3 ビー玉坂〜卒業式の前に視るその場所は…
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[鮮やかな色が、声が闇に流れ込む。
――紅い、赤い。]
[何も持たぬ両手を顔の前に掲げ
人差し指を小さく押し込める。
カシャリ
と音が響いたのは、鳶色の少女の頭の中だけで]
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や、……あ、だめ、しっかりして……
[倒れ付し今にも動きを止めようとする獣に、すがりつく
溢れだす あか で濡れる あか が抱き締めようと触れ手を染める ]
バーナバスさん…! バーナバスさん、いや、どうし て。
いや で す… おねがいですから、戻っ て……
[濡れる 濡れる あか 視界も濡れてみえない。 なみだを拭う、ほおを そめる あか]
(358) 2010/03/06(Sat) 01時頃
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遠くの世界の 悲しみや 痛みが 叫びが
心を揺らす事もなく
ただ闇の中で座ったまま
[こてん 傍の肩に頭を預ける]
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…いたい の ? うん、いたいよね… こんなに 血 出てるんだもの… いたい よ ね…
[声はおさない少女のように。 血塗れる獣の毛並みを拭う。
頬を汚す あか 涙に ながされて]
いたくなくしてあげる か ら …
[痛みは己への抑制
痛みを感じる彼に、 狂気などないと知っている]
(366) 2010/03/06(Sat) 01時頃
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なんだったかなぁ…屋上
自分が大事な事を忘れる前に・・・いわないと
[そういったのは
遠い昔みたいに思えた]
[畑が映った。そこに、一匹の、狼がいた。
それは、数人の生徒によって、串刺しにされて
その身体から赤が噴出した]
……。身を。
[固めなさいと言った言葉。それが元は誰であったのか知らない。元々の彼を、覚えていない。
けれど、じぃと見て]
私の代わりに、護ってくださいとお願いしたのに。
……こちらに来るのは、まだ早いというのに。
先生が、泣いています。
[鳶色から涙は零れない。
どんな顔をすればいいのかわからない。
それでもその光景からしばらく目を離すことは出来ずに
再び闇を泳ぐ、ふわりふわりと
赤い絆を探して]
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……ごめんなさ い バーナバスさん……
[血泡のこぼれる狼の口に、唇を寄せる。
血塗れた口付け。 毒の味はきっと甘くやさしい。
燐光は あおく 瞬いて。
痛みが失われれば、 あとは命が流れるのを待つだけ
やさしい夜の帳が訪れるように]
(374) 2010/03/06(Sat) 01時頃
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理事長の孫 グロリアは、用務員 バーナバスの瞳の色をみつめた
2010/03/06(Sat) 01時頃
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