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[柔らかな抱擁を返される、ただそれだけのことなのにまるで全身が痺れてしまったかのようで。
瞳を細め、耳朶から徐々に下りてゆく唇が燈す熱が、理性の箍を緩めていくのをどうにも出来ずにいた。
むき出しだった鎖骨に下り、見上げる双眸をじっと見詰める――これから、何をするかを伝えるかのように]
……やっぱヤダとか怖いとか言われても、止まんないからな?
[指先が顎を掬い上げ、上向かせる。
その指先の親指だけで柔らかい唇を撫で、仄かな水音をたて吸い付くと、
余る片腕は背へと辿って服の裾から忍び入り、無防備な背筋を撫で上げた]
膝に座っていい。
お前を支えるくらいの力は、残ってるからな。
[姿勢を変えるたび軋む寝台の音色が心地いい。
それに混じるクシャミの呼気が、微かに乱れていくことも。
これが最初で――恐らく最期だろうことが、逆に急く気持ちを抑え余裕を持たせていることに苦笑しながら、
見詰めたままの視線は消して外さず、その瞳に子供が悪戯を思いついたかのような輝きを湛え、問いかけた]
……どーしてほしいか、教えてくれよ。
それが俺の望みで、シタイコト、だからな。
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【人】 覆面嫉妬団 ミルフィ[>>39彼は全てをオレにくれる、と確かに言った。] (40) 2013/09/19(Thu) 21時半頃 |
― 処刑場 ―
[仄暗い中、誰かと言葉を交わした気がする。眠りの中で起きた事を覚えているのも、黒いものに纏わり付かれない目覚めも、随分と久しぶりだった]
……
……あれ……昨晩は、どうしたん、でしたっけ
[目覚めたばかりでぼやけた視界に映るのは、いつもの天井ではなく朝焼けの空。夢現で誰かと会話していたが、その前は何をしていただろうか。
まだ辺りに人の気配はない。自分で考えるしかなさそうだった。片手を付いて上体を起こした所で、指先に硬い物が触れる]
[何気なくそちらへ目をやって……考えるまでもなく、全てを把握していた]
あぁ……随分勝手が違うと、思ったら……
縄なんか、なかったんですね……
[刃の欠けた小さなナイフの先にあったのは、白い物が見える程に首筋を何度も切り裂いた、自分の身体。
最早動かないそれを眺めている内に、無意識に掌が自らの喉に伸びる。赤黒いものが溢れて首筋を伝った]
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【人】 記者 イアン―ラルフ邸入り口― (42) 2013/09/19(Thu) 22時頃 |
【人】 掃除夫 ラルフ そうかな…?僕の方が何倍もディミルのことを好きだと思うけど。 (43) 2013/09/19(Thu) 22時半頃 |
[一度死に様を自覚してしまったからだろうか、何をしても首筋からの血は止まらなかった。仕方がないから、外套のフードを巻き付ける様にして首筋を隠す。血の色が目立たない暗褐色の服で助かった]
[立ち上がってからは真っ先に処刑台へ向かってみたけれど、やはり何にも触れられない。今こうやって辺りを見回せている事すら奇跡のようなものなのだろう。やり残した事は諦めてしまうしかなさそうだった]
……送れなかった事も口惜しいですが……
もし先生も、私みたいになっているのなら……この姿を見せたくはないのですが。
[でも、ここに居た所でどうしようもないのだろう。引き留めるより先に目に入ってしまうから]
[黍炉がここに現れない事を願いながら、状況を確かめるべく村内へ歩みを進めた]
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【人】 覆面嫉妬団 ミルフィ …じゃあオレは何千倍も、好き。 (44) 2013/09/19(Thu) 22時半頃 |
【人】 さすらい人 ヤニク−草原→村の至る所− (45) 2013/09/19(Thu) 23時頃 |
【人】 掃除夫 ラルフ[張り合ってくるディミルに、愛しさが増すようだった。 (46) 2013/09/19(Thu) 23時半頃 |
[くつり、と頭に響く水音がもたらされれば、重なる唇を割って舌を滑り込ませる]
……ふ、っ……ぁ、……っ
[その間も肌を直になぞられ、くぐもった声が漏れ出していく。自分ばかりだ、と、どこか悔しいような気持ちが湧いて、回した手がぎゅ、と服を掴むが、彼の動きに流され、翻弄されるばかり]
……ん。
[座っていい、という言葉に頷き、その身を全て預けて。触れ合い、次第にぼんやりとしていく意識の中に、問いかけが投げ込まれる]
どうして、ほしっ……い……?
[既に荒くなった息を隠そうともせず、繰り返して。彼の悪戯めいた眼差しに気付いて、拗ねるように胸に顔を埋める。何と答えたらいいか、ぐるぐる、ぐるぐると考えて。どうしたい、という問いであれば、気持ちよくしてあげたい、なのだけれど。ちらり、見上げた先の表情を伺いながら]
[触れた胸、その布の隔たりが厭わしい、と思った。それに、彼の触れたところが、どこかしこも熱くて、仕方がないから]
……ぬが、せて?
[もう半ば、そうなっている部分もあるのを知りつつも]
【人】 覆面嫉妬団 ミルフィ[>>42扉を叩く音に気付いて、突然の来客を唇が離れた合間にラルフに伝えようとしたが、言葉は彼の唇によって遮られた。 (47) 2013/09/19(Thu) 23時半頃 |
【人】 さすらい人 ヤニク[養鶏所の扉をバールとペンチで破壊し、手近な鶏を押さえつけると躊躇なくナイフで首を切り裂いた。 (48) 2013/09/20(Fri) 00時頃 |
【人】 さすらい人 ヤニク−村の小道− (49) 2013/09/20(Fri) 00時頃 |
【人】 掃除夫 ラルフ[――少し眠っていただろうか。 (51) 2013/09/20(Fri) 00時半頃 |
[拗ねるような仕草が、密接した肌から伝わる熱が、そこを擽る弾んだ吐息が――
――その全てがたまらなく愛しくて、背を這う手指がその身体を引き寄せた。
熱を帯びた、自分よりも小さな身体を腕の中に収め、唇から覗かせた舌が耳朶をなぞり囁きを零す]
……それだけで、いいのか?
[意地悪な囁きだと理解しているけれど、止められなかった。
背を抱く腕が不器用に裾を手繰り上げ、白い素肌を晒して行くのを留めないまま、
衣服をするりと身体から抜き、寝台へと落として、触れ合う距離を僅かに離し胡桃色の双眸を覗き込む。
クシャミの手を取り、自身の上着……の内へも、それを脱がすことができる場所へも導きながら]
脱がせるだけで……?
【人】 さすらい人 ヤニク−集会所への道中→集会所− (52) 2013/09/20(Fri) 00時半頃 |
【人】 さすらい人 ヤニク[ふと、伝え忘れた事を思い出す。] (53) 2013/09/20(Fri) 00時半頃 |
【人】 双生児 オスカー[夢を見ていた。 (54) 2013/09/20(Fri) 01時半頃 |
【人】 双生児 オスカー[その言葉を以前に聞いたのは、もう随分と遠い昔のような気すらしたけれど。] (56) 2013/09/20(Fri) 01時半頃 |
[熱を持った耳が舌に濡れ、声と共に漏れる吐息に触れて、温かさと、空気にあたる冷たさに身を捩る。意地悪な文言には、不満気な台詞を]
……こんなに意地悪だって、知らなかったよ。
お兄さん、やめたから?
[裏腹、その声色は明るく。彼から受ける扱いが今までと異なることが、この関係の変化を示しているようで。視線を外したまま、それでも願いに応えて衣服を脱がす彼には逆らわず。逸らした視線の先に、意地の悪い笑みを捉えながら、彼に導かれるまま、肌に触れて]
……寒いよ。
あったかく、してほしい。
[上着をそっと肌蹴させて、熱くなった互いの肌を直に重ねて。寒さなど、とうに忘れたけれど]
【人】 覆面嫉妬団 ミルフィ …うん、…ラルフが…、欲しい (57) 2013/09/20(Fri) 01時半頃 |
【人】 覆面嫉妬団 ミルフィ[扉の前にはラルフがひとり、立って何かを読んでいた。>>51 (58) 2013/09/20(Fri) 01時半頃 |
ー回想・ムパムピス君と墓地でー
.....いいんですよ、ムパムピス君は生きていて。それに値する人物、でした。
[彼をそばに置いたのは当初の理由は別であったのにこんなにも今は彼を生かしてやりたいだなんて]
役割、ですか。私こそ貴方のための役割を果たせているのか不安です
[彼を抱き締めてやりたい気持ちを抑える。自らはそんなにきれいなものではないから]
えぇ、そうです。貴方がどうあっても、貴方が私を必要としてくれるなら。
[いつからだろう、魔術の本を集めるのが本当の意味で趣味になったのは。いつからだろう、この手で死んだ人間の体を開いて繋げて一つにしようとすることを止めたのは]
ー遠き日ー
[始まりはまだ成人して間もない頃。私には妻がいた。愛する妻に送り出され、研究職についていたわたしははその日も仕事に出かけ帰ってきたら妻が死んでいた。
物凄くあっけないように聞こえるかもしれない。だが本当にそのままなのだ。帰ってきたら冷たくなっていて二度と起き上がることはなかった。
あまりにも、あまりにも唐突すぎて心が受け入れられなかったのかもしれない。気づけば自分はこの村にいて、医者と名乗っていた。
もともと化学系の研究をしていたためか簡単な薬学は覚えるのに苦労せず、基本的に出きるだけのことをしてやってからそれでも駄目な人間はやすらかに眠らせ、夜な夜なその体を開きなかを見、怪しい学術書にもすがり彼女を生き返らせようとした。]
[開けて見て、時には中身をとってから空いた腹を縫って埋葬。そんなことを続けていた時にあらわれたのは彼であった。
はじめ、自分は埋葬時にばれるかもしれなかったためは酷く彼を邪魔に思っていた。それでも彼を邪険にできなかったのは、どことなく妻ににていたから]
[顔や姿ではなく、その出で立ちが、雰囲気がそっくりだとおもった。だから最初は“器”にしようと思っていた。だけれども、今は....]
ー首吊りブランコゆらゆら揺れるー
[彼に手渡された投票用紙も、自らの投票用紙にも自らの名前を書いた。ぐいと縄が喉元に絡み付く感覚にあぁ、これが死ぬということかと何となく納得した。
途中朧気ながら彼の姿が見えて、手を伸ばして、それでも届かなくて
ああ生きてくれと願う。あんなことをいってすまないと謝りたくなる。まだ、まだ、伝えていないことが]
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