が入らない、ミーンミーンともう夏も終わりだと言うのに懸命に最後の命を振り絞って鳴いているセミの声がチョークの音と調和して不思議な感覚だった]

(このクラスってこんなに静かだったっけ――)

[夏休みが終われば受験戦争、ラルフが言っていたような気がする、皆それに向けて動き出していると言う事だろうか]

なぁんか、つまんないの‥‥‥。

[なぜかそう思った、自分も受験生の一人であるにもかかわらず、他の事に気が向いてしまっている気がする。
けれどその事が思い出せなくて、ただぼんやりと窓の外を見つめている**]


―回想 伝説の樹付近―

[人形の手から、落ちる人影。
 何でもない事のように重力に従って、そして]

 見るな! ……見なくて良い……っ

[アイリスの顔を覆いたかったが、叶わなかった。
 強くなる地面の揺れに、立っている事も難しい。

 雨が降って、泣きじゃくる人形の少女は、

 落ちてしまったらもう元には戻らない体を手にとって、

 消える]

 …………――なんで、こんな事に、
 ならなきゃいけなかったんだ。

[悔恨の声はとても小さい]


―回想 伝説の樹付近―

[月が青色にその色を変えた途端、聞こえた声に振り向く]

 アイリス!

[叫び、手を伸ばす]

 ……――行くなッ!!

[溶ける腕を掴んだら、

 それは思いの強さで、己をも侵食して]

 ぐうっ……あ、――――!!

[繋いだ手から広がる苦痛は全身が破裂するよう。
 肩から肺に達したらもう息も出来ない。
 喉から漏れた、音。
 身の裡から何か、芽吹くように拍動して、溶け落ちる]


―3-A―

[ぱっ、と。
 視界は意識に気付かせない速さで反転した。

 世界史教諭の指名に答えない彼女にはらはらして。
 小言を聞かされて恨めしげな視線と目が合って、
 つい、苦笑してしまう。

 ――暢気なんだからなあ。

 性懲りもない小さな紙片の遣り取りも、
 後方に席がある自分の位置からは良く見える。
 そしてそう言うのは大概教壇からも見えているのだ]

 もう、夏も。終わりだね。

[4時限目終了のチャイムと同時、窓の外に呟きを向けた。

 良く晴れて、月は見えない**]


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―― 赤い月が青い月に変わる時 ――

[好きだった人形が。涙を流す姿を、見たような気がした]

……。ヒミツ。ヒミツは。ヒミツのまま。

[人形と共に、『そこ』から姿を消した後。
それだけは、大事なことだ、と、自分に呟いて。
泣いている人形に、行こう、と言って。
その意識を、心地よい闇にゆだねた――]


―― 保健室 ――

……。あれ?

[目が覚めたら保健室だった。
見渡すと、数人のクラスメイトが、ほっとしていて]

『よかったー』『よかった、起きたよー』

あれ、わたし、どうした…かな。

『覚えてない?』『ドッジボールしてたら』『ごめん、思いっきりぶつけちゃって』『マーゴ、後ろにこけて、頭打ってさ。気失ってたんだよ』

[矢継ぎ早に声をかけられる]


そ、そうなんだ。ごめんね。心配かけて。
そういえば、メ――――。メ…? あれ。ごめん、名前、ど忘れした。

『メって誰よー。あたしはアリスでしょー』『ちょっと、大丈夫?』『あー、でもそのくらいがいつものマーゴっぽい』『陸にあがるとぼんやりだからねー』

そこまで言わなくてもいいのに。

[ぷう、と頬を膨らまして。ベッドから降りる。保健の先生が、『ん、ヴェンネッタ、もう大丈夫か? もし、気持ち悪くなったりしたらすぐ誰かに言って休めよ』と言ってくるので、お礼を言って、保健室を後にした]


―― 休憩時間 ――

[隣のクラスに、ふと遊びに行って]

ソフィアちゃん。こんにちは。

[もし、何か元気が無さそうなら『どうかした?』くらいは言ったかもしれない]

……。あの。ごめん、ね?

[言ってから、自分で首をかしげて]

……なんだか、謝らないといけない事が、あった気がするんだけど…。なんだっけ。

[えへ、と笑う。そんな*日常*の断片]


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― 2-C ―

[じぃぃい、じぃぃい、と窓のすぐ外に止まった蝉が、存在を主張していた。
は、と顔を上げれば、もう休み時間。教室の人間は疎らで、少しだけ濃くなった空気に、うぃー、と伸びをして深呼吸]

 ん? やあやあ、マーゴちゃん!
 あっついねぇ、こんな暑いのに頑張れる蝉はすごいと思うんだぁ。

[掛けられた声に、ぶんぶか手を振る。
彼女は隣のクラスの友人だけど、こうしてお互いのクラスで何てことない話をするのだって、良く、]

 あれ、一人?
 ……ん、いや、あれ。何言ってんのかな。ごめん。

[あることなのに。ついと、自然にそんな言葉が出てしまって。
おかしな口を塞ぎながら、気を悪くしないでね、と慌ててぱたぱた手を振っていたら]


 ……? 何で、マーゴちゃんが謝んの?

[きょとんと見つめれば、彼女のほうも、分からない、と首を傾げていて。
ヘンなのー、とけらけら笑って、おあいこだね、と気にしないことにした]

 ん。……なんかね。夢を、見てた気がするんだぁ。
 夢だから、もう起きちゃったら、良く覚えてないんだけど。

 なんかさー…… そんな、全然詳しいこと覚えてないくせに、見たってことがすっごく、落ち着かないっていうか、気になるっていうか……。
 ……ね、顔も名前も覚えてないのに、もう一度同じ夢みて、その人に会いたいなーんて…… 笑うかな?

[夢の余韻か、ぼんやりする頭を押さえながら。
おかしいよね、とにへり笑うのだった]


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[ようやく地獄の4限目から解放される、クラスメイトたちはこぞって席をくっつけたりしながらお弁当を出し始めたり、購買にパンを買いに行ったりし始めて]

あうー‥‥‥もう世界史嫌いだよー‥‥‥。

[授業中外ばかり見ていた事もまた叱られてぐったりと机に突っ伏す]

‥‥‥ねえ、ラルフ。
ソフィアちゃん、今日来てるかな?

[がばっと急に身を起こして後ろを振り向く、ラルフの顔を見て急に生徒会の下級生を思い出す]

ソフィアちゃんに急に会いたくなっちゃった、今日はお昼三人で食べない?


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―3-A―

[昼休み、先生から再三注意されてぐったりのアイリスの席へ]

 言われてるのに余所見するからだろ。

[突っ伏した頭をぽむり撫でると、それは突然起き上がった]

 ソフィア? 来てるんじゃないかな。

[携帯を取り出す。アンテナは3本、バッテリーも3つ表示。
 電話も、掛ければ程なく繋がるだろう]

 あ、ソフィア? 良かった。
 ん。……いや、今日の昼、一緒に食べない? ってだけ。
 アイリスからソフィアにデートのお誘いだよ、
 『急に会いたくなった』ってさ。

 場所、生徒会室でも良い?


[ラルフに頭を撫でられて少し気は紛れるけれど、窓の方を見て]

だーって、なんか違うって気がするんだもん。
何かは分からないけど、何か足りないって言うか‥‥‥。
なんだか寂しいんだよ、今の学校。

[伝説の樹に茂る葉が風に煽られてサワサワと音を立てる、蝉の声と風の音。
伝説の樹の下にぼんやりと小さく人影が見えた気がして眼を擦る。
改めて見返すとそこにはやっぱり誰も居なくて]

何か、大切なものを忘れてる気がする。
それが人なのか、物なのか、それすらも分からないけど‥‥‥。

[ラルフがソフィアに電話をかける様子にはっとして自分の携帯を取り出す、ぱかりと開いて液晶画面を見ても別段おかしなところはない]

あれ‥‥‥。
なんでだろう、携帯が使えるのが不思議な事に感じる‥‥‥。
うーん、ゴドウィン先生の言う様にまだ夏休みボケしてるのかなぁ。


― 購買 ―

 ほぇ? はーいもしもし、ソフィアでっす。
 何か…、 ……ありました?

[昼休み。
今日は三色パンにしようかレッドホットチリパンにしようか、さんざ悩んでから、大人ののりたま弁当を手にしたところで、鳴る携帯]

 きゃー、先輩ったら熱烈ですねっ!
 勿論良いですよ、そんじゃまた後ほどー。

[ぴ。
通話画面の消えた画面を見つめて、少し考える。

何か。誰か、何か。
誰かのことを、口にしようとした気がしたけど。
自分でも分からず、ひとつ頭を振り。てってか、待ち合わせ場所へと駆け出した]


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―3-Aから生徒会室へ―

[電話口、何事かを問うソフィアの声がどこか神妙で。
 何でか知らないが、安心させなくてはと言う感情が働いて、
 声はいつもより穏やかさを増す]

 ん、解った。じゃあ、また。 ……後で。

[ぷつり、何事もなく、切れる携帯]

 寂しい? ん、まぁね。夏休み終わっちゃったし。
 三年はこれから高校生と言うより受験生だもんな。

 ……機種変したばっかりでしょ? ほら、上行こう。

[慌てて携帯を開く所作に苦笑するけど。

 ソフィアと電話が繋がった時、一体何が『良かった』なのか、
 自分でも解らなくなってしまった]


―生徒会室―

[アイリスを連れて生徒会室に入る。
 中央の机に幾つか並んだ椅子と、隅にソファ。
 少し古いパイプ椅子は、示し合わせた訳でもないのに、
 各人の定位置と言うのが出来上がっていた。
 ソフィアの席はまだ、その主を待つ]

 ……誰か、練習熱心な子がいるみたいだね。

[流れて来る音色と歌声に微笑む。

 隅っこにある椅子は、……誰の定位置だったっけ。
 何となく、背もたれを軽く撫でて。
 その傍の"大切な書類"の段ボールを避けて歩き、自席へ]


― 生徒会室 ―
ん‥‥‥そう、なんだけど、受験とは違う何か‥‥‥自分でもよく分からないんだけど、そういう事じゃないっていうか。
うーん、難しいなあ、この感じ。

[ラルフの腕を取りながら小さく呻いて考え込む、言葉に出来ない何かが胸の辺りにわだかまっているようで気持ちが悪い]

あ、うん、夏休み前に機種変したばっかりだけど‥‥‥。
あれ、壊れなかったっけ?

[なぜそんな事を思ってしまうのか、よく分からないけれどなんとなくそんな気がして、そんな事を考えている内に生徒会室に辿り着きラルフの横にちょこんと座る]

あはは、そう言えば夏休みにここで皆で辛いアイス食べたよね。
もう購買で売ってないハバネロアイスさー‥‥‥。
あれ‥‥‥?

[『皆』とは誰を指すのだろう、ソフィアの差し出したアイスを食べたのは自分、それを苦笑して見ていたラルフ、その他に誰が居た?
おかしな違和感を覚えている内にどこからか聞こえてくるグノーのアヴェ・マリア、夏休み生徒会室で確か自分も歌った気がして]

フルートの、おと‥‥‥。
フルート‥‥‥誰だっけ、フルートの子‥‥‥私の友達だった気がする‥‥‥。


『to:マーゴ
title:あついよー!
message:
とけるぅぅぅぅ
、ヽ`(´д`;)、ヽ`
今日も部活だよね?
遊びにいーかーせーてー
記録とるジャマはしないからっ

差し入れいつものでいい?
じゃ、また後でね!
☆⌒(*^-゚)ノ~』


― 廊下 ―

[購買の袋を振り回しながら、何とはなしに送信画面を眺めていた携帯を閉じる。
見飽きたシステムメッセージも、2度撮りしたみたいに少し暈けた空の待ち受け画面も、特に変わったところも無いのに、何故だか。
携帯を弄るたび、じっと見つめてしまう時間が多かった]

 変えよーかなって思うと、惜しくなるもんなのかな。
 まー、思い出もあるわけだし…… ?

[視界の端で、何かが揺れた。
隣で誰かも、携帯を弄っているらしい。
その桜のストラップが、窓硝子に揺れて――]


 えっ!?

[ばっと向き直る。
其処にはただ、窓硝子が嵌っていて、その向こうは外。
人の居る余地も無い。

自分のとは全然違う携帯。
でも、あのストラップには見覚えがあった。
掴んだ筈の記憶は、すぐにすり抜けていってしまうけど]

 ……どーして?

[その問いは、確かに。
ストラップの持ち主へと向けられたものだった]


→ 生徒会室 ―

 先輩?

[お待たせしましたー、と扉を開けると、何処かぼうっとしたアイリス
どうしたんですか?とラルフに尋ねつつ、暑いからかなと首を傾げ]

 アイスありましたよねー、アイス。まだピーチが結構残って…… あれっ。

[冷凍庫を開ける。
けれどそこに、想定してたような、大入りアイスは見当たらず。
なら、と開けた冷蔵庫にも、麦茶とか、そんな、見慣れていたような気がするものがなくて。

あれ、と再び。首を傾げるのだった]


―生徒会室―


 ……変えて一月経ってないのに?

[もう壊したの、と言外に滲ませて]

 ハバネロアイスも今じゃ良い思い出かな?

 フルートの友達って結構いるじゃないか、アイリス。
 アルトは誰だろうな、綺麗な声してる。

 ……――良い曲だよね。

[答えても、どこか上の空な彼女。
 やって来たソフィアに問われても、良く解らないと言う態で、
 軽く肩を竦めるしかなかった]


[冷蔵庫を漁っては首を傾げているソフィアの様子に、
 どうしたのかと近くに寄る]

 ん、麦茶ない? じゃあ作っとこうか。
 ……麦茶のパック、どこにあるんだっけ……

[好き好んでこう言う雑用をこなす人がいるので、
 普段、自分がやらない作業。戸棚を探しつつ、

 ――横の窓ガラスに過ぎった影に、戸口を振り返る]


受付 アイリスが機種変してから本当に一月経ってないのか、ふと疑問に感じた。


 曲……声? なんかCDでも聞いてたんです?
 ええっと……確かここら辺から出してたよーな…… えいっ。にゃー!

[戸棚を探すラルフの後ろから手を伸ばすも、自分では背が届かず。
ぴょんぴょんと跳ねていたが、彼が振り返るのに、自分も振り返り]

 ……? どーかしました?




 え、聞こえない?

 ……――ん。いつの間にか止んでるね、演奏。
 さっきまでは聞こえてたんだけど。

[ソフィアがぴょんぴょこ手を伸ばしている引き戸をがらり。
 麦茶パックの箱を取り出す]

 …………――いや、

 何でもないよ。

[感情、覆うように笑んで。
 適当に水道水で、麦茶をいれると冷蔵庫へ放り込んだ。

 席に戻って弁当を食べながら、他愛ない会話が続く]


 ……? 音楽室の前も静かでしたよ。おべんと食べてるひとは居たみたいですけど。

[ありがとうございます、と席へ戻って手を合わせ。
ぱきんと箸を割って、首を傾げ]

 先輩、お疲れですか? だいじょぶです?
 ゴドウィン先生が厳しいんでしたっけ、お疲れ様です。

[電話での声のように、柔らかく彼の心境を覆ってしまう笑みを、むぅと箸を咥えたまま心配げに見上げるも。
傍らのアイリスが気にした様子でなければ、いつもの調子で騒ぎ始めるのだけど]


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―― 2−C ――

[蝉の声。言われて外を見て、綺麗な青空に何かほっとする]

…ソフィアちゃんも思う?
何か、あと一人か二人…こうしていたような気がするんだよね。
そもそも、わたしとソフィアちゃんって、どうして話す様になったんだっけ…?

[首を傾げる]

ま。いいか。その話はまた今度でも。




 そう? じゃあ、……

[屋上かな、と。
 言い掛けて、止めた。
 まだ残暑の厳しい時期、屋上で練習する生徒なんて。

 ――いないから]

 ん、平気だよ。俺は、だけど。

[先程、話題の教諭に小言をくらったアイリスを見遣る。

 そうして笑う時だけは、顔立ちの似ない姉に似る。
 でも多分、ソフィアは知らないだろう。
 3歳上、学年にして二つ先輩の、元・議事高生徒会長の存在]

 ソフィアこそどうなの?
 役員選挙。……役職上げろって言われてるんでしょ?


―― 2−C ――

…うん。やっぱり? そうだよね。何で謝ろうと思ったのかな……。

夢かぁ。わたし、そういえば最近あまりいい夢見た覚えが無いな…。
どうせなら楽しい夢がいいよね。

顔も名前も覚えてないのに…?
んふ。何それ。好きな人の話?
何か憧れの人でも、できちゃったってこと?

[身を乗り出して、でも思いのほか真面目に]

…でも。普通だよ。何かすっごくかっこいい人とか夢に出てきたら、何回も見たいって思うよ。素敵な事だと思う。


……。……?

[何か、その人の話をしていると、不意に胸に手を押さえたくなった]

……? おかしいなぁ。
何だかその人って、わたしも――知ってるような。そんなはず無いよね。

[そんな感じで適当に話をしていて。やがて、外から『あ、マーゴいた。次体育! 遅れるよ!』という声が聞こえて]

あっ…忘れてた。次水泳だったよ…。行ってくるね。

[アーちゃん、待ってー! と言いながら、マーゴは駆けて行った]


― 2-Cにて ―

 マーゴちゃん も……?

[あと一人か二人と言われれば、こくこくこく、と意を得たりとばかりに勢い込んで頷き。
きっかけについても、そういえばどうしてだっけと。
特徴的な髪や、脅かされる誰かを笑ったこととか、そんな曖昧な記憶しか蘇らなくて、むー、と不満げに唸るも。
また今度、までに思い出せるだろうと、気楽に肯った]

 夢見悪いの? 眠れてる?
 って言っても、あたしもとびっきり良いってわけじゃないなぁ。いつもはぐっすりなのに。

 あ、でもねぇ。マーゴちゃんも出てきた気がするな。
 それであたし、…… …んー、あれ。謝られる覚えなんてないのに、なんか、悲しかった気はしてきた。

[やっぱ夢見良くないみたい、と眉を寄せてこめかみをうにうに解して、思い出そうとしていたが]


 うにゃっ!? や、え、そんな、本とか感情移入しがちだって笑われるけど、恋するほどじゃない よ たぶん……。

 ……うん、でも…… そう、かな?
 夢だけど、……夢の中だからこそ、かっこよくて、憧れてて……だから、また会いたいの、かな……。

[身を乗り出すマーゴと逆に、椅子に縮こまり。
やっぱり良い夢だったのかも、なんて、染まった頬をぽりぽり掻きながら、むにゅむにゅ呟いていると]

 えっ? 同じ夢見てたかもってこと?
 あるかもよー、なんかそんなの、聞いたことあるもん。全然知らないひと同士が、同じ夢見てびっくり、ってハナシ。

[今度頑張って覚えとくから、話そうよ!なんてはしゃいで休み時間を過ごしていれば。
彼女のクラスメートが呼びに来て、追って駆けていくマーゴの背に、またね、とぶんぶん手を振って、見送ったのだった]


― 生徒会室 ―

 だ、だいじょぶですか? ただでさえ地獄の課題が増えてた り……

[ラルフがアイリスに目を遣れば、それはそれで心配そうに窺い。
ふと、2人とも美男美女カップルとして有名なのだから(いつから自分はそれを知っていたのだっけ?)、2人でチャイナでも着たら似合いそうですね、なんて唐突な呟きを、もぐもぐの合間落としたりしつつ]

 ええ、あたしは会計連投以外考えてなかったんですけど。
 リーダーもやってみたらどうかとか、るーにゃんが…… …?

[世間話の延長。
そーなんですよ、と軽く答えた話に、自分で出した単語に。
自分で、眉を寄せて訝しげに首を捻った]


―― 2−C 飛び出す前 ――

夢見…っていうか、なんだろ、夢、見てない…? ような。
寝てる寝てる。…悲しかった…の? なんだろ。悲しませるような事したのかな。…あ、じゃあさっきのはそれにゴメン、って事で。

同じ夢、かぁ。でもそれはそれで、素敵だよね。
寝てても一緒に遊べるってことだし。んふ。

[そんな会話だっただろう]


―― 4時間目:体育:更衣室 ――

[制服を脱いで、学校指定の水着に着替えて――]

……。

[隣で着替えるクラスメートを見て。自分を見て。なんとなく足りない部分を手で押さえる]

……もうちょっと、育ってもいいと思うんだけど。
……でも、あったらあったで泳ぐの邪魔。……悩む。

[そんな事を呟いていると、後ろから『あっ! また悩んでる! とーう!』等と、クラスメートに弄り倒されるのも、いつもの事だった]


―― 4時間目:体育:プールサイド ――

『マーゴ、でも好きだよねー。今日また水泳部でも泳ぐんでしょ?』
そうだよ。部活だもん。それ言ったら、陸上部だって体育で走ってまた走るじゃない。
『あ、そっかー』

[クラスメートとそんな会話をしながら、プールサイドへ出て、一瞬何か見えた気がして、目をこする]

……あれ? 今、誰かいなかった?
『え、うん、先に行った子がたくさん』
ううん。そうじゃなくて…2−Cの…。2−Cの…? あれ、誰だっけ、髪の長い男の子……。
『え、そんなの居たっけ?』
……ううん。居ない、よね?

[首をひねりながら、やがて始まる体育の時間、のんびりと泳いだ]

『嘘だ…のんびりであれは嘘だ…』
んふ。

[隣のレーンを泳いでいたクラスメイトがそんなことを言うのも、いつもの事だった]


[ 昼休み、届いていたメールに返信]

===============
To:ソフィア
Title:Re:あついよー!
Sub:
いーよー。
水着持ってきたら?
泳ぎたいって言ったら、
誰も止めないと思うよ。

いつものってことは
アレだね。いーともー
===============


送信ぽち、と。
……顔文字とか、使えるとかわいくなるのかな。

[そんなことを呟いたりして。クラスメイトと昼食を取った後、ぼんやりと外を眺めていたのだが――]

…?

[伝説の樹のあたり。見慣れない、銀髪の。そもそも真っ黒な服の人が見えた気がして。外に出た]


→ 放課後 ―

[マーゴからの返信に、やった、とガッツポーズ。
こんな暑い日に、半田ごてと向き合ってなんていられないとばかり、楽しい事に関しては準備の良いことに、水着バックを背負うと、まずは購買へ向かった]

 おばちゃーん、天国か地獄饅頭おねがいー。

[ヌガー並にねっとりと甘い、白い天国饅頭と、赤と緑の唐辛子が凝縮されて黒くなった、地獄饅頭が詰めあわされたお徳用セット。
当たりの無いロシアンルーレットとして入り用らしく、入荷中止になるという話は聞いたことが無い。

そんな事情はともかく、それと普通のペットボトルとを下げ、プールへ向かった]


― プール ―

[授業でも使うのだし、勝手は分かっている。
ちゃっちゃと着替えを済ませて。ふと]

 …… 。

[ぺたり。
ちらり。

水遊びは好きだけど、あんまり現実は直視したくない。
目を閉じて、ちゃっぽちゃっぽと暢気に水に浸かることにした。
極楽極楽]


[古ぼけたビート板を抱きしめて、ラッコのように浮かびながら、真面目に練習に励む水泳部員を見遣り]

 マーゴちゃんみたいに、すいーっと泳げたら気持ちいいんだろうなぁ。
 でも、あんな、イルカみたく泳げるひとは、他に居なさそ。

[彼ら彼女らも、勿論綺麗に泳ぐのだけど。
やっぱりマーゴが一番速いな、と率直な感想を零す。

ぷかぷか。ゆらゆら。
温水とはいえ、外のうだる空気の中よりずっと冷たい水は心地良く。
うと、と睡魔に誘われ、手が解ける。

さぱん、と静かに水中へ引き込まれれば、揺らぐ水面が遠ざかっていく。
その、向こうに]


―― 昼休み:伝説の樹付近 ――

……あれ、いないなぁ。……ッ。

[キーン、という耳鳴り]

(――裏切るつもりなんです。)
   (そんなのだめ。許さない――)
(……一緒に、星空を見ようね。)
   (そ、ですね。マーゴも)

……あ……れ。

[ぽろぽろと、涙がこぼれた。全然知らない人たちが、とても大切だった気がした]


―回想 生徒会室―

[課題の追加は何とか回避したよね、とアイリスへ。
 一時期こちらを見る度まごついていたソフィアも、
 大分馴染んだなと思いながら]

 止めてよ、女装とか冗談じゃない。
 着せ替え人形じゃあるまいし……

[真顔で困って見せる。皆何度拒否させる気なのだろう。
 続いた世間話の延長に、やっぱり、と頷いて、
 首を捻る様を見遣った]

 るーにゃんって友達?

[問い掛けながら、何とはなしに上座の空席を一瞥し。
 本当に、何でもない事のように、時間は過ぎる。

 夏の終わりの蝉が鳴く以外は、静かな空だ]


―― 放課後:水泳部 ――

あ、来た。

[昼にあった何かは、おくびにも出さず。クラブ活動に没頭していると、やがてソフィアがやってくる]

お、これこれ。ありがとう。
みんなー、差し入れ来たよー。

[言いながら、自分は0の方を取る]
(奇数:天国 偶数:地獄)


からーーーーーい!!

[満足そうに叫ぶ。一通り飲み物も飲んで、休憩して]

ふぅ。じゃ、練習続けよっか。

[競泳用水着の位置を直しながら、また泳ぎ出した]


…………?

[何度か泳いだ頃。不意に、ぷかぷか浮いていたソフィアの姿が…]

わ。……大変!

[ソフィアも泳げる子だ。万が一は無いはずだが。
その日一番の速さで、ビート版の浮いてる場所まで泳ぎ、下から押し上げるように、水面へ。その途中で起きるだろうか]

ソフィアちゃん大丈夫っ!?

[大事なければ、ほっとして、ぼーっとしたらだめだよーとか言うだろう。もし万が一があれば…救護処置に入るだろう]


―放課後 吹奏楽部―

[授業が終わったら、そのまま部活へ足を運んだ。
 引退公演が間近で練習にも熱が入る。
 去年より静かで集中出来る、と思った。
 ――何がそんなにうるさかったんだろう、去年は]

 お茶買って来るけど、他に要る人ー。

[部員の買出しを聞いて階段を降りる。
 軽い足取りはそのまま昇降口の扉をくぐろうとして]

 …………!

[止まる。眩暈がした。ドアノブを掴む。 空を、見た]

 ……――あぁ
            ……なんで、飛行機

[飛んでいないんだろう。此処の空は]


―放課後 昇降口―

 ――、……それの何がおかしいんだよ。

[敢えて独り言を口に出した。
 飛行機が飛んでいなくたって、別におかしくはない。

 風が吹いて、グラウンドの砂を螺旋に巻き上げる。
 その向こうに誰かの人影が見えた]

 ルーっ、……

[消える幻影。頭が痛いみたいで溜息をつく]

 はは。何やってるんだろう、俺。

[グラウンドの向こうの桜は、太陽を浴びている所為か、
 白く、くっきりと浮かび上がるように見えた。
 それはどこか、足をひかれる光景でもある]


 ――… !

[呼ぶ名は、ごぼごぼと水泡に阻まれて音にならなかった。
見えた影も、掻き消されていってしまう。

それへ、伸ばそうとした手は。
何も掴むことはなく、下から押し上げられるまま、空を切った。
ありがと、とえずきながら礼を言い、けれど目は、その水面とも水中ともつかない場所を、見つめたまま]

 …… っ、

[ぽちゃ。ぴちょん。
赤い瞳から落ちる雫が、塩素の匂いがする水に溶けてゆく。
ぼうっとしててごめんね、とマーゴのほうを向けないままに謝って。
暫く、まるで何かを期待するような真剣さで、水を見つめているのだった*]


[無事である事にほっとして ]

……もう。どうしちゃったの?
さすがに何かあってから遅いんだから……。

[ごめんね、と聞えればそれ以上は何も言わず]

……?
何か、見えるの?

[じっと水を見つめる姿に、つられ、自分もそちらを見るのだった**]


― 回想 生徒会室 ―
[どこか気持ちがここにはないどこかにあるようで、うたが聞こえた事がどうしようもなく切なくて、心が痛い。
ソフィアが生徒会室に飛び込んで来ればほっとしたように表情を緩ませて]

ソフィアちゃん、やっと会えた‥‥‥って、昨日も会ってたっけ?
やだなあ、最近物忘れが激しくなっちゃったかな。
‥‥‥食後のアイス、私バニラがいいな。

[そう言えば夏休み、皆でアイスを食べたっけ、と思ってまたも出てきた『皆』と言う単語に首を傾げる。
ラルフの言葉に不思議そうに首を傾げて]

うん、替えて一ヶ月も経ってないのに‥‥‥。
と思ったんだけど、壊れてないのよね、コレ。
不思議だなあ、こういうのデジャヴュって言うんだっけ?

[ハバネロアイスの話題が出ればフルフルと首を振って、友達の話ではやはりどこか納得のいかない表情]

うん‥‥‥そうじゃ、なくて‥‥‥。
ラルフと付き合う切っ掛けになった文化祭の時にさ、一人居たでしょ、変わってる子。
‥‥‥居た、よね‥‥‥?


― 回想 生徒会室 ―
[思い出したいのに思い出せなくて心が苦しい、思い出せない事が悲しい、大切な人だったはずなのに。
どうして思い出せないのだろうか、胸をぎゅっと押さえて眼を閉じればもう歌も演奏も聞こえなかった。
きっと音楽は空耳で、全ては気のせいなのだと、そう思い直すように頭を振って。

ソフィアが心配してくれる様子には緩く笑みを浮かべる]

そうなのよ、あの先生今度は1000枚以上課題出そうとしたのよ、卒業までに出来るわけないわよね、そんな数。

[手作りのお弁当をつまみながら他愛もない日常の話を繰り返して、なぜかソフィアと居る時は少しだけ寂しさがまぎれる気がした。
の言葉にはニヤリとして]

だって、ラルフ、やっぱり女装似合うよきっと‥‥‥やっぱり?

[以前にもそんな事を彼に言った事があっただろうか、思い出そうにも靄がかかったように思い出せない]

はー、嫌だな、もう年かしら。
あ、ねぇねぇ、ソフィアちゃん、今日の帰り甘味屋さん寄ろうよ、前はほら行けなかったじゃない?

[どうして約束したのに行けなかったのか、それは分からなかったけれど、確かに彼女と約束した日には甘味屋に寄れなかったと思う]


― 放課後 ―
[どこかがおかしいのか、疲れているのか、とにかく気持ちがざわついて珍しく部活をサボった。
足は自然と部室棟に向いていて]

そうそう、ここで怖かったのよね‥‥‥。
何が?

[部室棟の入り口、水道から水が出っぱなしになっていてその口を閉めながらぶつぶつと独り言を呟き、そして自分自身に突っ込みを入れた]

あーもー、ほんと私どうしたのかしら。
本の読み過ぎかなぁ。

[いつも鞄の中に入っている文庫本、内容は荒唐無稽なファンタジー物、別世界なんてありはしないものを夢想するような年齢ではないのに。

とぼとぼと部室棟に入り、最初に目に入るのは赤い防火バケツ]

君には良く分からないけどお世話になった気がする。
ありがとうね。

[防火バケツを撫でる議事校の歌姫、変な取り合わせに通りがかった生徒は首を傾げた事だろう]


―放課後 伝説の樹の前―

[買出しの寄り道は少しだけだと自分に言い聞かせながら、
 古い桜の前に立ち、ぺたりとその幹を撫でた。
 胸と同じ高さの辺りをじっと見るけど、何もない。

 考えるのを止めて購買に行こうとした時、
 樹の傍にもう一人、人影があるのに気付いた。
 銀灰色の髪をとても長く伸ばした、奇妙な人物。
 教員や用務員とは、ましてや生徒などとも思えない]

 ……誰、ですか?

[初めて会う筈なのに、僅かに動く血の気のない唇に、
 覚えのない声が蘇る。『幸運を、祈る』と]

 ちょ、待って!

[上げた声は届いたのかどうか。人影は掻き消える]


―放課後 伝説の樹の前―

[桜の梢を見上げた。木漏れ日が視界に散る。

 『頭上には、空があるだけ』]

 But you're not the only one...

[歌詞を一箇所、勝手に変えた。

 独りじゃないと言う事を誰に伝えれば良いだろう。
 誰か言ってくれた、そのおかげで思い出せた。
 大切な人がいると言う、当たり前で尊くて、難しい現実。

 『いつか君も、僕らと輪になって
  そして世界はひとつになるんだ』

 ――自覚してしまう。

 此処には何かが欠けているのだと]


ねえ、この学校って取り外し可能なのよ?
なんて言ったら、君、信じる?

[荒唐無稽も甚だしい妙な話題、通りすがりの首を傾げていた下級生を見て笑みを浮かべながらそんな事を口にしてみた]

『え、そんなことできるんですか?』

あはは、冗談よ冗談。
学校が取り外したり出来るなんて、そんな事あるわけないでしょ?

『あはは、ですよねー。
 じゃあ、私写真の現像で暗室に行くのでまた!』

君、写真部?
そういえば、あのおサボり君、元気?

『え‥‥‥?
 写真部にサボるような人、居ませんよ?』

[またこの記憶の混濁、ごめんねとその下級生には手を振って分かれたが今日は妙だ]


―放課後 伝説の樹の前―

[何が足りない。思い出せなくて焦る。
 痛みは、ない。――それはとても恐ろしい事]

 なあ、この桜の伝説が本当なら。

 俺をあそこに戻せよ。

 願いを叶えてくれるんだろ……?

[どこかでその叶え方だけは知った筈なのに、
 思い出せないまま、年経た樹皮に右手と額を押し当てる]

 目に見えない、声が聞けない手も届かない。
 どうして。
 ……何で俺はこんな所にいるんだ……

[あそこが何処なのかとか、そんなのは関係なくて。
 ただ、今欠けている何かも、掛け替えのない筈の存在で]


頭痛いな‥‥‥私ほんとどうしちゃったんだろ‥‥‥。

[ふらつく足取りで部室棟を出て体育館に入る、入り口に竹箒と黒髪が落ちていた気がしてビクりと体を引いて、結局またも幻視を見たらしい事にため息をつく]

ほんと、疲れてるのかな、変だよ、今日の私、自覚ある。

[深くため息をついて自然と階段を下りて地下プールに向かっていた、子猫を探すかのように]

そう言えば、ここでラルフが転んで怪我したのよね。
もう怪我、大丈夫かな?

[男子更衣室をじいっと見つめていたら中から男子が出てきて少し慌てて眼を逸らした、それからプールサイドに出てマーゴとソフィアを見つけてつい大きな声を出してしまう]

二人ともー!
部活動やってるのー?

[マーゴが居る、その事になぜかとても心が安らいで、涙が滲んだ]

あれ、おかしいな‥‥‥。
マーゴちゃんに会えただけでなんか感動しちゃった‥‥‥。


いいなぁ、今日も暑いし私も――

[マーゴとソフィアに近づこうとして、際まで寄ったところでプールサイドで足を滑らせてプールに落ちた。
水中から上を見上げればそこで見る、もう一つの世界――
――あれは――]

白雪姫!

[ざぱんとプールから顔を出して叫ぶ第一声、周囲の人たちはむしろプールに落ちた事を心配してくれているが、第一声に首を傾げてるようだ]

会った事がある、話した事がある、彼の事、大笑いしちゃった。
見た目は凄く怖いけど、でも根はきっと凄く優しい子。
‥‥‥ごめん、君の側で私は‥‥‥。

[私は、どうしたというのだろう、どうせまたただの幻視を見ているに過ぎないはずなのに。
彼を一人置き去りにしてしまった気がして、涙が溢れた]

ごめん、ごめんね‥‥‥ごめん‥‥‥。

[きっと周囲の生徒は部活の邪魔をしてしまった事を謝っているのだと勘違いしているだろう、きっと彼らはまだ戦っているのだ『敵』と呼ばれる何かと]


―放課後 伝説の樹の前―

[クラスメートからメールが来た。
 『理科室で薬品零れて立ち入り禁止令』らしい]

 うわっ、音楽室とか真上なのに大丈夫かな……

[ちらほらと、校舎から出て来る生徒もいるみたいだった。
 アイリスにもメールを打った]

 『 To.アイリス
  Sub.今日部活中止かも
  Txt.理科室で騒ぎがあったらしい。
    大丈夫? 被害には遭ってない?
    サボるなんて初めてじゃないかと思ったけど、
    案外アタリだったかもよ』


なんで、私はここに居るの‥‥‥。
皆のところに、帰りたい‥‥‥。

[ラルフが同じ事を呟いている事も知らずにただ、プールサイドで膝を抱えてそう呟いた。

けれど、暫くしてから水中で見た幻視に関して泡がはじけるかのように記憶から抜けていって]

――!
どうして、どうして忘れてしまうの‥‥‥?
彼の事、忘れちゃいけないのに、皆の居るところを、忘れちゃいけないのに‥‥‥!

[そう呟いたところでプツリとブラックアウトしたかのように、先ほどまでの出来事を忘れてしまう]

‥‥‥ごめん、水に落ちて溺れかけて、変な夢でも見たみたい。
今日の私、情緒不安定気味。
ラルフが側に居ないからかなぁ。

[向こうでもたまに離れたけれど、でもやっぱり常に一緒に居たから。
‥‥‥向こうとはどこの事なのか、もうおぼろげだけれど]


でも暑い日にプールって気持ちいいね、明日は私も部活に付き合いたいな。
体育の成績悪いからその補習も兼ねて、マーゴ先生に水泳ぐらい教わりたいし。

[マーゴが側に居てくれたなら彼女に語りかける、なぜかマーゴの側に居られる事、彼女が元気でいる事が凄く嬉しい]

でも、マーゴちゃんと私ってどこで接点もったんだっけ?

[ジャージ姿ではてなと首を傾げたところで、突然ポケットに移し替えた携帯が震える、水に落ちたのに無事だったのは防水携帯故か]

理科室で騒ぎ?
なんだろ‥‥‥とりあえず返信と。

『宛先:ラルフv
 件名:何があったの?
 本文:今地下プールに居るの。
    美女二人の水着姿見られるよ?
    理科室何があったんだろうねー。
    変なものばっかり見るし、今日は厄日?
    さっきプールに落ちてその時も変な物見たの。』
[送信**]


―放課後 伝説の樹の前からプールへ―

[アメイジング・グレイスの着信メロディ。
 アイリスからの返信は間を置かず届いた。
 他愛ない遣り取りで培った両手打ちの速さの賜物だろう。
 文字化けもしていなかった]

 『 To.アイリス
  Sub.Re:何があったの?
  Txt.落ちたとか、大丈夫?
    …と思ったけどメール打ってる位だし平気か。
    あ、でも縁起は悪いな(笑)
    理科室は誰かが薬品零したって。

    それは俺、美女の水着姿眺めてて良いの?
    取り敢えず、今から会いに行く』

[送信して、地下プールに向かう**]


― 生徒会室 ―

 にゃーん、先輩そんなにあたしに会いたかったなんて、光栄ですっ!
 昨日も今日も明日も、先輩のお呼びとあれば、いつでも何処でも参上しますよ?

[やっと、とアイリスは、ほっとしたような表情さえ浮かべたから。
不思議そうに首をかしげながらも、ぎゅー、と飛びついて、笑ってみせ]

 ひゃくっ……?! うん、絶対世界史とりません。無理!

[とんでもない課題の量に、ぶんぶん首を横に振る。
でも何だか、厳しいことで有名な世界史の話を前聞いたのは、ずっとずっと、前のことのように思えた]

 ですよねー、ですよねー。先輩もそう思いますよね!
 って、先輩も進言済みでしたかっ。

[似合いますよね、とこくこく縦に頷いていた首も。
曖昧な『やっぱり』に、ゆるりと傾ぎ]


 わーい、行きます行きますっ!
 あれ、えー…… でも、そーですねぇ。あたしが先輩との約束、すっぽかすわけないんですけど、何か。

[行きそびれてしまった気は、自分もした。
釈然としないままだったけど、喜んでー!と頷いたのだった]

 いや、あたし、貞子ちゃんとか、歌の先輩とか、そーゆー覚え方はしますけど、あだ名ってあんまり付けないんで…… なんだろ?

[友達かと問われれば、頷けるような違うような。
更に釈然としないまま、ついと、ラルフが目を遣った席を釣られて見。

ちゃんと音はするのに、耳鳴りを覚えそうなほど静かに感じる。
いつも通りの筈なのに、大人ののりたま弁当が、あんまり美味しく感じられなかった]


― プール ―

 ん……、

[ぷる、と水の滴る頭を振って。
問い掛けに、少し困ったように笑い]

 どんだけ夢が気になってんだろーね。
 其処に立ってるみたいに見えたなんて、笑えないよねぇ。

[つ、とプールサイドを指差す方向は、迷い無かった。
ただ、其処に見えたような気のする誰かの顔は、もう零れてしまったけれど]

 あ、先輩ー。えっへへ、暑いんで、紛れ込ませてもらってまっす。

[馴染みの声が聞こえれば、反射的に目元を拭ってから、にへり笑ってぶんぶん手を振るも。
そのアイリスが、涙ぐめば、ぱちくり瞬いて2人を見遣り]


 えっ。えっ。あたしの知らない間に、2人はどんな関係に…… 先輩っ!?

[挙動不審に、水をぱしゃぱしゃ叩いていたものの、もっと大きな水音に、そちらへ水を掻き分け駆け寄った。
もっとも、歩くより身軽に水を進めるマーゴと違い、ばっしゃんばっしゃんと盛大に飛沫を上げての移動は、鈍いものだったが]

 先輩、大丈夫ですかっ! ……えっ?

[何とかアイリスの傍まで辿りつけば、周りと同じく、その第一声にきょとんとするも。
何故か、彼女の言っていることが、分かるような気がして。
誰かへ謝るアイリスを、同情に似たいろの眼差しで、濡れた髪をよしよし撫でるのだった]


 みんな……

[情緒不安定と言うアイリスに、何事か考え込むような沈黙はあったが、だいじょぶです?と調子を窺ってから。
彼女とマーゴが話し始めれば、今度はちゃんと断ってから潜水し、水面を見上げる。

息は、そう長くは続かない。水の中より、外のほうがやはり身軽に動けるし。
けれど飽きもせず、何度も潜っては見上げ、潜っては見上げ。

水面の向こうに、天井以外の景色が映ることはなかったけれど、それでも、何度も]


―体育館地下 温水プール―

[プールと廊下側を繋ぐ扉に手を掛けて、ゆっくりと開く]

 ここの扉、重いなあ……っと。

[開けた時と同様、力を入れて閉じようとした。
 視線はプールサイドをくるりと見回す]


プールの扉を閉じる途中で妙に抵抗が掛かっている。がたがた。


 先輩?

[ぷは、と何度目かの潜水から顔を出すと。
扉の手前でもたつく姿]

 どうしました? 何か挟まってます?

[ぺたぺた、入り口へ近づき。
屈んで床と扉の境をよくよく見てみるけれど、引っかかりになりそうなものは無く。

むー?と首をかしげながら、幾度かぺしぺし叩いてみて。
引っかかったような中途な位置から、未だ動かないようなら、助勢して思い切り、戸を押した]


 にゃっ!?

[濡れたままの手が滑り、バランスを崩してすっ転ぶ。
いたた、と腕を擦りながら起き上がれば、水溜りに丁度、扉が映り]

 せん ぱ……っ?

[ぎょっとした。
だって、水溜りに映る扉には、華奢な身体が挟まっていたから。

咄嗟に、実際の扉を見遣れば、さっき確認したように、何も挟まってはいない。
おそるおそる、もう一度水溜りへ視線を落とせば。
其処にももう、何も映ってはいなかった]



[手を滑らせて転ぶソフィアに驚き、扉から手を離した]

 あ、大丈……どうしたの?

[プールサイドの水溜まりを凝視する後輩に近付き、しゃがんで]

 今、それで滑った訳じゃ、ないよね。

 …………。何か見える?


ともあれ、ソフィアに手を差し延べた。


 ……せんぱい、が

[ふるふる、首を振りながら水溜りを指し、先輩と呼んだのは。
ラルフの事では無いのだけど、名前が出て来なくて]

 ……誰か挟まってて、でも、そんなことなくて。
 幽霊も扉に挟まるのか な……。

[すみません、と差し伸べられた手を取って、立ち上がりながらも。
視線は暫く、水溜りへ向いたままだった]



[先輩? と、オウム返しに首傾げ。
 今プールにいる三年は自分とアイリス位みたいだけど。
 水溜まりから離れない視線に、少し目を細める]

 幽霊か。

[ソフィアに霊感があるなんて話は聞いた事がないし]

 ……その幽霊ってさ、髪、長かったりするのかな。

[自分にだって、そんな不可思議なチカラはない筈だけど。

 考えるのは、桜の下で見た人影じゃなくて、
 一年の秋、初めて屋上で一緒に練習した誰かの、
 ふわりとした掴めない笑顔]


 あ、えっ……と…、先輩じゃなくて、その……

[尋ねられれば、何とか名を口にしようとするものの、時間を掛ければ掛けるほど、記憶は薄れてしまって。
ぱくぱくと口を時折動かすも、結局、ごめんなさい、と噤み]

 髪、ですか……?
 いえ、良く見てなかったけど…… 背中に掛かってなかったから、そんな長くないと思います。

[先輩くらいかな、とラルフの襟足を、ちょいちょいと引っ張って確かめ]

 ま、まさか、心あたりあるんですかっ!?

[幽霊といえば、髪が長い女性は定番と。
そういう噂があったりするのかと、ラルフとマーゴを、慌しく見遣った]



[ガコンっと派手な音を立ててプールの扉が直ってからは、
 不思議と静かになるプールサイド。
 の中でソフィアの声は相変わらず良く響く。
 襟足を引っ張られつつ]

 ふうん……そっか。
 いや、貞子ネタとかそう言う事じゃなくてね。

[ちらりとアイリスを見遣る。
 確か『二度とホラーは観ない』等と言っていたから、
 嫌がるかもな、と一瞬思って小声で]

 ……昼に、生徒会室でさ。窓の外に見えた気がしたんだ。
 長い黒髪の女子、うちの制服着て。背中だったんだけどね。
 ……気の所為かな。俺霊感とか無縁だし。

[軽く笑って見せた]


―― プールにて ――

そこに…?

[指されたプールサイドには――自分には何も見えなくて]

なんだろ。わたしには何も見えなかったんだけど…なんだか、ちょっと見たかった。気がする。
……。大丈夫? 落ち着いた?

[幾分、元気を取り戻したように見えたなら、ソフィアにそう声をかけた]


[そのうち、アイリスがやってきて ]

あれ。アイリスさん。珍しい……って、あっ!!

[ざばん! と落ちる音。今日はなんだろう、危ない日なんだろうかとか思いながらそちらへ急ごうとして、でもすぐに顔を出したアイリスにほっとする]

……ああ。よかった。びっくりさせないで下さい……?
アイリスさん……?

[急に泣き出してしまったアイリスに、少し戸惑うが]


[やがて、正気を取り戻したかのように見えれば、改めてほっとして]

……ええ。いいですよ。
でも、今度はちゃんと水着を用意してきてくださいね。

[ そう言って。どこで――という話しには]

確か…ええと、ほら。ラルフ先輩。
ラルフ先輩が、わたしがかばんを忘れ物したときに届けてくれて、その時に――。
その時に――? だったような。

[何か、その過程がすごくおぼろげだったので、つい首を傾げてしまった]


―― プールサイド ――

[やがて、先ほどアイリスがメールしていたのがそうだろうか、ラルフもやってくる]

…んふ。今日はお客さんたくさん、にぎやかだなぁ。

[どうやら、たてつけが少し悪くなっているプールの扉に悪戦苦闘しているようだったが。ひと泳ぎしてからそちらに向かえば、ちょうど――]

貞子ですか?

[ばさーっと、慣れた様に髪の毛を前にもってくる。そんな話題の時だった]


水底から浮かび上がる貞子(マーゴ)に驚いた。


貞子のまま近づいていく。


 マーゴちゃん?

[貞子ネタと言われれば、真っ先にそう思い浮かぶ。
実際の幽霊がどうの、より。
おりしも本人が見せてくれたので、わーい!と喜んでぱちぱち拍手]

 黒くて、長い髪で…… マーゴちゃんじゃないんですよね?

[理由は分からなかったが、ラルフに倣ってひそりと声を潜め]

 あたしも、霊感とか無いですけど、なーんか…… ここのとこ、気になるモノ見てる気がしますし。なんか、

[いるのかもですね、と続けようとした口は。
ぱくぱくと開いたまま言葉にならないまま、ただ、ラルフの背後を指す]


[其処は、部員がフォームを見るためなのか、壁の一部に鏡が埋め込まれていた。
だから、プール内を映し出す筈の其処は、全然違う、薄暗い部屋に瓶や棒が転がっている光景で。

その、映るか映らないかの、床すれすれに。
ラルフが言うような、黒髪が、散っていたから]



[水面を漂うように近付く髪の毛は、中々にホラーだ。]

 ……こんにちは。あの後、風邪ひいたりしなかった?

[近くに泳いで来たマーゴに挨拶して問う。
 確か、夏場とは言え薄着で出歩いていた子だと思って。

 悠然と泳いだ後の波は、揺れる梢のように広がって消えた。
 大丈夫だろうか。意味もなく少し、心配になる]




 うん、髪は真っ直ぐだったから……

[ホラー嫌い対策に声をひそひそ]

 ソフィアも何か見たの? 何か、……――怖いね。
 自分の感覚が得体が知れないのは。

 ん?

[慌てて背後を指差す仕種に、首を傾げ。
 振り返る鏡に映ったそれは、
 置き去りにされた竹箒を見付けた時に良く似た]

 ホリー……!?

[背筋に冷水を流されたような悪寒が走る]


[ラルフに、その節はお世話になりました、といいながら]

大丈夫です。さすがに水着で出歩いちゃだめでしたね。

[プールサイドに上がりながら、えへへと笑い]

わたしと同じように長い髪の人…。

[ソフィアの拍手をもらってから、髪を後ろに戻して]

わたしの知り合いには……居たような、居ないような?
え、ソフィアちゃん、幽霊とか本当に見えるようになったの?

[そういいながら、ソフィアの指し示す鏡を見た]


同じものが{1} (奇数:見える 偶数:見えない)


えっ…これ…何……?
ホリー…せんぱ……っ。フィリップ……、さいもん、君……?
い、た――っ。

[キ―――ン、と耳鳴りがする。頭を抑えて。壁に手をつく]

……だめ…だめ…ッ!
種が…時が…来るまで、先輩、もちこたえ…て……ッ!

[その場に、しゃがみこんだ]


[幽霊は、居たら楽しい、なんて思う人間の前には、たぶん現れたいと思わないのだろう。
さっぱり霊感とは無縁な人生を送ってきて、そういう話は好んで聞くものの、実際自分が見えるとは、やっぱりあまり思っておらず]

 っの、ばか! 何やってんの……!

[ラルフが名を呼べば、一気に自分の記憶も鮮明になり。
硬直からとければ、それを幽霊とも気のせいとも思わず、鏡に駆け寄り。

ばん、と濡れた手が感覚の鈍る強さで叩いたのは、ホリーの更に奥。
黒髪で、けれど今は前髪も長くは無く、おさかなのヘアピンは遠くて見えない、人影で]


 何よ、その顔。
 ふざけないで、何してんのよっ、サイモン!!

[そんな表情、鮮明になっている筈の今の記憶にも、ない。
ただ、ホリーが力なく崩れていて。
フィリップだろう金髪が、彼女を庇うように対峙していて。
忙しく何かを叩き落とす彼と違い、サイモンは悠然と、それか、呆然と、徒手空拳のまま。

何がおきているか、実際のとこなんて分からないけど。
ふざけるな、と、それだけ強く、思って。
恐らくは初めて、その光景を見たくないと思って、再び拳を振り上げ]


{2} 偶数:鏡を割った 奇数:映像だけが消えた


― 回想 プール ―
[ぼうっとしたままどこか遠くを見るようにプールの水のきらめきを見つめる、何かがまた見えるのではないかと思いたくて。

そんな折りにラルフからメールが届いて、内容に笑いを漏らす]

浮気は許さないけどねー。

[等と独りごちながら天井を見て、やはりいつもの学校のプールでしかなくてため息が漏れる。

マーゴの説明にも納得がいったようないかないような曖昧な頷き。
少しのやり取りの後再びぼうっと水泳部とソフィアの合同練習の様を見つめていればラルフが来て、彼へとひらひら手を振った]


― プール ―
[マーゴの貞子には腰が引けたような状態で苦笑しつつ、,ラルフとソフィアのひそひそ話に首を傾げた]

何話してるんだか。
ヒソヒソ話は禁止ー!

[立ち上がり二人の側に近寄れば唐突にラルフが叫ぶ誰かの名にドキリとして]

ホリー‥‥‥。
ホリー‥‥‥?

[うわごとのようにその名を繰り返して。
,,三人が覗いている鏡を一緒になって覗き込んだ]


[下ACTしかし何かを見る前に、鏡は砕かれて、ソフィアの様に驚いたように目を瞬かせる]

ちょ、ちょっと、ソフィアちゃん何やってるの!
手、手は大丈夫!?

割れた鏡で手切ってない!?

[突然の出来事で取れかかった頭の靄が再び頭を支配する、ソフィアの手を取りながら慌てたような声を出す]


[映し出されたのはどれ程の時間だったか。
 思わず駆け寄り、鏡の向こうに手をつく前に、きっと消える。
 ソフィアの手で、びしりと鈍くひび割れて]

 …………一人じゃなかったな。

 何、やってるんだ、あいつら。こんな時に……
 動けない子放り出していがみ合ってる場合じゃないだろ。

 ……生きて、

[生きて。
 彼らには、辿り着いて欲しいのに]


 …――は、 ぁ、はあっ、……

[荒く息を吐けば、それに押し出されるように、ぼたり、ぼたりと、握り締めたままの手から、熱が落ちていく。
皹入った鏡面にも、未だ、その光景の残滓が残っていて。
ただ、イラついた感情のまま、ばき、と欠片を握って叩き落せば、今度こそ、ただの砕けた残骸になった]

 …… え、 ……あー、いえ。てか、すみません。

[そうして、やっと。
アイリスが手を取ってくれた感触に、暖かさと、痛みのようなものをじわりと感じ。
赤い絵の具に突っ込んだみたいになっている手と、足元の惨状に、気づき。
呆然としている水泳部員らへ、申し訳無さそうに頭を下げた]


[鏡が、割れた]

あ、あぁ…ソフィアちゃん…備品、なのに…。
怪我、無い?

[どこか、上の空で、呟く。そのうち、耳鳴りが消えて。他の部員もどうしたのかと、集まってくるだろうか。自分の意識もはっきりしてくる]

……これ、危ないね。
わたし、先生に連絡しておくから、皆、今日先に帰ってて?

[部員や皆と、いくつか会話を交わせば、そう言って、職員室へ]

……大丈夫。目が覚めれば、また、日常だよ。日常、だよ…。

[そんなことを呟きながら――**]


二人に、ソフィアちゃんを保健室に連行お願いします、と*ぺこり*



[ソフィアの手は、咄嗟に気遣かってくれるアイリスに任せ、
 何事か叫んでうずくまるマーゴの傍に寄る]

 …………――

[彼女に、自分が掛けられる言葉など]

 ごめん、

[一つも、なくて]

 大丈夫だよ、きっと――……ありがとう

[痛そうに押さえる頭を、許されるならそっと撫でる]


 ご、ごめん。つい、かっとなって……

[いつも、ふんわりしてはいるけれど。
常に増して、ぼうっとしたマーゴの様子と、こちらへ来る前に呟いていた言葉が、気にはなったのだけど。

せんぱい、が誰を指すのか、とか。
そういうことが、さらさらと記憶から零れていってしまうから。

ただ、マーゴちゃんこそ大丈夫なの、と心配そうに覗き込んでから。
自分が居ては、更に話がややこしくなるかと、素直に言葉に従う事には、したのだけど]


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