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負けないで、欲しいな。
逃げる事は、楽で、簡単だけれども。
ここは心地よいかもしれないけれども、でも―――…。
でも、ここもきっと永遠じゃない。
だって、これは『game』の中のセカイなんだもの。
いつか、終わる。
[金色のディスクをナユタが手にしたときに、
流れてきたイメージ。
『その子』にとっては優しいイメージの赤い爪、が。
とても恐ろしくて、ぎゅう、と自身を抱きしめて震えるしかなかった]
なに、あれ……
やだ、こわい……
[ふるふるとボブの黒髪を揺らして呟き]
[ヴェスと、ナユタ
そちらに視線を向ければ、ちょうどしぼんだところで
それをからかう和図
そうなのかな、と問うような視線をナユタに向けた]
――え、あ、ま、まってっ!
[エレベーターへと向かうナユタ
和図やヴェスと呼ばれた少女と共に19Fへとむかった]
―回想終了―
みんなで、帰りたいよ。
[ぽつり、と呟いて。
彼女は小太刀を握りしめて立ち上がった。
志乃の前に立ち、言葉を掛ける。]
もう一度、殺してくれる?っていうのは、アナタも望んでいるの?
アナタは、一体どうしたいの?
[そう言うとくるりと振り向いて、一人の患者に向き合った。
一体この人は何の疾患で入院している患者さんなんだろう。
病気になって、不安だろうな…怖いだろうな……。
患者さんには、逃げ場なんてない。
自分で、戦うしかない。
本当の患者さんの受ける痛みなんて、わかってあげられない。]
―19F無限病棟―
[エレベーターからでてくるのは一番遅かった。
ナユタが病室をあけていけ、と、指示を出す。
ヴェスと呼ばれた少女や、和図も次々とと明けて言っている姿が見えて。
一人、取り残された]
……みんな、つよいなあ……
[扉を開けるのが、恐い。
流れ込んできたイメージの子がいるのなら。
それがセシルなら]
――アレ、も、いるん、だよね……
[白い指に赤い爪の。
恐ろしいものが、一緒に居るはずだと、思い込んでいる。
それでも、動かないわけには行かないから。
おそるおそる、とびらをあけていくのだった**]
メモを貼った。
まだ息があるのならば、そのスティレットをコテに、頸椎をへし折った(1のダメージ)
[後はただ、その呼吸が止まり、血が流れ続けるのを見守った(一定時間で10ずつのダメージ)]
――――…ごめんなさい。
[患者さんの身体が、崩れ出した。
HP:0
崩れた身体の中からは、ケロみちゃんストラップ。]
……なに、コレ。
[思わず、笑ってしまった。
エレベータの音が鳴り、ヤニクの姿が見えた。
彼女は持ったままだったペンの細先で何かケロみちゃんの背中に書きつけると、彼の前に立ち、そのストラップを掲げるように彼に渡すようにした。
薄れていくストラップ。]
誰からのプレゼントかは、言わないでおいてくれる?
[そう何処かに向かって呟いた。]
[ケロみちゃんの背中には、こう書かれていた。]
『 『ヤニク』頑張れ。 』
ヤニクの隣を通り過ぎると、19階へ向かった。
メモを貼った。
メモを貼った。
メモを貼った。
メモを貼った。
メモを貼った。
メモを貼った。
メモを貼った。
― エレベーター内 ―
[少しずつ気持ち的に余裕が出てきたのか、彼女はエレベータの中で大きく背伸びをした。]
それにしても。
[思い出すのは志乃の言葉
いくら私を油断させる為とはいえ……ねぇ…。
本当のあの方は常に私の傍にあって、とても優しかった……って言われても…。
本当のあの方って、あの色白黒髪の方だよねー…。
そんなんで、いいのかなぁー…?
[大きく首を捻った。]
私だったら、ヤダなぁー…。
あぁ、ますます男性不信?
やっぱりヤニクは褐色に金髪のほうがいいなぁ。
[最後に関係ない一言を言うと、『ポン』、と音がして、19階に着いた。**]
― 19階 ―
戻ってきた、けどー……
[先程と違うのは、何人か人の姿が見える事。
初めて見る、ガタイのいい男がだれか問い掛け、アイリスと返答があれば、彼女は思わず噴き出した。]
徐々に大きくなる笑いが止まらず、笑い声が廊下に響いた。
―19F―
[怖々扉を開けていっているときに。
唐突に笑い声が響いて飛び上がった]
ひゃあっ、な、なになに?!
[びくびくと周囲を見れば、
ヨーランダ
ごめ、だって、余りにも予想外で。
キミにハンバーグあーんしてあげたのかと思うと……笑いが…。
女王様守る騎士ってライトニング、連れて、いっちゃったし………
ライトニングが、キミを見るのが楽しみだわー。
あははは。
何だかツボに入った様子。
―19F廊下―
[ヨーランダとはまともに話していないし、
和図もこちらにきてはじめてあったから、
二人のやり取りの意味はわからなくて、遠めに眺めて]
……親しい、のかな?
[首を傾げつつ、無数にある病室の扉に手をかけた。
そこもやはり白しかない部屋で。
切り取られた窓の向うの青が不自然なまでに鮮やかだった]
…そっ、そんなんじゃないもん!
だってこいつリア充だし!
[からかわれてわたわたとそんな言い訳をしたような。
それから、ちょっとナユタ見ると気まずくてどぎまぎ。*]
メモを貼った。
[ヤッパリ イラナイ子ジャ ダメネ
アナタ消シテ、ホカノ……]
(駄目。行っては駄目お願い。
空っぽのままでいるのは嫌です。)
[また、誰かのイメージは流れ込んで来ていた。
『なにか』は、口実を見抜いているらしく、笑った]
[シシシシ マア イイケレド チャント役ニ立ツコトネ]
(解っています。その為に一つ。
言葉は私に選ばせて。心ない嘘は人には通用しません。)
[クククク フフフフ]
[どぷり、ぞぷり。
白手は全て志乃の体に突き刺さって消える]
――……
[しばらくそこで、ぼうとしていた。]
……『中身があり過ぎる』のも、考えものですね……
[自覚してしまうとかなり気持ち悪い。
ヤニクの『もう一人』はいつもばかみたいに笑っていたが、
実際はどうだったのだろう。二人分詰まっていると言うのは]
……ふざけてばかみたいに笑っている声しか、
そう言えば余り、覚えがありませんね。
メモを貼った。
[帰る先があるのを確信出来たら、どれだけ心強いか。
リアルの姿で現れた人達は、その最たるもので。
『リアル』は自覚を促す前に、志乃の敗北で消えた。
どうして私には、
『思い出したら消える』
と言う確信があるのだろう。]
― 回想:4F志乃との会話 ―
[患者のモブを倒した後に、志乃がぼんやりと佇んでいるのが目に入った。
手は、もう消えている。]
ふざけてばかみたいに笑っている声?
それってあの黒髪白肌ヤニクの事?
[ふーん、と彼女は興味もなさ気に返事して。]
そういえば…、アナタが屋上で話
私の質問
[志乃の隣にしゃがみ込んで志乃の顔を覗き込み]
私は『ヤニク』の中にいる『ナニカ』について知りたかったわけじゃないの。正直、どうでもいい。
何で『ヤニク』の中に居るかは、知りたいけど?
私は、『ヤニク』の中に『ナニカ』が居ることで、『ヤニク』が苦しんでるかどうかって聞きたかったの。
―――…でも、その様子じゃきっとわからないんだよね。
[彼女は、ひとつ息を吐いた。]
じゃあ、アナタにもう一つ聞かせて?
『何が』苦しかったの?
中身が無いのに、自分の方が苦しいだなんて、私不思議なんだよね。
自分の意思とは無関係に、身体を動かされたり、思考を変えられたりするなんて、とんでもなく怖い事、だと思うけどな、私は。
蝶になった夢を私が見ていたのか。
それとも、私になった夢を蝶がみていたのか―――…。
[玄関ロビーで誰かが言っていた胡蝶の夢を思い出した。
ヨーランダになりきっていた、自分にも言える事かも知れない。]
アナタ、自分が『誰』なのか、はっきりと言える?
メモを貼った。
……私に解る事実は、
あの人が二通りの名前を持ち、
二通りの振舞いをしていた事、だけです。
[声だけの繋がり。パーティチャットに現れていたのは。]
私が知るのは、『もう一人』の方のみ。
……ただ、『ヤニク』様は、その『もう一人』にとって、
ままならぬ存在でもあったようです。
[それはつまり、]
ヨーランダ様と共にいた『ヤニク』様は、事実そこに在る。
……そう言う事だと思います。
―――…?
ままならぬ存在?
[彼女は志乃の言葉を聞いて眉を顰めた。]
それはさっきアナタが私に話した事と随分違う話なんだけど…?
アナタは、屋上で私に言ったじゃない。
『これまでヨーランダ様が見ていたヤニク様は……
油断を誘い、利用する為の仮面に過ぎません。 』
ってね。
どゆこと?
[首を傾げた。]
[内側が軋む。――今はまだ、抑える。
双眸の色は揺らぐが、今はまだ、青い]
三琴井 志乃。
――ですがこれは、ヨーランダ様の仰る『誰』でなく、
『ゲーム』の名前なのでしょう。
[奪われる事は恐ろしい。
命、あるいはこころ、記憶、自分自身]
そうですね、それは恐ろしい事だと、私も思います。
苦しかったのは、……漠然としていて上手くは言えませんが、
『リアル』のあるなしの溝のようなもの、でしょうか。
あ、キャラの顔が無表情だから怖く感じるかもだけど、尋問してるわけじゃないからね?
志乃に青リンゴ味のポップキャンディーを差し出した。
……それは口から出任せです。
[小さく首を振り。
『本当の説明』は、身の内で白手に握り潰された]
『あの人』、たいていふざけてばかりで優しいも何も。
[それも酷い話だったかも知れない。]
[差し出された、淡い緑の飴。
『尋問じゃない』なんて言われて思わず笑ってしまったが、
それは少し儚い]
お気遣い、ありがとうございます。
何でそんな嘘ついたりする必要あったの?
[志乃の言葉
志乃の肩を、撫でた。
何だか、志乃の存在がとても儚く思えて。
中身の、無い存在―――…。]
私も、ここに来る時は、いつも『リアル』の記憶をもってないんだ…。
それは、……申し訳ありません。
[『誰か』が私を。
――続きが出て来ない。首を振った。
それでも、肩を撫でる手は優しい。]
普段は『リアル』の記憶がない……そうなのですか。
所謂、『なりきり』と言うものでしょうか?
[パーティチャットで聞いた言葉が役に立った]
ならば、ヨーランダ様にも――
『自分にはリアルがないかも知れない』と言う恐怖が、
お解りになるでしょうか。
[覚えていない、だとか、そんな半端な状態でなく。
『そもそも存在しない』可能性。
ヨーランダが見付け救おうとしている彼女自身の『魂』が、
存在しない可能性への恐怖だった]
そうだなぁ、私の場合は、自分で無理矢理記憶を閉じ込めちゃって、ヨーランダに自然となりきってるっていう状態なんだと、思ってる。
[続く言葉には、眉を顰めて」
『自分にはリアルがないかも知れない』―――…かぁ。
考えた事、なかったなぁそんな事は。
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