276 ─五月、薔薇の木の下で。
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悲しいことでも、ありました?
[ ぽつりとたった一言尋ねてみた。 彼の事はきっと誰かのように詳しくは知らない。 たまに中庭で花を育てる後ろ姿を見ていただけ。 だから詳しい事など分からなかったのだけど ]
花も指も、痛そうですよ。
[ その指と間引かれた花を見て零す。 静かな瞳だけが凪いだ色を示していた。 ]**
(261) 2018/05/20(Sun) 19時頃
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そんなに必死になるくらい、嬉しいこと?
[ 浮かぶ汗>>262に首を傾げる。 花でも見に来たのか。質問には首を振る。 ]
薔薇の香りにつられて、きたら、……此処に。 花を間引く事は必要なんだろうけど、 こうして見ると可哀想ですね。 綺麗に咲いてるのに。同じ、花なのに。 この花だって雫がなければ生きれないのに。
[ 言葉にしながら沈黙を。 ちらりと指を覗き見て ]
(264) 2018/05/20(Sun) 20時半頃
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…………せんぱいって、よく笑いますね。 痛い時にする顔じゃないのに。 痛みは慣れるものじゃないですよ。 怪我したなら、医務室に行かないと。
[ 花でも触れるように腕を伸ばした。 ]*
(265) 2018/05/20(Sun) 20時半頃
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……かも=H 随分と曖昧な言葉を使うんですね。
[ 自分の事なのにおかしなものだと瞬きを。 汗を拭う姿>>268を横目に見た。 ]
……間引いた花はその後どうするんです? 俺は花を育てても枯れさせてばかりだから、 よく知らなくて。
[ なんだか分からない。 言葉を重ねながらも朧気で主体性のない言葉の羅列。 ]
(272) 2018/05/20(Sun) 21時半頃
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まだせんぱいの親程生きてないのに 慣れた、だなんて。 親御さんが悲しみますよ。 たまに帰ってあげたらどうですか。
[ 言葉多くに語る色に無遠慮な気遣いが混ざる。 触れたのは休暇の度、残留を選んでいるらしい事>>1:244 軽薄な表情>>270を覗き見ながら手を見た。
余計なお世話をしながら薔薇の絨毯を覗き、 普段口にしないことが溢れた。 ]
(273) 2018/05/20(Sun) 21時半頃
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今のせんぱい、まるで此処の事、 花のこと好きじゃなさそうに見えるから。
[ 一度帰ってみたら、なんて無責任な。 ]
せんぱいこそ、棘ばかり触って。 そんなに傷を付けてどうしたいんですか。 見てるだけで、痛いったらない。
[ いつか伸びた腕>>0:198を思い出した。 ]
(274) 2018/05/20(Sun) 21時半頃
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ねぇ、せんぱい。 どうしてせんぱいは、こんなになるまで 花を育てているんですか?
[ あの時>>0:162と同じような言葉を問うた。 手を伸ばしてこちらに引き寄せて立たせようと思いながら。 ]*
(275) 2018/05/20(Sun) 21時半頃
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…………なんだろう。 色々と、ありました。らしくない事ばかり、してる。
[ 促されれば断らずそのまま腰掛ける。>>278 ]
花に、良いも悪いも……あるのかな。
[ 何となく神妙な面持ちになった。 元々そんなに好きじゃない花が咲く場所が 家みたいなもの>>280 ]
(282) 2018/05/20(Sun) 22時頃
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花が好きじゃないなら…… 何を想って育てているんですか。 せんぱいは一体何を、あいしているの。
[ 分からずして問いかけた。 薔薇の香りは相変わらず濃く。 背筋をピリッと空気が弾くが知らぬふりをして。 腕を差し出しても取らない今はよく 分からない先輩の言葉に耳を傾けていた。 ]*
(283) 2018/05/20(Sun) 22時頃
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[ きっと彼に差し出すべく腕は自分のものではない。 ]
せんぱいって、人を見ているようで、 見てない気がする。
[ 彼の思い浮かべるもの>>281を知らない。 ただ、諦めたように笑った。 ]
(289) 2018/05/20(Sun) 22時半頃
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ちゃんと人の目を見てせんぱい。 そういう言葉に笑顔はいらない。
[ 触れる事はせず代わりに差し出したハンカチ。 視線が交われば彼自身の表情を映し出し。 ]
せんぱいにあげる。穢していいよ。
[ 無理に押し付け立ち上がった。 仰ぎ見る月。 月光の照らす薔薇の花を背景に、 ]
(290) 2018/05/20(Sun) 22時半頃
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せんぱいの代わりに俺が薔薇を好きになるから、 いいんじゃない。無理に好かなくても。
[ それだけ告げれば踵を返した。 ]**
嫌いなものがある方がよっぽど人らしい。
(291) 2018/05/20(Sun) 22時半頃
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―廊下―
[ それからヴェルツとある程度の話をしただろうか。 時折廊下で顔を合わす編入生のヒューは何処にいただろう。 怪我をしたらしいと噂を聞いていたから 心配は心配なのだ。 しかし彼にはロビンやピスティオがついているから大丈夫だと高を括った。 その二人が何をしているかは知らずに>>306>>309 ]
風に当たりすぎたかな……ちょっと肌寒い気がする。 熱、とかないよね……。
[ ため息をつきながら一度自室に戻ろうか。 考えたところで止まり。 ]
(312) 2018/05/20(Sun) 23時半頃
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ラルフのタルト……もう一個食べよ。
[ 甘い物に逃げたくなった。 薔薇園での過ちも、 東屋での密会も、 友人との衝突も、何もかも。 ]
[ 足が向かったのは談話室。 その先で誰がどんな話をしているかも、 知らず。>>305>>308 ]*
(313) 2018/05/20(Sun) 23時半頃
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[ かみさまは僕らを見ていない。>>1:272 ――否や、ちがう。
かみさまなんて、何処にもいないのだ。
らしくもなく突っかかる。 その間は何も考えずに済んだ。 しかしこの指は唇は瞳は全てを記憶している。 ]
(318) 2018/05/21(Mon) 00時頃
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[ 甘い匂い>>68 赤い目尻>>1:112 遠回しで不器用な言葉>>1:98 いじらしい悪態を見せる瞳に胸が締め付けられた。 一生懸命で自分の欲しいものに対して 涙を流す程にしがみつく懸命さに 尊いものをみるような感覚を覚えた。
それだけでなくなったのは、擦れた鼻先>>1:166 それまで花を愛でるようだった感覚が、 軋んでうまく噛み合わなくなった。 ]
(319) 2018/05/21(Mon) 00時頃
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[ 花が初めて自ら綻んだような、錯覚。
欲しいと思った。 そんな生温いものじゃあ、なかった。
あの時、あの瞬間、 一瞬だけ確かに、毟りたい程の情欲が、 溢れたから、――……鍵を掛けた。
ささやき声>>1:269に耳を塞ぐように。 ]**
(320) 2018/05/21(Mon) 00時頃
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フェルゼは、ああ、いつか奏でたヴァイオリンの音は遠く。
2018/05/21(Mon) 00時頃
フェルゼは、同輩から耳にして、
2018/05/21(Mon) 00時頃
フェルゼは、こっそり後輩宛にもレパートリーを増やして楽しんでいた、
2018/05/21(Mon) 00時頃
フェルゼは、穏やかな気持ちはもう曇り。
2018/05/21(Mon) 00時頃
フェルゼは、足音は止まった。**
2018/05/21(Mon) 00時頃
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