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一度、ナユタを睨みつけると、
瞼を閉じた。
……そうですね……基準が
簡単に変わるなら基準、足り得ない。
[火傷傷に触れる髪。傷口に触れば痛いが
気にせず己が乱した髪を
梳くように撫でて。
メルル=ガーランド。
他人行儀な呼び方に変える様子は静かに聴いた。]
[羽の言葉に、飛来した鷹を撫でる
エンライを撫でながら
ツェベリが口にしたとし、相応、を考えて。]
被弾の傷が響き、本格的に動かなくなるまで
イアンはエンライの頭を撫で続けて
社会的弱者が多い師団を統べるものとして
意を唱えず頷いた。]
[軽い怪我。
ヨーランダの声に視線を向ける。
そしてもう一度、ゲイルに、それからズリエルに。
何かを言いかけたところで―]
ぅぬぐっ!
[心優しき第一皇子にベッドに押し戻された。
身体を支えようとした腕が変に捻れたけど―…]
無事そうでよかった。
[安堵の息と一緒に、襲撃を受けて運ばれた筈の三人へ]
自分は、襲われたわけでは…。
グレイシア殿と”模擬戦”を。
[ランドルフの問いには、襲撃者と戦った、とは答えなかった]
………――。
[鉄格子を見上げた蒼灰はイアン
ゆっくりと目を閉ざす。]
ボクはすぐ、変わるのを望まれているのだと思うけど。
ゆっくりでもいいなら。
"今"は師団長は辞めた方がいい。
新しく覚えるのには時間掛かるから。
ゆっくり待ってもらうわけにはいかない。
……もう、いいです。
傷に障りますから。
[傷の為が動きが鈍くなる撫でるイアンの手を、止める。]
[
もし選択して出た結論なら、私の言っている言葉の意味を解さぬはずはありません。
それに、軍人である以上どちらか一方では駄目なのです。軍に属さぬ殿下にはおわかり戴きにくいかもしれませんが…
本当に、予想もつかない様々な事態が起こります。
本隊から切り離され情報や指示がないままに、判断して動かねばならない事態は、救護班にすらあります。
……それでも命令に従うのみというのなら、彼は戦場自体にでるべきではない。
それは職務に忠実な第7の救護兵も危険に晒すことになります。
[負傷者を抱えたままあの前線でどうやって生き延びたのだったか。思いだすように目を伏せる。
己の厭う生命力の強制吸引は数えきれないほど使い、敵国の兵を傷つけたのも事実。死んだものもいるかもしれない。
過酷な経験から導かれた解は、もどかしいどころの話ではない。]
変わって貰わねば―――本人にせよ、周りにせよ、必ず犠牲がでる。
[恐らく、理解しがたいであろう第一皇子に、息を吐くように力無く述べた]
皇子殿下。
逆にそれは痛むと思いますが。
[押し返されるグレイヴ師団長に複雑な視線を向け、ほんの小声で大丈夫ですか、とささやいた。]
……私は、ゆっくりでも、良いと
まだ、エンライ師団長はお若い。
時間は、十分に。
[師団長を辞めるか否か、それは口にしない。
イアン個人の考えでいえば、
エンライ師団長はまだ、早すぎると。
年齢的で言えばさらに若いブランフェルシーを
思い出す……ここに来る、際、彼が呟いた、言葉を]
[手を止められれば、それに反するほどの腕の力はなく
少し、出血が過ぎたかと
治療こそ終わっていたが、
雨中立ち続けたのが響いたか、
場が安全な箇所であるとわかっていたのもあり
*緩やかに意識は薄れた*]
【人】 艇長 イワノフ ラミケシュ殿。 (33) 2011/03/31(Thu) 02時頃 |
――害と判断するかは、第三者だろう。
確かに通信室は電子機器が多いから、不都合に違いはないが。
[少しだけ、驚愕にぱちりと瞬いた。
イワノフに渡した通信機の一つは実際壊れている。が、少なくとも己は其れを害とは欠片も思っていなかった。…恐らく、通信を持っていた彼らも同様だったと、思うが。
磁気云々を差し置いても、壊れるときは壊れるだろう。それは自然の摂理だ。其れが彼が原因なのであれば確かに不便ではあるが、棲み分けをすれば済む話。
――だと、思っていたのだが。害と自ら言う青年に、心外だとばかり。]
…君が、百歩譲って事実『生物兵器』だとして。
しかし、少しでも君を人だと思っていた者にとっては、そう簡単に割り切れぬだろうさ。
[イアンの“ゆっくり”という言葉に同意するように。
僅かに苦笑を滲ませながら、小さく吐息を零す。]
ならばこれから理解する努力と、理解してもらう努力を少しずつ続ければ。
如何様になれど、それで構わないと、…俺は思うが。
[師団長の座を譲る其れは、先も伝えた通り反対はすまい。
そこに、静かに響くヴェスパタイン
[薄れる意識の中、漠然と思考する。]
…………
[決着は、グレイシア勝利、で終わった。
それは、己には、また、
今まで信じて戦ったことのない、理想が
一つ、後退した、気がする。]
[されど、それと同時に。
ブランフェルシーの言葉が頭にあって。]
[ずいぶん、傷を、グレイシアは負っていた。
ゆえに、暫くすれば、彼もまた
こちらに来るであろうけれど……どうか、無事で。]
[今のグレイシアの姿を知らぬまま。
まだ、決めうちが*できぬまま*]
犠牲は、犠牲です。
……―――。
[平和がなんなのか。
第二皇子
なんですか?
[キリシマ
[
……ヴェスパタイン殿下は、公になるなら良いという意味でおっしゃってるのではないと思いますよ。
少数の犠牲が和平の元では秘されることが多いのを懸念してらっしゃるようです。
もし和平が成るのならば。
国民に、国の礎となり尽力する者のことを、知らせていくべきだとは…私も、思いますよ。
外交上、そうもいかないことは重々承知しておりますから、難しいこととは存じますが。
[どちらの皇子が即位するのか。
己には解らなかったが、もし第一皇子が即位するのならば、心に留め置いて欲しいと思い、そう告げた。
いきなり起きあがって呻くヘクターには、手を肩に移してもう少しだけ治癒を贈った]
メモを貼った。
サイラスに、バーンフィールド師団長に毛布を上げてくださいと言って、考え込むよう目を閉ざす。**
メモを貼った。
[
戦場にでるべきではない。
何度もそう思っても、軍の設備でしか制御装置を保てぬナユタに、それを言うことは躊躇われた。
制御装置があれば、軍人として戦う代わりに能力に振りまわされぬ生活ができるのではないかと思ったからだ。
だが、そうはならなかった。戦争の道具を自称する姿は周囲の願いを虚しくするものでしかなく。
早々に制御することに見切りをつけて、金属の少ない山の中にでも行って農業と畜産業でもやって暮らしていけばいいとでも言えばよかったのかもしれない。
ゆっくりでいい、と周囲が言っているのや、『今すぐ』変われと望まれていると本人が言ったのを仮に聞いたならば、何年も何年もナユタに言い続けてきた身は、無力感に溜息を零すだろう。**]
あぁ。
[ヨーランダの小声には緩く笑って頷く。
流れ込む力で身体が温かくなって、癒えているのがわかる]
さすが、師団長だけあって効くな…ありがとう。
[ゲイルへ治療の礼を言いながら、次はちゃんと治療を受けようと思った]
ええ、模擬戦です。
少々熱が入ってしまいましたが。
[ベネットのことは許せない部分はある。
しかし、その本当の志すところが見えていないのもあって
彼が襲撃者であると告げることはしなかった。
彼が沙汰を受けるつもりならば自分から申し出るのかもと
そう感じたからもあったけれど]
メモを貼った。
[
どういたしまして。
模擬戦ですか。
防御創が多いようにお見受けしましたが、一体何をなさったのですか?
[そうといかけた**]
貴方こそ……
どうか、ゆっくり休んで下さい。
[周囲の者を気に掛けるヘクターに、静かに、だがはっきりと聞かせるように言った。顛末を模擬戦と称するのには、その傷と先に伝え聞いた光景を思い、少々複雑な表情をしてしまいながらも。
心配と懸念は孕みながらも落ち着いて、男は辺りの様子を眺め、交わされる声を聞いていた*だろう*]
メモを貼った。
[笑みが見られ、回復の兆しがわかればこちらも安堵したように笑んで、頷く。]
グレイヴ師団長……このような場所でお会いすること、口惜しく思います。
[彼は自分を信じてくれた。自分も、彼のことは信用しているつもりで。
彼の期待に答えることも出来ずにここにいる自分を悔い、そして信じていた彼もこうして傷ついていることに、憤りに近い口惜しさを覚える。]
……熱、入れすぎですよ。
[何をしていたのか視てはいたものの、口にしようとはせず。]
瞼を開け、ちら、とサイラスにも視線を遣る。
首を傾ぐナユタの姿は視界に入れども、無視を返す。
イアンの様子には僅かに顔を歪めるけれど
この身では何も出来ぬと、ただ瞼を伏せる。
投げ掛けられる言葉
――否、意味は考える必要も無かった。――
こいつらは何者なのだろう、と、心の内で首を傾ぐ。
場所が場所なだけあってか、名を聞いてなお、
その正体には気づかぬままであった。**
皇子の呟きははっきりとは聞き取れず、疑問を浮かべた視線で見やる。
[耳を澄ますと救護室にいない者の声も聞こえる気がした。
どうしてだろうと部屋を見回して壁の上の鉄格子に気付く。
なるほど、そういうことかと部屋の相関を理解した]
防御創…?
そんなことまでわかるのか…
[ゲイルの言葉に苦笑しながら否定はしない]
いつもと違う戦い方を試していたんだ。
[男の剣はきっと中庭に置き去りで。
ならば剣から刃が削がれていることは知らないだろう。
だからそんな風に濁して伝えた]
―――…、元より。平和は何の犠牲も無しに成り立つものではない…とは、
[誰の言だったか、と。ぽつり呟く言葉は独り言の様に。
其れが何処まで届くかは知らないが。]
…ならば、その尊い犠牲の上で成り立った其れを
本来あってはならぬ事だったと学び、ただ忌避するのではなく
忘却せぬ様、凄惨な事実をそのまま未来へ語り継ぐのが
――その上に立つ者の使命でしょう。
[何の犠牲も無しに平和を築けると思わないと、言外に肯定を返し。
平和が、何かと。その言葉に僅かに沈黙を落として――口を開く。
…勿論、其れが正解だとは、…思わないが。]
未来に生きるものが過去を学び、犠牲を知った上で
真の過ちを過ちだと、正しく語り継げる環境こそが、
…平和ではないかと。 俺は――思います。
[勿論、ランドルフ皇子
メモを貼った。
ランドルフの呟きが聞こえれば、瞬間だけ、身に痛みを覚えたかのような表情を*浮かべて*
[ふと、意識が薄れたらしいイアンに気付いて立ち上がると、
傾ぐ身体を支える様に手を伸ばす。
さて、受け止めたまでは良かったが――鍛えている身ならばいざ知らず、
この腕の細さではこのまま支え続ける訳には残念ながらいかない。
…かといって、個室まで運ぶ事も出来るかは正直怪しい。
少しだけ思案して、――行儀悪くも先程まで座っていた椅子を足で引き寄せると、
背凭れの方をイアンの前へ向けて、寄り掛れるよう位置を変える。
…此れで彼が起きるまで、己が椅子の上に座っていればまぁ、
床に転がしてしまうよりは恐らくマシだろう。 ――恐らく。
ナユタの言葉に頷き、そのまま手に抱えていた毛布を肩から掛けやった。
暫くの後やはり不都合なようなら、手数を掛けてはしまうが、チャールズ殿の手を借りてでも個室へ運ぼうとは決意して。
キリシマから向けられた視線に気付くならば、何か用かと首を傾ぎながら
どうにかして理解しようとはしただろう。――聞き取れるかは、解らないが**]
メモを貼った。
今回ばかりは、そうさせてもらうよ。
[ズリエルの声
わかったわかったと苦笑しながら頷いた]
そうだな…己もだ。
あの時己がハッセ殿の護衛を代わっていれば
あんなことには…。
[口惜しい、というヨーランダ
信の置ける者を襲わせてしまった後悔はいまだ強かった]
………そう、だったかもしれんな。
[熱を入れすぎだと言われれば、”視て”いたのか、と視線で問いかけ、
かなわん、降参だと両手を小さく上げた。]
あの時、私には疑いもゼロではなかった。あそこで無理に代われば、貴方も危ない。
ただせめて、貴方には無事でいて欲しかったのですが。
[それでも、今悔いることが何も産みはしないとゆるく首を振る。
問うような視線を受ければ、意図は読み取る。]
……どうでしょうね。
[その答えは、くすり、誤魔化すように笑っただけ。]
[皇子の語る平和像は、何を言うでもなく耳に入れる。
成されれば、よいだろうと、思う。]
……。
[遠い、先の、話だろう。]
――お進みください。
貴方は、貴方の信じる道をお行きください。
どちらが皇帝となろうとも。
私は未来を楽しみにしています。
[そう言って、目を伏せる。]
[思案する。
皇子たちを前にして、この先のこと、未来のこと。
和平が成されよ、とも、大戦が起これよ、とも、強くは望まない。
和平の道を進んで大戦にならぬとも限らない。
大戦の道を進むが故歯向かう国が無くならぬとも限らない。
その行く末が平和なのかどうかも、その瞬間に生きる者が決めるべきだと、そう、思案する。]
メモを貼った。
ランドルフ殿?
[呟く声が聞こえてはっとしてランドルフを見上げる。
平和の形を思えば自分もはっきりと答えが出ないのが本当のところだが、
続く言葉
自分の考えは間違ってはいなかった、と]
だが、国防のための軍隊は抑止力としては必要です。
侵略行為に及ばぬと前提を設けた上で
ヴェスパタイン殿に国軍の頂点をおまかせするというのは
不可能でしょうか・・・?
[二人の皇子がバランスを取ってこそ、この国は
変わることが出来るのでは、と思っていた]
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