25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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此処に居るよ。
[冬を呼ぶ声聞こえれば
冷たくも、何処か柔かな声はセシルの傍で囁く]
何時でも、キミの傍(なか)に。
奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/08/07(Sat) 23時半頃
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[絵はいくらか書き込んだ けれどそれ以上は描くもならず なぜなら 見えぬものは今 視えず、在る 先を読む力などない 昔の師はこの力をなんと喚んだろう]
看取りの、西。
[唯一大切な者の失せるを 看取りも、泣きも出来ぬ己に まるで酷い冗談だと カンバスに嗤う]
(287) 2010/08/07(Sat) 23時半頃
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[やがて届くは冬の風 優しげな声は幻か 傍(なか)に在ると甘い台詞 つい、と腹の上をなぞる]
なぁ、誰か。 ちょっと鋏、持ってきて。
あと。 刷衛と明にはチクらないで。
[鋏をこの手に運ばせる 使用人達が不思議がるのは “明”と喚ぶ姿見えぬ者の名でもあり]
ロビン、いこっか。 屋根の上。 いつもみたいに付き合ってよ。
[姿見えぬ者へと虚に喚びかける姿にか]
(291) 2010/08/07(Sat) 23時半頃
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ボクは煙じゃないし馬鹿でもないけど
付き合うよ。
[セシルの傍で微かな苦笑い
それから、仕方ないなと溜息。
触るなと釘刺す言葉は無く、
彼の内に宿るは、獣の血
彼の内に宿るは、冬の魂]
もし、出来るなら
……屋根をつたって、逃げられたら良いのに
孕んだなど、人間に知れたら
どうなるか
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[チクるなと口止めされても噂は走る 尾をつけ鰭をつけ どこかへ辿りつく頃には “桜の花が命断つつもりだ” などとおかしな事になっているだろう “見えぬ者と会話していた” とも]
今日もいい天気。 何があっても空は変わんねぇ。
[本当に見えぬ者が傍に在るかは知れず 桜は鋏を片手に 己にしか見えぬ冬の幻影を引き連れて]
―→本邸、屋根上―
(294) 2010/08/08(Sun) 00時頃
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奏者 セシルは、入れ違いの刷衛には使用人の噂話が届くかも知れない
2010/08/08(Sun) 00時頃
奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/08/08(Sun) 00時頃
奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/08/08(Sun) 00時頃
[姿見えぬ少年は、変わらず応接の間に。
主の傍に寄り添っている。
ここは狭間
宿る種が囁く声は、彼の内に]
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―本邸、屋根上―
うん、馬鹿も煙りも俺だけで十分。
[耳に届く声には微笑んで 常備の煙管に煙草を詰めた 吸い上げ吐き出す紫煙はたゆたい 空へ空へと消えていく 母胎(?)には悪影響を及ぼすだろうか]
きれーな空。 ロビンの眼と一緒だ。
[怒られたりしない腹を 裡に秘めた冬の獣を そろりそろりと撫でていく]
逃げる、か… それこそ捕まれば何されるか。
(299) 2010/08/08(Sun) 00時半頃
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[登る煙が、浄土への道しるべのよう。
穏やかに、哀愁帯びて伸びていく]
……
[物言わぬ気配はただ、傍にあるだけ。
無邪気に話すはセシルに任せ、空を見ていた
あの頃のように]
[花の傍に佇む。
生きていた頃より静かに。
けれど裡にくすぶるのは炎。
花が桜へと声をかけるのを、聞いている。
ここにいるはずの花の声が、桜がいるほうから響く]
[この心は何故こうも花を求めるのか。
身などなくなったというのに]
未練が一つ――。
お前の温かさを、もっとこの腕に感じたかった。
[色狂いだといわれたことを思い出し、ふ、と笑った]
……それは、ボクの?
彼岸へたどり着いてしまったら、
叶わない望みかもしれませんね。
[冬色の瞳が瞬いて
傍らの主を見上げる。
其の向こう
櫻に植えた種は、冬の気配帯びて
変わらず彼の傍に有りもする]
お前以外に、誰がいるというのですか。
[寄り添う花に回した腕は、やはり生前と同じほどの熱を感じることはなく]
たどり着いたら、――…たどり着けるのでしょうか。
もう、数珠も、落ちてしまった。
[床に散らばった数珠はいつの間にか片付けられていた。ゆるりと歩く。
傍らの花の手を引いて]
[熱はあるのかどうかわからない。
しなだれかかる身が
刳り貫き損ねた心の臓を胸の上から押さえる]
この身も、この身が覚えた芸も総て
主さまのもの。
如何様にも、好きに愛でて良いんですよ。
それが花の幸せ。
ボクも……多分。
ただ
……私は浄土へ行けぬ身
数珠落ちても
主さまは、ひとで 私は、獣
[冷たい雰囲気纏う幾らか幼い相貌に浮かぶ愁い。
手を引かれれば、少し驚きながらも後へ続く]
[多分、という言葉にも。
この身は震えている]
――何故、浄土にいけぬというのです。
病にかかったから?
人を食らったから?
人は、生れしとき既に業を背負っている。
それを返してゆくのが生者としての使命。
ですが。
浄土に行けぬのは私も同じ身。
業を返しきれず。お前に私を食らわせようとした。
[先を行く身で言葉をこぼす]
私の病は、受け継がれるもの
この世のありさまを、壊す
そのために……酷いことを山ほど。
業を返すどころか、増やし続けて
……主さまもおなじ?
[半歩後を手引かれながら
ふわり、雲の上を歩くような心地
柔かで
それで居て物足りないと思うのは
死しても欲が出るものなのか]
一緒に逝けるなら、どれほど良いか
今このように、手を繋いで
何処までも
お前が犯してきたことは、お前の意思がそうさせたのか。
それとも、病であるからか。
――どちらでも、良いか。
[ふわりと。
応接の間を出て廊下を歩く。今は誰にも見られることはなく。
否。
あちらにいる二人の花には見えたかも知れず]
一緒に逝かないのですか。
辿り着く場所がどこでも。
私はこの手を離すつもりはありませんよ。
[艶の混じる硬質な声。
眉尻は微か下がっている]
…―わがころもでは
つゆにぬれつつ……
[小さく呟く。
りん、と現世が啼く度に
響いて常世もりん、と泣く。囁く歌。]
…… ――――
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―本邸屋根上―
きれーなそら。 ロビンの眼と一緒。
[ふふ くすくす 腹に手を添えたまま 煙管の煙はふわりと上る 調度煙が終わる頃 人の気配があっただろうか けれど...は気付きはしない 見えぬ筈の冬に 酔いしれている故に]
………ロビン。 “桜は要らない” よね?
[煙管を手放し鋏を手に 小鳥は、研師はたどり着くだろうか]
(338) 2010/08/08(Sun) 02時頃
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……私はイビセラの花
言ってしまえば病そのもの
今は
人を喰らう力こそ無くとも
[同じ場所、同じ道を通る。
されど現世のひとには見えず]
逝けるでしょうか。
人でなくとも
其の手が私を離さぬなら
[桜の傍らに、ざわめく気配。
冬の色は彼の内]
――
[櫻は
要らぬかどうか答えは無く。
ただ、現世で告げた言葉
彼に届いていなかったのかと、愁い混じる]
奏者 セシルは、記者 イアンの紅い眼の色を念い出す
2010/08/08(Sun) 02時頃
[駒鳥と、センターの人間がやってくれば
彼の傍にあった気配はなりを潜め息を殺した]
奏者 セシルは、始末屋 ズリエルの声に鋏がきらめく
2010/08/08(Sun) 02時頃
[届く鈴の音。
そちらを一度見て]
思うのならば、今は届かぬほうを思うと良い。
寂しいからですか。
貴方がなくのは。
その鈴の音は、貴方の涙のようです。
[見る視線は生きていた頃と同じ。色はなく。
けれども僧であったものとしての慈悲を浮かべる]
奏者 セシルは、手妻師 華月斎の蝶が揺らめくように、桜の髪が揺れる
2010/08/08(Sun) 02時頃
逝ける。
逝けぬなら、私も往かぬまで。
[足を止めて、空を見上げた。
欠けた満月]
ロビン、お前は私の花です。
こちらに来た以上、それはずっと。
お前が厭というまで。
[月の下、花の身に触れて、心の臓が時を止めたのと同じように、かき抱く]
|
[幸得と セシルと 喚ぶ声が聞こえて 冬の気配は消えてしまう 煌めいた鋏は ざくりと]
――――……。
………ん、剪定。
[染めた桜の髪が はらりと風に散る]
(350) 2010/08/08(Sun) 02時頃
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――…ボクの為に、染めた髪
[小さく呟く声、僅か。
これは聞こえぬ方が良い
きっと、彼にとっては]
[鈴の音に、主が声かけるを花は傍で控えている。
主が話すに口を挟むのは――
そう雛鳥に告げたのは、未だ昨夜の事。
足を止めた彼を見ている]
ボクも……法泉さまの花
ずっと
切り捨てられる事は、無い?
[不意に視界が覆われて、腕に擁かれたのだと知る。
頬を胸に摺り寄せて、鍵爪の無い手が背に回る]
厭などと、誰が謂うでしょう
私は主さまの花
人食でも良いと、選んでくださったのは主さま
お傍に置いてください。
共になら、奈落に堕ちても構わない
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アイツらチクるなって謂ったのに…。 っいて!
[一枝あったかぺしりと走る小さな痛み むくれた顔に笑うしか出来ぬ]
心配、してるんじゃん。 死ぬと念ったの?
悪い…謂ったら、駄目って謂われると念って。 でも、どうしても、さ。
話もしてたかったから。
[...の裡に宿る冬に 冬の空に]
(359) 2010/08/08(Sun) 02時半頃
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………。 いつも刷衛は助けにくるね。 髪でなく、首を挟んでも アンタは助けに来てくれた?
[ふふ くすくす 冗談だよと、しかし嗤う]
危ない、か。 なら、運んでよ。
転けてお腹でも打ったら、大変。
[そう謂えば判るだろうと 無邪気に腕を伸ばして見せた]
(365) 2010/08/08(Sun) 02時半頃
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