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[首をかしげた
許さざるは罪であり、人ではない。
眩しい光の中で聞こえた言葉が蘇った
「過去を悔いる気持ちがあるなら、贖うつもりで帝国の為に死力を尽くせ」
そう、恩師から背を叩かれた。
浅く息をついて目を閉じる。
僅かに顰めた表情なればまだ不調なのだと見えるだろう。
自分の罪を許せずにいるから、他人をも許せぬ―それは違う。
わかっている。わかっているのだ。
だがそれでもやはり、憤りは収められぬ部分もあり]
―……。
[状況をよく聞いていないというランドルフの声
目を閉じたま聞いて、思案する]
己が把握している襲撃者は、グレイシア殿とバーンフィールド殿。
彼らがなぜ他の師団長たちを一方的に試すようなことをしたのか…
その行為の向こうに何を思って、そして、何を得たのかはわかりません。
己には自分の考えをうまく伝える言葉も、
相手の言葉を正面から受け取る冷静さもない。
[目を開いて、拘束室の方を見ているランドルフを見上げる]
もし、バーンフィールド殿が隣にいるようなら、
己の代わりに聞いていただけませんか。
彼がどんな未来を描いているのか―…。
[サイラスも疑わしいと思うが確証はない。
男がはっきりと判別しているのは、イアンとベネットだけだったし、
ベネットも―…やはり、最終的に何を見据えて模擬戦を仕掛けたかは謎のままだったが]
[見上げているランドルフの表情には、
小さいころに怯えてこちらを見ていた面影は薄いだろうか。
でかくなったなァ…、とと時間の流れを噛み締めて
男は*小さく笑んだ*]
……第三者に、害になるとは思われてなくても。
実際に人も傷つけ、物も壊す――ボクの能力は変わらない。
自分の害を、自覚できないものは危険です。
[一度は思案に閉ざした蒼灰を開き。
サイラスの心外だとでも言いたげな声
……うん、"人"だと言い続けられてきた。
"兵器"だと言うと泣きもするらしい。
だから、泣かせたくないとは思う。
自分を止められるなら"兵器"じゃないらしいから、この力を止めたい、ちゃんと制御できるようにもなりたい、とも思う。
[自分が手を出しては共に転びそうなので。
サイラスが眠ってしまったイアンを支える様子を見ながら、努力はする気はあるのだと語るが、溜息となる。]
― 拘束室:大部屋 ―
[常日頃ならば、戦闘の後は諸事務、片付け等
作業を行うことで、
戦闘終了後緩む気持ちを押さえるのだが
如何せん、場が場なだけに、
気持ちや神経を維持するものもなく。
負傷した身体に引きづられるように浅く眠る。
意識が滑り落ち傾ぐ身体を誰かに支えてもらった。
聞こえる何かを引きずる音。
何かが背に宛がわれ、毛布がかけられる。]
[方々から声が、聞こえる。
その中の一つ、が引っかかった。
引っかかったまま意識は沈む……]
でも、それだけじゃ許してくれないんだ…。
自由に生きろといいながら、ボクの言動全てダメだと決め付ける。
ボクの現実は変わらない。
せめて、それを分かって欲しかったのだけど。
ボクは怒らせるしか出来ないみたい、です。
[努力する気も変わる気も無いのだと、断ずられるのだろう。
結局、互いの妥協点が遠すぎる。
刀で食材を切ることは出来ても、刀は包丁にはなれない。
同じ刃物だからとなれとどう言われてもできない。
別の使い道を考える事は出来ても刀である事は変われない。
そんな例えや、説明をうまく出来た試しは無い。]
―――………
[意識が落ちていたのは少しの時間。
戦闘後の副交感神経が強かった時間が終われば
直ぐに意識は覚醒して。
ただ寝入りばな、聞こえた言葉。
椅子の背面にもたれながら
引っかかって、緩く頭を振った。]
メモを貼った。
メモを貼った。
サイラスがこちらへ気づいた
≪ ……だから、嫌いなんだ。 ≫
伝える気のなかったそれは、今度こそ言葉になって落ちたか。
[己は帝都が苦手だ。
戦場とは別の騒がしさ。
生きるに満ち足りた環境なのに不平を零す人。
賑やかで、無為にも見える幾つかの行為。
彼らの常識、善悪から外れれば
容易く指差し差別する様子。]
[帝都にいなければ、
帝都や前線にいないものも
それぞれの役割の下、それぞれの戦いを
してくれているのだと、”思い込める”]
[例え、物資や補給が遅れても。
届いた物資が腐っていても、壊れていても。
援軍が来なくても。]
[きっと、向こうも何かあるのだと、思い込める。]
[けれど、帝都にいると、見えてくる。聞こえて……]
…………ん?
[意識落ちる中、聞こえた声が切欠で
ネガティブなことを考えていた時。
己が今零しかけそうな言葉が聞こえて
鳶色は、瞬き一つ、周囲を見渡した]
メモを貼った。
メモを貼った。
[各々が平和について語る言葉。
それに耳を傾ける。
平和が何なのか、言葉を持たない。
けれど、ワットに教えられて畑を耕したり、鷹の世話をしたりしていた時の事なんだろうかとなんとなく思う。
それは足りない補給にやむにやまれぬ理由ではじめたものあったり、常に緊張と隣り合わせたりすのもので、ほのぼののどかとは到底言えるものではなかったが。
それでも、ワットが望んだのはそれが続く事なのではと思う。]
………嫌い?
[ふと聞こえた言葉
エンライが聞こえた言葉と同じ言の葉口にするのを見目を瞬かせる。
メモを貼った。
≪ べつに。 ≫
さすがに、面と向かって「お前だよ」などという気はない。
それだけ伝え、こちらを見る瞳
【人】 本屋 ベネット[イアンも拘束されてしまったのだろうか。 (80) 2011/03/31(Thu) 23時頃 |
【人】 本屋 ベネット[力で以て打ち倒した者を思う。 (81) 2011/03/31(Thu) 23時頃 |
……ええ。
[一言、それだけで皇子を見送った(
お気をつけて、というのも何かおかしい気がしたし、彼の、彼らの決意に、進む道に、かける言葉はないように思った。
それからふいに、隣室の様子に耳をそばだてる。
能力が遮断されてしまい、様子を視ることかなわず、代わりに声だけが届く、常との逆にどことなく、興味を持って。]
……………
[ぶん、ぶん、ぶん。
いやいやいやいや、幻聴?それはまずい。]
[けど何か聞こえる。
今のは己の心理が投影により、
幻聴のように思えた。感ではなく。]
[けれど、頭に流れ込んだそれは、
通常、音、拾うのとも違う感覚。
けれど己の、思考でも、ない。]
[鳶色は些かうつむき、毛布を握りつつ。
単に人と獣人の血混ざり、
人よりも過敏……なだけではなく、
所謂人には聞こえぬ犬笛を聞くように
何かの電波を受信している、だけなのだが。]
とはいえ、流石にキリシマ師団長の"声"までは聞き取れないだろうが。
え?あ、はい。かまいませんが、
ランドルフ皇子……
[幻聴問題に考え込んでたイアンは
ランドルフの声に
ぱっと顔を上げて。
首をかしげて聞かれた言葉は
ゆるく首を振る。
と、言うか、襲撃者の己と
個室にというのは些か警戒心薄すぎないか
そんなこともちらり、おもった。]
[切り替えてしまえば早い。
何年も何年もかけて己の伝えられる限りの言葉を尽くした。正しく伝わっていないだろうことは容易に知れる。
「でも」も「しかし」も「できない」も聞き飽きた。
この会議に襲撃者が求めたように、自分が見たかったのは変わるための覚悟。現実はこうなんだからしょうがないなどという百も承知の事など、聞きたくもない。
己の言葉で駄目ならば、直接以外…彼を生かせる者に託すしかないのだろう。
生かすことを諦めはしない。手法を変える。
目的が達せられるなら、直接的な関係がこじれようが、女は構わない。好いてほしくてやっていたわけでもない。]
―――…ベネット殿は
望むもの、みれたかな
[そうして、あっさりと思考をシフトする。
ヨーランダから聞いたこと、ヘクターの様子からするに、彼もまた怪我を負っているのだろうと推測する。
死にたがりは嫌いだ。
拘束室に連れて行かれるなら、一度救護室に呼び、手ずから治療をし、問う心算。]
…そう、ならいいけど。
[首を振られれば
色々拗れる原因のひとつだろうが、人からどう思われるか察する能力は低い。
目覚めた途端、様子のおかしいイアン
第一皇子がイアンと話し出すのを、姿勢を改め聞く。
さて……望みまでは、視えませんので。
[拘束室の様子を伺いながらも、ガーランド師団長の呟きを聞き取ったなら、こちらも合わせるように一言。
視えていたなら、視られたのなら、このような混乱は起きなかっただろうか、と思わなくもないが。
人の心など、視えても視たくもない。ずっと昔に辿り着いた結論。]
…………まず、私の目的は
第二皇子……ヴェスパタイン皇子即位ではありません。
現状、ヴェスパタイン皇子を推す方向に
強く傾いてはおります。が、
決めうちはしておりません。
[まず、ランドルフの言から、事実と違う部分
そこの訂正を口にして。]
[ツェベリ座る椅子の背にもたれかかっていた姿勢を
浅く座るランドルフの前で
王座の前で片膝つく報告者然とした姿勢にする。
端々が傷むが、顔に登らせることはないのは
今までの行動からみについたもの。]
私は、どちらを選ぶべきか。
選んだ皇子の推す政策……理想が実現するか。
実現できるように
我々全15師団が動けるかを知るために
今回の提案に乗り襲撃者となりました。
[平和を口にする面々と同様に、其れを口にすることはしない。
いつかラミケシュに語ったように、幸せとは個で異なるように、平和もまたそうなのだと思うから、単純に纏まらない。
今もまだ、和平になった時に能力者施設の子供達の先行きを案じる思いはある。
選帝がどういう顛末を迎えるにせよ。
第7を統括する権利がこの手にあるうちに、彼らの個の幸福に少しでも近づけるような環境を整えたいと思う。
それは、ナユタとの溝を確認するたびに、所詮夢想なのかと打ちのめされる気分でもあったが、折れる気はなかった。]
大戦になれば、彼らに選択の余地はない、だろうな…
[零れた呟きの意味は、それだけきいたのでは意味は解らなかっただろう。
何故其処にこだわるのか。
それは自分自身も能力であるが故…]
…確かに、其れはもっともか。
実に君が害かどうかは、――未だ正直首を傾げるが。
己の力の強さを、自覚出来ないのでは危険に相違ない。
[厳しく返る答え
然しふむと一つ頷き肯定を向ける。成る程、唯己を卑下しているだけかとも思ったが、そう言う訳では無いらしい。
…自覚こそしていれば、其れは害と足り得ぬのではないかとはやはり思うが。]
それで良いんじゃないか。
其処で、既に“人”としてなる事を諦めているならば
俺からも一言苦言を申し立てようとも思いはしたが。
…変わらぬ現実を変える事は容易くない。
君が、直ぐに死ぬ心算が少なくともないのならば
今すぐ許されずとも、許されるまで共に努力を重ねるしかないだろう。
――それはまでは少々、辛いものは有るかもしれないが。
[続いた声。溜息の漏れる様子に、小さく苦笑する
妥協点が遠いのでは、確かに互いに苦労もしようものだが。
キリシマが首を振るには、そうかと一つ頷く。イアンを含む周囲が何かを聞き取った様子には首を傾げるばかりだったが。]
イアンの様子にはまったく気づかず、
再びふらりと現れた態度のやたらでかい謎の青年に眼を向ける。
≪ …………、
こいつ、何者? ≫
先にこちらへ赴いていたナユタならば知っているだろうかと、
いまさらながら、問い掛けてみる。
また、何か頭に流れ込み、軽く眉を寄せる。
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