3 ビー玉坂〜卒業式の前に視るその場所は…
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[向けられる言葉に、少女の掌から伝わる 大地の色の輝きに 闇の中に差す光に
やがて茨は罅割れ 砕け
黒い花弁となって――舞い上がる]
(自分で、頑張れ。迎えに来てとか思うなよ。
自分で逃げなよ、自分で扉を開けなよ、ケイト)
(もう肉体はないんだ。
闇に邪魔されたって、強く思えば自分で光のところに行かれるよ)
[理想論を、語る。ずっと最初から唱えていた夢の音]
(諦めるなよ)
キャロライナの手をとれば
ヘクターも同時で
ふたりでキャロライナを引っ張る形で…
なぁ、キャロライナ。
消える俺の分まで頑張ってくれよ。
[それは懇願]
…何があろうと、俺だけの君で居て。
君だけの俺で在り続けるから。
[それはなんて、歪んで醜い愛なのだろう。
自己嫌悪に心刻まれても、それでも欲しい気持ちは変わらない。
例えその先に、破滅しか無いとしても。]
[帰りたい、帰れない、帰らない。
引き込まれたものたちの、未来を憂う。
それは未来であるのか。それとも。
「光」を感じて、闇に侵蝕していった魂は、緩やかにもとの色を帯び始めた。
けれども]
……この闇が、ケイトが見つかった事によって晴れればいいのですけどね。
そうしたら。
[帰れなくても安らかに眠れるのだろうか]
[吹き上げられた花弁は 黒い花吹雪のように 舞い散り 踊り はらはらと皆の上に降り注ぎ
ヘクターから ピッパから伸ばされた手を少女の手が掴む]
フィリップくん… !
[ あの やみに とどかない
こえ も きこえない ]
―――…ッ、止めて
もう、止めてあげて……
[彼が ころす のを 。
差し伸べる 手 届いたなら]
[自分が帰ることを望むものは居るだろうか。
受け入れてくれるものは居るのだろうか?
いなくなって悲しむものは居るのだろうか?
それでも、
永遠を永遠にするために、大切なものと共に壊れてしまえたらと願う。]
キャロ…
[捕まえたと思ったのに…名前を呼ぶ声が宙に浮く]
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