3 ビー玉坂〜卒業式の前に視るその場所は…
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文芸部 ケイトは、闇の中でずっと手に握っているのは ――― ビー玉と、…
2010/03/07(Sun) 23時半頃
[現代へと戻るあちらの景色。
聞こえてくる音。
闇の中]
――…。
[視線を落とす。震えることのない自分の裡]
[哂い声。
ふと思う。
あの二人の教師は、いまはどうしているのだろうかと。
思うだけで問うことはなかったけれど。
それだけは、心に疑問として浮かんだ]
[光が消えた。綺麗な生の気配が消えた]
[今まであったのは幻。過去の光。ただ、それだけ]
[そんなことは分かっているのに]
………ない。ここには何も無い。
『来るな』(おいで)
『やってしまえ』(やめとけよ)
[闇に溶けかけた魂がかすかに蠢く。
綺麗なものが、たった一つでもこの死後の世界にあればいい。
それだけを頼りに、闇へと対抗している**]
[ピアノを、――嫌になった。
才能などないからなのか
あの子が生まれたからなのか
元々好きではなかったのか
全ての思いが消えて
ピアノを弾いた時の音。それは]
……そか、夢じゃないよね。
あっはは何を期待してるんだか
[鳶色の眸を開くたびに思ったそれは
“夢物語”でしかないのだ。]
[溢れた悲しみは、抱えてきた心の闇で]
[離れていた指先を再び鍵盤へ向けたのは]
[彼の音に惹かれたからか]
ですから私はもっと、あの音を聴きたかった。
[聴きたくないのは本当。聴きたいのも、本当。
忘れてしまいたい(忘れたくない)]
…メアリー。
[金色を染めた冷たい闇は、赤く染めた絆の糸へと染みていく。]
こっちへ、くるかい?
[闇が戻ると掴かもうとした大地色のビー玉は消えて何もない]
壊れたモノは還らない。
[立ちつくす男
空虚な声]
[侵蝕してくる闇。
それに抗うのは
最後に抱いた思いを忘れたくないからだろう]
…ル。
[その名を呼ぶ声は小さく掠れた]
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( ここはくらくて ) ( つめた い )
[緋色の少女の手には 大地色とピアスが握られたまま]
( ここが どこか わからない )
(@77) 2010/03/08(Mon) 00時頃
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[闇の中 緋色の哂い声のする方へと 蒼い蝶は羽ばたいた]
[闇は冷たいのか、温かいのか。
横たわった身体を闇色が包んでいく。
どろり、と手が沈んだ。]
……行きたい
[赤い糸の先は、どこか。
聞こえた声に笑った。]
過去は変わらない。
元通りになんかならない。
たとえ、本当に夜明けが来ても、
犯した罪が消えることも、
壊れたものが直ることも無いね。
[浮かべるは、哀しげな笑み。]
文芸部 ケイトは、闇の中で 宿り木になるように そっと手を伸ばした
2010/03/08(Mon) 00時頃
扉が閉じてしまう
暗い、怖い ひとりは嫌
おいていくの?
あたし---い子だから?
[一瞬闇に囚われて]
サイモン?!
[どこかから聞こえてくる知らない男がサイモンの声に聞こえる]
『こんなに君のこと、想っているのに。
君に傍にいてほしかったのに。
僕を一番だと想ってほしかったのに』
[塞いでいた耳に流れ込む闇の声]
『…のために みんなを おくってあげないとね。』
ちがう、 ちがう あたし そんな事望んでいない
[手の中のビー玉は徐々暖かみを失いつつも
ケイトの冷たさを温める]
[闇の中 蒼い蝶は緋色の少女を見つける
そっと差し伸べられた手の周りを しばしの間 ひらひらと舞い
やがて 指先に止まった]
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[ 緋色の少女の手に 蒼い蝶が止まれば ]
( ふふ、 )
[ 少女は 嗤った ]
[ 伸ばしてない方の手は 冷たいけれど 大地の温もりだけは まだ、あった ]
(@78) 2010/03/08(Mon) 00時頃
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だから、おいで。
[抱き寄せる。
闇の中へと引きずり込むように。]
もう戻れぬなら、墜ちるところまで堕ちて行こう。
[鳶色の髪が溶ける。
ひらひらと飛んでいった蒼い蝶が鮮やかに飛んでいく。
闇に、ディーンに抱き寄せられ
小さく頷いた。]
行きたいよ、……生きたかったよ。
貴方と、ディーさんと
[見上げれば葡萄色はまだそこにあるだろうか。
双眸でそれを愛おしく見上げて]
嗚呼、君と…ともに生きて行けたら…。
[叶う事のなかった願い。思う程に痛む胸。
伏せた葡萄色の瞳が揺れる。]
あは、やっだ……ちょっと泣けてくる。
ごめん。ディーさんといられれば私は
[決めるのはあなた。
かつての友人は、己に向けてそう言った。
決めたのは、私。
伏せられた葡萄色にそっと手を伸ばす。
僅かに闇色に染まった指先は頬を滑る。]
大丈夫だよ、一緒だもの。
[闇を微かに蹴って、ディーンの唇に己の唇を添わせた。]
[触れる唇は、甘く甘く。
いとおしくて、いとおしくて、
このまま全てを奪いたくなる。
染めて染め替えて、ひとつに…。]
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せんせ…
「せんせ」
(@79) 2010/03/08(Mon) 01時頃
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