44 【game〜ドコカノ町】
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[『ヤニクは?』と本当は縋る思いで聞きたかったけれど、この男には口が裂けても聞きたくなくて。]
あの時は、御丁寧に、どうも。
その笑い顔、気持ち悪い。
[吐き捨てる様に、言った。
左の手を、小太刀にかけようか、迷う。]
[あの時とは、ジャスカ堂での事に他ならない]
あはは。
君の事、直接ぎゅーって出来て、嬉しかったよ?
ん、おかしいな。
同じ顔なのに。
[顎に手を当て、首を傾げて見せる]
そんなに、気持ち悪い?
吐き気を抑えるので、大変。
[舌をべぇ、と出して見せた。]
えー、傷ついちゃうなぁ。
『この姿』なら、それなりに喜んで貰えると思ったのだけど。
そんなに…ヤニクの方がいい?
[一歩踏み込み、村雨を……抜こうとして、空を掴む]
私の為に、わざわざ?
他に、どんな姿が?
ヤニクのリアルの姿?
[左手を、背後へ―――警戒する。]
[流れ落ちる血の川に踏み込んでも、水ははねない。
尾の先、指の先。動かしている感覚が、薄れていく。
掌を見つめて]
あぁ、色が違うのか――。
[差異に気付いた]
そうそう。ヨーランダのため。
ずっと、逢いたいって…ヤニクが探して居たもの。
だから、君も、そうなんじゃないかな? と。
[にこり]
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―― どこぞの廊下 ――
[斧への手ごたえはなく、小さく舌打ちした。 まじまじと斧の先に止まった鸚鵡を見る]
[追撃をしようとはしない。攻撃の手を緩めた]
[眉を上げて、目を眇めて鸚鵡を見る。名を問われた]
『けっは!』
[噴出した。答えない。それでも、本名の方が連呼された。 赤い瞳がその色を赤々と増して、笑い声が大きくなっていく]
『けひゃひゃひゃひゃひゃっはははははああーーーーーーっははははは〜ぁ!』
[呼ばれ続ける声に、狂ったように派手に身を折って笑い続ける。 記憶にある女の声で、あだ名を呼ばれた。 今までの勢いが嘘のようにぴたっと止まる]
(30) 2011/02/25(Fri) 18時半頃
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色?
[相手の一言に、思わず呟いた。]
色なんて、関係ないけど?
―――…じゃあ、わざわざその姿だった事には感謝しておく。
[自分も、ヨーランダの姿で居たのだし。]
えーーーーー。
なんだ。違うんだ。
…まぁ、良いや。
君が居るし、カミジャーも居る。ってことは、他の人も居るんだよね?
[辺りを見回す]
|
―― っふ
[瞳の色がすっと、刹那消えて。表情に浮かぶのは自嘲。 鸚鵡に視線をやって、皮肉げに口元ゆがめた]
[すぐにまた、赤は瞳と髪に乗る]
『………GMてめぇかぁ』
『さんっざんいじくっといて、今更よびだしてんじゃねぇよ、ダボが』
『まぁんぞくだろ? ゲームが盛り上がってよぉ! っひゃひゃひゃ』
『足りない目ン玉かっぽじって、ただ見てろや。 最後までアンタの奴隷でいてやるさぁ!』
『血ぃ血ぃ血ぃ血ぃ血ぃ血ぃ血ぃ血ぃ! 染まるセカイ≪ゲーム≫を指くわえてただ羨ましがれ!』
(32) 2011/02/25(Fri) 19時頃
|
――――…
[彼女は、金髪になったリュヌドを一瞬だけ憂いを帯びたような目で見つめた後、彼の向こうに横たわるヤニクの身体を見詰めた。
(起きて――――!)
強い目で其れを見詰め、心の中で強く念じると、くるりと背を向けて19階へと向かった。]
[ヤニクを放り投げると、リュヌドはドナルドの後を追った]
………
[ヤニクは動かない。動けない。
混濁した意識の中。水で薄まる赤が、まるで桜の濃いピンク色に見えた]
[ドナルドは、と言うより彼の『リアル』は、
この状況に関わらず誰彼構わず戦い続ける人物ではないと、
志乃は考えている。
そして、彼がこうなってしまった理由も、予測がつく。
最初に配られた『プレゼント』の中に、何か――]
……19階へ。
お願いしますドナルド様、このままでは。
貴方の『プレゼント』は、恐らく今もお持ちなのでしょう?
[『あれ』も『プレゼント』を探している。
だけど、今を打開するにはやはり、他の方法は思い付かなくて。
願いは届かぬだろうが、ドナルドが彼自身を取り戻すようにと]
―19F―
[志乃が宥めるように肩をたたく。
大丈夫だという言葉に、じっとエレベーターを見て、
小さく頷いた]
うん……そう、だね。
ちゃんと見たら、そんな感じがする。
[ほっとしたように吐息を零し。
病室を出て行った志乃がライトニングの名前を呼ぶのを聞いた]
みんな、きてるの?
[そして廊下に出た]
[一つ目がずるりと消える瞬間は、運良く見えなくて。
ドナルドに話しかけに行く志乃を見送った]
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―― 屋上 ――
[そうして、次に現れたのは屋上。柵の上に腰掛け、肩ひざ抱える。 腕からだらりと下がるは白の斧]
[周囲に展開される演出用の5本の木。 くるくるくるくるまわって、他のプレイヤーの位置を映し出す]
『はぁやく来いよぉ、ハァニィ こんだけ広けりゃあ、跳べるだろぉ?』
『はぁやく来いよぉ、騎士サンよぉ か弱い姫サン待ってんぜぇ?』
『はぁやく来いよぉ、鼠小僧 あのプレゼントをやったろぉ?』
(35) 2011/02/25(Fri) 19時頃
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[くつくつ笑った]
『ああ、それとも来られない。 俺にだまされ殺し合い、血みどろになって死んぢまう?』
『きはははははははっはははははは』
『―― そいつぁなんて、カワイソウ**』
(36) 2011/02/25(Fri) 19時頃
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― ドナルドのそば ―
[赤い着物の少女を見つける]
志乃ちゃん、志乃ちゃんっ!
[声を弾ませ、名を呼んだ。彼女が振り返れば、ぶんぶんと手を振るのが見える]
―屋上―
[上に昇るならと期待を掛けたものの、19階を過ぎて屋上へ。
ドナルドの横で、膝をつくような姿勢で少し浮いている。
声を掛けられた]
「志乃ちゃん」って、ええと……リュヌド様……?
[彼は黒髪に白い肌をしているだろうか?]
そう、リュヌドだよ。
あぁ、直接名前を呼んで貰えるのは、ものすっごく嬉しいっ
[感極まり。志乃を抱き締めようと両腕を広げた]
[そして、エレベーター前の異変に彼が気づいた時は、
レティとアシモフの死闘ははじまっていた。]
――……ッ
どうなってるんだ!一体!誰か説明しろ!
[なぜ、そこでレティとアシモフが戦っているのか、飲み込めなくて…。]
セシルを、ここにいるセシルを探すのが先決だろうが!!
[頭に血が上っている。]
[志乃がいなくなったあと。
他の部屋をしばらく見に行き。
そしてエレベーター前に戻ってきたら、
アシモフがレティーシャと戦っているのが見えた]
え? ハリとレティーシャ?
[どちらかがプレゼントを持っているのだろうかと、
首をかしげる。
近くにナユタがいるのを見かければそちらにちかより]
ナユタ、なんか、見つけた?
うぷ……!?
[いきなり抱き着かれた。
べしべしとその肩を叩いて押し離し、呼吸スペースを確保]
ちょ、待、離して下さい!?
[リュヌドはヤニクと同じ姿をしている。それを見上げた]
リュヌド様がこちらにおいでと言う事は、
……ヤニク様は? どうされたのですか?
[彼の身を案じ続けたヨーランダの姿が過ぎる。]
一つ目が屋上に現れたら、そちらを見てぎくりと身を固める。
ポプラ!
[歩み寄ってくるポプラに悔しそうな顔を向ける。]
いや、何も……
[拳を握り締める。]
[悔しげなナユタに、そっか、と小さく頷き]
わたしも、なにも見つけられなかった……
[拳を握り締める様子に、そっと視線をそらし]
セシルは……起きてるのかな、寝てるのかな。
いま、どうしてるんだろうね。
[病院に入ってから、
一度もその姿を見ていない]
ナユタはセシルと仲良かったみたいだし、心配だよね……
[志乃を腕の中にすっぽり収めて。ぎゅうと抱き締める。肩を叩かれ]
えへへ、ごめんー
[抜けた声で謝り、腕を緩めた]
えー、ヤニク?
放ってきた。
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―― 屋上 ――
[ぼうっとセカイを眺めれば、そこかしこでノイズが走る。 遠い眼下では、端のほうから世界は壊れはじめていたか]
『ひっは! チキンレースも燃えるよなぁ!』
[けれど、最初にそこに現れたモノは期待したものではなかった。 ニヤニヤ笑って聞いていた。相手の一つ目が怪しく光る]
『ばぁっか』
『てめぇで縛っててめぇで封じさせた相手に語りかけてどうするよ?』
(46) 2011/02/25(Fri) 20時頃
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『なんだ、プレゼントは集めて欲しかったのか。 それならシンリンの名を縛る必要なかったろ。 あの謎のパーティ組ませる必要なかったろ。
アイツがアイツのままでさえいりゃ、即効2つのプレゼント奪って終わりにしたさ。相性だって悪くねぇ、設定だって、良心の痛みは最小限の2人だった』
『でも、誰かさんがゲームを盛り上げたいんだろうと思うから。 俺がずーっとずっと、言うこと聞いててやってたんじゃねぇか』
[とん、と屋上に足をつく]
『―― 俺にやって欲しいことあんならさっさと言えよ。 半分のっとらせたくせに、何やって欲しいか遠まわしでわかりゃしねぇ』
『言うこと聞いてやるから、血の一つでも流して頼んでみろや』
(48) 2011/02/25(Fri) 20時頃
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『このゲームを長引かせて欲しいかぁ? それともさっさと終わらせて欲しいかぁ?
昔は長いほうがいいと思ったけど、もう飽きちまったかぁ?』
『俺にあいつら倒して欲しいか、 あのクソ忌々しい天使ちゃんとやらを救って欲しいのか』
『一体、どれだよぉ?』
(49) 2011/02/25(Fri) 20時頃
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