25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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[イアンが云っていた邦夜さんは情報を出したろうかとも考える。 いや、その邦夜も本来ならば疑うべきかもしれないが、閉鎖する以前から言い出したのは、信じられる部分だった。]
閉鎖されてから以後、それまでとは違う行動をするものは怪しまねばならない。
[それは、セオリーでもあった。 管理センターと知れて、そこにもってくる情報は吟味せねばならない。イアンも当然わかっているだろうと思っている。]
(165) 2010/08/07(Sat) 13時半頃
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何故、…そんなことを。
[怪訝そうに
ロビン、を、イビセラを、見た。
髪結いを叱られた、なのに]
もう
届かない
[唇を噛んで、俯いた。]
――――、朧様…
…かげつ…
[自分を抱くようにしながら、俯いた。]
誑かしてはと、煽ってくれたものですから。
ただ
私は未だ、人食いの花としては未熟もの
すっかり主さまのもと根付いてしまいました。
……花主は一人の花のものでなく
けれど今は、主さまには私だけ
[外した視線は白い鳥に]
もう、届かない?
これまでも
届いていたとでも、思うの?
さあ……何故そんな事をしたのか
総てはあの方の手の内やも
[風が運ぶ囀り]
ボクは、
[戀は糸と言うと心で出来ているのだと
柔らかくも切ないその言葉に
憧れていた遠い記憶]
失せもの探して
声を裂く
いとしや、いとし
我が吾子は
――…そら、其処にいるよ。
[登る声は拾えども
冬の声は届かない]
[――――りん。
微かな鈴の音を立てて
顔を上げる。]
…―――届いていたなどと
思っては、いない。
死しては
手、伸ばすも 叶わぬ …
執事見習い ロビンのただ傍に立ち、あちらを*見やる*
望みはひとつ
願いはひとつ
二つ心抱いたなら――
[薄い唇から、うたを零すは主持つ花]
ふぅん
飛ぶ白鳥すら
あの高い嶺には届かないんだ。
[複雑な色帯びて呟くのは冬の蕾]
誰なら、届いたんだろうね。
[傍らにある法泉の
手を取り指を絡めて寄り添う。
遠く、現世を見遣る瞳は雪空の色
何時しか、気付けば其処にあるべきレンズが無かった**]
……わからない。
……死者にはもう、遠いことだ。
[俯いて、思うは何か。]
――――― …
[言葉は、少なく。
もののためしか、
高い位置で自分の髪を結い上げる。
鈴が、鳴る]
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― 仏間 ― >>176
[待っていたのは、白鳥の主と花片方。 されど訪れたのは、霞月…。]
霞さんか、どうされた。
[座ったまま、ただ、視線を合わす。 すると、イアンに自分のことはきいたかという。]
いや、知らぬが…霞さんがどうかされたか?
[そして聴いただろう。 ロビンが狼だとわかったという話を…。]
――…そうか。 それはいつからの話だね?
[眉寄せつつもそんなことを問い返す。]
(189) 2010/08/07(Sat) 16時頃
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ああ、違う。 イアンのことではない、あんたのことだ霞さん。
[そして、またその顔を見る。**]
(192) 2010/08/07(Sat) 16時頃
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似ないね。
……そうしても、白い鳥は変わらない
[鈴の音に、思うた事そのままひとつ。
見遣る先
広がる不信]
…―――― そうか
[手を話せば、
まとめていただけの髪は
するりとほどけた。]
…そう、変わるはずも
ない な
変わりたかった?
[僅かに、首を傾ぐ。
レンズ無くとも、瞳は焦点を定めて]
……―――
…己は、己であろうと。
[一度だけ視線を合わせる。
それから、誰かを探すようにさまよう]
死してなお?
己とは存外にあやふやなものだよ。
……死者の先輩として言っておくけど。
[硬質な声音。
冬の蕾は咲かぬまま、一夜先に此処にあり]
ふたつ心生まれれば
身はひとつ
引き裂かれ
望み叶わず、破れ散る
[散った花が詠う]
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― 仏間 ― >>193
ほお、ロビンが枕にか。 では、まんまる…ヨアヒムはどうだったか?
[問い返す。 いや、もちろん、ヨアヒムはまだ、死んではいないのだが、所在はセンターのもの以外はわからないだろう。]
(202) 2010/08/07(Sat) 17時半頃
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――――っ、……
[眉を寄せた。
紫苑色がつり上がる。]
ふたり、 いたのか。
ひとつの、からだに。
…そんなことが……
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[そして、どのような答えが出たかはさておき。]
いや、疑うようなことを言ってすまない、霞さん。 今までの経験で、
そのようなことを伝えてくる者が実は狼だった事実もあるのだ。 人狼病同士は話が通づる。 彼らにしてみれば、誰が狼だったかなど、わかって当然だしな。
[そういって、また話は頼むと霞月夜を送り出す。]
(204) 2010/08/07(Sat) 17時半頃
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― 仏間 ― >>198
[それから訪れたのは、高嶺。 華月が一緒でないことには眉を顰めたが…白鳥の遺言と鈴を託す。]
高嶺さん…
[できれば話をしようとしたが、彼は取り乱し、そして、気もそぞろに去っていく。
考えなくても、深刻なことだ。
話はまたと考え、その姿を見送った。*]
(206) 2010/08/07(Sat) 17時半頃
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[―――声。
それから、
常世ではない鈴の音。
白い鳥は独り堕ちる。
混乱と混沌の中
独り]
――――…
…朧さま
……―――華月
かげつ、 …っ
[手を伸ばしても、隔たりは彼方だ。
りん、と鈴が啼いて
俯いた顔を髪が隠す。]
否
ひとつ、身に 二つこころは
いれられぬ
駒鳥は落ち、花が咲いた
其れが私
[花が謂う]
ボクを殺したのは、噂だよ。
多芸は多才じゃない
それなのに
あの時は、未だ花は選ばれていなかった
それなのに
[臥せっていたあの日
微かな期待打ち砕かれて、冬の蕾は行き場をなくしたと]
[ぽつり。
首を振って、傍らの主に身を寄せる]
……いまは、二人でひとり
寂しさは此処に
淋しさは此処に
埋めてくれるのは、主さま
それから
新たな私が、現世に。
[冷たい色の瞳は、ゆっくりと閉じる。
応接の間に、
手を伸ばせば鍵盤が触れる
それでも、生者に音は届かない]
[諌められれば、やがて洋琴の音はぷつり途切れる]
……主さま。
[困ったように見上げて**]
始末屋 ズリエルは、仏間から出る。通信は切って・・・・・・。
2010/08/07(Sat) 18時半頃
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― B棟自室へ ―
[そして、自室へ様子見に戻る。 途中、使用人に、セシルの部屋から、絵画の道具をそっくり持ってくるように命じた。]
――……約束だからな。
[そう、きっと彼にとって大事だったロビンの訃報。 気を紛らすものにならないかと。
いや、ただ、悲しみを増長させるだけかもしれないが。]
(213) 2010/08/07(Sat) 19時頃
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[狭間に呼びかけるこえ
主の傍から、そちらへ
意識を向ければ気配は傍に]
……嗚呼、思い出した
昨年喰われた……明の
[そう聞いたのは霞の月に。
今時の幽霊はあれほど存在感あるものかと謂ったのを覚えている。
ふ、と自らの手に視線を落とした]
始末屋 ズリエルは、自室に帰る途中に明と、虎鉄という少年を見かけた。
2010/08/07(Sat) 19時半頃
[呟きは揺らぐ。
狭間からうつしよへ
届くとも解らず。
まどろむように、意識はまた
温もり求め、主の傍**]
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―本邸・廊下―
[明と虎鉄という少年の話をそのまま立ち止まり、聞いている。 不思議に冷たい空気が流れている。
凍てつきはじめたそれに我慢ならず、何か話しかけようとしたとき、口からは声が出ないこと、身体は動かないことに、やっと気づく。]
(229) 2010/08/07(Sat) 20時頃
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>>@33 [明の呟きははっきりと頭に響く。 まるで、脳内から響いているかのようにも聞こえるほど]
(食われた?食われた だと?)
[それは、もう、この世には存在しないということなのか。]
(232) 2010/08/07(Sat) 20時頃
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