64 色取月の神隠し
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――あやかしの里――
―――大丈夫。
朝はきっと、許してくれるさ。
[抱きつく童女の頭を優しく撫ぜる。]
[ひとつの大きな瞳から、止め処なく溢れる穢れなき透明な雫。
それはきっと、この童女の優しい心。
己が着物を温かく湿らせていくのは、童女に宿る何よりも尊い想い。]
ありがとな。
[目を閉じて、そっと唇を動かす。
くぐもった謝罪の言葉は聞き取れない程。
それでも、もう十二分に。
童女が己が思いを受け止めてくれたことは*伝わっていた*]
大丈夫、大丈夫と言うように、泣き続ける夕の背中をとんとんしている**
あらぁ……
[ふと振り返る。
楼閣の向こう、先程来た道の果て
無論視界にはただ狐火が揺れ、彼岸花が燃ゆる道だけが広がるのみ
けれど、送り出す笛の音と、惑うように“ちりん”と一瞬揺れた鈴の音は、箏には届いたか]
また、誰かが来たようやよ。
隠世も賑やかぁになりますなぁ。
[笛に送られしは誰だろうか?
軽快な笛の音は、気心知れた者へと送るような優しさが滲んでもいただろうか。
となれば……いや、無理に詮索しなくとも、やがてここに辿り着くだろう
今は少し気になる想いが心へ届く
誰の…何の? は少しわからなかったが
隠世にお天道様が昇ったような
夕闇の露を浚う陽光の如き
そんな暖かい音色なら
それは人の子の言の葉か?]
うちも永ぅ現を渡りましたけど
人の言の葉いうんは不思議なもんですなぁ。
ええ、響きを重ねます。
楽器の奏でる音とも違う
妖しの奏でる自然の唄とも違う
言の葉いうんはそんな不思議な響がありますなぁ。
[遠い昔を懐かしむように、狭間の月を眺める
心なしか寂しげに、そして少し恥じるように瞼が震えた]
言葉がない物の――思い。
それを伝えるのが音、楽、なのね。
[志乃の言葉に、小さく頷く]
箏に触れるということは、それを伝えるひとになるということ……。
[けれど続く言葉に赤くなって、慌てて手を振った]
そ、そんな、恥ずかしい、よ……。
[自分でも何故咄嗟にあんな事が言えたのかわからない。
人と接する経験が少なく、歳の割にたどたどしくしか話せぬ己が、である]
きっと、私には志乃だけだったから、……だから言えたんだと思うの。
[口にしたら余計に恥ずかしくなり、もじもじと指を絡ませる]
だからずっと……ずっと……
[ずっと。言い掛けて娘は、永久に、と言った志乃の顔を見る]
あの、ね。
それは、もし私が死んでしまったとしても?
それとも――
[志乃は言葉を呑み込んだ。
だから娘も口を噤む。
今はまだ、祭りで出逢ったかけがえのない友人と、そのままの刻を過ごしたかったから]
うん。
楽しみだな、こっちのお祭り。
[志乃に導かれるまま、祭囃子の源へと]
……そっか。
私たち以外にも、こっちに来た人がいるんだね……。
[『連れて行く』などとあやかしたちが言っていた事を思い出す]
それに、また、誰かが……
[志乃と一緒に振り返りつつ]
こっちは、賑やかになるけど……
村は、寂しくなるね。
[ふと自分の家の事を思い出したが、ふるりと首を振って]
ううん、私は……自分で、そう決めた、から。
[自分に言い聞かせるよう呟く]
そないなこと言うてくれたらうち照れますし
嬉しぃ思うてぎゅうとしとぅなりますやん。
[絡ませてくる指を、微笑ましげに見つめてから、片方の手で軽く頭を撫でて見せ]
せやけど、うちだけなんてことないんよ?
今までも縁はあったやろうし、
これからも深ぅなってくんがあります。
それは現も隠も同じやから
[ただ、助け起こしただけで、あれほどお礼を言ってきたゆり
逢う先々で彼女を気遣っていた日向やたまこ
面と向かって結んだ糸はなくとも、繋がる縁は浅いもものではないはずで
今、自身がこうやって彼女の傍らに居るのも、逢魔時の鐘の音が
偶なる響きを奏でたからにすぎない]
……
[『死』とはなんだろう…
言葉の意味は分かってはいたが、現の理から離れるこの隠世で
現で言うの『死』ほど曖昧な言葉はない
現の理ならば、そもそも自身は『生』すら経てはいないのだから
それと同時に彼女が今『生』と印すか『死』と印すかも非道く曖昧で
生の先に死はあらねど
死の先に続く道はある]
離れとぅない思ってくれるんやったら
永久は続きますよぅ?
[祭囃子の源へ誘いながら、小さな呟きは届いたか?]
ん、う……
[頭を撫でられると、耳まで赤くなって首を竦め、唇を尖らせる。
けれど続く言葉に思うことがあったか、背を伸ばして]
うん……そっか……
ありがとう、とか、何も言わずに来ちゃったな。
[受け取るものはあっても与えられたものはあったろうか、と]
……これからは、そう出来るといいな。
こっちの世界、でも。
えい、きゅう……。
[志乃の小さな呟きを。
聞こえはしても受け止め切れず、それっきり黙りこくった]
[呟きひとつふるりと首を振る様を見つめれば
女の表情は微かには陰りもしただろう
未練……その心の花びらは
現も隠も変わりなく
いや…仏の道で言う成仏なるを用いるのなら
九十九の念に限らず、妖しなるモノノケは
未練の業を最も色濃く彩る存在でもあるのだろう。
ないわけがないことはわかってはいただろう。
それがわかっていて
それでも手を取ってくれて
そして今
『自分で、そう決めた』のだと呟いてくれれば
私はただ、頷く他に術はない。
有り難うと言の葉を開きながら──]
沙耶ならできますよぅ?
すぐではなくても、こちらで出会える縁もあるやろうし
それに……
現に想いを届ける術はありますよ。
秋雨が豊穣の雨を呼ぶように
トラツグミが詫を謳うように
菜の花が春の息吹を喜ぶように
きっと想いは現へ届く音となりますよ
[箏(自ら)をひらりと翻す]
そう……かな。……ありがとう。
[断言する言葉に頬を赤くしつつ、励ましてくれたことに礼を言う]
そっか……。
私が気付かなかっただけで、繋がってない訳じゃないから……
届くんだね。音(想い)が。
[もしそうなら、と思いながら空いた方の手を伸ばした時、その指先の小さなぶれに気が付いた]
…………?
[目の錯覚か、隠世故の現象なのか。
その時は気には留めず]
[黙りこくってしまった娘の髪をさらりと撫でる]
昔、むかしの頃だって
いろんなお顔を見せたって
お月様はお月様
お天道様はお天道様
現でも隠でも沙耶は沙耶ですやろ?
せやなぁ、うちはもっと沙耶を知りとぅ思いますんよ。
隠世は時の移ろいがゆっくりやから
ゆっくりゆっくりでええんやけど
色んな沙耶を見たい思います。
想い出話を肴に 秋の夜露を杯に
“さや”いうお月様眺めるんも風情ありますやろ?
うん。
私も志乃のこと、もっともっと知りたいよ。
とても永く生きて来たんでしょう?
[自分の人生とは比較にならない重みを、九十九の過去に感じながら]
んん、でもお月様とか……
そんな大層なものじゃないし……
あんまりじっと見られるのは……恥ずかしい、かな……。
[照れを隠せず、ふいと横を向いた**]
永く……そうやねぇ
九十九言われるくらいやから、
人の世の刻より随分と気も長いんやけど。
うちは拾近ぅ九十九の輪廻を回ってるんやねぇ。
と、言いますとえらい妖しみたいに聞こえよるけど
うちお寝坊さんやから、そないに永ぅは動いてないんよ。
沙耶も知っとりますやろ? うちがお寝坊さんなの。
あないな姿人様に見せたんは覚えてないんやけどねぇ。
[眠りこくってしまった事を思い出し、少し恥ずかしげに俯いて]
特にこのところは出るのもおっくうでねぇ。
平穏やったんもあるんやけど、奏でられぬは出てくる謂われもないから
しばし籠もって、九十九の便りを聞いてたんよ。
せやけど骨董品みたいに扱われるんも
面白ぅない思うんもあってね
箏は奏でてこそやから……
せやから、先代の主様が亡くなりはってから彷徨うて
うちを世に送り出してくれた方の故郷や聞いて
青葉の里に来てみたら、えらい別嬪さん見つけてしもうてね。
こっちで知り合うた同胞さんらも皆
ええ子やとか別嬪さん言うてたからねぇ…
聞こえとったやろか?
[恥ずかしがってそっぽを向く様を、目を細めてくすりと笑う]
[現で共に紡いだ最後の箏の音は、この箏に宿った様々な想い出をもまた新たな主となろう者へ届けたのだろう。確かに年季は相当なもので、故に代わる代わるの主の数、巡り征く時代の永さは九十九の中でも長じてはいるのだろう。実際、現で九十九なる伝承が印されるより前に、自身は我を得てはいたのだから。かの大妖に次ぐ程には現も知の移ろいは知ってはいるのだろう。
けれど、かの大妖程の自尊もなければ、挫折の覚えもない。畏れを纏う程の力もなければ、想いも希薄
重みなどというものを女自身露とも思ったこともない]
知りたい……んーうちなぁ
昔のうちは沙耶みたいにお行儀よぅはなかったからねぇ。
お話したら恥ずかしいんよぅ?
[たまこの簪の九十九には終ぞ逢うことは叶わなかったが出会っていれば、揚羽なる九十九の娘に遠い昔の自らを重ねてしまっていたかもしれない。
それはそれは主にちょっかいをかけたり、身勝手に振る舞ったり、それが災いして迷惑もかけた。
清涼殿のあの時など、もうそれこそ“ぷんぷん”で、怒りに任せて演奏中に自ら絹の弦を全て切ってもやったっけか?
──取り返しの付かない顛末を招いた故、それから随分と落ち着くことになったのだけれど……思い出せば相当に恥ずかしく、そして悲しい想いがこみ上げる]
怒らんと聞いてくれるんやったら、いずれお話しますよぅ?
[狭間の月に照らされた頬。その頬を撫でる艶やかな黒髪を見つめてから、女もまた並んでうつむき加減に横を向く。
隠世の祭囃子が巡る中、やがて笛の音も混ざろうか?]**
― どこか ―
[目覚めたのは木の傍らだっただろう。寝ぼけているのか、居ないのか。ともあれ、視界には明之進の姿は見えず。]
そっか。
鈴、落としたっけ。
[懐を探ればそんなことを言う。長年に身に着けていたものであるから、無いとそれなりに違和感があった。]
いや、残したんだっけ…。
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