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……キスしても、いいですか。
[その意に、この場所と縁遠い彼は気がつくだろうか。
今更に照れて、言葉が敬語に戻ってしまったが]
メモを貼った。
メモを貼った。
……通じるといいな。
君が一緒に祈ってくれるなら、どんな大業も為せそう、
[
だから、眼を伏せたまま頭に浮かばせようと。
何を祈ればいいか、なんて。
わかりきっているし、願おうとしている。
けれど、拒絶してしまう我儘な悪しきココロが在った。]
………
[譬えば、彼がこの先誰の手を取るのだろうとか
その時彼は、今のように笑っているのだろうか、とか。
想像が出来ない。
だって、路上でも薬店でも、己に見せる飾り気ない笑顔を
他人に向けていないのだから。]
[悩んでいるうちに、物音立たずとも
ドナルドが動いた
ひとりならば、願えるものもあるかも知れない。
彼と二人では、無理なのかも。
だって、どう頑張っても無理だ。
その手で、その唇で、他人を愛してほしいなどと。
誓う方がいいと告げる声が響き、膝を浮かせる。
像の方を見上げ、視線を交わらせないドナルドの横顔。
真っ直ぐに先を見据える緋色を、見詰めていたが]
……誓う?
[次に会う時は今よりもっと良い男になってるだとか、
伝説の教師を目指すとか。
そんなことを誓われたら笑ってしまいかねない。
だって、今でも充分彼は素敵だし、いい先生だと思うから。]
……――― 、
[だから、何故口づけを突如願われたか分からず。
心なしか目許が緋く見えるドナルドに、首を傾げさせ。
いいよ、とあっさり望んでしまいそうになる口を閉ざし、
その意味を、暫し無言で考える。
そういえば教会は、式を挙げる場所でもあった筈だ。
死後の嘆きと、誕生の喜びと、永遠の愛を誓う場所。]
………… 私を、倖せにしてくれると?
神の前で約束?
[これ以上幸福を貰ったら、死んでしまいそうだ。
ぽっくりと、あっさりと。]
─ October 31, ホテルの客室 ─
[身を寄せ合って、温もりの中で楽しい夢を見ていたような気がする。
それがゆっくりと溶けて、グレッグの姿になって。
「Trick or Treat」
なんだか背中が擽ったくて、眠ったままで身動いで、翼をパタパタと羽ばたかせる。
意識が漸く浮上したのは、グレッグが、ちょっと不思議な服の構造に首を傾げている頃か。]
ん、にゃ
……ぁ、れ?
[目を開けると、そこは何故か、屋根の上ではなく、柔らかなベッドの中だった。]
グレ、ッグ……?
[昨夜、一緒に魔女の家の屋根に登ったはずなのに。
何でここにいるのだろう。]
[ぴこりと耳を揺らし、グレッグの腕の中におさまったままで辺りを見回せば、ここはグレッグの宿泊しているホテルのようだった。
どうやってここに戻ったのかは、まったく覚えていない。
けれど、外から聞こえてくる「Trick or Treat」の歌に、時がまたループしたのだということが分かった。]
……なー、グレッグ…………
約束、覚えてるか……?
[時間はまた巻き戻ったけれど、約束は変わっていないはず。
それを確かめるかのように、まだ半分寝惚けた瞳で、ゆるやかに笑いながら問いかけた。
翼はやっぱり擽ったくて、ぱたり、ぱたりと動いたまま。]
メモを貼った。
[男の横で立ち上がる、ニコラエの視線がこちらに向いている
落ちた沈黙が、恥じらいをさらに加速させた。
それでも、言葉にしたことを撤回はしない。
そろりと瞳だけ動かして彼を伺えば
疑問符を付けた言葉が返って来て
ッ、あああああ…………
言わせるな、初めてなんだよ、
[余計に目元を赤らめながらも、響かせるのは粗暴な言葉。
我慢ができずに身体を捻ってニコラエに向き直る。
彼もまた身体ごとこちらを向くようにと、肩に手を添えて]
—— 俺と幸せに、なってくれませんか。
[種族も違う、生活も、何もかもが違っても
求める先に救いはあるのではないか。
男はそう信じて、顔をニコラエへ近づける。
唇が触れる、後少しの距離はまだ埋めぬまま]
ニコラエ。
[愛しいその名を、呼んで]
[赤いというよりは茹で蛸のよう。
目尻も頬も赤い。
その色は己の最も求む色合いだ。
動揺滲む表情も、悪戯心を唆る、好ましい貌。
どれもこれも、愛しくてくるしい。]
初めてじゃなかったら、
歳甲斐もなく嫉妬してしまいそうだ
、 ―― しようか
[ドナルドがなにかをくれるなら、
同じ重さのものを。
なにかを明かしてくれるなら、
同じ重さの提示を。
君が誓ってくれるのなら、 ―――]
[色づいた目許に指を伸ばし、微笑んで。
倖せを誘う、誓詞に眼を細めさせ
自然と白い顔に赤みが注す。
ステンドグラスの赤が原因ではない
心臓がこんなにも、揺さぶられているのだから
対面させられれば、唇が震えてしまう。
愛しくて、その先に希望を見てしまって、]
Sigur ca da.
勿論、という意味だよ。
[ Te iubesc din toata inima. ]
私、は……
私は、 … 君が欲しいんだ、ドナルド、……、
[何が一番倖せであるか、
そこに彼が居てくれること。
思わず笑気を誘わてしまう、
やんちゃな笑顔を向けてくれること。
冷め切ったこの躯に、
暖かさを与えてくれるということ。
彼が生きているということ。
私を見ている、ということ。]
―――…君が居てくれれば、 それだけで、倖せなのに
それ以上のなにを、私にくれるというの
[それ以上はもう、口に出せず。
直ぐ近くに感じる呼気を預かるように眼を伏せ。
そっと彼の背に腕を回し、熱を求めるように唇を寄せた]
もう起きちゃったのか…おはよう。
[翼を弄っていた手が、
クシャミの身動ぎを感じて一度止まる。
寝起きで焦点の緩い金の瞳を見つめると、
胸の底に、じわりと疼くような甘さが芽生える。
狂った時間に無理矢理また同じ朝に引き戻されても、
芽吹いた感情は摘み取られてはいなかった。]
忘れるわけないだろう?
ミーは、俺の猫になる。そういう約束の約束。
…ハロウィンが終わっても。
[ぱたぱたと控えめに羽ばたく翼を解放すると、
昨日そうしていたように強く抱きしめて
伸ばした足を絡ませながら頬にキスをする。]
[ひとまずは、街へ。
幽霊モドキだから飛べるんだと気付かされたので、、少し上空から街を見渡す。
と、視界に見付けた、つい先ほど思い描いた人物。
『沖元さーん!』
[幽霊モドキライフを楽しんでみよう。
つまりは、折角なので驚かせてみようと。
彼の話しかけている露天商の真横へと、ふわーっと、降りていってみたりして。]
そっか、良かった。
[ちゃんと覚えていてくれた、夢じゃなかった。
抱きしめてくれる腕の強さそのままに身を寄せて、頬に触れる唇の心地良さに目を細め、クルル……と喉を小さく鳴らした。]
……ふひゃ、グレッグ、擽ったいよ。
[腕も、脚も、身長の高いグレッグの方がずっと長い。
絡められると、温かさと気恥ずかしさとで、なんだかとても擽ったくて、モゾモゾしながら小さく笑い]
……っ。
とりゃっ!
[お返しとばかりに、じゃれるように耳朶に噛み付いた。]
[年甲斐も無く、と言葉にされれば笑みを零した
自らよりも遥かに長い歳月を生きてきただろう彼に、可愛らしいとすら思ってしまう。
伸ばされた指先が目元に触れ、温度差を埋めていく。
ステンドグラス越しの柔らかな光が、ニコラエの頬に降りる緋色を映し出す。
きっとこれは、二人、同じ色。]
——…… ああ、
[唇からこぼれ落ちた言葉も全て刻み込み
色違いの目を逸らさぬまま、]
[肩に添えた手が震えるのは、彼の望みを知るから
その望みが、男と同じだから。
知りたいと願ってくれた、全てを話してくれた。
何度も巡るハロウィンで出会った、本物のヴァンパイアは
誰よりも優しくて、誰よりも綺麗で]
何もかも全部、持ってけよ。
そのかわり全部、貰っちまうから、
[とうにこの想いはニコラエの手の中にあって、寄り添いたいと願っていたから。
彼の想いも、何もかも全て、同じように手の中に入れられるのなら。]
—— 愛して、いるよ。
[唇が重ねられるその寸前に。
目を閉じて緋色を想う。
全てはその色に塗りつぶされて、ただ只管に求められ、求むままに
誓いを立てた口付けは一度で止むことはなく*]
メモを貼った。
[喉をごろごろ鳴らすのはいかにも猫らしくて、
微笑ましさに笑いを誘われた。
頬に唇を擦り寄せたまま笑っていると、
反撃を受けて耳を食まれる。]
っ…ははっ、くすぐったい
[さらに、反撃には反撃を、と。
ひくひくよく動く猫の耳に噛み付きかかる。
クシャミが身動いでも足も腕も解かずに、
シーツを乱しマットレスのスプリングを軋ませて
それにしては色気なく戯れて遊ぶ。
触れ合う肌から伝う体温と間近の声や吐息に
時折、微かなもどかしさも感じると、
そのたびに唇へのキスを強請った。]
……さぁ、今日は何して遊ぶ?
[五日目の10月31日。
そろそろハロウィン気分の盛り上がりも薄いが、
陽のあるうちからベッドに篭もるわけにもいかない。
クシャミの双眸を見つめ、笑って問いかけた。]
このまま戯れてると、
前倒しで契約したくなるしな。
[正しくは、契約の約束のオプション。
キスの続きの示唆は、冗談めかしてはみたが。
抱く腕を解く前にとクシャミの額に触れる唇が
ほんのすこし熱くなっているものだから、
案外本気だとバレバレだ。]
[改まった物言い
ふたつなら一層増す彼の瞳には、全然似合わない。
でもね、誰よりも優しいひとだから、
誰よりも、私を包み込んでくれるひとだから。
だから、彼の温度も、重ねてくれる心も、合わさる唇も]
――神様にも、だれにも、……――あげないよ。
私で、君を売ってくれる?
ひとかけらも、殘さず、私のものに。
ひとかけらも、殘さないで。私を
[
神の前で誓ってしまえば。
私は、彼から何もかもを取り上げたくなるのだ
暖かな唇が紡ぐ愛の言葉と、倖せを運ぶ口づけに
全てを捨てたくなってしまう。]
[捨てた分だけ、彼が占めればそれが一番いい。
なくしてしまった分、彼が埋めてくれたら]
……ん、 もっと
ドナルド、……もっと、君がほしい
[誓いの口づけは一度が相応しいというのに。
貪欲に欲して、唇を自ら合わせる。
これでは、聖なる場を侮辱しているだけな気もするが、
神様なんていないなら、知ったことか。
願いなんて叶わないでいい。
神への宣誓など不要で、私への誓いがあれば、それでいいから]
ねぇ、もっと――…
[グレッグが笑い出せば、反撃成功とばかりにニヤッとしたが、呆気なく反撃の反撃に遭い、ヒャァァと間の抜けた声をあげてしまった。]
ヒャ……もーグレッグ!
グレッグってば!
[抑え込まれたままでバタバタと暴れるも、体格差か筋力差か、振り解くには至らない。
尤も、振り解くつもりなどなく、寧ろ擦り寄り、戯れているようでもあるのだが。]
……ひゃ、 は……ゥ、ん。
[時折、擽ったいだけでない感触を覚えては、ぴくっと身動ぎ、ねだるように唇を寄せた。
唇が触れ合えば、つい欲が出て、舌を伸ばして絡めようとしてみたりと。]
ン……は、ぁ。
グレッグ、ぅ……。
― 朝・礼拝堂 ―
[そうして宵が明けるまで礼拝堂を玩具にして。]
ドナルド、 ……踊ろう?
[朝日が降りても、眠気など訪れない。
0時がすぎても、私は消えない。
ドナルドの手を取り、誘うのは緩やかな舞踏。
鳥の囀りしかバックミュージックは無いけれど
神も恐れない顔で、微笑んでいた*]
【見】 研修生 キリシマ[ずっと、好意は薄々感じていた。 (@39) 2014/10/30(Thu) 00時頃 |
【見】 研修生 キリシマ[心の何処かでずっと待ち望んでいた、受け入れてくれる人。 (@40) 2014/10/30(Thu) 00時頃 |
【見】 研修生 キリシマ[手紙を運んだカボチャはそのまま。 (@41) 2014/10/30(Thu) 00時頃 |
ぅ、ん……?
[
バケツのお菓子は、きっとまた、ポーチの蜘蛛ゼリー以外は消えてしまっているに違いない。
シーシャに会って、色々説明しなくてはいけないとも思う。
けれど、こうしてグレッグと触れ合っている時間は、お菓子よりも甘くって。
額に触れてきた唇の熱に、とろりと溶かされるような気分になって]
…………なぁ。
契約とか、そういうんじゃなくて……
[ほんのりと潤んだ瞳で見つめ返し、尾を、ゆっくりとグレッグの背に回した。]
メモを貼った。
メモを貼った。
[不意に届いたのは、>>*0>>*1クシャミと己を呼ぶ声
彼の話しぶりでは、ブローチはまだ
ジェレミーの手元にあるようだ。
クシャミへの報酬というよりも、
魔界でもそれなりに重宝されている逸品で、
主と使い魔の仲直りが叶えばいい、
そんな気持ちでいたが、一体どういう事だろう]
聞こえているよ、ジェレミー。
だが、……私の声は君に届かないのだね
[魔女を探しているのだろう。
――魔女を探し出して、喰らうつもりなのか。
そうして街を離れる気でいるのか]
[声が上がるのをおもしろがって、
ことさら反応が良い箇所を選んで悪戯を仕掛けた。
何度名前を呼ばれても、笑うばかりで離しはしない。
本気さのない抵抗にも悪戯心は育まれ、
抑えこむ腕に力が入ってしまうのも仕方ない。]
ん……ミーの舌、気持ち良いな。
[伸ばされた舌に軽く噛み付き、
絡めとって口腔で擦り合わせ舐った。
やはり猫の舌は猫舌なんだろうか?]
―…そういうんじゃ、なくて?
[背に触れたしなやかな尻尾と
見つめる濡れた瞳に誘われて、胸が鳴った。
深いキスのせいで湿った唇に
言葉の続きを促すようにまた口付けを落として。
十分に触れ合っている体をさらに密に寄せるよう
四肢をもつれあわせて問い掛けた。
何を求めているのか、
重なる体温から互いに露骨になってしまっていても。]
何して、遊ぶ?
[もう一度、先と同じ言葉を選んで訊ねる。
言葉にして聞かせて?と言いたげな眼差しを向けて。
その目は、クシャミの金瞳と同じく熱に濡れている。]
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