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終わり、か。 でもきっと貴女は覚えていないだけ。
自宅か、病院か――― 貴女が生まれた時のことを、覚えていないだけ。
[物語《人生》の始まりは、此処ではない、と笑った]
ええ。 リンダと。両親の。
[簡素に告げては、緩く視線を落とし]
……私、ピッパさんに伝えたいことがあったのだわ。
(351) 2010/07/04(Sun) 03時頃
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[こく、と頷く。 思い出した様に謂った言の葉だったけれど 本当は此れが心を占めていたのが事実。]
私と。ピッパさんは。 仕事上の付き合いくらいしかなかった。
それなのにこんなことを謂ったら、 可笑しいかもしれないし、信じ難いかもしれないけれど。
[一度だけ振り向いた。リンダの墓標がある方向へ。 静かにピッパに視線を戻し]
……あの子が逝った時に私は、 とても悔しい思いをしたの。
貴女の心を奪われるのが、悔しくて、くやしくて。 自覚なんて無かったけれど、ね。 ある人の言葉で、真実に近づいたかもしれないわ。 私は、嫉妬をしていたの、ね。
(354) 2010/07/04(Sun) 03時半頃
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つまり、その―――
私は、貴女のことが、…好き。 [真っ直ぐに、告げる、言葉。 心臓が、痛くて、せつなくて。]
(356) 2010/07/04(Sun) 03時半頃
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深く考えなくて、いいの。
[一呼吸、置いた。 浮かべた笑みは、何処か危なげなものだったかもしれない]
間接的だった。 リンダを止めている内に、沸々と湧いてくるものがあった。
貴女があの子を見取った時の顔――― とても、儚くて、綺麗だった。
[病はじわじわと私達を蝕んで行く]
…こんな想い、貴女を好きでなければ、告げないわ。 だって、貴女は――リンダとの思い出に生きたい様に見えるもの。
だけど私は。 そんな危なげな貴女に
恋を、しました。
(359) 2010/07/04(Sun) 03時半頃
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[揺るがぬ真摯な瞳は、真っ直ぐにピッパを捉えて。 心音が早鐘の様で煩くて、 彼女が紡ぐ言葉を聞き逃さないかだけが心配だった。
ピッパが地に視線を逃がす様には、少しだけ、微笑んで]
ごめんなさい。 私も自分で唐突だと思うわ。
[墓石へ一寸視線を向けてて]
水。陽光を浴びて、きらきら光ってる。 時を経るごとに、その輝きは失われていく。 そう、まるで、私達の命のように。
だからこそ伝えたかった。 最後だから。終わりだから。 だからこそ想う人と、一緒に息をしたかった。
(363) 2010/07/04(Sun) 04時半頃
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すぐに答えは要らないわ。 だけど猶予が少ないのも、事実なの、ね。
[困ったように笑って]
……大切だから。貴女が大切で仕方ないから。 ……だから――
―――知って欲しいし、私も知りたい。
人を想うことが、どれ程の意味を持つのか。
……ごめんなさい、ね。 突然の話で驚かせて。
[ふぅわりと何処か切なげに微笑んで]
(364) 2010/07/04(Sun) 04時半頃
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エゴイストだと、 ――自分でも思う。
…ごめんなさい。
[リンダに伝えたのは、ピッパを傷つけて欲しくない一心。 今、仮に私とピッパが、想い合ったとしても いつかは互いが傷つく定めが村に蔓延っている。
それでも最後に一緒に呼吸をしたい。 最期に彼女の傍に居たい。]
(367) 2010/07/04(Sun) 04時半頃
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犠牲――ね 、 そう。
……私は、もう、貴女しか、要らない。
唯。私は。 残された時間を。
優しいものにしたいだけなの。 貴女を幸せにしてあげたいの。
[それがいつまで続くか分からない、残酷な砂時計だとしても]
――…最期の刻 に 誰かに包まれるのは、怖い?
(368) 2010/07/04(Sun) 04時半頃
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店番 ソフィアは、泣かないで……と、囁くのが精一杯で。まだ、この手は、彼女には伸ばせない。
2010/07/04(Sun) 04時半頃
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[そう、なのかもしれない。 孤独は、怖い。]
だけど私は、 自分の為に、自分が幸せになる為だけに 貴女を好きになったんじゃない。
[嫌われ役。 その言葉に、つきん、と胸が痛む]
(371) 2010/07/04(Sun) 04時半頃
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待ちなさい、よ。
……悲しみって、何?
[歩き出す彼女の背に投げ掛ける]
私は貴女を、皆を、悲しませたり、しない。 死、ばかりは、避けられない、けれど
苦しまずに、しあわせに。 パパとママみたいにならないように。
幸せに死ぬことを望んで何が悪いの?
(372) 2010/07/04(Sun) 04時半頃
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どうしてッ……!
貴女を幸せにすることを願っちゃいけないの。 貴女を"見送る"ことを選んじゃいけないの。
誰が悲しむって謂うの? リンダは、ピッパさんに笑っていて欲しいと願った。
偽善的でも、その願いを叶えることの何がいけないの!
(376) 2010/07/04(Sun) 05時頃
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―――莫迦ね。
[荒くなった口調を諌める様に呟いた声は誰に宛てたものか。]
最期くらい、笑っていたいって 笑っていて欲しいって
そう、貴女は、願えないの?
泣きながら死にたい? 苦しみながら死にたい?
(377) 2010/07/04(Sun) 05時頃
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殺せるわけないでしょ。 貴女は未だ、"生きて"いるのだから。
奪おうとした? 何を言っているの?
リンダを思い出に昇華させなさいと、私は言った。 貴女の中にリンダは生き続ける。 今の貴女にはそれが出来ているように見えた。
[凛とした瞳で見つめ返す。 芯は消えない。]
泣きながら、苦しみながら? ピッパさんが?
貴女は何故泣くの。 何故苦しむの。 もう、失う悲しみなど、貴女には与えない。
(380) 2010/07/04(Sun) 05時半頃
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私は未だ、貴女に幸せな時間を与えていない。 だから殺せない。
[笑う彼女に、真っ直ぐに、そう拒絶した]
(381) 2010/07/04(Sun) 05時半頃
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……私には
ピッパさんが理解出来ない。
[悲しげな声色で最後に彼女の背に残す]
理解したいのに。
貴女が何を求めているか、 貴女が何を望んでいるのか、 貴女が何を願っているのか、
―――分からない、の。
[率直な言葉は胸に荊を突き刺した。 その場でぽろぽろと涙を零し、 両手で顔を覆い――**]
(383) 2010/07/04(Sun) 05時半頃
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店番 ソフィアは、メモを貼った。
2010/07/04(Sun) 06時頃
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―― 大通り ――
[黒煙が昇るのを、見た。 空に舞い、村を覆う、不吉な黒煙。
足を速める。 黒が塗り潰さない内に 石畳を駆けた]
(476) 2010/07/05(Mon) 00時半頃
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