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[視界が歪んだ。
熱がこみ上げる。
すんでのところで吐かずに済んだ――
吐かずにいてしまった胃液はまた、呼吸を阻害し]
ぅ、えっ ゲ ほ
[今度ははっきり急き込んだ。]
メモを貼った。
別に、同リアクションも取らなくて良いと思うけど。
さっきちょっと見てたから。
共闘組んだのだって、紅である可能性も見てたし。
手も貸して貰えたし。逆に同じ紅に狙われそうだけど。
つまり騙した騙してないは関係ないって事。
ああ、クリス、別に全部は伝えなくっても良いよ。
じゃあね。
[もう一度クリスマスとそれからヴェラにもひらりと手を振ってから、姿は体育館のステージへと移る。ここにいるらしいジャニスの姿を探した]
―→床彼大学体育館―
[見えた人影が別の扉を潜っている間、立ち上がろうとした。
胸部の息苦しさ、めまい、そんなものを退けて立つことは、
あるいは出来た、けれど。
片足が動かなかった、から。
膝から下が、うまく動かなかったから、そのまま座りこんだ。]
ヒュ、 ぅ――
[脚が動かない。脚は赤くない。
思い出しかける、記憶が、揺れる。
呼吸を揺らし、視界がぶれて、それで]
[誰かの話す言葉で引き戻される。
今度こそ見間違えもなく、そこにいた。
マットに座る明之進を見れど、
最初に出てくるのは、服を渡した彼女の事。
公園に、あの場所に、白がたくさんいるからと置いてきた。]
ィ、ル ―― ふぃ
[けれどやはり、彼女の名前も呼ぶことは出来なかった。
息苦しい。ぞわぞわと肌を這う感覚が、肺の内からあるよう、な。]
[喉には触れられず、胸部の衣服を掴んだ。
息が、通らずに、阻害される。
状態異常 なのだろうか、と過る一瞬、回復などあるわけもなく。]
たす
[けて、と呼ばう声は決して二人に聞こえない。
喘鳴の音も、届くことはない。
ぽと、と白いコートに染みが広がった時、
新たな気配を覚え、見上げた]
ねーさん?
[芙蓉の姿を取っている以上、呼び方はそのままだ]
移動したって事、あるかな。
[見れば、ナユタと明之進の姿。
何をしているのかとぼんやり見ていたが、ジャニスを探す方に意識を戻す]
[体育館の中、物の置かれた方へと進む。せめて声が聞ければ、その場所がわかるのに、ときょろきょろ見回して]
あ、いた。ねーさん?
[白いコートの端が見えた。
そちらへと足を向ける]
ここで何してるの? 倒された時のショックが、まだ抜けない?
[どれほどの倒され方だったのか、わからない。
自分のように、一瞬で終わったのなら、それほど苦にもならなかっただろうに、と思う]
[体育館の片隅、雑多に物の積み上げられた場所に
コート姿で彼女はいた。
「ねーさん」と呼ばう声。
相手がすでに死したことを知らなかった彼女は
ナユタや、明之進の時と同じように名を呼ぼうとして]
ふ、っ ……――
[浅く、早い呼吸の内に紛れた。
声音が消える、胸に置いた両手に、余計に力が入った]
[気付かれた。
粘膜を覆う水滴が、近寄る彼女の姿をぼやけさせて
それから眼球から離れた。]
うご、け
[ない、 と答える声も、聞き取りにくい。
一つ目の答えだけ返して また息が荒れる。
過呼吸になったことはあれど、対処は覚えておらず
そのうち収まるのを待つばかりだった。
芙蓉に声が届き、ナユタや明之進に届かないことに
気付くのにも今しばらくかかりそう]
……ねーさん?
[見えた姿はどうやら様子がおかしい。傍に膝をついて]
どうしたの?
息が荒いけど……。
[背中をさする。この状態で息苦しいというのも、少し変な気がして。なら、精神的な物だろうか、と]
大丈夫? ゆっくり、呼吸して。
[過呼吸の症状を思い出す。私も何度かやったことがあったから、その時の対処と同じように声をかけた]
[傍につく気配、
背中にある人の体温
混濁する記憶が氾濫しかけ、けれど
掛かる声は確かに、違った。否定し蹂躙する声ではなかった。
目蓋をきつく閉ざし、一つ頷く。
ヒールの恩恵はないと言えども、
170の男がやるには随分と、随分なものだった]
っ、ひゅ う、
――……、あり、がとう
も 大丈夫 に
[それからまともな呼吸を取り戻したのはすぐの事。]
[歪んだ視界は、惑乱の記憶と共になりを潜め
鮮やかな緑の彩る眼差しがようやく、落ち着いて向けられた。]
ふよ、うちゃん は、
……大丈夫、だった?
[「観戦モード」だという意識も薄いまま、
――芙蓉も、一度死してここにいるとは気づかぬまま、
迷惑をかけてしまった相手の安否を尋ねる言葉は戸惑いがちに]
[背を撫でていれば、次第に呼吸が落ち着いてくる。
それから落ち着かせるように肩に手を置いて]
大丈夫なら、良かった。
ああ、うん、私は……大丈夫。かな?
[少し苦笑気味に答えて]
立てる? もう少しここにじっとしてる?
ひょっとして、今の状態って把握してない?
[自分が倒されたことに、気付いていないプレイヤーもたまにいたから、そう尋ねた]
[苦笑と語尾の上がる言葉。
ハテナをつけるには芙蓉の体は、どこも汚れていないように見える。
瞬きをぱちりと重ねれば、
消えきれなかった体液が角膜の上にもう一度広がった。]
あたし、
あたしなんだか、脚がうまく動かなく、て
把握してない、……のは多分そう、よく分からない、
駐車場、ホームに戻ったのは、覚えて、るけど
[立ち上がらんと、地面に手を付け力を入れても膝から下は上がらない。
先ほど見えた一瞬の映像が浮かび上がりそうで
地面を見たまま目を細くした]
立てないなら、座ってて大丈夫。
[立ちあがろうとして、立ちあがれない様子に肩に手を置いて隣に腰を下ろした]
ホームに、か……。うん。
その内気付くだろうから、やっぱり言うけど、今観戦モードになってるよ、二人とも。
だからもう、戦わなくて良い。
でも、……怖かった、よね。
[ジャニスの方じっと見て。そうしていたら悔しさがこみ上げてきたけれど、目の端に涙が浮かんだだけで、終わる]
[実のところ、芙蓉を使っていて負けたことはそうない。
黍炉を育て上げたという自信もあったし、使う技は似た部分があったから。
黍炉を使っていて負けたことは、何度もある。その度に、最初は泣いてしまっていたけれど、黍炉を泣かせたらだめだ、と思って泣かなくなった。
それが多分、今も続いている。
「芙蓉」は泣いても良いキャラなのに。
負けてはいけないところで負けてしまうなんて、とそれはやっぱり悔しい。
けれど。死ぬかもしれない、ということは、まだ現実感がわかなくて、未だにいつもと同じようについ思えてしまっていた]
[触れる体温は、変わらず暖かい。
諦めて座りなおす肩に乗った手は、女性のものだ。
観戦モードとの言葉に、ピーコックグリーンが煌めき
隣に座る芙蓉に、彼女の目に視線は注がれた。
彼女の目に光るものが増したのも、見ることが出来て]
…… じゃあ、あたし、
私、芙蓉ちゃんも ――死んだ の
[“ジャニス”の表情を作ることもなく、
“ジャニス”の言葉を借りることもなく、呟いた。
意図的に作られる女性味は消え、それでも残ったのはプレイヤ自身の。]
[告げられた事実は映像を伴わなかった。
ただ眼前に光ったものを見た。
意志の強そうな眼差しに煌めいたものを。
無意識に伸びた手は、芙蓉の手に向かい]
…… 怖かった
怖かった、な
戦わなくて、いい……
――でも もう
もう、 誰のことも 手伝えなく なった
誰も助け、られなく、
[悔しさが涙にじませた理由とは知らず、
思考の赴くままの言葉が赤く、薄い唇からいくつか落ち]
【人】 女主人 ダーラ[>>340中の人なんていなければよかったとは思うけど。 (376) 2013/07/08(Mon) 02時頃 |
【人】 女主人 ダーラ……綺麗だよな。 (377) 2013/07/08(Mon) 02時頃 |
死んだ、っていうのは、まだちょっと早いと思うけどね。
まだ、試合に負けただけ。
後は、同じ組の人に頑張って貰うしかないって事。
でも、そうすると紅のみんなが逆に閉じ込められるって事になってしまうけど。
[死んだの、と言う言葉に頷くことはせずに、視線はジャニスへ向けて。
伸びた手を、ぎゅ、と握った]
そこは、残念なところだけどね。
手伝うことも、守ることも出来ないって言うのは。
……言葉を伝えるのも、面倒だし。
[さっきクリスマスを通してヴェラに話したことを思い出す]
【人】 女主人 ダーラ殺さないでいて、 それでお前が傷ついたり殺されたりしたら、 (379) 2013/07/08(Mon) 02時頃 |
ァ 芙蓉ちゃんも白、なのね
あたしも そう
―― …… 白、二人も減ったのね
[掬い取れた事実は、つまるところ白の不利だ。
ナユタが死にかけ――イベント効果で回復したが
次いで敗れたのは白二人。
他の面々がどう動いているのか知る由は無かったけれど
事実としてあったのは、白が減ったこと。
男の手として触れたのは、女の手。
確かにきちんと触れられる存在は、同じ観戦モードならではだった。
けれど、暖かさも、感触も、戦えていた時と同じ。
存在を確かめるように握り返しながら]
言葉、は伝えられるの?
そっか、やっぱりねーさんも白なんだ……。
いきなり白二人落ちは、まずいね。
おまけに自称白が11人もいるんじゃ、誰を信用するのかも難しいし。
[ではジャニスは偽っていたわけじゃ、ない。
じゃあ、誰が。
握り替えされたのは、しなやかな男性の手。
温かな]
クリスなら、私達が見えているから。
言葉も伝えられるよ。
でも、そうは言ってもクリスだからね。長かったり難しかったりすると、困らせるかも。
[苦笑混じりに言って、しばらくはジャニスが立てるようになるまでそこで話している**]
メモを貼った。
[自称白、の単語に、判るくらいに唇を尖らせる。
ジャニスのよくやる顔がようやく浮かんだ。]
そう、嘘ばっかりだ
生き残る為、なのは理解できるけど嘘は嫌い
……信頼できる人、が、ナユタくん
――ミルフィちゃんの傍にいればいいんだけど
[そういって視線を流すのは、
先ほど移動してきていたナユタと明之進の方へ。
明之進がどれほど信頼できるのか、
言葉を交わしていない為判断しきることは出来なかった。
とまれ判断したとしても、今の彼女に出来ることは少ない。]
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