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[……更地に返して、新しく砦でも造り直そうか?
一瞬物騒な事を僕が考えて居たら、遠慮がちな様子の軍人から、それとは別件の報告]
―"保護"? "捕縛"の間違いじゃ無くて?
[一瞬強めた語気に怯ませてしまった。
戦争寸前の緑国の兵…この小隊の人達が優しく無かったら、最悪もう死んでる。
だけど、言葉通りに保護されてるなら越した事はない。
流石に危険だと引き止められるだろうが、にっこりと笑いながらも、件の天幕に足を運ぶ]
お邪魔します。
[面倒に人を入れず、件の天幕を腕で開く。
中には、件の緑国の兵士……えっと…性別は解らない。
それと、処置にあたったらしい内の軍人が一人]
足を怪我したって聞いてるけど。
もう具合は平気かな?
[どうやら本当に保護して居たみたい。
敢えて名乗らないで、僕は二人の元に近付くだろう]
[警戒心も明らかにこちらを見る緑国の兵士に、
簡素な食事を差し出した
あのまま放っておくわけにもいきませんでしたから……
貴方の事をどうするかは、まだ決まっていません。
足の怪我で余り動けないと思いますが、
大人しくしていて下さい。
……仲間の方は来ないんですね?
[確認のように尋ねる。
近い将来、敵になるだろう国の、相手の顔を見た。
心配げにも、警戒にも見える態度だろう]
メモを貼った。
[
……律義だね、僕の分の食糧なぞ持ってきてないだろうに。
[開戦を控えていれば備蓄は重要であり、そう余剰をもってきているとは思えなかった。
つまり、誰かが自分の分を減らしたか、食いっぱぐれたか。
しかし、仲間のことを聞かれたらしばし思案する。
自分を、探しに来るだろうか。
よしんば来たとして、危険を侵してこの状況から救助しようとするか考えれば、沈黙するよりなかった。
返事をせぬまま食事に口をつければ、
運んだ青年には流石にわかったかもしれないが、彼女はお世辞にも胸は大きい方ではない。中世的な面差しも相まって性別は判然としないのかもしれない]
……お陰さまで。
[矢張り、警戒心を露わにした表情で、そうこたえた。]
えっ
[出し抜けに天幕に入って来た人物に目を瞠る。
一般兵の軍服とは違う上質のつくりの衣服を、
赤狼の紋章が一点装飾している。
慌てて立ち上がり、彼に向き直ると敬礼した]
先程、目を覚まされたようです。
具合の方は、もう大事ないかと。
メモを貼った。
[こうして赤国の人間と接するのは、実のところ初めてだった。
自分の処遇は決まっていない。
それを念頭にいれつつも、彼女は戸惑っていた。
もっと、狼のように残忍な獣のような人間性の者たちだと聞かされてきた。
血も、涙も。、情もないのだと。
小さい頃など、悪いことをすると赤の兵士に連れていかれてしまうと脅されたものだ。
流石にそれは誇張だろう、そう理性は思考すれど、関係の悪化した両国間で刷り込みのように聞かされてきた話は否が応でも意識に植え付けられる。
しかし、少なくとも自分が対面している二人の青年は。
―――自分の仲間たちと、緑国の者とそう変わったところなど、なかった
未だ、彼らのことを良く知るわけではなかったから油断はできなかったが、もしもこれが真実ならば。
―――戦争の意義とは?]
[随分警戒されてる。仕方がないか]
よかった…。
食べながらで良いけど、君の名前を聞いてもいい?
[食事に手を付けている緑国の兵士。
…近くに来たのと声で漸くわかった。女性みたい。
天幕に座り込みながら、彼女の名前を聞く]
あ、後君の名前も教えてくれない?
出来れば遠慮はしないで……
敬礼も。
[後、僕に向き直って敬礼をする彼の名前も聞く。
余り必要以上の遠慮はして欲しくないけど、通じるかな]
[恐らく身分の高い者なのだろう、そう思いながら、黙々と食事を口に運ぶ。
相当空腹だった]
……。
フィリス・フィリップス。
あんたたちは?
[そうとだけ答えた。
自国の軍事情報を聞かれれば頑として口を噤んだだろうが、手当とさしあたり一食の恩があるのは確か。
素直に名を名乗った。]
ムパムピス・ヴァルキッソン二等隊士であります。
[名乗り、恐縮です、と答えて敬礼を解いた。
それから公子殿下と、フィリスと名乗った女性兵、
二人のやりとりの様子を見ている]
メモを貼った。
メモを貼った。
[どうやら相当お腹空いていた見たい。
食事を口に運びながら、名乗る二人の名前を聞いて]
フィリップスに、ヴァルキッソンか…
[名乗られたら、僕の名前を名乗り返さないとダメだろう。
少しだけ、偽名を使おうかなとも考えたけど]
僕はベネディクト・リヒテンブルク。
一応、この国の公子、だよ。
[ベネット、って呼んでくれても良いよ、と付け加えて。
僕は不用心過ぎる位にあっさり、自分の名前と身分を明らかにする。
多分名前くらいは緑国にも知られているんじゃないかなと思う。
隣に居るムパムピスと名乗った軍人はそれをどう思うだろう]
[普通に本名を名乗った公子殿下に、
えええー!? という視線をつい向けてしまう。
仮にも敵兵に、要人が簡単に身分を明かすのは
不用意と言っても過言でないだろう。
彼とフィリスの間ではらはらと視線を彷徨わせる。]
[――思えば、緑国の人と相対するのは
これが初めての事だったわけだけれど。
噂に聞いていたような、傲岸不遜で卑劣な、
他国の事をけだもののように見下す人間達なのだ、
という雰囲気とは、彼女は多少違っていた。
もちろん、敵の只中に一人で怪我を負っているのに、
柔和で礼儀正しく……といかないのは当然だが]
[食べながら、訝しげな顔をした]
は?
赤国の公子さんが何でこんなところにいるんだよ。
面白い冗談だ。名乗りたくないなら、まぁ別にいいけど
[まさか本物がこんなところをうろついているとは、他国の彼女にはわからず、全く信じてない様子で笑った。]
高そうな服だし、一般兵じゃあないんだろうけど。
公子サマがこんな辺鄙なとこにいるなんて、誰も信じないよ、…自称ベネット。
[もとより快活な質らしく、少しばかり緊張のほぐれた顔で食事継続]
ムパムピスとベネットの様子を気にしながら食事をしている**
メモを貼った。
[あ、信じられなかった……
内心しょぼんと落ち込みつつも、少し緊張のほぐれた顔になるフィリスの様子を見て、小さく笑う]
所で、フィリスは何処の出身なの?
近所の人?
[問い掛けながら、彼女の人柄を眺める僕が居る。
傲岸不遜で卑劣、他者を獣か何かの様に見下す人間ばかりが揃う緑国。
…色々な人がばら巻いたデマだ。きっと緑国では逆に赤国の事を好き勝手言ってると思う。
だけど、赤国の人が血気盛んである事は確かな様に、緑国の人は比較的堅物が多いとは思うだけに、どちらかと言えば快活な気質であるフィリスは、興味深かった]
フィリップにお代わりも居る?と言い掛けたが、食糧事情に余裕は無いだろうと、思い直しただろうか
[本人の名乗りを一笑に付すフィリスの態度に、
成程その通りだ、と兵士は思った。
味方でさえ、彼がここに来るとは思いもしなかったから。
信じていないなら、殊更主張する意味合いもない。
空腹だったのが食事にありついて、
下手すれば捕虜寸前の彼女も、少し落ちついたようだ]
あの、こちらにはどういったご用向きで……
[公子殿下に控え目に訪ねてみるが、この様子だと、
どうも純粋な興味で来たように思えてならなかった]
因みにフィリスの食事は主に自分の分から出されたわけだがそれも黙った。
自分の眼で見ないと気が済まない性格なんだ。
[流石にここに居るフィリスに配慮して、言葉は曖昧に濁した。
戦略上、拠点と成り得る場所、開戦に備えて。
下手にそんな言葉で刺激しようとも思わなかったから]
…後はー……あはは……
城の中って窮屈だから逃げ出しついでに。
[場の空気を緩ませる為に、敢えて白状する。
ついでに、しかも純粋な興味で、こんな所まで来るなんてどうだ、と思われるかも知れないけど]
……皆様が心配されますよ……
[城を抜け出して来たのだと言う公子殿下に、
呆れて頭を抱えはしたが。
目上の人間に対する緊張を解くことについては、
功を奏したと言えるだろう**]
[
この近くの、アメルンって村。
[このような処にキャンプをしている位だ、周辺の地理は事前に調べてきていれば、聞き覚え位はあるかもしれないと思った。
つまり国境付近といってもいいが、廃墟の領有権が中に浮いたまま赤国との間に横たわっていたため、
その実感は薄かった。
開戦後、もしも廃墟が拠点となるようなことがあれば―――恐らく無事では済むまい。
それは恐らく此処に居る誰もが察せられること。
それとなく家族に勧めた疎開は、住み慣れた土地への愛着と、見知らぬ土地へ行く不安から拒否された。]
どうしてそんな事を、聞く?
[目の前の青年が大凡軍事と関係なさそうな質問をする事に不思議そうに問いかけた。
自分を油断させるためだろうか、とも考えたが、彼らの陣地にあって一人きりの自分はあまりにも無力だ。
情報を聞き出すのにそんな手間をかける必要はないし、洗脳してスパイに使おうという腹にも見えない
逃げ出すったってこんな辺鄙な処じゃなくてもいいのに、
……物好き。
[呆れたように呟いた時、一瞬だけ自分が敵国となるかもしれない場所にいることを忘れていた]
メモを貼った。
[ムパムピスと名乗った青年の方を見て、肩を竦めた]
えーと、ムパ…なんだっけ?
あんたたちも、大変だね。
[同情するように肩を竦めた]
アメルン? ここからかなり近いですね……
書類上ではほとんど無人口の地域とされていましたが。
そうか……人が住んでいるんですか。
[フィリスの返答に思案げに呟く。
一帯が戦争状態になれば無事ではすまない地域だ。
公子殿下がなぜ彼女の出身を問うのかは分からず、
それもごく純粋な興味だろうかと、視線を流した]
ええ、まあ……
こんな事になったのは、私は初めてなのですが。
[何とも言えぬ同情に、恐縮げに頷く
【人】 店番 ソフィア――ああ、その話なら聞いてありんす。 (76) 2011/07/02(Sat) 23時頃 |
……あの、彼女の今後の扱いについては、
決定したかどうか、ご存知ないでしょうか?
[フィリスを運びこんだ後の処遇については
上官に指示を仰いで保留中となっていた。
フィリス本人も聞いておいて良い話だろう、
そう思って、公子殿下が何か知っていないかと、
問いを向けてみる]
[
片田舎の村には違いないけどね。
[それだけ言って、それ以上は言及を避けた。
相手の知らなかった自国の領地に関する情報を漏らしてしまったことに気づいたからだ。
どう扱われるかは、未だ新兵といってもいい彼女には考え及ばなかったが、自分が失態をおかしたことだけは気づいた]
―――、
僕を連れてきたの、あんただったね。
ということは、これ、あんたの分だったのかな。
悪いね、なんで敵兵なんか助けちゃったわけ?
ご馳走様、美味しかった。
[食事を終えると、携帯食のブリキの食器を置いて、話題を逸らすように笑って茶化したあとに礼を言った。
そして、携帯食の品ぞろえは自軍と変わらないんだな、と思った。]
あぁ、アメルン。
あの砂糖菓子最近食べてないな…。
[赤国とその国境付近の他国の地理は、村単位で憶えて居る
まぁ、随分昔に叩き込まれた。
何故、とこんなことを聞く理由を問われ、あぁ、と小さく笑う
緑国の国境付近の町村に居る皆は、今どんな生活をしてるのか。
それとも皆疎開してしまったのか、とか。
土地の人の詳しい話が聞きたくって。
[軍事的な情報なんて別に要らないけど、そう言った情報は是非とも欲しい。
敵国の土地での情報。
特に民の動きには、皆殆ど気を払う事も無いから]
[今後の扱いがどうであれ、負傷した傷口から感染した状態で放置されず、助けられたことは事実だ。
放置されれば、最悪敗血症を起こして死亡していた可能性は低くなかった。
そこからくる印象を差し引いても。
二人と話すのは、初対面のはずなのにどこか懐かしいような錯覚を覚えた。
特に、ムパムピスに対しては親しい人間に抱くような感情に近いものを覚える。
彼の穏やかな物腰がそうさせるのかもしれないが…
首を振る。
負傷して赤国の兵のキャンプに連れられ、疲れているせいに違いない。]
[大変、の意味がどういう事なのか、あんまり解りたくなかった
恐縮気に肯いているムパムピスにも、どういう意味なのかと、思わず苦笑が漏れるけど]
彼女の扱い?
……………確かさっき聞いた時には、捕虜として街まで連れて行くと言ってたけど
[ふむ。間違いなく牢屋にぶち込まれる。
彼女から軍事的な情報は期待して居ないけど、出来れば知ってる分の、近隣の民の動向は知りたい所。
……牢屋行は勿体ないなと思う]
[
答えられない。
僕、これでも一応軍人だから。
[緑の軍服を摘まんで言った。
開戦間近と言われる相手国のキャンプで負傷して手当されて飯まで貰っている情けない体たらくなわけだが。
ヒトとモノの動きが重要なことくらいは、知っていた。
ベネットにその気がなくとも、彼からふとした拍子に話が漏れれば、どう扱われるかはわからない。]
この制服着て、友人に話をするみたいにはいかないよ。
でも、どうしてそんなことに興味があるの?
[公子というのは冗談にしても、良いところの子息だろうに、と思うと不思議だった]
【人】 店番 ソフィア[と、そのくらいで、赤の参謀から、捕虜の件について情報が連携される] (84) 2011/07/02(Sat) 23時半頃 |
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