207 Werewolves of PIRATE SHIP-2-
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[ヘクターの腹に突き刺さる牙。
歯を食いしばって戦いを見守る男は、その場から動かない。
何も出来ないのがわかっていたから。
その代わり、目を逸らしもしない。
拳をただ、ぐっと握りこんだ。
ヘクターと、双頭の狼の戦いの行方を、見据えている。]
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[船長は副船長を生き汚いと評していた。 だから彼を生から引き剥がさなければいけない。
狼はもう生に執着はしていなかった。
ただ少しでもヒトを減らす事。 それだけに固執する。]
ほんと、運がいい。
[逸物を砕けていれば良かったが、牙は腹に食い込んだ>>206 牙が入れば何処でも良い、と腹の臓物を引き摺り出そうと 首を左右に振る。]
(211) 2014/12/15(Mon) 00時半頃
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[甲板に現れた新たな気配も、ずっと前からあった見張り台の気配にも、気付きはしていた。
だが今は、それらは眼中にない。
獣の意識は、目前の戦いにのみ向けられている。
ただ視点は、彼らとは違ったろう。
おそらく、ヘクターを見守っているであろう3人と違い、獣は、純粋に戦いの行く末のみを見つめていた。
ミナカが同族であるからとか、ヘクターの行動理念に頷けるところがあるからとか、今は蚊帳の外。
─────どちらが、より強い畏れをもって、畏れを喰らうか。
弱肉強食の理念。
弱者は強者の糧となり、強者もまた更なる強者に喰らわれる。
残るのはどちらか。
紅い瞳が、静かに焔を宿したように揺れる。]
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GAAAAAAAAAAAA!
[背中に振り下ろされる槌の気配に、 身体を捻り避けようとしたが。 丁度左肩の傷口から生えた頭が1つ潰される。 血と脳漿と咆哮を撒き散らしながら、 それでも傾げ掛けた身体を起こした。 このまま離れれば、彼を殺すのは困難だろう。
食らい付いたまま、牙を離さない事だけに集中して。 引き千切ろうとした腹の傷に顔を突っ込むと、 その身体を押す様にそのまま駆けた。]
場所変えて……デートの続きと行こうぜ?
[同じように荒い呼吸の中、甲板の縁まで押し付けて 共に暗い海へ逝こうと残る脚に力を込めた*]
(214) 2014/12/15(Mon) 00時半頃
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ヘクターッ!!!!!!!
[じっと耐えて、黙って戦いを見守っていた男は。
ヘクターが甲板の縁に押し付けられたのを見た時、
つい、その名を叫ばずにはいられなかった。]
[強く、マストの柱を握っても。
爪痕さえ残すことの出来ない無力さだ。
息が詰まり、耐えかねて目をつぶりたくなる。
だがそれさえも出来なくて、目を逸らすのも見ているのも辛くて。
それでもただ見ることしか出来なくて]
へく、った……。
[ホレーショーの叫びをきっかけとするように、喉の奥から声を絞り出した。
かすかすに掠れた声で、苦しげに喘ぐ。
やめてくれ逃げてくれと言いたくて、何度もそれを呑み込んだ。
代わりに]
い、きてっ、くれるんだろ……っ!?
しっかりしろよお。この、バカ
[嘘ですごめんなさい。
なんて、普段ならすぐに謝るんだけど。
今回は、謝らなかった]
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[口の中に広がる臓物の味や苦痛に耐える声に 何の味も感慨も沸きはしない。 ただひたすら前へ前へ。
残るヒトを減らす事だけに執着し。]
趣味の悪い場所が、俺達には似合いだろう…がっ。
[血に塗れて、副船長の顔は見れなかったが。 きっと生き汚く、足掻いた表情をしているのだろう。
ジェレミーの声が聞こえたが、構わなかった。
甲板まで押すだけで殆ど体力は潰えた。 この身体を押し出す力は残っているかどうか。 血で滑れば落ちるのはこの身1つだが。]
(226) 2014/12/15(Mon) 01時頃
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2人分の命は……貰っていく……。
[今で無くとも。 呪詛の様な言葉と共に、狼は跳んだ**]
(227) 2014/12/15(Mon) 01時頃
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