254 東京村U
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[『ドッペルゲンガー』とは、医学的には「自己像幻視」という自分自身の姿を見る幻覚の一種であり、脳腫瘍によって引き起こされるケースが多いという。
また、オカルト用語としては、複数の場所で同時に同一人物が姿を現す現象を指すそうだ。こちらのドッペルゲンガーにまつわる伝承は、古くから世界各地に存在しているという]
(116) 2016/10/01(Sat) 21時半頃
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[江戸時代の日本では「離魂病」という肉体から霊魂が分離・有形化したものと考えらえ、『影法師』『影の病』などの名称で呼ばれていた。
『日本古文献の精神病学的考察』という本は、この『影の病』の一例として、親子3代に渡って影法師を目撃して病死した家系が紹介されている。"見たら死ぬ"と言われるゆえんはここからだろうか?]
……影。
[ヤヘイの言葉を思い出し(>>1:276)、ゾクリと背筋が凍った]
(117) 2016/10/01(Sat) 21時半頃
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[ドッペルゲンガーを扱った文学作品は数多い。かの芥川龍之介は、短編『二つの手紙』の中で、自分と妻のドッペルゲンガー現象に苦悩し、正気を失っていく青年の狂気を描いている。
ちなみに、芥川自身、自分のドッペルゲンガーを実際に目撃したと、ある座談会の場で述べたという。このようにドッペルゲンガー現象と遭遇した偉人は多く、エイブラハム・リンカーンもその一人だという。
芥川とリンカーン、そのどちらも自殺と暗殺という、壮絶な最期を遂げている]
(118) 2016/10/01(Sat) 21時半頃
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[第三者を殺害するドッペルゲンガーが登場する文学作品として 『プラーグの大学生』があり、悪魔により奪われた青年の影が、影法師となり、青年が恋する女性の許婚を殺害する。結果、苦境に立たされた青年はこの影法師を射殺するが、魂を共有する影を破壊したことで青年もまた命を落としてしまう。
遭遇者が生存する作品にはアルフレッド・ノイズ『深夜特急』があり、"無限にループする異界"に閉じられた青年が己のドッペルゲンガーと対峙し、壮絶な殺し合いの末に帰還する。ただ、この帰還した青年が、本人なのか、それとも影法師なのかは、実際のところはっきりと明記されてはいない]
(119) 2016/10/01(Sat) 22時頃
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な、なにこれ ……死ぬことばっかり
[昨晩の記憶がよみがえる。 身体の芯が冷えてゆくようだった]
(120) 2016/10/01(Sat) 22時頃
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―午前・原宿表参道―
[表参道は元々明治神宮の参道として整備された区域だ。ケヤキ並木が青山通りから原宿駅前あたりまで続くこの周辺は、長らく東京有数の洒落たショッピングストリートとして発展してきた。少し奥に入れば閑静な住宅街やハイソな感じの美容院が見られるこの辺りは、当然ながら山岸五郎の本来の行動範囲ではない。]
(121) 2016/10/01(Sat) 22時半頃
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ったく。この辺りだとは聞いてたが…… フランス語だかイタリア語だかの横文字をな。 カタカナで書かれてもわかんねーって。
[SEだった前職の頃の友人が待っているのはどの店だろう? さすがにパーカーからもう少しまともな私服に着替えた山岸五郎は周辺をぶらついている*]
(122) 2016/10/01(Sat) 22時半頃
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[美容師の呼びかけに、反射的に顔をあげた。
検索結果を追うのに集中したせいか、自分が今、どんな姿をしていたのか、すっかり頭から抜けていた。
敬愛する『解放治療カルテ』が芸能関係者だからという理由で我慢してはいるが、普段ならば、こんな少女趣味の強いワンピースなど、オフでは絶対に着ないのだ]
……ひぃぃぃいいいっ!!!
[思わず叫びながら目を覆ってうずくまってしまった。 鏡に映った、着飾った自分自身。 それはあたかも、あの"もう一人のジリヤ"のように見えた**]
(123) 2016/10/01(Sat) 22時半頃
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― 朝:ホテルの一室 ―
んん……。
[何に起こされるでもなく、ふと目を覚ます。 はっとして、ベッド下を覗き込む。
いつのまに意識を手放していたのだろう。満足に眠れたとは言い難いが。 抜け切らない疲労のせいか身体は重い。昨日酷使した足の筋肉が痛む。
昨晩から、同室の入間澪音は、しきりに電話をかけていた。 しかし、電話先との連絡は、とうとう取れず終いだったようだ。 その間、自分はできる事など何もないと思っていた。
ようやく昨日はひどく混乱していたと自覚する。 いざ落ち着いてみれば、やるべき事、できる事は山程あるように感じられた。
隣部屋の様子も気になる。あの二人は無事だろうか。 まずは全員で顔を合わせたい。こちらから訪ねるべきかもしれない。]
(124) 2016/10/01(Sat) 22時半頃
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デメテルは、イルマの様子を伺った。
2016/10/01(Sat) 22時半頃
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―午前・原宿表参道―
もうヤダ……絶対にヤダ! 今日帰ったら即効捨てる、こんな服!
[ぷりぷりと怒りを露わにしながら、『解放治療カルテ』へのお土産を求めて表参道の街中を歩いていた。本郷は、周囲に警戒心をもたれないよう、ジリヤから数十歩離れた位置からついてくる。
人通りはさほど多くはなく、ハイソは街並みに似つかわしくない顔はすぐに発見できた]
あれっ、"山岸"……さん?
[あの居心地のよかった時間が脳裏をよぎり、ぽろりと口から言葉が漏れてしまった]
(125) 2016/10/01(Sat) 23時頃
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―午前・原宿表参道―
ええと、「Labeille」って何て読むんだ。 フランス語だよな。ら……べいれ? らびーれ… らべーるぇ…… らべーる……
[ぶつぶつと呟きながら通りの店名に意識を集中させて歩いていた山岸五郎がふと名前を呼ばれたことに気づいて>>125振り返るには少し時間がかかった]
お。誰だ……って、昨日の嬢ちゃんか。今日はあいつ、探してねーのか? なんでここに……って、ここじゃ俺の方がお門違いか。
[後ろに男が付いている事は知るはずもない。ただ、別段少女に何か特別な感想を抱くわけでもなく、話しかけた。]
(126) 2016/10/01(Sat) 23時半頃
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(え、なに……そんな普通なの!?)
[まったく動じることのない"山岸"の態度(>>126)は、まるで昨日の続きのようで、それだけでなんだか胸がすく思いがした]
(……やるじゃん、"山岸"のクセに)
うん、今日はただの買い物。 ヤヘイは……ちょっと、仕切り直しっていうか。 そっちは?まさか青山に引っ越しとか?
(127) 2016/10/01(Sat) 23時半頃
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― 早朝:渋谷 ホテルの一室―
[夢を見ていた。 目の前で歌ってるのだ。テレビの向こう側に居るはずのアイドルが、ステージ衣装に身を包み。 夢でなければなんだというのだ。 『それ』は重力を無視して、まるで妖精のように舞い踊っている。 夢でなければありえないはずだ。 アイドルに、抱いてと囁かれるなど。 夢であってほしかった。 朝日に煌めくキッチンナイフの刃が、胸目掛けて振り下ろされたから]
なあ、少年……俺、生きてる?
[起きてるかどうかは分からないが、そんな問いかけを投げつける。 そのまま暫く、呆然と中空を眺めていた]
(128) 2016/10/01(Sat) 23時半頃
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……ふぁーあ。眠いな。寝てていい?
(129) 2016/10/02(Sun) 00時頃
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―早朝・渋谷のホテル―
え。どうしたんですか先生。 先生が死んでたらオレも死んでるってことになるんですけど。
[隣から聞こえる木露の声によって、眠りは妨げられた。 正論といえば正論な言葉を吐きつつ、一二三はベッドから起き上がる。]
(130) 2016/10/02(Sun) 00時頃
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おう……そうか。仕切り直しか。
[ネットでの「知らない街ニキ」の現況の事はよく知らない。何しろ、昨日は別の調べものでそれどころではなかったのだ]
いや、俺はちっとな。前の同僚と会う約束があってな。 この辺の店のはずなんだが。なんか、ラベイユとかいうそういう店。
俺の柄じゃねーよ、表参道に家なんてな。 大体、再就職したところでそんなに余裕かましてられる仕事でもなさそうだしよ。
……ま、買い物か。気を付けろよ。ナンパとか。
(131) 2016/10/02(Sun) 00時頃
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[少女の名前は知らない。けれど、別にわざわざ聞くほどでもない。聞いたらそれこそ自分がナンパしているみたいだ。ふと少女から視線をずらす。
…ケヤキの並木の一本にカラスが止まっていた。例の大カラスだ]
あいつ…今日はあからさまに尾行してきやがったな。 そんなに見られたくねーもんが部屋にあんのか…
くそ。戻ったら絶対に見てやるかんな…
(132) 2016/10/02(Sun) 00時頃
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つーか先生、汗ビッショビッショじゃないっすか。 なんか嫌な夢でも見たんですか?
[隣のベッドまで近づいてみて、滲む汗に戸惑いつつも。]
なんならシャワーでも浴びます? お湯、溜めときますけど。
[一二三は木露の顔を覗きこむ。]
(133) 2016/10/02(Sun) 00時頃
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[一時の合間を挟み、再び演奏が始められる]
[…… すなわち、祖先代々より遺伝し来りたる無量の記憶と、その血統中に包含されたる各人種、各家系、各個性等の無数の性能の統一体たる人間の性格のうち、その一部が覚醒中に分離してあらわれたるものが所謂二重人格にして、同じく睡眠中に発露されたるものが夢中遊行症なり。 ……
…… 蜜蜂のうなり ……]
[迷妄めく思考も、 ただベースをかき鳴らしていれば、うすれ**]
(134) 2016/10/02(Sun) 00時頃
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みょんこは、ゴロウに話の続きを促した。
2016/10/02(Sun) 00時頃
みょんこは、ジリヤに話の続きを促した。
2016/10/02(Sun) 00時頃
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ラベイユ? ……そこなら知ってるかも。 たしか、あっちの方だったかな。 近いから、一緒にいこっか? ちょっと道、入り組んでるし。
["山岸"の横に並んで歩き出す]
あー、まぁそうだよね。 えっ、じゃあ、まだあのカラスマンションに? ……大丈夫?あぶなくない?
目玉模様とか、カラスに効くっていうよ?
(135) 2016/10/02(Sun) 00時頃
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うん、大丈夫だ、キミは死んでない。 つまり、俺も死んでない。
[一二三の返答から、そんな結論に辿り着いた]
……いや、なんか変な夢を見ただけだよ。 アイドルに殺されそうになるぐらい愛されるやつ。 ああ……お願いできるかい、すまんけど。
[指摘されて、酷く汗をかいていたことをようやく自覚する。 昨日の疲労も抜けきっていない。 爽やかな朝にふさわしくない、どんよりとした顔を一二三に見せつけていた]
(136) 2016/10/02(Sun) 00時頃
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ナンパは……うん、気をつける。
[誘われたら断れないからな、と不甲斐なく想ったタイミングで、"山岸"の視線が逸れた。ケヤキ並木の上に巨大なカラスが一羽]
……ヒッ
[咄嗟に"山岸"の腕をとって寄り添った]
えっ、えっ……尾行って それ、ヤバイじゃん…… 顔おぼえられてるって……
(137) 2016/10/02(Sun) 00時頃
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リーは、一瞬、体を強張らせた。
2016/10/02(Sun) 00時頃
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見られたくねーもんって ……カラスだよね?
え、ちょっと…… カラスと張り合ってるの?
やめときなよ、突かれたら痛いよ? きっとビンのキャップとかビー玉とかだよ……
[不安な表情で首を振る]
(138) 2016/10/02(Sun) 00時頃
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ア、アイドルっすか。
[一二三は木露の言葉に動揺を隠せず。 蛇口を捻る手が、カタカタと震え出す。]
(139) 2016/10/02(Sun) 00時頃
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あっちか。それは、ついてってもらえるとまあ、助かるな。 同僚と会うんでなきゃ、飯くらいは奢ってやるとこなんだが。
フランス語って分かんねーよな……
[軽く頭をかいて、また歩き出す]
あー…まあな。鈴里さんが昨日様子見には来てたらしい。 今は現場検証も終わって事故だって事にはなったみてーだが、 さすがにしばらくは借りてもつかねーだろうな。 入って2か月かそこらの奴が事故ったんじゃ。
目玉、なあ。地元の田んぼにそんなのあったな。 効けばいいが…あいつがそんなタマなら苦労ねーんだけどな。
[やはりカラスはこちらの後をついてきている。こちらをずっと見ているというわけでもなく、その辺りを飛び回っているようだったが]
大丈夫と言や、嬢ちゃんもあんまり顔色良くなさそうに見えるが。
(140) 2016/10/02(Sun) 00時頃
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それに、その……
人、死んじゃってるんだよね。 ……そのマンション。
笑われるかもだけど…… そういうの、けっこう本当にあると思うし……
[歯切れ悪く言いよどんだ]
(141) 2016/10/02(Sun) 00時半頃
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も、もしかして、そのアイドル歌っちゃったりとかしちゃうんですかね。 ア、アイドルだから歌うのも当然っちゃあ、当然ですけど。
[声は上ずり、手の震えが止まらない。蛇口から勢いよく出てくるお湯は、バスタブを段々と満たしていく。]
(142) 2016/10/02(Sun) 00時半頃
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……なんだ。怖いのか?
[怯えたように腕を取って寄り添ってくる少女>>137に少々困り顔になった。主に外面的な意味でだ。]
気にすんなよ。カラスとは言え、あくまでもカラスだ。 集団ならともかく、1羽だけならな。
張り合うつもりはねーが、隣の部屋の事故にあいつが何か関わってんなら、これ以上人間舐めさせとくわけにもいかねーし。 明日の面接をさっくり通して再就職して、アパートともおさらばする。まともな物件に移れば奴が何をやってこようと関係ねー。 そんだけだ。
……瓶のキャップとかそういうもんだったら、確認すりゃ安心できるし。
[ことこの件に関して、いくら傍から見てカラスと張り合うという愚行に移ろうが、引くという選択は山岸五郎にはなかった]
(143) 2016/10/02(Sun) 00時半頃
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……風邪でも引いた?
[とりあえず顔でも洗おうかと覗き込んだユニットバス。 一二三の異常な様子が目に入り、そんな言葉をかける]
歌う他に踊ってたよ、アイドルだから。 更に、持ってたナイフで刺してきた。
[訝しげに観察しながら、先程の出来事を話す]
(144) 2016/10/02(Sun) 00時半頃
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……ああ。死んでるな。それも3人。 こんだけ立て続けに死んでるって事は…間違いなくなんかあるんだろうよ。
ただ、それは……こうも続くって事は、霊とかそういうふわっとした感じのもんでなしに…もっと具体的になんかヤバい原因が実際あるんだろうと思う。 霊とかでねーんだったら、何かしら対処のしようもあると思う。
なんだ。心配でもしてくれてんのか?
[ふっと息を漏らして、腕に寄り添ってくる少女の方を見やった]
(145) 2016/10/02(Sun) 00時半頃
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