3 ビー玉坂〜卒業式の前に視るその場所は…
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フィリップくん…
だめ… だめだ よ
もう いいんだよ みつかったんだよ
そんなこと しなく て いい から…
[闇を 流れてゆく 風 のような何か が
冷たい涙を 一筋の光の糸のように さらう。
虚空へ差し伸べる 手は
届かない と しても]
[闇色の茨はスティーブンの呼びかけに応えることもなく
ケイトを闇に引きずり込もうとして
少女の手に握られたビー玉の温もりに触れればパキリと罅が入り]
ゴメン 猫だったけど、約束したから…
寂しかったら抱いててあげるって
あたしでいいならいてあげるから
[思わず駆け出しててキャロライナに手を差し伸べる]
[闇から聞こえる声。声 声。
まるで
闇の中に差す
光のようにも思えた]
|
[そこにはきっと沢山の想いが宿っているから。
優しい想いも。
切ない想いも。
やるせない想いも。 ――――……。
自分だけじゃ抱えきれない想いも 木が助けて抱えてくれる気がするのは
やっぱりどっか壊れてるのかもしれない。]
(200) 2010/03/09(Tue) 01時頃
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俺はよくばりなんだよ。
[ケイトの腕を掴むと反対の手でキャロライナに手を伸ばす]
もう少し持ってくれ、ヘクター。
[そうしていれば、ぎゅっと手をとられる力が強くなり]
[黒く染まりつつある瞳でピッパの視線を合わせると、
彼女の問いかけに対して大きく頷いた]
……ああ。
[けれど、その呟きが彼女に届くか届かないかの時に]
[解放されようとするケイト。
それを止めようとするキャロライナ]
[人の形をなんとか保つ闇で動こうとしたけれど、首を振ってやめた]
(誰でもいいなら、誰がいたってさびしいままさ)
(一人で幸せになれないのに、他人がいて幸せにはなれないよ)
[思念を走らせるけれど、声にならない]
[向けられる言葉に、少女の掌から伝わる 大地の色の輝きに 闇の中に差す光に
やがて茨は罅割れ 砕け
黒い花弁となって――舞い上がる]
|
ほら、教えろ、よ……―――
(202) 2010/03/09(Tue) 01時頃
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(自分で、頑張れ。迎えに来てとか思うなよ。
自分で逃げなよ、自分で扉を開けなよ、ケイト)
(もう肉体はないんだ。
闇に邪魔されたって、強く思えば自分で光のところに行かれるよ)
[理想論を、語る。ずっと最初から唱えていた夢の音]
(諦めるなよ)
キャロライナの手をとれば
ヘクターも同時で
ふたりでキャロライナを引っ張る形で…
なぁ、キャロライナ。
消える俺の分まで頑張ってくれよ。
[それは懇願]
…何があろうと、俺だけの君で居て。
君だけの俺で在り続けるから。
[それはなんて、歪んで醜い愛なのだろう。
自己嫌悪に心刻まれても、それでも欲しい気持ちは変わらない。
例えその先に、破滅しか無いとしても。]
[帰りたい、帰れない、帰らない。
引き込まれたものたちの、未来を憂う。
それは未来であるのか。それとも。
「光」を感じて、闇に侵蝕していった魂は、緩やかにもとの色を帯び始めた。
けれども]
……この闇が、ケイトが見つかった事によって晴れればいいのですけどね。
そうしたら。
[帰れなくても安らかに眠れるのだろうか]
[吹き上げられた花弁は 黒い花吹雪のように 舞い散り 踊り はらはらと皆の上に降り注ぎ
ヘクターから ピッパから伸ばされた手を少女の手が掴む]
フィリップくん… !
[ あの やみに とどかない
こえ も きこえない ]
―――…ッ、止めて
もう、止めてあげて……
[彼が ころす のを 。
差し伸べる 手 届いたなら]
[自分が帰ることを望むものは居るだろうか。
受け入れてくれるものは居るのだろうか?
いなくなって悲しむものは居るのだろうか?
それでも、
永遠を永遠にするために、大切なものと共に壊れてしまえたらと願う。]
キャロ…
[捕まえたと思ったのに…名前を呼ぶ声が宙に浮く]
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人殺したら、心的外傷付くって、お前分かってるじゃねぇか。 それって、お前も、そうだからじゃねぇの?
[苦く笑う。知識のことだと嘲笑われるだろうか。]
莫迦、だなぁ
[例えそれがあげ足取りだとしても。 一瞬動きを止めた、唯一つ残った実体部分に手を伸ばそうとして、ケイトの姿に気がつくか。]
(210) 2010/03/09(Tue) 01時頃
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