156 カイレミネ島の雪
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― 自宅 ―
ふぃー…つっかれた。 ボロボロだが、まァ使えんだろ。
[捜索の結果。発掘した雪靴の埃を払いながら、煙草で一服する。もう少ししたら、カフェに集合する頃合か。
少し迷ってから。先代の部屋の押し入れに足を向けた。 たぶんもう、ぐずぐずしている時間はない。 ダンボールの一番上、開きっぱなしになっていた日記帳に少しだけ眉間に皺を寄せ。静かに、閉じる。 そうして、再び70年前の日記を探しにかかった。]
……お。これか? うわぁ。こりゃページがくっついてんな。
[ぺりぺり、と長年圧縮されたせいかくっついてしまったページを、慎重に剥がしながら読む。 70年前の冬将軍の到来。概ね、ぎっくり腰のばーさんが語った内容と同じだった。それとやはり、眠ってしまったら医者としてできることはないという。 後は、じーさん自身が眠りの中で起きたこと等々。]
(146) 2013/12/19(Thu) 23時頃
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……雪解香? 冬将軍が、嫌いな香りねぇ。
[読み進めていくうちに出てきた言葉に、目を止める。それは図書館で調べているマユミと同じもの。>>112 70年前、じーさんが研究していたらしい。制限は多いが、見つけた唯一の冬将軍の眠りを防ぐことができる手段なのだと。
更に読み進めようとして、次のページを開き。う、と口元を歪めた。くっついたページのインク移りが激しく、解読できなくはなさそうだが明らかに時間がかかりそうだった。 頭をがしがしかいて、日記帳を閉じる。]
マユミが言ってた本にも、これ載ってるんかなぁ。
[また後で会う予定だ。 時計を見て、そろそろカフェに移動しようと立ち上がった。]*
(147) 2013/12/19(Thu) 23時頃
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[>>131力無く咳をする姿。雪と同化してしまうような静謐さ。 我儘を、と言われて視線を向ければ、ぽふ、と左腰に投げられた雪玉。 果敢なく笑う表情。そこに彼女が秘めている事柄には気付けないけれど]
(ああ)
[抱きしめたいな、と思う。 実際には右腕は包帯に吊られ、左手は傘を差しているのだから、出来ないと分かっているのだけど。静かに向けられた笑みに、目を細める]
俺、そろそろ行かないと しんどいようなら診療所までか、自宅までか、付き添うけど あー、バランス悪いからあんましねー方がいいかもだけど、 左腕で背負うことなら、出来る?と思う ジリヤがしがみついてくれないと落としちまうかもだけど
(148) 2013/12/19(Thu) 23時頃
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冬将軍を眠らせれば、きっと皆目を覚ますわ。
[心配する必要は無いとばかりに、マドカの頭を撫でる。かんじんの誰が冬将軍なのかという話題については、触れないで置く。]
・・・残念ながら、私の体は登山をするようにはできていないのよ。
[僅かに口許を尖らせる。]
マドカが家にいるのなら、私もここにいるわ。
(149) 2013/12/19(Thu) 23時頃
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ミナカタは、診療所前で妙な泣き声がした気がした。
2013/12/19(Thu) 23時頃
ミナカタは、ヒュー達もそろそろカフェにいるだろうかと思いつつ移動。
2013/12/19(Thu) 23時頃
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― カフェ ―
ヒューさん! ジリヤがいないの……! 探すの手伝って!
[カフェの扉を開くと、開口一番そう叫ぶ。 ジリヤとヒューの邂逅は無論知らず、 見るからに息巻いた様子で]
…………いない。 まだなのね。
[店内には見知らぬ、あるいは見た覚えがある程度の人のみ。 恥ずかしくなって、隅の席にちょこんと腰を下ろした]
ま、まだかなあ。
(150) 2013/12/19(Thu) 23時頃
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[かたかたと自分の意思と関係なく震える身体、力が入らなくなり雪の上に横たわった どれだけ心が麻痺しても病んでいっても、体はそうではないのだ 今日はスープだけ、昨日はコーヒーと砂糖菓子以外何を口にしたか思い出せない。そんな状態なのだから当然と言える]
ぁ……
[駄目だ、起きていなければ…冬将軍が来るまで、お願いを聞いてもらうまで そう思っても血の気を失った唇は言葉を紡げず、意識が黒に落ちていく*]
(151) 2013/12/19(Thu) 23時頃
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[ヒューがミナカタ先生にこれからの事を説明しているのを聞きながら、シーの様子をそっと窺うと、眠ってこそいなかったが、ぼんやりと何処を見ているのかはっきりしない感じであった。恐らく眠いのを我慢しているのだろう。]
先生来てくれるんですか。 ……あ、シーを連れていくのは止した方がいいなぁ。 家に寝かせておくよ。
[往復四時間の雪の道、連れていって何かあったらと思うと、例え元気だとしても留守番の方がいいだろう。ヒューにその辺りは心配ないと答える。>>47]
(152) 2013/12/19(Thu) 23時頃
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[マドカを抱きしめたまま、耳元で囁く。まるで幼子をあやす子守唄のように、たおやかな調を奏でながら。]
ねえマドカ。私思ったのだけれど、寒いと寂しいって少し似ているわね。
[いつもより少しだけ元気が無いように見える従姉妹を励ますように、そんな話をする。]
昨日、今日と雪道を歩いていて、ずっと何かを感じていたわ。 とてもきれいなのだけれど、切ないような、心細いようなそんな感覚。
[体を突き刺す痛みと、何かがぽっかり失われたような虚無感。]
でもね。今はマドカのおかげでこんなに暖かいわ。 あなたを抱きしめていると、心も体も温かくなって、元気が出るような気がするの。
だから私は、きっと寂しくないわ。
[更に強く、抱きしめる。]
あなたもそう思ってくれたら、私はとても嬉しいわ。
(153) 2013/12/19(Thu) 23時頃
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[最後にぽんぽんと頭を撫でると、名残惜しそうに彼女の体を離す。]
さあ、これからもっと温まりましょう。 昨日のシチューの残りがあったわよね。温め直すから、お昼にしましょう?
[彼女が何か言いたげだったらそれを聞き、同意を得られたのなら、そのまま台所に向かう。 湯気を立てながら、ぐつぐつと音を立てる鍋を見ながら、幼馴染の少年を想う。]
ねえトレイル。あなたは今何をしているのかしら? あなたの側にも誰かが一緒にいてくれたら、よいのだけれど。
[昨日今日と、彼がミナカタの家を訪れていたように。 彼を温めてくれる誰かが傍にいてくれたらいい、そう思う。 だって一人ぼっちは、とても寂しい。
そのままシチューを2人で食べると、マドカとくっつきながら本の続きを読む。彼女が何か話すようなら、それに耳を傾けながら。]*
(154) 2013/12/19(Thu) 23時半頃
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― 回想 ―
[今でこそ、悪戯をしにくる少年は。 その昔はあんなクソ生意気じゃなかった。 両親は勿論、兄弟のいない自分にとって。お兄ちゃん、と呼んで懐かれれば、ひどく温かく感じ。敬語で話さない姿すら許容してしまうほど、可愛いと思った。
お兄ちゃん、と最後に呼ばれたのはいつだったか。 それは確か、少年の父が亡くなった時。]
『お兄ちゃん、死んだ人は何処に行くのかな』>>115
[泣きながら笑っているのは、独りぼっちになってしまった子供。白衣を引っ張る一回り小さな手取って、ゆるく握ったことを今も覚えている。 上手い言い回しの持ち合わせなどなく。]
……どこだろうなぁ。 空の上、天国ってヤツかねぇ。
[わかるなら、こちらが教えて欲しいと。脳裏に看取った時のじーさんの顔が浮かんで、消えた。]
(155) 2013/12/19(Thu) 23時半頃
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ああ、そこ重要なところなんだけどなぁ。 俺も分からん。
……え?
[誰に薬を飲ませたらというヒューに、難しい顔をして首を傾げていると、膝の治療を受けていたマユミが口を開いた。突然のことに理解が追いつかず、言葉が何も出てこなかった。>>57]
冬将軍に取り込まれた人が分かるかもしれない? へぇ、そいつはすげぇな!
[ヒューの驚く声に流されてしまったが>>59、薬で眠った人が、というのはちゃんと聞こえていた。]
(156) 2013/12/19(Thu) 23時半頃
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『俺も、父さんと母さんと同じ場所に行きたいな』>>116
[続く言葉に、黙って握る手に力を込める。 消えてしまった温もりを求める少年の声に。掛ける言葉を自分は持ち合わせていなかった。
心に空いてしまった穴を、埋める術など知らない。 もうずっと、自分の中にも大きな穴がぽっかり開いていて。 それはこれから先も、埋まることはないのだと、わかっている。受け入れるしかないと。
けれどそんな状態でも生きていけるのだと、なまじ知っていたからか。 この手を繋いでいる少年も。空いてしまった穴をそのままに、生きてけるものなのだと、思ってしまったのかもしれなかった。]
(157) 2013/12/19(Thu) 23時半頃
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― → カフェ ―
[厚着をして、毛糸の帽子をかぶり。雪靴を履いた完全装備でカフェに向かった。 カラン、とカフェの扉を開け。ぐるりと店内を見回せば隅の席にちょこんと座っている、少女の姿を見つけた。>>150 確か、一緒に雪雫草を取りに行く一人だ。]
……えーと、モニカだよな? ヒューとブローリンはまだなのか。
[ポケットに手を突っ込み、近づいて声をかける。 ジリヤが行方不明になっていることなど、知らずに。]
(158) 2013/12/19(Thu) 23時半頃
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―公園―
[そろそろ行かないと、と告げる青年に頷く]
冬将軍を眠らせる薬の話は、私も聞いていたよ。 この非常事態だ。それでも、皆が力を合わせれば…。 きっと上手くいくんじゃないかって、信じてる。
[付き添いの提案は嬉しかったけれど、静かに首を横に振って]
ありがとう。お薬も貰ったし、大丈夫。 ヒューは待ち合わせ場所に行ってくると良い。
[左腕で背負うという提案には、きょとんとしてからくすくすと笑う]
ふふ、ヒューは本当に、変わらないな。 雪道でそんな危ないことをしていたら、 君まで一緒に叱られてしまうよ?
…ありがとう。
(159) 2013/12/19(Thu) 23時半頃
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[>>158 若干着膨れ気味にも見える男がモニカに近づいてくる]
ふぁっ……こ、こんにちは。 モニカです。
うん、ヒューさんとブローリンさんはまだみたい。 えっと、おにいさんも一緒に雪雫草を採りに行くの?
[それから顔を直視して、誰か気付いたとばかり小さく声をあげる]
その怖そうな顔は……ミナカタさんだ! わあ、もこもこしてると違う人みたいー。
[きゃっきゃっと笑う]
(160) 2013/12/19(Thu) 23時半頃
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負傷兵 ヒューは、メモを貼った。
2013/12/20(Fri) 00時頃
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[傘を返してもらう折、包帯越しに彼の頭に触れて]
道中、どうか気を付けて。 他の皆にも、そう、伝えてほしい。
[顔を覗き込むようにして、笑顔を見せた]
ありがとう。 私がこの島に来て嬉しいと、言ってくれて。
[尽きぬ想いを、短い言葉に託して、伝える。 彼がカフェへ向かうのならば、佇んだまま、あの歌を口ずさんで見送ろう]
(161) 2013/12/20(Fri) 00時頃
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― 回想 ―
[ケガや病気とは無縁だが、 ミナカタには数年前診てもらったことがあった。
まだ学校に通っていた頃、 健康診断でミナカタが訪れたことがあったのだ。 同級生の少女達は、若くてかっこいい男の人に診られることを恥ずかしがっていたが、その時のモニカは意に介せず、真っ先にミナカタの元に行き、診断を済ませると、これで遊べるとばかりに外に駆け出していったものだ。
思い出すと少し恥ずかしい]
(さすがに今はムリだなあ)
[目の前のミナカタを見て、そんな感想*]
(162) 2013/12/20(Fri) 00時頃
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−マドカの家− [本を進めながら、何度か未練がましくページを戻す。 そこは雪解香のページ。]
私が作るのは難しそうだけれど…何もしないのも、癪なのよね。
[ミナカタに渡してはいおしまい、と言うのも、無責任な気がする。半ば意地になって目を凝らすと、やがて材料の中に一つだけ見知った名前を見つけた。]
これ、前おばあちゃんが眠れない日に効くって教えてくれたやつだわ。
[ミナカタは山に登るようなことを言っていた。 もしそうだとしたら、彼はこれから忙しいだろう。]
たった一つ、焼け石に水かもしれないけれど。
[それでも何かしたい。 そう思うと、再び防寒具を身につける。
マドカが起きているなら「すぐに戻る」と声をかけ、空腹が満たされたことでうとうとしているようなら、肩に上着をかけて。 再び扉を開ける。]
(163) 2013/12/20(Fri) 00時頃
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怖そうな顔で悪かったなぁ。
[>>160思わず眉間の皺を深めるが、無邪気に笑う顔に毒気を抜かれ。]
これから寒い山ん中行くんだから、厚着くらいするっつーの。
お前は、変わらず元気そうで何よりだ。 ヒュー達すぐ来るかもしんねぇけど、何かあったかいモン頼んどくか?
[一番上に着てたジャケットを脱いで、向かいの席に腰を下ろして待とうかと。]
(164) 2013/12/20(Fri) 00時頃
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ん。いや俺は叱られ慣れてるし、それくらいは別に…
[くすくすと笑って礼を言うその表情が堪らなくいとしくて。 少し迷ったけれど、触れる指、覗き込まれた笑顔に、堪えることが出来ず。 傘を返す為に伸ばした左腕で、ジリヤをそっと抱きしめた。雪と同化するかと思う静謐さは、しかし確かにこの腕の中であたたかくて]
(…好きだよ)
[嬉しいに決まっている。来てくれなかったら、会えなかった。 心の中でそっと呟いて、離れる]
本当に、無理はしねーでくれな やっぱり熱あるみたいだし、薬も飲んでくれ …帰って来たら、また、寄るから
その時までに熱を下げててくれよ じゃあ、帰り道、気を付けて。行ってくる
[顔を見られずに、傘を渡すとそのままジリヤに背を向けて走り出した*]
(165) 2013/12/20(Fri) 00時頃
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