217 【突発誰歓】幸福の壷【十二支騒動記】
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[与える言葉を知らないから、何も伝えられなかった。
意識が伝わっているのに、何も言えなかった。
身体は、申に引き摺られていく。]
[ひとつ、寂しいと思うのは、
手を伸ばせないこと。
頭を撫でた時のはにかんだ顔。
仏頂面、困ったような顔、狼狽える顔、
微笑む顔。
どれも、今、この手の中にはなく。]
(寂しいのう…)
[ぽつり、泡を吐き出す。]
宝飾交易 黍炉は、メモを貼った。
2015/02/16(Mon) 22時半頃
[ああ、あれは亥の仔抱き上げた折。
植わった柿の木に激突した子の頭を膝へと乗せて撫でていた。
十二の勢が皆揃う時は緊張しているのか、
二人だけなら少し饒舌な姿に、
微笑ましさ感じて。
膝上の軽い重みなど、気にもせず。
その日はずっと亥のこの髪を撫でていた。]
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[紫水晶のような双眸を眺めて、美しいなァと思う。 それはきっと、午の、己だけの想い。]
ん?…視たい、か。 そうさな。何でも知りたい。
[後悔しない?との問いにはやんわりと笑んで]
お主のことならば、どんなことでも 後悔などしないさ。
[囁くような小さな呟きは、果たして届いたかどうか。]*
(119) 2015/02/16(Mon) 23時頃
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[思い出すことは、どれも優しい思いばかりで、
それに触れられぬことが、苦しくなる。
切なくなる。]
(それでも――思いなくせば
歪もうから。)
[愛しき思いを呼び起こす。
僅か心の底の底。
小さな振動で構わぬから、悪しき気祓う糸口たれと。]
[丑の仔、初めて招き入れた折は、
既に用意されていただけでは料理足りず、
自らも厨へとかけた。
まだ火もついて出来上がらぬ料理を前に、
期待するような瞳で座敷抜け出した丑の仔が控えていた時には
笑ったものよ。]
少々待てよ。
[今すぐに食べたいとでもいう気持ちを抑えて、
こくりと頷くもんぺへ味見と称して
一口先に与えたは他へは内緒。]
[今にも泣き出しそうな子のこ。
「どうして、猫さんに嘘を吐いたんでしょう。」
心優しい仔。
おとぎ話ひとつ。
捨て置けぬ、優しい心ひとつ。]
[抱きしめて、撫でるうちに
遠慮なく飛び込むは、未か申か。
少し離れた場所で、羨ましそうな卯の乙女を手招いて。
思い出と夢ばかりは、
どこまでも幸せで。]
[引きずられていった先はどんな部屋だっただろう。
分からない。けれど、微睡みの中聞こえる声はあった。
子は亥を黒だといい、午は丑を黒だと謂う。
どちらが本当かは分からない。
或いは、どちらも本当なのかもしれない。
分からないけれど、これが呪いなら。
せめて、皆が笑える日々が戻りますように。]
[夢うつつ、戌は思う。
辰の弱った声を聞きながら、考える。
自分の選択は間違ってない。それは、今でも。
たとえその選択によって今辰が弱っているのだとしても、自分の考えは、決して。
けれど、]
…選ばなければ、何か違ったのかな。
じっちゃん。
[そういえば、自分は辰の素顔を見た記憶がない。今よりもっと小さい時に見たのかもしれないが、覚えていない。
その裡に、仮面で隠しきれない何かがあるのだろうか。
心が、じくり、と痛む。]
[戌は思慮深くない。教養もないから、語る言葉もない。
何かを伝えようと思っても、浅い言葉で終わってしまう。
だけど、]
[抱える力に泣く子も、
突きつけられた疑いと向きあう丑も、
一人ぽっちで立ち続ける寅も、
皆の声に耳傾ける卯も、
怒り諭し考える辰も、
皆から一歩引き思案する巳も、
力の向く先を見定める午も、
憂いを隠し日常を振舞う未も、
真似をしながら己を貫く申も、
恐れ怖がりそれでも戦う亥も、みんな。]
がんばれ!
[想いを伝えるなら、この言葉で。
届かないかもしれないけれど、夢の中、思念を送る]
|
いつでもいい。 言いたくなったら言ってくれ。 待ってる。
[ふふ、と微笑む。悩む姿は珍しい気がしたから。]
どんなことになっても、私はお主の味方だ。
(124) 2015/02/17(Tue) 00時頃
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黍炉は、ジョージに、沙耶を視るつもりはないぞ?と。
2015/02/17(Tue) 00時半頃
黍炉は、私が探すのは呪い憑きだ。沙耶は、そうさな。個人的には視たい。なんてな。
2015/02/17(Tue) 00時半頃
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[ふう、とひとつ息を吐く。 今日気を送る先はもう決めている。 子が亥も呪い憑きだといっていたか。]
(ほう…)
[そうか。まさかそこに憑いているとはな。 子が言うならば本当なのだろう。 さて。如何したものか。 亥に送ってゆりに視させ、己の足場を固めるか?————否。]
私は…自分の視たものを信じるよ。
[誰にともなく呟いて、そっと瞼を閉じる。]*
(132) 2015/02/17(Tue) 01時頃
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黍炉は、ジョージに、野暮だなァ、次郎。と。
2015/02/17(Tue) 01時頃
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