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[橋梁の灯り、客船の灯り、観覧車の灯り、ホテルの灯り、港の灯り。
海は灯りを写して赤く染まる。
まるで曼珠沙華の花畑のように。赤く。]
………
[口には出さないけれど。
寂しさを感じていた。]
[1人じゃないと言った。
孤独じゃないと言った。
―――好き、とも。]
……嘘。
[『ニコルが居るから』――…だなんて。
君の心の中に、
僕は、居ないじゃ ないか。]
………
[唇を結び、客船の方へと歩き出した。]
![]() | 【人】 営利政府 トレイル――、そう…… (92) 2014/10/10(Fri) 09時半頃 |
……カミちゃん。
船の中はさぞ豪華だろうね。
高い天井、ふかふかのカーペット、豪華な食事もあるだろう。
遊ぼっか?
![]() | 【人】 営利政府 トレイル――、…… (94) 2014/10/10(Fri) 10時頃 |
![]() | 【人】 営利政府 トレイルっ… (96) 2014/10/10(Fri) 10時半頃 |
―豪華客船内―
[いつの間にか青紫のスーツとリボンタイを着ていた。
船内で道を覚えているのは、主催団体から学校へと打診があり、サロンで演奏会を開催したからだ。
曽井は単なる引率者だった。
あの時はクラリネットの子がとても緊張していて――…]
と、も?
[楽器ケースを持って廊下を走る子が見えた。
今はもう見えない。ここも夢の中なのだから、あり得るのだろうと苦笑をもらす。
そういえば、まだクラリネットを吹いているのか聞いていなかった。大人になった友を――…余りにも、知らなすぎた。]
[船内に飾られている花は、白と赤の2色だけ。
もう選んだというのに。
渡したというのに。]
………大事にする気持ちの籠った白い椿か、愛しさの籠った赤い椿か。
自分が人形から人に変わったように、白い子にも生き返らせたい子が居る。
白い椿を渡せば、この夢の記憶を失う。
手元に赤い椿が残れば、対象者の分からぬ恋心だけが、残る……。
[そうだろうと確認するように]
ならば……**
![]() | 【人】 営利政府 トレイル[赤い花。――なら、咲いているんだろうか。 (98) 2014/10/10(Fri) 11時半頃 |
![]() | 【人】 営利政府 トレイル[ かれの、想いの先は、どこへ? (99) 2014/10/10(Fri) 11時半頃 |
![]() |
[選曲は当然ではないかとばかりに曽井は見下ろす。]
間違いなく、僕が君の影響を受けているという証拠だね。
ほら……耳を澄ませてごらんよ。
[聴こえるかい? あのメロディが。
─赤い花ゆれる あのこの髪に
やさしい人の ほほえみにゆれる
白い花ゆれる あの人の胸に
いとしい人の 口づけにゆれる──……]
![]() | 【人】 営利政府 トレイル[ それに。 (110) 2014/10/10(Fri) 16時半頃 |
ねぇ、凄い……ね。
人食いって……、大丈夫。生きて帰ることが出来るから。
[カミちゃんが予想以上にはしゃいでみえるからこそ、少しばかり落ち着いて居られるのかも知れない。]
ありがとう。さっきの伝言の件だけど――…もぅ、大丈夫。
[顎に指を当て、暫く考えていた。]
ん………。
いや、これは未練じゃないよ。確認。
どんな仕組みなのか考えようとして、止めた。
……何せ、説明不足だからねぇ?
赤い椿を手元に残せばどうなるのか、僕は実際にそうなってから聞かされた訳だし。
赤い椿を渡していたら……
或いは、両方渡さずに他人の椿を差し出したら……とか、考えてみたら、ね。
真実を示さずに居る選択肢だって、間違いじゃ、ない……。
[言えぬ伝わらぬ辛さもあるけれど。
深々と腰を沈ませた椅子。
その手摺は金色に輝き、どうにも落ち着かない。]
……ねぇ、白い椿を渡していなければ、逆のことが起きていた。それで正解、かな?
[もう少し、花についての話を促しながら、船内見学しようかと立ち上がった。**]
メモを貼った。
……あの子の歌う、花の歌を聞いたよ。僕は。
同じ意味合い? 何だろう、な。
どんな花も、愛されずに咲かなければ散るだけ。愛されて咲いても、散るだけ……。
[分からないものだと首を微かに傾げた。]
[花の話はまだまだ続きがあった。
目を細めて花弁に触れる。
赤と、白と。]
……あぁ、話の筋は分かるけど、難儀なものだ…と。
カミちゃん。傍観者であるなら、そのように、ね。
何を大事にするのか、そりゃあ人によってまちまちだけれど。
………うん? 色恋を、取る?
[ついに翔が恋に落ちたかと思ったが、自分の恋心を棚上げできずに顔を赤くした。]
まったく……仕方のない。
―昔話―
[箒の柄を硬く握り締める。こういうとき、縋るものがあるのは助かる。]
うん……分かった。
僕がゴミ捨て場まで行ってくるから。
[君達の代わりに。今日も。
掃除が好きなんだって事にしているけど、本当は嫌い。
綺麗にすればする程、夢中になればなる程、終わった後に寂しくなる。
どうして――僕1人でやっているのだろう、と。]
………ん、しょ。
[本来なら二人で運ぶべき大きめのゴミ箱を、焼却炉の近くまで運んでいく。
階段を下りるときが一番怖い。
転んだらどうしよう、落としたらどうしようと不安になる。
部活動に励む音が聞こえても、1人だけ別の空間に居るかのような錯覚のまま、校庭の端を歩く。]
「おーーい、曽井ーーー!」
「キャッチキャーッチ!」
え?
[己の名前が呼ばれた事に気付き、足を止めた。珍しい。視線を上げると、野球の白い球が緩やかに放物線を描いていた。
キャッチ……出来るだろうか。
危ないとは言われなかった。
避けろとは言われなかった。
ゴミ箱を置いて、空けた両手を空に掲げた。]
おーらい、おーら……
[確かに、これは取れる球なのだろう。しかし、体育下手の曽井にはハードルが高かった。]
[落下予想地点まで後退り、いざ掴まえようと腕を動かしたが、ボールの到着の方が先だった。
鼻と目に衝撃。
火花でも散ったように目がチカチカとした。]
………うぅ。? 鼻 ぢ
[血を見ると気分が悪くなるのはトラウマのせい。
両手を赤に染め、曽井は気を失い後ろに倒れた。*]
メモを貼った。
![]() | 【人】 営利政府 トレイル[ 頬に、ふわりと触れるは鬼灯の提灯。 (126) 2014/10/10(Fri) 23時頃 |
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