301 十一月うさぎのないしょ話
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[そして男は「いもうと」が彼氏を紹介する時のごとく、少し改まって。]
宅本さんなら無理強いはしねぇとは思うけど。 ……泣かしたら俺と直がぶん殴りに行きますんで。 店長は――なんかこう、何かしらやると思うんで。
よろしくお願いします。
[頭を下げた。**]
(248) Ellie 2019/12/05(Thu) 00時頃
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――四人卓――
[トレイに乗せた料理は登場時から大歓迎された。 宅本の賛辞>>252には「Zてなんすか」と笑ったり、照れを誤魔化すように食べ始めを促した香子がそれでもきちんと食前に新しいお手拭きを使用する様>>257に目を細めたり、穏やかで美味しい時は流れる。
ライスが足りなくなれば追加し、黒豆茶のお代わりにも立った。]
そうそう、生食用のカボチャで「コリンキー」って品種。 黄色味が強い野菜が欲しくて、ソウメンカボチャでも良かったんだけど他の野菜との相性考えたらこっちかなって。 ん、甘くて正解だったな。
[既にある「完成された」皿の話題だけではなく、アレンジした味も共有できる幸せ。 香子が隣でポトフもピタパンサンドもひとつひとつ丁寧に味わってくれるから、多分今日は心拍数を落ち着ける隙がなさそうだ。]
(260) Ellie 2019/12/05(Thu) 21時頃
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デザートは「ちょっとずつ全部」で良いよな?
[3人を順繰りに見回して、にっと口角を上げる。 彼等を見る視線が柔らかい自覚はある。 自分が煮込んだのは牛の頬ではなく己の頬だったのかもしれない。蕩けてずっと戻らない。]
……他の人と楽しそうに話してる彼女を見てんのも楽しいっての、この歳になって初めて知った。 すげぇよな、どの瞬間も可愛いとか。
[席を立ってからそっと宅本に相槌を求めたのは、仲良く話す女性二人の姿を見る彼もきっと同じ気持ちだと思ったから。 二人きりでいたい、独占したいという気持ちとは別に、ただ楽しさ美味しさを堪能している彼女を見ているだけで幸せな気持ちも胸の同じ位置に存在している。
デザートを堪能する彼女にもまた新しく恋をするのだろうと確信しながら何度目かのサーブを。*]
(261) Ellie 2019/12/05(Thu) 21時頃
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――巣穴から抜け出して――
[その場で料理を作る業務はないけれど、パーティの後片付けというものはやはり店員の仕事。 いつもより長くかかるだろうそれに臨む間、一度彼女には自宅に帰ることを勧めた。
合鍵を用意していたとはいえ、此方も同じものを用意しているとは思っていなかっただろうし。]
店のやつがよく泊まりに来るから歯ブラシとかは新品置いてあるけど、メイク落とし的なのはないしさ。 あ、パジャマは俺のシャツを着るっていう選択肢も考えといて。
[つまりはそれらを己の自宅で行って欲しいということで。 準備出来たらまた店の前でと約束して、働き黒兎は夢の去った巣穴がまた夢を紡げるように磨いていった。]
(262) Ellie 2019/12/05(Thu) 21時頃
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[それから二人で乙坂のマンションに帰り、合鍵は細い丸カンつきで香子の手、というか指に渡された。 丸カン自体はキーホルダーをつける為だけれど、「薬指」にリング状のものを差し込む動作が欲しかったから。
己のテリトリーに案内して、テレビをつけたけれどすぐに消したり、後輩の結婚式や己の卒業アルバムを肴にほんの少しアルコールを入れたり。]
香子、
[互いの名前以外に意味のある言葉を持たなくなる時間には、ずっと固く手を握っていた。 この手がいつか包丁を握れなくなる日が来たとしても、どんなに手入れをしても彼女の手がつるりとした光沢を取り戻せなくなる日が来たとしても、こうして手を握って眠りたい。
それを言葉に出す日が来るまで、あと――――――**]
(263) Ellie 2019/12/05(Thu) 21時頃
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