233 逢魔時の喫茶店
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[金額の受け渡しは
獏にしては強引に、店長>>*43の苦笑いに、負けない。]
少ないより、良い。
[次のサービスに行き付く、橋渡しに。
美味い飯も、美味い酒も、独特のコーヒーも
また、いつものように、期待しているから。
――― そんな、胸の内も、まあ多少。]
心配ない、……… ちゃんと送り届ける、から。
今日は、ありがとう。
おやすみ。
[去り際には、何時ものように。]
――― 帰り道 ―――
[段々と、ぽつりぽつりとした明かりが
現実味を帯びて来て、星明りも落ちる、良い時刻。
擦れ違うひとは流石に、疎らなので
厭、と言われなければ離さない、指を繋いでの帰路。
身を寄せた者同士。傍らとの距離は、近い。
徒歩の速度もゆるいので、帰り付く頃には
ほんとうに、良い時刻になっている筈だ。]
うん。
…… だったら、あんたはやっぱり、謝らなくて良い。
[良いと言われた、表情。
リツが辿る帰路を進んで、横顔は、はは、笑う。]
あんた、着くまで、寝るなよ。
[足取りも時折覚束ないリツに
まさか、おれが、こんなことを言う日が来るとは。
獏なりの感慨を覚えながら
店を出る際の、アマノの様子を、思い出した。
小さく笑った表情>>*46は、眠気に淀むいつもなら兎も角
腹を満たして醒めていたおれならば、気付けたので。
――― まったく、いい店だ。
元は人外が、今はひとが、切り盛りする不思議な店。
きっと、また、訪れる、一緒に。]
―マスターに>>*43―
[苦笑いのマスターと、
やや強引な受け渡し、
ゆるやかな瞬きが切り取った。]
―― うまかった、す。
―― また、きます
[>>*47 ありがとう、と。
さっき言ってくれたコテツのほうも、
去り際ちょっと見て。
つぎ、会うのも 楽しみ。]
― 帰り道 ―
[のんびり、歩くのは
久しぶりだ。
いつも、走ったり。
急ぐような、早足が癖なので。
エフがとなりにいるせいも、あるか]
……なんで?
[謝らなくていい理由になる、のは。
笑うようなら、まあ、いいのか。いいのかな。]
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