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[常よりずっと緩慢に聞こえる口振りは
酒場で飲んでいた時すら受けなかったもの
眠いのだろうかと彼の頬に指を触れる。
泥酔するには少ないアルコール量を思えば
すこしだけ不思議だったが、疑問を飲み込んで
酒に弱いのかと茶化すより、甘く言葉を交わしていたくて]
ドナルド……?
[やがて、テーブルに臥す様子に
優しいランプの光の下、腰を上げ。]
寝るならベッドで……。
翌日足腰が辛くなりますよ、さぁ
[夜は吸血鬼が最も力を増す時分。
痩せた外見からは想像しがたい筋力で
ドナルドを上体から抱き上げ、
自身の肩口に顎を乗せさせる形で寝室まで。]
[途中、脛に何かが当たるという事に気づき、
ベッドへ下ろした所で、異変を漸く目の当たりに]
……どう、して?
君はニンゲンの筈なのに…… ?
[自身と交わした約を叶える為に
副作用を顧みず、キリシマの薬を使ったとは
知る由もなく、目を見開いて驚き。]
…… あぁ、でも
[そんな事がどうでもよく念えてしまう程、
指が触れる尾は手触りも良好だし、
まどろんでいるドナルドの寝顔は愛らしい
ただ共に過ごせるだけで満足していたのに、
膨らんでゆく願望は、際限を知らず。貪欲に、]
……ドナルド、……
お菓子をくれないと、……ねぇ、
―――…いたずら、してしまうよ。ふふ、
[邪魔なマントを接いで床へ膝をつき。
尻尾の根本が見える程、下衣をずらそう。
上体のみを寝台へ下ろし、ふかふかの茶白幕を撫で
熱を感じる根本の辺りへ唇を寄せ。
毛繕いするように、毛並みへ。
そして皮膚の表面に冷えた舌を寄せ、
音を立て吸い付いては、腰の付近を甘く噛む**]
メモを貼った。
【人】 紐 ジェレミー ふぅん。 (50) 2014/10/26(Sun) 21時半頃 |
【人】 紐 ジェレミー 薬できたら、くれ。 (51) 2014/10/26(Sun) 22時頃 |
【人】 紐 ジェレミー
(59) 2014/10/26(Sun) 22時半頃 |
[魔女殿、
ものもらいに関しては、笑みをにやりと深くする、
全ては彼のためだった。その副作用が今出初めているとは知らぬまま]
よく効く薬を、……んぐ、貰ったからな。
[口許へ差し出されたチーズを唇で受け取り、食む。
微かに指先の冷たさが唇に触れて、随分と愛らしかったニコラエ
ああ、いや、痛くはねぇんだけど、
やたらと、熱くて……
[だから、心配そうな眼差しには軽く手を振って大丈夫だと示してみせたのだが、結局突っ伏してしまうまでにそう時間はかからなかった。]
[完全に意識を手放したわけでもなく、かといって身体を起こすことも叶わない。
目を閉じたせいで何も見えぬまま、ただ感じたのはニコラエの身体に寄りかかる感触と、頭を預けたときに感じた彼の香り
ベッドに下ろされる、その感覚もまたあったが、意識は相変わらず沈みそうな淵にいる。]
……、……
[ふと、どこかを撫で上げられた
それは具体的に“どこか”と言われてもどこだとは答えられない。
あまり感じたことの無い、奇妙な感覚。
名を呼ぶ声がする
—— っ
[また襲うのは奇妙な感覚、そして今度は冷えたなにかが腰元を這う。
心地良さと官能とを誘う様なその動きに、反射的に動きかけた唇は、それでもなお息を吸い込むだけに留まり]
……ニ コラエ
[やっと彼の名だけ、呼ぶことができた。]
メモを貼った。
[先程云っていた薬がどうという話
この尻尾はなにか関連があるのだろうか
薄い皮ごと硬い筋をあむあむと噛んで考える。
患部が熱いともいっていたし、
確か訪れた時にも冷蔵庫に向かった時も
こんな目立つものは生えていなかった
自分の眼が狂っていたとして、
人狼のジェレミーとは異なる、と思う。
彼からは、濃い獣の匂いはしないのだから]
ドナルド……熱い、
[彼自身の主張と同じで、患部である目許から
遠いはずの背も腰も、体温が高く感じてしまう]
[名前を呼ばれ
そっと肩を押し、仰向けの体勢に誘うべく重力をかけた。
特に熱を持っている気のする左の瞼に、
唇を寄せ、舌先で睫毛や目尻を辿り、]
……つらいなら、――… 私が冷ましてあげる。
どうしてこうなってしまったのか、…解らないけど
[彼に熱を移されているような感覚を覚えながら。
寝台の上へ片膝をつき、足の間にある大きな尻尾を撫でる。
元々同胞と異なる獣の存在は好む処にあり、
愛しい彼に生えているのなら、尚更愛でたいと思う。]
寝てしまっても、……良いんだよ。
[意識の重そうな様子を目の当たりにし、
優しい声音を耳元に届け、また左の瞼に舌を伸ばし
唾液を含んだ舌で、奥に潜む緋色を想像し、――
恋しさで胸が、見たいと思う欲で脳髄がちり、と焦げてゆく]
メモを貼った。
ン、……、ぃ
[吸気に喉から漏れた声が混ざり、得体の知れぬ感覚に再び反応する
食まれているのか、けれど痛みは無く、ただ往復するように這う感覚はもどかしくもあり、それ以上求めてはいけないようにも感じ。
なされるがまま、重く沈んだままの身体はベッドの上に仰向けになる
臀部の際に、不思議な違和感と、次いで熱を持つ瞼に冷やりとしたものが触れた。
今度はわかる、その感覚がニコラエの舌であることが。冷たさに縋るように、唇を開いた。]
だい、じょうぶ
そのうちきっと、……静まる、
[これが副作用であるなら、そのうち収まるときがくるはずだ。
未だ瞼は開かぬが、その二つの緋色はどんな視線を注いでくれているのだろう。
優しい声に導かれながらも、男は僅かながら首を振った。
そしてそろそろと、両腕を上方へと持ち上げた。
そこにニコラエが居るかはわからない、けれど]
——……寝るときは、 一緒に
一緒じゃねぇと、……やだ、
[両の手のひらは彼の背を探し、小さく我侭を零した。
それは小悪党を更に通り越した、我侭でしかなかったのだけれど]
[キリシマが全うな薬も取り扱っていることは知っている。
タキシードのポケットに入っているアレな薬の小瓶も
痛み止めの薬も、彼から譲り受けたものだから
瞼は腫れぼったくはないが、熱がある。
時折ぴくりぴくりと跳ねる眼球運動の息吹を感じながら
何処を辿っても熱いドナルドに、接吻を思い出して。
五指を伸ばし尻尾をマッサージするかのように掴んでは、
わしゃわしゃと指で遊ぶようにして揉む。
唾液の筋を殘して、鼻の頭へ口づけを落とすと
眼前で唇が動いた
問題ないと告げる様子に、安堵は覚えるものの。
今しか此の熱量を感じ得ないのなら、
この状態の彼もまた、貴重な存在に思えてしまうのだ。]
私は、君の寝顔を隣で見てるのも……
[
ドナルドの体温を感じていれば、
眠気にも誘われるだろうか。
浮いた両腕に絡み取られ、我儘な子供のような言い分に、
自然と口元も頬の筋も緩ませ、両肩へ手を預け]
タキシードが、……皺に、
[明日着ていけるものが無くなってしまう。
その位考えてから来るべきだったと思慮の甘さに苦笑し。]
……脱がせてくれませんか、ドナルド。
[耳元へ唇を寄せ、柔く耳朶を噛みながら伺いたてを。
汗は流して来たが、香水の匂いは気にならないかと
ほんの少しだけ心配を覚えつつ。]
それ、…… は
[目の前に広がるのは、瞼の下りた真っ黒な視界のまま。
だからだろう、余計にニコラエの指先の動きが気になり
身体が熱い中で、刺激が強すぎる、と。]
だめか、
[身体を捉えた腕は離すまいとするが
薄らと、瞳を開ける。冷たい舌の感覚が熱を吸い取ってくれたのか、幾分先程よりも楽になったと思う。相変わらず左目の視野は赤いまま、しかし見上げるニコラエの表情ははっきりと捉えて]
……わり、
[それほど夢中であったのかと、やっと笑う余裕の出て来た男は、笑みを浮かべながらタキシードの襟元に手を伸ばした。
殆ど腕を通したことのないような、触り心地の良い生地。形のいい仕立て。
背中へ向かってずらし、腕を抜くようにと触れて。
やがてその衣服を脱がすことが叶ったのなら、ベッドサイドの椅子の上に手を伸ばし、その背にかけた。]
—— ……ほら、いいだろ
[それで皺にならないのか、果たしてわからなかったが
今度こそ我慢はしないと再び手を伸ばした。
自分でもらしくないとは思う、ただ。熱が齎した衝動に任せて、今はこの時を楽しもうと]
ニコラエ、……いい匂い、するのな、……
[そうして再び、彼を一つ知る。
抱きしめることが叶ったなら、今度は離さずにそのまま微睡んでしまおうか**]
メモを貼った。
[風邪か何かを齎しているのか。
もしも明日も冷まぬようならば
それこそ誰かに相談すべきか
無意識に大きな尻尾を指で弄んでいると、
首を横に振る様が見え、手を遠退けさせ]
駄目、じゃないよ
――君の寝顔がその……、可愛かったので
[言い訳ではあるとして、正直な気持ちを明かし。
両目が薄く開かれれば視線を交わし、
共に寝たいと望まれることを少なからず喜んで。
床で座っていても良かったけれど、
彼の温もりを得ていても良いというのなら――]
ふふ
[眠たげな顔に浮かんだ笑み。
上衣を脱がされている間、頬を撫でたいのを耐え
袖を抜きやすいように腕を時折浮かせ。
スラックスは線が曲がってしまうが
もしみっともない状態になったとして、]
ええ、
だめだったら、君の服を貸してくださいね
[どうせ陽が高い間は移動すらままならないだろう
ドナルドが子供たちへ菓子を配っている間に
家で眠らせて貰うのも悪くは無さそうだ。
彼の薫りを預かる布団を借りれるのなら
それは、どんな棺桶よりも寝心地が良さそうで。]
ほんとに?
……君が厭がるノートじゃなくて良かった。
良かったら……故郷に帰ったら送りますね。
[一番心配をしていた香水も、彼に嫌われる要因にならず済んで
ほっとした心地を憶えながら。
帰る、と先の話を口にしてしまったことで
胸に過る寂しさと哀しみが吹き抜けるも、
腕の中に収まってしまえば、不安も愛しさに変わる]
私は、君の……ドナルドの匂いが好き、だな。
[汗の薫りも、彼自身の体臭も、そして体温も。
何ひとつ拾っても好むものであると、
寝物語のように、優しく。
眠気を妨げないよう小声で届け、首筋に鼻先を押し付け。]
おやすみ、――ドナルド。
[寝顔を見詰めながら、甘い心地に包まれて。
いつしか己も心地よさに寝息をたてていた**]
メモを貼った。
[ホテルの前で声をかけられる。声の主は、予想通りに沖元さんだった。
別の幽霊モドキを見かけていないこと、キリシマさんというゾンビの薬屋さんなら自分を見えた事を伝え。
ついでにキリシマさんが火葬やお祓いの類いを苦手にしていることも伝えておく。
そうして、情報を伝えたのちの、沖元さんのこちらを心配してくれる言葉に、少しだけ驚いてから、ゆるりと微笑みを向ける。]
『ありがとうございます、沖元さん……僕は、大丈夫。』
[彼の、彼らしい優しさなのだろうと思う。
親切が嬉しかった。
落ち込んでいたつもりはない。
人に気付かれない寂しさは積もり始めているけれど。
戻りたいと強く思いはしていない。
それでも、]
『戻らなくちゃ行いけませんね。沖元さんに、心配かけられませんから。』
[キリシマさんに、これ以上嫌われたくないから。
僕はそんな理由を抱き締めて、何でもない事のように、笑う**]
メモを貼った。
—— 朝 ——
[良い香りがする。
鼻腔をくすぐるそれは、一体何の香りだったか。
ゆっくりと目を、開けた。
ここのところ迎えた朝は、どれも10月31日の眼帯を外さぬままの朝だったのに
今日の朝は、左目もしっかりと見えていた。
しかし、見える色は赤いまま。
どうして、と考えるより早く
ふと視線を下ろすと、]
…………あれ、
そうか、しま、った……
[隣で眠っているのは、上着を脱いだ状態のニコラエ
そこでようやく昨夜の一連の行動を思い出し、思わず両手で頭を抱えた。
左目から発生したような全身の熱に浮かされていた、とはいえ、ニコラエの指先や舌の感覚が心地よかったのは事実。一緒に眠りたいと思ったことも事実。
事実ながら、いい歳をして、とひたすら恥じるものの。]
……綺麗、だな。
[眠るニコラエもやはり、ガラス細工のように美しい。
髪に指を滑らせて、そのまま頬へ、唇へと触れる。
自然と口端には、笑みが浮かんで]
Trick or Treat
ほら、悪戯すんぞ……ニコラエ
[カーテンを閉め切った部屋の中に陽光は射さぬが、その外から聞こえてくる騒がしさは、何度めかのハロウィン到来を告げている。
彼がそうした
最後に微かなリップ音を立ててその唇を味わい、身体を離した。
離さなければ、——どうも朝から、盛ってしまいそうで、]
……いかん、いかんな、
[ふると首を振って、顔でも洗おうと一人ベッドから下りる。
ジーンズがずれ落ちそうになって、慌てて腰元を押さえた。
どうしてずれているのか、いまいち記憶になく。
しかしベルトに手をかけて引き上げようとしたところで、何か引っかかりを感じた。
触れればざわりとした、妙な感覚。思わず背に、腰に、手を伸ばし。
その引っかかりを確かめれば]
…………ぁ、!?
[思わず大声を出そうとしたものの、眠っているニコラエの存在がなんとかそれを押しとどめた。
ふわふわとした毛並み、触り心地の良い毛流れ、太く長い尾。
それは、まるで——獣の尾
得体の知れない感覚は、それに触れられたせいだったらしい。]
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