25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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…―――
…華月…
[―――――紫苑色が揺れる、揺れる。]
己は
何も、…
……っ、
[何も知らないで。
何も。何も。
ロビンの声が聞こえても答えられない。
射落とされた鳥は
きつく眉を寄せ俯いた。
――――りん、と
重なるように
鈴が
*鳴った*]
|
[虎鉄という少年が頭をかきむしり、全身拒絶を表しながら駆けていく。
残された明に何か異界のものとしか思えない気配が寄って、声を出そうと必死に力を入れた。
とたん、何かが割れたような錯覚。]
――……
[かえってくるのは、羽を震わす蝉の歌声と熱気。]
(238) 2010/08/07(Sat) 20時半頃
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始末屋 ズリエルは、蝉の鳴き声の中、崩れていく明に駆け寄った。
2010/08/07(Sat) 20時半頃
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>>@36
[そして近寄ればわかる。 その手が指が、透けている。
それは、ありえない。 生きている人間ではありえない。]
――……明?
[でも、名前を呼ぶ。一回じゃ足りなくて何度か呼んだ。答えるまで。]
お前……まさか……。
[その先、つむげず、止まる。]
(243) 2010/08/07(Sat) 20時半頃
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私の声が……聴こえるのなら
其れは生者としてはおかしな事
[白い鳥の視線はあちらへ。
答えが無くとも冬も花も気に留めず
現世留まる亡者を見る。
己の投げかけた言の葉は、
思うよりも随分広がったようだった。
主の傍にありながら、彼らの様子が手にとるように見える
ここは、狭間]
黄泉が手折りた 花ひとつ
うつつの月に 迷い染まる
あちらの虎鉄と謂う花も
……同じ?
[呟きはあやふや
彼については、人食いの花は聞いて居らず]
[主に何もできなかった己は―――なんて、無様な生贄だと。
すまない、と幾度目か謂って。
ふいに、聞こえたのは蝶の声]
――――…飛ぶ
[俯いていた鵠が
少しだけ、顔を上げる。]
…飛びたい…な…
[鈴の音に、重なる。]
|
>>@37
明……そうか暑かったか。 じゃ、戻るぞ。
[そして、倒れ付した明を抱えようと手をかける。 それは、幻、そう思わないように、そう思わないように手を伸ばす。]
明…来い。
(252) 2010/08/07(Sat) 21時半頃
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[漸く眸が常世と現世の狭間を映す。
ロビンの声が聞こえ]
…己たちの、こえが
聞こえる…?
[呟く。
そういえば、虎鉄は――最早あるはずのない場所で鵠の名を呼んだ]
どうして、…
|
>>@38
ああ、そうだな。 休めればよいが……。
[手をとれて安心する。 そう、でも、わかってしまう。
この少年は、きっともう………。]
いや、休まぬ。 狼を探さねばならない。 でないとお前やセシルを危険な目にあわせてしまう。
明…お前は俺の傍にいろ。 頼りにしてるぞ。
[逝かぬように、 そう、今は一時でも逝かぬように、と思った。]
(256) 2010/08/07(Sat) 21時半頃
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簡単なことじゃないか。
[素っ気無い少年の硬質な声]
彼は……
多分もう一人も
生者に非ず
……そう謂う事。
嗚呼、この声も届いてしまうかな。
ボクは少し喋りすぎだ。
[―――触れたときの冷たい手。
思い出す。生けるものではあり得ない。]
…――――死んでいる、…
[そっけない声に対する答えは、殆ど吐息混じりで]
始末屋 ズリエルは、手妻師 華月斎に顔をあげた。
2010/08/07(Sat) 22時頃
[吐息混じる声
答える硬質な音に艶混じり]
迷い迷うて ゆく先は
秋の心 のみぞ知る
愁い帯びて
誰ぞ元へ 迷い込み
降るは いくよの
涙あめ
[節つけて、囁きうたう]
――そう謂えば
主さまを、引き裂きはしたものの
喰らって居らぬ。
私も、彼らも
どれ程、腹が減って居るやら……
私はもう
感じぬけれど
|
ああ、構わぬ。
[鈴の音が鳴った気がした。 そして、目の前にいるのは、散らせた双花の片割れ。]
構わぬよ。
[息を飲み込み、そう、華月に答えた。]
(265) 2010/08/07(Sat) 22時半頃
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>>268
刀? 何に使う?
[すかさず聞き返す。
同時に、刀を欲しがる様子は、狼には見えなくも思ったが、だが、あえての策略かもしれぬ、 安易な推測は却下した。]
(272) 2010/08/07(Sat) 22時半頃
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つまり、芸のためにか?
[そのするりと出てきた説明に、多少不審な顔をするものの…。]
どうしてもというのなら、一緒に来い。
[今腰にある刀をチラリとみるが、さすがに白鳥を落としたものを華月に差し出す気にはなれず…。
ただ、それでよいと云われれば渡すだろうが。]
(275) 2010/08/07(Sat) 23時頃
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此処に居るよ。
[冬を呼ぶ声聞こえれば
冷たくも、何処か柔かな声はセシルの傍で囁く]
何時でも、キミの傍(なか)に。
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>>282
急ぐのか。 これでいいのか?
でもこれは…。
[言い澱むが、せかされれば腰のそれを引き抜きはする。 そのあとはあっさり奪われるだろう。]
――……。
(285) 2010/08/07(Sat) 23時半頃
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[あっさりともっていかれた。
想像以上にあっさりでしばし茫然とするが、 そして、あまりいい感じもしなかったが…
そのまま、どうしようもなく、 またB棟のほうへ足を向ける。]
(293) 2010/08/08(Sun) 00時頃
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ボクは煙じゃないし馬鹿でもないけど
付き合うよ。
[セシルの傍で微かな苦笑い
それから、仕方ないなと溜息。
触るなと釘刺す言葉は無く、
彼の内に宿るは、獣の血
彼の内に宿るは、冬の魂]
もし、出来るなら
……屋根をつたって、逃げられたら良いのに
孕んだなど、人間に知れたら
どうなるか
始末屋 ズリエルは、自室に戻っているが、そこにセシルがいるかどうか?
2010/08/08(Sun) 00時頃
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― 自室 ―
[自室に戻る。すると、寝ていたはずの姿はなかった。 代わりにそこにはキャンバスに描かれた絵…。
それを見て、しばし沈黙した。
何かを意味しているようで……。]
紅い月、白い、まるい…。 白いとり…。
[……ふと、使用人に使い走りに行かせる。ヨアヒムの様子をみてこいと。
そして、使用人が戻った時、ヨアヒムは事切れていたこと、報告された。]
この絵は、 ……………死者をあらわしている?
(295) 2010/08/08(Sun) 00時頃
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始末屋 ズリエルは、そう、解読したとき、背中につめたいものが走った。
2010/08/08(Sun) 00時頃
[姿見えぬ少年は、変わらず応接の間に。
主の傍に寄り添っている。
ここは狭間
宿る種が囁く声は、彼の内に]
[登る煙が、浄土への道しるべのよう。
穏やかに、哀愁帯びて伸びていく]
……
[物言わぬ気配はただ、傍にあるだけ。
無邪気に話すはセシルに任せ、空を見ていた
あの頃のように]
|
どこにいった。
[そして、セシルの姿がないこと、さすがに深いため息をついた。 いろいろ事情がわかっているからこそ。 放ってはおけない。
それはセンターのしての意思ではなく、個人的な……。]
――……
(301) 2010/08/08(Sun) 00時半頃
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始末屋 ズリエルは、奏者 セシルがロビンと連れ立っていってしまったのを思い出した。
2010/08/08(Sun) 00時半頃
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[そして、また深くため息をつく。 ちなみに、あれから、相棒からの通信もない。
酷く混乱していたので、落ち着けばと舞でも、と薦めたら、少し明るくなったのだけど、 もうそれきりだ。]
――……はぁ
[頭を抱える。あまり人には見せない仕草。]
――……明、俺は、何やってるんだろうな。
(304) 2010/08/08(Sun) 01時頃
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[しかし、そのときは明は近くにはおらず、 部屋を出ると、使用人が噂話をしているのを訊いて、さすがに取り乱したか。]
屋上か……ああでもどこの。
[まずはB棟の屋上を上る。]
(307) 2010/08/08(Sun) 01時頃
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[花の傍に佇む。
生きていた頃より静かに。
けれど裡にくすぶるのは炎。
花が桜へと声をかけるのを、聞いている。
ここにいるはずの花の声が、桜がいるほうから響く]
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― B棟屋上 ―
[屋上につくが、誰もいない。 はあっと息をついて、どうしたものかとまた階段を下りる、 その途中、袖を引っ張られて向く。]
明……
(311) 2010/08/08(Sun) 01時頃
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