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メモを貼った。
出しちゃえよ。
我慢するのは身体によくないんだぞ。
[実際にはそんなことはないが、さもそれが正しいかのように言う。
と、ぷいっと顔をそらされてしまって唇を尖らせる。その唇に噛み付かれた]
ん……、っ、……は、
すっげ、……きつい、でも、いー……よ。
[想像以上の締め付けと快楽に、上手く言葉が紡げない。
相手は相手で啼いているのでお互い様だとは思ったが。
爪を立てられた時にはぴくりと反応して、それで僅かに突き上げるリズムが変わる]
メモを貼った。
―― 温室温泉 ――
…――ごほっ、は、……っ!!
[――日向は、オレにゆっくり風呂入れない呪いでも掛けたんだろうか。
現実逃避に過ぎったのは、そんな感想]
っは、はあっ、はあ、……、は……
[勢い良く起き上がったせいで、湯はひどく飛び散って、赤い薔薇を艶々と煌かせ。
きっと、荒い息を整えるのに必死な自分も、同じ色をしている]
なん、…… え、何……だって、 ?
[浴槽の縁に掴まりながら、彼女の言葉を反芻する。
蛍紫と蘭香は、一緒に助けられなくて。
克希は、やっぱり誰かがあいつを想う気持ちで、助かって]
[それで。
じゃあ。
オレの、手は。
『誰』を助けられるか、っていう]
…… だれか って …
[日向の司る感情。
それに当て嵌まる気持ちを向けているのは、一人だけ。
でも、そいつが好きなのは、オレじゃない。
オレじゃないのに、どう、やって]
……どういう、ことだ よ……。
[湯でぬらぬらと光る手のひらを見つめる。
俯いた髪から落ちた雫を握りしめても、指の間から零れていってしまう]
[手を。誰に。
離れていても。
望むのなら。
日向は、無駄に希望を持たせたりしない。
むしろ、出来ないことは出来ないと示すし、慣れてくれば無表情でも気にならないくらい、反応が正直なやつで。
励ますための誤魔化しや、ただの精神論じゃなく、それは解法そのものの筈]
……オレ、は……
[この事、他のみんなにも伝えるべきだろうか。
一瞬、その考えが過ぎったけれど、すぐ首を振る。
彼らはもう、選んでしまった人たち。
日向が、『恋人』と認めて救った人たち。
伝えれば、もし助けられる心当たりがあれば尚更、いたずらに苦しめるだけだろう]
オレ、は……、
[愛されて、いたらしい。
その、奇特なひとに、感謝を伝える機会はあるのだろうか。
そのお陰で、恋人ではないのに、こうして助けられたのなら。
まだ、『誰か』の手を取ることの出来る、この手があるのなら]
わぷっ。
[見つめていた手ごと、タオルに包まれ。
何事かと慌てて布地を掻き分ければ、無表情な召使の少女。
促されるまま、浴槽から出て、身体を拭いて、包帯を巻かれて、差し出された自分の服を着て、背をやわらかく押されて。
やっと。
はっ、と気づいた]
……あのさ。もしかして、オレだけ一人で居たから、傍に居てくれたのか?
[少女は、何も答えなかった。
ただ、すこし見慣れた無表情を、ほんのすこし柔らかくして。
いってらっしゃいませ、とお辞儀をした]
― そして、それより後の時間 ―
[そこは、不思議な屋敷だった。
文は一階で眠っていただろうか。
そっと抜け出して、けだるい身体を引きづりながら、中を探索する。]
珀……
[きっといるはずだから。]
メモを貼った。
メモを貼った。
―― 1階、階段下 ――
…… ?
[何事か考えつつ。
一段目に足を掛けようとしたところで、誰かに呼ばれた気がした。
振り返り、きょと、と視線を彷徨わせる。
破れて血染みのついたシャツを着て、包帯をひらひらさせた姿は、あまり声を掛けたいものではないだろうから、誰か遠巻きに呼んでいるのかも、と思って]
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[先に出せる訳が無い、そんな恥ずかしい事。
相当今でも恥ずかしい事になっているのは気にしないにしても、置いてゆく感じがして嫌だった。
口にしてそんな言い訳はしないけれど]
みちや、……ああっ、すき。
も、っと。欲しい、ね……道也ァ……ッ!
[唇を合わせたまま何度も名前を呼んで、あとは意味を成さない音が口から漏れるのみ。
何度も突かれ、使ったオイルが泡だって音を立て、シーツに汗が落ちて。それから程なくして極まると、ぎゅっと手に力を込めて腹に白いものを散らし]
[その姿にははっとした。
どうしたのだろう。]
珀
[今度は大きく呼んだ。]
どうしたんだ、それ…。
……っ、せん、せ……?
[今度こそ、はっきり聞こえた声に、びく、と身体が固まった。
心臓が五月蝿い。頭が熱くなる。喉が渇いて、身体の何もかもが、抑えられなく、なる。
真っ先に言うことを聞かなくなりそうな腕を閉じ込めるように、ぐ、と肘を抱きしめた]
なんでも、ない、です。
[薔薇に、突っ込んだ、のは。せんせも知ってるでしょ、と。
何とか、掠れる声で口にする]
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――ん、もっと呼んで。
すき、……あいしてる、良数……っ!
[寧ろ、さっさとイってくれてよかったのだ。……こっちだってイきそうなのを先に出したらカッコ悪いからずっと我慢していたのに。
なんてことはやっぱり言わないけど]
は……っ、……く、俺、も、出……っ
[ゴムを付けていなかった、とふっと思い出した。
ほとんど反射のように「中に出してはいけない」と思って、中から自身を抜こうとする]
メモを貼った。
[珀が消えた時の記憶を思い出す。
そう庭のあの場所で、消えたのだった。
耀の手の中で、甲斐が見てる前で……。]
そうか。
酷かったんだな。大丈夫か?
[そう声をかける。だけど、ほのかに、心のどこかが痛い。ああ、珀と俺ってどこが似てたんだろう。よくわからない。
でも、……。]
珀……。
[相手が混乱してること、わかってきていた。
当たり前だ。珀は甲斐が好きで。
甲斐は、珀と俺のことが好きだと言っていた。]
珀……お前に、伝えることがある。
…好物のイチゴ以上。
[向けられた言葉
そして一文字ずつはっきりと名を呼ばれれば
深く押し当てられる唇に、引き寄せられる感覚に身を任せる。]
…なぁ、これからだろ?
[その眼には相手を求める熱を帯びていた**]
[大丈夫かと問われれば、こくこく無言で頷く。
ぶつけたりしなければ、そう痛まないから、それは事実ではあったのだけど。
何をするか分からない自分から、早く離れて欲しくて]
なん、……
[きつく握り過ぎて、肘から滲む赤。
それが床へ滴る音より微かに、尋ねた]
みちや、んっ……俺の、道也。
愛してる……ずっと、道也が好き。
[乞われるままに名前を呼んで、張り合うように必死な顔を見せる。
こんな姿道也にしか見せられない]
や、ぬかないで……いい、から……だして。
[離れる体を、引き止めて縋りつく。
どうせまた、シャワーを浴びる羽目になるのだ。だったらこのままでいいと]
メモを貼った。
メモを貼った。
[珀の気持ちがそこまで切羽詰ったものだと知らずに、不用意に近づく。
その様子を心配そうに窺うけれど、珀はどう感じたか。]
珀……あの時は興奮してたけど、
少し、落ち着いたか?
[すぐに甲斐のことを切り出していいのか迷い、まずはそう声をかける。
大事な幼馴染も、向こうにいるのだ。
好きだった幼馴染と離れるということは、どんなに不安でせつないかはわかるから…。]
それから、伝えたいことは甲斐のことだ、とつぶやいた。
─ おそらくは、鳴瀬が部屋を出た後 ─
[気怠さの残る体をゆっくり起こし、とりあえず適当に服を着る。
そして、改めて部屋の様子をまじまじと見れば、ここが先程までいた別荘とは似て非なる場所だとはっきり分かった。
衝動に駆られてのこととはいえ、こんな、誰が来るか分からないような場所で───と、今更のように顔が紅潮した]
ぁ、そういえば……。
[そういえば、先に消えた8人も、やはりここにいるのだろうか。
ならば、探しに行った方が良いだろうかと思ったが……]
…………。
[なんとなく顔を合わせ辛くて、部屋を出るのを躊躇った]
[自分で、と哲人が言ったのも聞こえてはいた。
それでも、相手より先に触れようとする手を止められないまま……。
彼が跳ねる、その動きが己の体にも波のように伝わる。
耳を、声なき息が掠める。背には、いばらにもどこか似た痛みが走る。
薄い肌に、焼け付くような吐息が掛かる。
その熱さは多分、自分が吐いていたものも同じ。
……もう、限界。
苦しい呼吸の中でそう漠然と思った時、己の前を開く彼の手を。
己のものに何かが触れる感覚を、意識した。]
……ぁ、あ……!
[その後はもう、阻むものも、こわいものも、何もなかった。]
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―― そのあと ――
……かわいかった。
テツ、あんな声出せたんだ。
[眠たげな瞳で小さく笑みながら、ぽつりと零すのは、胸をきつく吸い上げた時の彼の反応。
その後、求め合い絡み合った時に、自分でも高い声で何度も彼の名を呼んでいた事実は棚上げで。
裸のまま、ごろんとベッドの上で寝返りを打った。]
メモを貼った。
[指を舐めて、といわれて、
その意味がわかっているから、息をこくん、と飲んだあと、そっと手をとり、舌先をつけた。
それから、なるべく唾液を出すように丁寧に舐めていく。]
……ふみ、さん?
[名前、呼んでほしいというから、そうだ、と少し考えて、 指を十分濡らしたあと、そう呼ぶ。]
っ!
[自分を抑えるのに必死で、士朗が近づく気配に気づけなくて。
突然窺われたのを、咄嗟に跳ね除けようとする手を、止められず]
す みません……っ、駄目、 ……、
[せんせが傍に居ると、落ち着けるものも落ち着けない、とは。
さすがに失礼と考える頭は何処かに残っていたらしく。
無言で、ぐ、と士朗の腕を、握る。
今まで自分の腕を抑えるために篭めていた力のすべてだから、きっと痛い。
血もついてしまうかもしれない。
呟かれた名が、名 だから。尚。
彼が逃げようとすれば、けれどすぐ離される手。
その素振りがなければ、俯いたまま、伝えることってなんですか、と押し殺した声で尋ねる]
メモを貼った。
あの、俺のこと、
呼び捨てでいいですから。
その、ふみさん、年上だし…。
[それは、やっぱり赤らみながら。]
メモを貼った。
メモを貼った。
――……ッ
[そして、刹那、撥ね付けてこようとする手、
混乱した言葉を吐きながら、珀はそれでも腕をきつく掴んだ。
その力があまりに強く篭っていて。
思わず、小さく悲鳴をあげる。
それでも、掴まれた腕は解かれない。
痛みに一度俯いた頭、ぎりぎりと、その力は、珀本来のもの以上にも感じながら。]
――……は く
落ち着け。
お前、甲斐が今でも好きだよな。
甲斐も……お前が好きだよ。
――ばっ……!
[馬鹿、と。
たったそれだけの言葉ですら快楽に呑まれた。
抜かないで、出して、縋り付かれればもう離れられない。
奥へと思いっきり白濁を注ぎ込んだ]
…………っ……、
[出したのにまだ搾り取られているような気がして震える。
やっと落ち着けば、繋がったまま良数をぎゅうと抱きしめた]
……あー……ばぁか、もう……。
よかった、すっごいよかった……。よしかず……すきだー……。
[男同士の行為もやってみればそこまで抵抗はなかった。元々そういう素質持ちだったのか、好きな相手だからだったのか、そこまで考える余裕はなかったけれど]
…… 、 は ?
[落ち着いてはいる。
落ち着いているから、腕を掴むだけで済んでいるのだとは、言えない。
だから、こちらの様子なんてどうでも良いから、早く伝えることとやらを言って欲しい、と思っていたのだが。
伝えられた、言葉は。
正直、意味が分からなくて。
ぽかん、としか形容しようのない、間の抜けた表情で。
ついでに握りしめる力も抜けて、士朗を見上げた]
[あれから、どうしていたのだか。
意識はなにか白いものに濁って、お互いを貪り合って。
熱い吐息はどちらのものかわからなくなって、その隙間から喉が枯れるほど、夕輝、と呼びつづけた。
テツ、と呼ぶ声も、耳を灼いた。ぐちゃぐちゃになりあって、愛に絡み合った。]
……うるせ。
[眠い、というよりけだるいまま、同じくベッドに転がる。
照れ隠しにつく悪態も、枯れた喉では常通りの声にはならなかったろう。]
寒い。
[裸のままで、情事の熱が抜ければ、寝台の上でも少し肌寒く。
寝返りを打って離れてしまう身体に、そっと、体温を求めて手を伸ばす。]
[今までの相手には、そういえば出された事なんてなかったのにどうして引き止めてしまったのだろう。なんてぼんやり片隅で考えつつ]
それ、は。こっちのセリフだ……ばーか。
でも好きな人とすると、すげーキモチいいな。ヤバイかも。
[体内に放たれた熱いものが心まで潤すようで、腕の中耳元へぽそぽそと感想を漏らし]
やべ、べったりだ……
もっかいシャワーしよ?
[腕の力が抜ける。
それにはほうっとして、ぽかんとする珀をちら、と見た。]
言葉通りの意味だ。
それをちゃんと、伝えておこうと思ってな。
別に頼まれたとかそういうわけでもない。
[別に言わなくてもいいことだったかもしれない。
だけど、
それでも、言っておかなくちゃいけないと、
なぜか思ったのだ。]
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