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カルーアは度数が高いの?
[これには少し驚いた。
だって甘くて飲みやすかった。一杯飲むくらいでぼんやりしてしまって、あんまり覚えていないけど。
強いお酒だったなんて、知らなかった。]
こ、来ないですよ。
オットーもウッチーも、わたしが飲めないの知ってるもの。
二人になることも、ないし。
[だいたい夜シフトが終われば深夜。
賄いを食べてお腹を満たして、近くのお互いの自宅に帰る。
二人になるとしたって、帰り道の少しの間くらい。]
はい、初めてで――
…………え。
ええと…………そうですね?
[こういう店は初めて、を再度肯定しようとして、続いた言葉に思考が止まる。
何? ナンパ、って、言いました?
あたまがまっしろ、という表情を隠しも出来ずに、瞬きを繰り返しながら曖昧な返事をした。]
【人】 黒い取引先 アリババ[少女と遭遇してよりしばらく。 (63) 2019/11/28(Thu) 00時半頃 |
【人】 黒い取引先 アリババ───ハイ、ロイエ。 (64) 2019/11/28(Thu) 00時半頃 |
[ちなみに、疑問符で締めくくったのを他の店の誰かが聞いていたなら、呆れ顔で初めてじゃないでしょ、と窘められるかもしれないが、生憎ここには誰もいない。
根っから染み付いたお人好し、ナンパをナンパと気づかずに、手助けしたりお茶に付き合ったり、は前科がある*]
【人】 黒い取引先 アリババ[ロイエ・ミッターランド。 (66) 2019/11/28(Thu) 00時半頃 |
【人】 黒い取引先 アリババ[何が不満かって? (70) 2019/11/28(Thu) 01時頃 |
メモを貼った。
【人】 黒い取引先 アリババ (79) 2019/11/28(Thu) 07時頃 |
【人】 黒い取引先 アリババ─ 蒼い目のタイガ ─ (80) 2019/11/28(Thu) 09時頃 |
【人】 黒い取引先 アリババ[高校卒業を控えて祖父が他界し、祖母も間も無くして祖父の後を追うようにしてこの世を去った。 (81) 2019/11/28(Thu) 09時頃 |
【人】 黒い取引先 アリババ[金の髪に青い目、そして黄色い肌はアイデンティティの置き所について大いに悩ませてくれた。 (83) 2019/11/28(Thu) 09時頃 |
【人】 黒い取引先 アリババ (84) 2019/11/28(Thu) 09時半頃 |
【人】 黒い取引先 アリババ─ 有馬大我の恋 ─ (92) 2019/11/28(Thu) 12時半頃 |
【人】 黒い取引先 アリババ[だが、つまるところ大我の求めるものが一夜であることは間違いなかった。ただ激しく求め合う夜。世界にただ二人だけがあるような。 (93) 2019/11/28(Thu) 12時半頃 |
【人】 黒い取引先 アリババ─ 兎の巣穴 ─ (94) 2019/11/28(Thu) 12時半頃 |
【人】 黒い取引先 アリババ─ 時間を少し巻き戻そう ─ (95) 2019/11/28(Thu) 12時半頃 |
【人】 黒い取引先 アリババ (96) 2019/11/28(Thu) 13時頃 |
【人】 黒い取引先 アリババ
(105) 2019/11/28(Thu) 19時半頃 |
【人】 黒い取引先 アリババ (113) 2019/11/28(Thu) 21時頃 |
【人】 黒い取引先 アリババ[そんなことを言いながら、手元のナッツをいくつか取って口に放り込む。 (114) 2019/11/28(Thu) 21時頃 |
メモを貼った。
ご自宅でも作れますよ。
ホットワインみたいに暖めても美味しいかと。
[料理人の彼女にアレンジの提案というのは釈迦に説法だが、ひとつずつ、確かめるみたいに聞いてくれる声が嬉しくて恥を忘れる。調子に乗らないように自重しても、顔に張り付く笑みが普段の三割増し。]
牛乳で割っている分、原液ほど高くないですがビールより度数がありますよ。勧めてくる方には―――…、注意してくださいね。
[口当たりの良いカクテルはすべからくレディキラーだ。アルコールに明るくない彼女を慮って言葉を添えるも、丁度そのタイミングでドリンクが運ばれてきた。
オレンジを狐の尻尾に見立ててグラスの縁に引っ掛けたサングリアと、件の女殺し《カルーアミルク》]
………。
[ススス。
笑みを張り付けたまま、やわいモカ色を引き取る。]
[気を取り直すように咳払いを挟んで。]
お二人とも紳士的な方ですからね。
夜遅くに女性を連れ出す行為は避けているのでしょう。
そこに親しさや思いやりはあっても、他意がないのは理解しているのですが…。それでも嬉しいものです。
[グラスの曲線に円弧を描く唇を押し当て、唇を濡らす程度糖分を摂取する。己の突拍子もない発言を受けて、惚けている彼女を肴に。]
……ご存知かと思いますが、僕はmurmur coneyが好きなんです。ですから、出来るだけ行儀の良い客と思われたいんですよね。
戸崎さんにでもですし、他の方々にも。
お店が客に選ばれたいように、その逆もあるとは思いませんか。
[アルコールを喉に滑らせ、意識を冷やして酔わす。
瞼を下してしまうのは勿体なくて、驚愕の顔から視線を外さぬまま。一度だけ、ゆっくりと瞬きで瞳を洗い。]
―――…鋼の理性と鉄の意志で言わなかったこと、
実はいっぱいあるんです。
[僅かに上体を傾け、卓に肘をついて乗り出した。
店のカウンターで見せるポーズだけの内緒話では無くて、此度は彼女だけに、静かに囁く声量。]
戸崎さんは、かわいいですね。
[音がしそうな彼女の瞬きを、間近で数えて。]*
メモを貼った。
――へえ。
温めるのは、おいしそうですねぇ。
そうしたら、シナモンとかも入れたいな。
[ホットワイン自体は未経験でも、温かいフルーツの味わいは想像できる。
笑顔の深まる宅本さんにつられて、だんだん緊張も笑顔に変わってきた。]
牛乳、おいしいからなぁ……気をつけます。
ビールは苦くて飲めないですけど、カルーアは飲んじゃいそう。
[そこでちょうど、ドリンクが運ばれてきた。
ミルキーな褐色と、色鮮やかな紫。]
……あ、
[スッと、カルーアミルクが宅本さんの手の中に。
ちょうど気をつけろと言われたばかりで先にそちらを取るアクションに、他意なく紳士だと思った。
アルコールに挑戦したいという気持ちはあったけれど、まず入り口はノンアルコール。
フルーツの踊るグレープジュースを、ひとくち。]
[グレープジュースは、想像以上にさっぱりしていた。
漬けられたいくつかの柑橘に、ベリー。
甘いぶどうの風味に、酸を足してくれている。]
でもそれは、宅本さんもでしょう?
[会話のうちに、同僚を紳士と評する言葉があればそこに目の前のひとを含めた。
だって今も。いくつも気遣いを見せてくれている。
けど、でも。
ナンパ、って聞こえた言葉が、頭の中をぐるぐる回る。]
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