26 Fairy Tales Ep.4
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だけど、絶対に御免だ。 信じられませんよ。 自分の意に染まねば、殺すなんていう人のことはね。
[そういえば、ナイフを手に出て行ったソフィアとグロリアはどうしただろうと思って。 それからルーカスに向けるのは妬みの篭った眼差し。]
でも、あなたは健康だ。 足だって不自由じゃない。
人間と人狼の関係をどうにか? ルーカスはどうしたいんですか?
あなたに倣えとでも?
(84) 2010/08/12(Thu) 01時頃
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本当に奇麗事だ。
[勝ち誇ったようなルーカスの顔を苦々しく見上げる。]
どちらも手にしようとして。 どちらも無くしてしまえ。
素晴らしいあなた達は。 無くしたって、奪われたって。 死者たちの事など忘れ去り。 憎まずにいられるんでしょう。
[杖に額をつけるような体勢で息をつきながら、卑屈に笑う。]
(100) 2010/08/12(Thu) 02時頃
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俺は全部が全部。 大ッ嫌いなんですよ……。
何もかもが!
(101) 2010/08/12(Thu) 02時頃
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……………。 もういい。
[先程の叫びが嘘の様に静かに]
話すことはないです。 二人だけで行って下さい。
[萌葱を見返しもせずに、座り込む。 休憩も入れず無理に動いた身体は限界で、顔色は*蒼白。*]
(104) 2010/08/12(Thu) 02時頃
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若者 テッドは、メモを貼った。
2010/08/12(Thu) 02時頃
若者 テッドは、メモを貼った。
2010/08/12(Thu) 02時頃
―回想:より続き―
〔燃え広がる炎。 その中に立つ茶褐色の女性の姿〕
……やめて! やめてよ!
〔叫ぶ声は届かない。兄と妹を庇うように、魂は女性の前に立ちはだかり〕
……
〔逃げる兄と妹を振り向き、後を追う。〕
〔テッドが駆けつけたのが見える。〕
………… どうしたら、 気づいてもらえるのかな
〔愛されていることに、心の扉の鍵は開いていることに。〕
〔あとは彼が勇気をもって扉を開き、希望を掴むだけということに〕
…… そんなにも、あなたの心を縛り付けているものは何?
〔去って行こうとするテッドを抱きしめて、囁く声は生者には聞こえない*〕
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……どんな奇麗事を言ったって。 結局、殺すんでしょう。
[気だるく振り返り、陰鬱な目でルーカスの背を追う。 行く先の空が朝焼けではなく、焔で赤らむ。]
…………。 急かさないでください。 俺を殺したいんですか。
[背中を押したり、手を引っ張ろうとしたり。 急かす少女に煩げに言って。 更に引こうとするその腕を掴む。]
(125) 2010/08/12(Thu) 15時頃
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……何処で、その言葉を聞いたのか知りませんが。
あの奇麗事ばかりのルーカス。 一緒に生きたいとか言うソフィア。 俺は奴らも怖くて、殺したい。
[少女が反芻した言葉への返事。 腕を掴む力は病人とは思えぬ程、強い。]
奇麗事を口にして。 一緒に生きたいと言いながら。
白狼の事も。 証の事も。
奴らは何も聞きませんでしたよ。
(126) 2010/08/12(Thu) 15時頃
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[腕は掴んだまま、よろよろと立ち上がる。 眼差しは冷たい。]
……さあ、行きましょう。
[少女の手を無理矢理に引いて、歩き出す。 向かうのは村ではなく、*森の方向。*]
(127) 2010/08/12(Thu) 15時頃
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若者 テッドは、メモを貼った。
2010/08/12(Thu) 15時頃
―― どこ どこ ?
ぼくを奪った中身はどこ…?
止めないと、止めないと、止めないと
『ぼく』を殺してでもとめないと
ぼくは『ぼく』を犠牲にしてでも生き残ってほしいよ ――
[黒い染みに魂の半分を侵されながらぼんやりと形をとる。
うつろな視線をどことなく彷徨わせながら言葉を紡ぐ。
生前の思考が、決意が強すぎて今の思いも浸食している。]
―― 生きてほしい、止めたい、守りたい、殺さないと ――
[崩れてゆく自身の形に何を思うでもなく、意識は*沈んだ。*]
〔溢れていく憎しみが、魂を浸食して行くのを目の当たりにしていた。〕
……… オスカー くん
お願い。 壊れないで。 壊れたあなたを見たくない。
お願い。見失わないで。 あなたの本当の心を。
誰かを守りたいのは私も一緒。 戦うなら一緒に行くから。
〔次は私が誰かを守りたい。 そう決めたから〕
〔オスカーの意識が沈んでいく。〕
消えないで。
〔黒い染みを癒そうと手を伸ばす。染みに触れてその心の理由を知れば、もしかしたら同じ憎しみを背負うことになるのかもしれないけれど*〕
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[ポルクス――。 呼ばれた名に引き摺る足を止める。]
……………。
[振り返らずに、また少女の手を引き。 反対と指摘されても、進む方向は変わらない。]
……ルーカスに聞きました? なら知っているでしょう。 10年前、この村を滅ぼし損ねた人狼の名ですよ。
(138) 2010/08/12(Thu) 19時頃
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………。
[一方的な約束に、返事はしないが拒否もしない。]
……この村で暴れていた狼です。 噂になっていると思いますけどね。
片足の悪い、白い狼の事―――。
[抑揚なく、答える。 足を引き摺る音が響く。]
(139) 2010/08/12(Thu) 19時半頃
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若者 テッドは、メモを貼った。
2010/08/12(Thu) 19時半頃
ああ 燃える
ボクの診療所が――――…!!
[痛い と思う事も無かった。
ただ まるですぽんと音でもするかのように
魂が抜けて
燃え盛る小屋が 痛い。]
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10年前も、今も、ですね。
沢山人間を殺した人狼で。 これからも沢山殺す人狼です。
呼ぶ『声』を聞いた?夢で? そういう人間が偶に居るらしいとは聞いたことありますが……。
[僅か眉を潜め、続く核心を突く質問に。 ひたりと足を止める。]
もし、俺がそうだとして―――。
(141) 2010/08/12(Thu) 20時頃
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逃げなくていいんですか?殺されますよ?
[振り返った瞳は冷たく赤い。]
(142) 2010/08/12(Thu) 20時頃
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殺されたら残念と思う後なんてないでしょう。
[僅かに口調と表情に呆れを混じらせ。 また、ゆっくり歩き出す。]
人間は怖くて憎い。 何もしていない兄弟を、人狼だからと殺す。 なら、人間だから、殺すんですよ。
証は……。 すぐ、分かりますよ。
[手を引き向かう目的地は。 森の中の墓標。 欲望の『証』を死者に預けた場所。]
(146) 2010/08/12(Thu) 20時半頃
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死ぬと、星が堕ちるんだそうですよ。
[木々の間から見える空を見上げて、立ち止まった。 目の前には大きな石が一つ。 供えた花はもう完全に枯れている。]
……墓です。 レグルス様とカストルを葬った。 ムリフェイン兄さんは、まだ一緒にしてあげられてませんが。
[少女を掴む手を離し。 墓の前に座り込む。]
(149) 2010/08/12(Thu) 21時半頃
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……逃げてもいいんですよ。 すぐに追いつきますから。
[素手で、まだ柔らかい土を掘る。]
……是がなければもう、まともに動く事すらできない。 あの人達は追求する気すらないみたいですから。 もう隠す意味もないですね。
[かちゃり 隠したチョーカーは持ち主を待つように其処に在った。 再び手にした証が、手の中で淡く仄暗い光を放つ。]
(150) 2010/08/12(Thu) 21時半頃
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精霊?
[振り返る顔色は悪いが、苦しげな様子は見えないだろう。 その首元を『証』が飾る。]
そういえば、欲望のガーディアンがどうとか言っていましたね。 レグルス様の姿をした……ルシエドと名乗る亡霊が。
よくは知りませんけど。
[瞳は赤く、髪の毛先は僅かに色を褪せつつある。]
(159) 2010/08/12(Thu) 22時半頃
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…………。
[暢気に本を捲り出す少女に、ふぅと溜息を零す。 瞳も髪も元の色へと戻る。]
……暢気ですね。 俺は、君を殺そうと思っているんですよ?
[夢中に本を読む少女の傍に寄って。 わざと低くした声を掛ける。]
(163) 2010/08/12(Thu) 23時頃
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精霊ルシエド……。 欲望は戦乱を巻き起こす負のエネルギー……。 呪いの檻に閉じ込められた者が人狼……。
[目の前に開かれたページに書かれた文字を口にして。 きょとんとしている少女を見る。]
護ろうとしていた君を殺してやったら。 ルーカスがどんな顔をするか、見たいじゃないですか。
……ゾーイが誰なのかは知りませんけど。 俺が少し、爪を立てれば殺せるんですよ。
[また溜息をついて、困ったように眉を下げる。]
(168) 2010/08/12(Thu) 23時頃
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『希望』なんて、俺にはない。 ただ生きたいと願うだけです。 前を見ろと言う奴らは、何も分かっちゃ居ない。
[眉を下げたまま、じっと少女の目を見詰める。]
……悲しんで、後悔して。 何処まで、奇麗事言っていられるんでしょうね。
その人狼の友達だという子とも友達居られますかね。 きっと殺されますよ。 君か、友達か、どちらかが。
[鋭い爪の指先で、少女の頬に触れる。]
(178) 2010/08/13(Fri) 00時頃
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前を見る方法なんて俺にはわかりませんよ。 前を見るのが怖いだけ……。
きっと『希望』に溢れた君にも分からない。
[少女の強い目から、ふっと俯き遁れる。]
頑固ですね。 一生言い続けても方法なんてないのに。
少し――――に似ている……。
[頬を触る指は滑り、少女の首元へ。]
(185) 2010/08/13(Fri) 00時半頃
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答えがないなら、奇麗事ですよ。 誰も何も救えはしない。
只の自己満足。
[言葉は常と同じ、突き放すように冷たい。 けれど、その声に冷たさは殆どなくなっている。]
……………ッ! 爆発音?
[診療所の方から何か音がした。 思わず少女の首に触れる指に力が入る。]
(193) 2010/08/13(Fri) 01時頃
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若者 テッドは、メモを貼った。
2010/08/13(Fri) 01時頃
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[悲鳴にはっと振り返ると、少女は座り込んでいて。 僅かに少女を傷つけた指先は紅に染まる。]
…………。
[指先をじっと見て、それから自分を呼ぶ声に気付く。]
……オスカー、怪我を? それとも必要な工程ですか?
[入れ替わりに気付かぬまま、指先の赤をべろりと舐める。]
(198) 2010/08/13(Fri) 01時半頃
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ソフィアさん?
[眉を寄せ、上から下まで眺める。 どう見てもオスカーにしか見えない。]
からかっているんですか? ああ、でも、あのアイリスとか言う女も似たような事を……。
痛みを無くす……そういうことですか。 そうなると、俺にはソフィアさんの体ですか? 持て余しそうだ。
[ははっと、笑って。 オスカーの細まる目を睨んだ。]
(201) 2010/08/13(Fri) 02時頃
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ところで―――。
[少女へ空の薬瓶を放るのを赤い目で見詰めながら。]
聞かないんですか? 何を、していたのか?
[首元の『証』の光が強くなる。]
(204) 2010/08/13(Fri) 02時頃
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―――『やめて』
あなた、そう言ったじゃないですか。 俺がこの子を襲うと思ったんでしょう? そうでしょう。 そうに決まっている。
[瞳も『証』も、爛々と輝きを増していく。]
そう思っている相手に何を語るというんですか? 結局、あなただって同じでしょう。
[ぎゅうと胸元を掴むと―――。]
(209) 2010/08/13(Fri) 02時半頃
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―――ぅぅぅぅっ
[唸り声と共に。 その身を純白の狼に姿を変え。
憎悪に染まる赤い目はオスカーを睨む。]
(210) 2010/08/13(Fri) 02時半頃
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