25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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人
狼
墓
少
霊
全
[法泉から言葉が返ると、ちらと視線を上げる]
試されていたのですね、矢張り。
味見だけに留まらなかった理由
一つは其れでしょうか。
……獣は、己を造らねば
人の中では生きられません。
生まれながらに偽る術も、この身に。
また良しと、思っていただけるなら
たまには違う私もお試しくださいませ?
ロビンと謂う花は、多才多芸で名を売っておりますから。
[束の間、愁いを忘れたように
そう謂って笑った]
[もし、あいらしいなどと聞いたら、
うろたえた後、どうしたらいいか分からず怒るだろう。]
――…、…自分で、
自分自身がわからない、のに。
……――嗚呼、
[じ、と苔色の眸を見返し]
飛ぶよ。
…それは、変わらない。
味見に留まらなかったのは――。
いえ。
お前の表情が、もっと見ていたかったから。
[じぃと、冬色を見詰めて。
違う私を、という言葉には少しだけ考え込むように]
それもお前なのでしょう。
なら、愛でることに変わりはなく。
白鳥と同じようにされると、少し罪悪感が沸いてしまいそうですが。
[笑う花の額へと唇を降らせて、顔を上げる。
目の端に映った白鳥の反応が、眩しい]
そやったら、えぇんよ。
[悩む愛しい片割れに、飛ぶが変わらないなら佳いと。
悩むだけ悩んだらいいのだと、少し身を抱き寄せた。
そして離すは、夜光の気持ちを慮ってか。
これ以上、初心で愛らしい様を、他者に晒したくないと思ってか。
紫苑色を見詰め返す、苔色は穏やかだった。]
奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/08/09(Mon) 00時半頃
…明?
[黒檀を瞬いて、主へと告げる友を見て。
その腕にある太刀に気付いてまた瞬いた]
邦夜様が求めて下さったこと。
それが何よりも幸いですと。
|
[カンバスに描き終えたなら ぬるい珈琲も運ばれようか 前の自害疑惑もあってか やけに使用人が優しく接する その優しさも ただの苦しみに成るに過ぎぬというのに]
ん、サンキュ。 ………わがまま、悪いな。
[息を吐く 謝罪を素直に口にして 刷衛に謂われた通りに 大人しく寝台に身を置いた]
(154) 2010/08/09(Mon) 00時半頃
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お気に召したのは、顔だけですか?
[くす、と意地悪く笑い]
内に二つ心あれど、どちらも私に違いありません。
人の心と獣のこころは、もう混じってしまいましたし、ね。
[下りてきた唇を額で受けると
びく、と身を震わせ目を丸くした。
片手で額を押さえ、ぱくぱくと口を開くも言葉は出ず]
……っ
[ぷしゅうと音を立てそうなほど顔を赤くして俯いた。
間を置いて
ちらり、見上げる視線は笑み交じり]
罪悪感、湧きましたか?
[そう謂って、少し背伸びして首筋に音を立ててくちづけた]
――…ん。
[頷いて、抱き寄せられた少しの間に
額を肩にもたせかけた。
眼を閉じるそれは、心預ける証。
離れる身体に、
ほんの少し、名残惜しげな様子を見せるのは
隠し切れなかった、いろだろう]
表情は、同じ顔でも心が違えば違うもの。
顔だけではありません。
心が表れるからこそ、私はお前をもっと知りたい。
[口付けへの反応に一度細い目を僅かに見開いて]
――、湧いたかどうか。
ですが、少しお仕置きが必要かも知れませんね。
[首筋へ触れる唇。
身を屈めて、冬の色を覗き込む。まだ赤い名残が残る顔。
握った手指を絡めて、逃げられぬよう腕の中に閉じ込めた]
[ちらと周囲を見る。
心を通わせる人達。それを見ていると]
不甲斐なさ過ぎて自分の方が憎くなりそうだ。
[表にするつもりでなかった分まで零れた。
はたと口元を両手で塞ぎ]
…ありがとう。明。
[一呼吸置いてからそう呟いた]
まだ離れたくないから。かな。
[虎鉄の呟きには小首を傾げて。
答えながら、ああと思った。
言われたではないか。去年の夏の祭の夜にと。
友も、自分より此岸に近く見えても。
既に彼岸の側にある者なのだと]
少しでも長く感じていたい。
痛くても、この想いを。
そんな貌しぃへんといてや。
[離れ穏やかに見詰めた先が見せる表情に、眉尻を下げる。
酷くしとうなる―――何度か謂った言葉は続かない。
その言葉代わりに、互いにかかる糸と糸を絡ますように、指と指を交わらせた。]
―――……朧様の、望みは
[ロビンの表情を見て
「なんや、かあいらしい貌できるやんか」
と、裡で呟いた後、絡めた糸2つが繋がる先に想いを馳せる。]
奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/08/09(Mon) 01時頃
なんや、判った気ぃするわ。
違うかも、しれへんけど……――――
[鵠と情を交わしたくなるのを耐えたのは、
朧の行く末を見守らんとしたため。
彼の人の望み――尋ねられても曖昧に微笑むのみ。
尋ねる頃には、もう、望みの切片、窺うこともできたか。
想うが正しいか、見、聴き、識ろうと、窺う対岸の世界。
――絡めた指にそっと*力を込めた*]
……主さまは
真顔で恥ずかしい事を仰る。
[息止まった身であるのに、未だ小細工が出来る不思議な場所
文字通り絡め取られた身はすっぽりと腕の中]
仕置きでも
下さるものなら何でも嬉しいですよ?
お陰で、先刻の重い気分が薄れました。
[視線は幾度か現世に。
夜光が向こうへかける言葉に、一つ頷いた]
――…少しでも長く
嗚呼、恐らくは皆
手妻師 華月斎の視線に気付くと、唇の端を持ち上げて蠱惑混じる眼差しを送った。
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ちょっと外の空気吸ってくる。 大丈夫、すぐ戻るから。 刷衛か明が来たら散歩だって謂っといて。
謂っとくけど 自殺とかしたりはしねーから 心配しないで?
[ひとつ寝たからか 優しさが在るからか 辛く苦しい中で それでも揺らがぬ唯一の約束 使用人へと謂いつけて 少し重い身を引き摺る]
―B棟から本邸への廊下―
(170) 2010/08/09(Mon) 01時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/08/09(Mon) 01時半頃
[夜光の声。長く。
その思いは変わらず。
いつまで――]
思いを口にするのに、恥ずかしいことなどありはせぬ。
ふむ、嬉しければ、仕置きにはならぬ。
……。
この手を離してしまうのは仕置きにはなるか。
でもそれは、約束を違える事。
それに、私が困る。
[絡めた指で、花の細い指をなぞる。その一本一本を軟くほぐすように。
思い浮かんだ仕置きは、すべて自分に跳ね返るのだと気づいて、一つ苦笑を浮かべた]
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―廊下―
………。
[煙管に刻み煙草を詰めて 身に、子に悪いと知らぬ故 吸い込み吐き出す紫の煙 まだ桜の色をした髪が やはりふわりと風に揺れ]
外もあんま いい空気じゃねーな。
[血生臭い ぽつりと呟く姿は 紅い眼の男に 映るだろうか]
(178) 2010/08/09(Mon) 01時半頃
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イアン…? 随分と酷い姿だな。
[かけられた声に振り向いた 夜にぼんやり浮かぶ姿は 独特の艶在る佇まい]
………。
[何か話すかと眼が誘う]
(184) 2010/08/09(Mon) 01時半頃
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