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…――ぅ
[
2回、含めるように。
耳の奥に、響いてくる。]
――ぐ
[ずるい、と言われれば。
言い逃れしようとしている自覚は、あるわけで。]
……そ、その、……
―――あんたと、なんか、色々、できたらとか、 ええと、
[まとまれ、言葉、まとまらない。]
……、結構飲んでいたが
具合は大丈夫か。
水でも……
それとも、もっと酒を楽しみたい?
[苦し紛れに、羞恥を煽る雰囲気からの
解放の糸口を言葉にする
傍に控えた水を差し出す際、腕を解こうと
もっと酒を求めれば、用意されたそれらが
店員から運ばれてくるのだろうか>>*6**]
[
―――がんばる。
ホラー映画でも、見てみる。
[とはいえあんまり得意じゃない、けど。]
ん、いいのか?
[くん、と体ごとグラスに顔を近づけて嗅ぐ。
コーヒーの、いいにおい。]
俺のほうは、……いっか、甘いもん、な。
メモを貼った。
メモを貼った。
[ちろり、なめてから一口。]
――にが、……
[うお、…ほんとに苦かった。
マジブラックだ。]
[シャツの上、左胸に、リツの指を添えて
その手の甲に、おれの掌が重なった。
夏の日照りは陽が落ちた今、そこまで暑くないけれど。
リツ
こちらまで、少し、熱くなった感覚。]
わかるか。
[目尻が緩む、すこし、顔色が伝染った。
繋いだ指先は、そうして降ろして。]
あんたと居るのは、たのしい。
[もう一度、告げた。]
【人】 酒屋 ゴドウィン…………………うん。人気は、そうだね。 (87) 2015/08/10(Mon) 23時頃 |
[強請ったことも、功を奏した
聞き洩らさないように、ゆるい口も、噤む。
最初は首を横に傾いで
次に、首を縦に、揺らした。
理解しているのか如何かは、表情に、出ない。]
秋が来て、冬が来て、春が来て
…… いろいろ、出来るさ。
公園より遠くに、行ったって、良い。
[あのベンチはとても寝心地が良いけれど。
強請って得た答えも、大事にしたい、と
勝敗を放り投げて、強請る、次。]
[飲み慣れぬ酒に支配され、
身体もこころも弛緩すれば日ごろの鈍感さにも磨きがかかる。]
んー? 仰ぐ?
何、千冬も、暑いの?おれもー…
[ついでに耳まで遠くなるらしい。
子供じみた嫌がらせ、もとい甘えは加速するばかり。
自身の発する不用意な一言が、
これまでと違う焔を煽っているなんて気づけない。]
なんかねえ、練習してるんだってー
[へらりと笑って、
追及されれば先日の社員旅行の話題を繰り返そうか。
共に空を翔けたい対象が増えたことによる密かな期待は、
白く美しい羽が潜む背に向ける、眼差しに閉じ込めて。]
[そうして、繋いだ指先の、手の甲を
人差し指で撫でる、おれである。
頭を撫でる要領で、いいこ、いいこ。
応えてくれたリツ
はは、……
本当は、見ようとして見るもんじゃあ、ないんだが。
[努力を、慈しむよう、目を眇めた。
目の前のカクテルには、まだ口を付けていないから
一口、促して、苦味
………
[繋いだ手を、ふと、解いた。]
[傍らを真似るみたく
おれも、リツのカクテルに手を伸ばす。
黄金色に気泡が揺れる、それを、一口。
グラスの縁に口を付けて、]
あま。
[語調が強くなった、甘かった、当たり前だ。]
[突然の抱擁、じわりと混ざり溶ける体温。
どれもこれもが、トレイルのこころを綻ばせ拓いていく。
甘く、優しく、そして少しだけほろ苦い。]
んー……?
[無自覚が継続しているうちは、
つられるように笑い、かと思えば拗ねる。
酔っ払いの機微は、山の天候より変化が激しく。
その激しさが時に、恵みのスコールを呼んで、
乾いた大地を潤わせ命をはぐくむ。
愛情に飢え、怯えていたこどもが、
漸く見つけた、確かな答えに手を伸ばすように。
[
ぎこちない、仕方ないだろ、緊張、してるんだ。]
わ、わか る
[そろりと見上げた顔が
少し、赤いみたいで。
俺だけじゃない、と思えば
緊張も少し、ほどけるもの]
――、……そか
……よかった
[うれしい、と。俺は自分でもわからないくらい自然に、口の端をあげていた]
【人】 酒屋 ゴドウィンまずい…かと言うと…うん。 (95) 2015/08/10(Mon) 23時頃 |
[ゴロウの祖父の訃報で思い知らされた
いくつかの仮定と、事実。
人間はどうあっても、彼らより短命であるということ。
千冬にとっての氏の存在の大きさ。
同じ東洋の血の方が、――彼に、似つかわしいと。
惹かれる想いと、後ずさる感情の葛藤。
懸念事項はほかにも、いくつもある。
それでも抑えきれず、
過去も、未来も一旦すべて放り投げ。
そして――掴まえた。
[
夢の中、獏の姿のときみたいだ。
表情からは、うまく、どう思っているかはわからない。]
――、……いいのか?
[公園より遠く。
それは、一緒に出かけたり。
それから。
――たぶん、俺の顔、輝いてたと思う。]
そんな勿体ないこと、しないって
[今夜の約束を交わした時のような念押しに。
面映ゆい笑みを浮かべて。
もしかしたら、――もしかしたら。
この気持ちを、恋と呼ぶのかもと。
豪胆なのか、小心なのか解らない男に捧げた、
生まれて初めての、告白に。
秘匿し、独占するような仕草と共に
同じ言葉が返れば、歓喜のあまり箍が緩む。
場所を弁えない行動を瞬間引き止めてくれたのは、
僅かばかりの理性と、同僚の用意してくれた、料理の香り。]
[
なんだか、とても、くすぐったい。
あやされてる、気分]
……でも、
あんたが腹減ったままのは、……なんか、悪いし
[俺なりの努力だ。
やったことな方面の努力だけど。]
――?
[つないだ指先が離れた。
あ、とひっそり指で追いかけそうになって、少し、まだ、遠慮]
[
甘いだろ。
[そりゃ、甘い。ふ、と小さく笑ってしまった]
苦手じゃないのか。
[リツの緊張
動揺を映すことも少ない面が、はにかんだ。
緊張を共有するような、感覚に、近い。]
…………… 暑い。
[―――… あつい、ねむい。
昼間、あの日、公園で会ったときみたく
慣れない感覚を紛らわす為に
事実と異なることが、口を突いたんだ。]
[一度我に帰ってしまえば、立て直すのは難しく。
言葉にならない呻きをあげながら、
それでも身体を退くという選択肢を選ばない処に、
――惚れた弱みと、己の可愛げに自画自賛を贈って。]
友人の……って。ゴドウィンさんの?
それって――…
[ふいに漏れ聞こえた呟きに、意味を咀嚼すれば。
また違う動揺とざわめきが全身を巡る。
きっ、と。少しでも動けば触れ合うほどの距離で、
睨むように見据え。]
今までは、……どうしようもないし
気に、しないように頑張るけど
もう、だめだからな
[恋愛経験がないからといって、
まったくそういう方面への知識がないわけじゃない。
養父はその点も、それなりに教育してくれた。
彼が去ってからは、兄弟のような同僚たちが。
たいがい、興味がないとスルーしていた。
最近知ったあの店の秘密と、
何もかも訳知り顔な男に刺すのは、初めての嫉妬。
とはいえ、前後の言動を思えば不満顔の維持も難しく。]
――…だいじょーぶ
乾杯、し直そう
[彼がここを去らないと、己と共に在るという記念の杯に。
相応しい酒が厨房で待っている気がする。
予感は、きっと当たるだろう。>>*3>>*6]*
メモを貼った。
[それから、首の動きは獏よろしく、鈍い。
仕草で伝えられない分を補うべく
繋いだ指先を、手の甲を撫でる、繰り返し
おれは、あんたと一緒に歩くから
そう、決めてるから、あんたが行きたい場所に
………行く。 走るなよ。
[駆け出されたら、追い付けない。
釘を刺して、離す、視界の端
追い掛けるような指が見えて、眼鏡の奥が瞬いた。]
本当に腹が減ったら
ちゃんと、食ってるから、大丈夫だ。
[悪夢を探すのは専ら昼のはなしで
くいっぱぐれも珍しくはないが、それはそれ。
リツの指の代わり、触れたグラスから手を離す。
すすすすすすす、彼の前に、黄金色を戻して
まるでそれこそ苦虫を噛み潰したみたいな、面で。]
……… 苦手………
[心底、と言った響きだ。]
【人】 酒屋 ゴドウィンおいしいかといえば、そうも言いづらいけどね。 (103) 2015/08/11(Tue) 00時頃 |
[
ん、あつい、な
[誤魔化すみたいで。
そっと、添うように、繰り返した。]
[
熱を共有するみたいだ。]
……、わかった。
はしらない。
あんた、置いていったり、しないから。
[安心しろ、と。
そう続けた。
獏は、のんびりやだから。]
――食ってるなら、いいけど。
[
――と、思考の端で]
………
そう。 ケイの努力を 私は知らなかった。
私等を見守る年上にも
当然悩みは 有った筈なのにね
社員旅行 ……楽しかった?
[逸る恋情に相反した、穏やかさを漂う
酔い煽る酒より、己の身体を甘く麻痺させるのは、確かに彼で
暑い、とは その通りの感覚を、初めて抱いているのかもしれない
掌は、何度も 頭や背を撫でてやる]
[
笑い含み、ながら]
じゃあなんで飲んだ。
[へんなやつ、と。口直しにどうぞとばかりグラスを戻した。]
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