7 百合心中
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悪い魔女だから、お姫様にしかその魔法は掛からないんだ。
[腕の中に愛しい温もりが飛び込んでくれば、ぎゅっと抱きしめる。
見上げて囁く彼女の眸を見つめ返して]
だから今は、貴女と共に在る幸せを喜んでいたいんだ。
本音を言えばずっと……抱きあって――シていたい気分…。
[ぼそりと最後に付け加えて。]
私も…貴女の香りに包まれているよ。
何の香りだろう。ムスクとも違うし……。
ジンジャーっぽい香りから、だんだんと甘くなっていく、そんな香りが……する。
あ、しまった。ブループールオムと勘違いしてた…かも。
私も、本音を言えば――…永遠にあなたと抱き合い……
愛し合っていたい……気分。
[最後にぼそりと告げられた言葉に、女も本音を漏らして。
でも、此処の場所の事も知りたいとの好奇心もあって。
くすり、そんなに望んでくれて、嬉しいと彼女の耳元に囁く。]
甘い馨に……?
[自らの馨をくん、と嗅げば確かに――…普段つけている香水をつけなくなってから久しい事もあるけど、仄かにこの白亜の城に漂うような甘やかな馨がするような――…。]
大丈夫、かしら……。
Liliumは――…白い花と化す前に甘い花の馨が香って……。身体が白く動かなくなって、崩れ去るように白い花となるようだけど……。
[身体は自由に動くし、白く石化するような個所も無い様に感じる。
グロリアからも甘やかな馨がしないか、確認するように再び彼女の胸に顔を埋めて深呼吸しようと――…]
ずっと貴女だけを抱きしめて、こうしていたい、よ?
[熱に潤んだ瞳で見詰め、白い首筋へと顔を埋める。
吐息混じりに囁き、まだ咲いている紅い華に、唇を這わせるだろうか。]
ううん、花の香りじゃなくてなんだろう。
もっと甘い…頭の奥がしびれてしまいそうな香りがする。
貴女の香りなのかな、これが。
もっともっと貴女が欲しくなる、そんな香り……。
[大きく息を吸って。
愛しい人の香りに酔いしれる。
背中を撫でていた手は自然と服の中へ忍び込もうとしていて。
胸に顔を埋める彼女を見降ろし、もう一回…だめ?と、
声には出さずに唇の動きで強請るだろう。]
ぁっ……ん。
[熱に潤んだグロリアの瞳を、女も濡れたような瞳で見詰め。
首筋に彼女が咲かせた紅い華に、その唇が這えば、溜まらず声が漏れる]
わたしの馨なのかしら――…
[花の馨じゃないと告げられれば、ほっと安堵する。
女が本来持っていた馨――…。
グロリアが頭の奥が痺れるように甘いと感じたその馨は、普段女がつけていた香水と交じり馴染んで、変化し薄められていたのだろう。]
きっと……香水をつけて居ないから、かも……?
あなたに、もっと欲しくなる馨と謂われると。
もう、香水なんてつけなくてもいい、かなって気分。
[表情を綻ばせて微笑む。
タバサの店に通っていた頃には、敢えてユニセックスな香水を好んでいたけれど。今は、彼女が欲しくなると謂ってくれた自身の馨が、とても誇らしく。
背を撫でていた手が服の中へと忍び込み、グロリアがもう一回と強請るように唇を動かせば。
女はそれに応じるように、彼女の耳朶を軽く唇で挟み――…*甘くいいよ、と囁くだろう*]
きっと……貴女の香り。
じゃなきゃ、こんなに……私を狂わせたり、しない――…。
[噛みつくように首筋を吸い、新しい花を咲かせながら。
耳たぶを食む人を、うっとりと見上げる。]
前の香りも、好きだったけれど……、
今の貴女の香りが好き……。いつまでもこうしていたくなる、よ。
[服の中へ忍び込んだ指が、滑らかな素肌を撫でる。
いいよと、甘い声で許可をもらえば、
服をたくしあげ、その胸元に顔を寄せて。]
好い匂いがする……。
私の、大好きな……香り……ああ…っ。
[その甘やかな香りに誘われて、
貪る様に柔らかな身体を蹂躙していくだろう。**]
[柔らかな声が返ると、びく、と僅かに震えた。
反射的に一歩後退してしまうが、
『それからでいい』と続く優しさに]
……っ
[云われるまま、深呼吸。
すぅ、はぁ、すぅ、はぁ、すぅ、はぁ。
その間も眸は女性へ向けている。]
[やがて深呼吸を終えると、
右へ、左へ、視線を彷徨わせた後、
一つ小さく頷いて]
ぁ
[紡ごうとした音は
矢張り上手くは伝わらない]
ぃ
ぇぁ
ぅ
[へにゃ、と
情けなそうに眉尻を下げた]
――回想・中央螺旋階段途中の一室――
[ グロリアによって女に新しい花が咲けば、頬は紅潮して――…
新たな花が咲くように、女の身体は火照り、下半身の熱い花は彼女を求めようと脈打ち始め。
女はさらにグロリアを誘うような甘い馨を纏うだろう。]
あっ……わたしもあなたに……
こんな風にされると、狂ってしまう、から……。
[服をたくしあげれば、女の柔らかな胸がこぼれ。
女の甘やかな馨を吸うように彼女が密着すれば、心臓は期待に早鐘を打つように、やがて胸の頂の蕾も固く芽吹き、震えるよう]
貪るようにグロリアが女を蹂躙すれば、女は切なく甘い熱い吐息を漏らして、波間に漂う小船のようにその波に攫われるだろう。]
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