207 Werewolves of PIRATE SHIP-2-
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[娯楽室の隅のオルガンで、航海士は起き抜けの頭を調律する。 1分ばかりで終わる、誰もが懐かしいメロディ。
Oh My Darling Clementine]**
(10) 2014/12/07(Sun) 07時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2014/12/07(Sun) 07時頃
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アレが無ければ、いい男なんだがな……
[甲板での戯れに顔をしかめながら。 剣の腕も立つ彼の所望は、金でも女でも無く、美しき髪。
悩める船長はチェアーから立ち上がる。]
(@3) 2014/12/07(Sun) 07時半頃
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オズワルドは、その時、壁に貼っていた紙がハラリと落ちる。
2014/12/07(Sun) 07時半頃
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フン、他愛も無い。 我々の前にはただのひよっ子にすぎん。
[紙に映し出されたのは道化じみた懸賞首の姿。
船長は懸賞首の肖像をくしゃくしゃと丸めて放り投げた**]
(@4) 2014/12/07(Sun) 07時半頃
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Well, well.
[道化のひん曲がった唇がぽつりと愉悦の感情を示す音を紡いだ。 その呟きは小さいが確りと周りにいる者の耳に届き、裡に孕む邪悪な意思をまざまざと感じさせただろう。]
麗しいレディがあちらにいらっしゃるじゃないか。 “おもてなし”の準備をしなければいけないね。
[前方に微かに見える黒い点…獲物となる船を見据えて道化は眉を上げる。
その道化は常に口だけが笑っており、薄く開けた瞳から差す眼光は見る者を凍らせる。 彼が何か手振りをしようものなら、足を運ぼうものなら、その動きによって掻き混ぜられる空気には常に恐怖が孕む。 道化を自称しておきながら、道化の装いを纏っておきながら彼は誰よりも道化とは対極に位置する畏怖の権化であった。 その化粧はそれを見た者に記憶から消し去り難い恐怖を刻むためにあるのだ。]
(11) 2014/12/07(Sun) 07時半頃
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おや、お前さんにはあれが見えない? その目はどうやらただ穴が空いてるだけのようだな。 私は使えるもんなら猫の手だって使うが、使えない者は…
[そこまで言うと見張りの船員はぶるりと震え顔を青ざめさせた。 これだけ甲板に人がいて真っ先に獲物に気づくのが私ではねえ、と内心道化はため息をつく。]
まあ今はいい。 それよりも使命が目の前に待ち構えているだろう。 私たち海賊の使命が。
[道化は細い身体に思い切り息を吸い込むと、甲板中に響き渡る声で叫んだ。]
前方に獲物だ!船を接舷させろッ!
乗り込み、 殺し、 奪えッ!
それがお前らの存在意義だっ!
(12) 2014/12/07(Sun) 07時半頃
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―甲板―
[鈍器を打ち付けるような音と怒鳴り声>>4、 船長の呪いの歌のような声>>11>>12。
日常の音を耳で拾いながら、男は古い紙切れを眺めていた。 掌二つ分ほどの紙切れには、海の絵が描かれている。
海と、空に浮かぶ雲しか描かれていないそれは、 捻りも何もなく、 今、立ち上がり周囲を見渡せば拝める景色と同じ。
紙切れを折り目通りに小さくたたむと、 首からロザリオのように下げた革の袋にしまいこみ、 服の内側へと潜り込ませながら、立ち上がった。]
(13) 2014/12/07(Sun) 09時頃
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そいつぁ、嫌味かなんかですかいねぇ。
[ため息を一つ。 呪いの歌を向けられた船員>>12に心中で同情し、 サーベルを片手に甲板を歩く。]
いい天気だ。眩しくてかなわねぇ……。
[携帯していたスキットルの中身を一煽りしたなら、 年中羽織っているマントのフードを目深に。
そして麗しのレディのおもてなしへと向かう。**]
(14) 2014/12/07(Sun) 09時半頃
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革命家 モンドは、メモを貼った。
2014/12/07(Sun) 09時半頃
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― 厨房入口 ―
お、やってるやってる。
[厨房に入るや否や。 猫と戯れるホレーショーの姿を認めて>>7。 にへら、と笑みを浮かべた]
ホレーショーのアニキ! また猫と遊んでるんスかー? 俺とも遊んでくださいよォ。
[ふざけた口調の中には、得意げな響きも含まれていて。 自慢するように掲げた片手の小瓶には、琥珀色の液体。 ――ウィスキーだ]
ちょい、と賭けに勝って手に入れたんスよ。 一緒にどうスかね。
[自分の手柄を自慢するような、子供らしい響きを言外に潜ませて。実際、彼はこの船の中では若手であった**]
(15) 2014/12/07(Sun) 09時半頃
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徒弟 グレッグは、メモを貼った。
2014/12/07(Sun) 10時頃
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――― 甲板 ―――
Yo ho, yo ho...
[煌びやかな、金と銀の装飾が施された装飾銃。 どこぞのお貴族さまが、権力掲示のお飾り用に誂えたのか 経緯なんて知ったこっちゃねえ。今は俺様の手の中にある。]
a pirate's life for me.
[テンポ外れの歌に合わせて、丁寧に、銃弾を詰めていく。
―――… ひとぉつ、ふたぁつ、みっつ、とな。]
(16) 2014/12/07(Sun) 10時半頃
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We pillage plunder, we rifle and loot...
[よぉっつ、いつつ――――
親指の腹で押し込んだところで、怒号>>4が耳に届いた。 それとは裏腹に、静かに過ぎていく仲間>>14の姿も在る。 静かだろうが五月蝿かろうがどいつもこいつも大人しくはない。]
Drink up...
ああ、畜生、どこまで歌ったんだったかねえ。 忘れちまったろうが。
(17) 2014/12/07(Sun) 10時半頃
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Bitch.
[口汚く舌打ち、最後のひとつを弾倉に押し込んだ。 その一弾だけは、規定の銃弾ではなく、折り畳んだ銀貨。 引鉄を引けば間違えなく弾詰まりを起こす。
――― 運が悪けりゃ暴発だ。]
……… 今日も頼むぜ、女神さまよ。
[無理やり押し込み、弾倉に口唇を押し当てる。
神も女神も人魚も人狼をへったくれもねえ。
ただし、ジンクスってやつは信じちゃあいる。 かかか。 だからこそ、今日も欠かさず、弾倉と銃口に口づけた**]
(18) 2014/12/07(Sun) 10時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2014/12/07(Sun) 11時頃
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さて、いくか。
[チューニングが終われば、娯楽室のオルガンの蓋を閉めて、 船の揺れに沿うようにフラリ歩き出す。 深い川底の澱んだ青色の瞳、すれ違うものにはまばたきで挨拶を。
腰から、双眼鏡だけは出しながら、 その真鍮、使い込まれたもので、 天使の羽根文様は、既に堕天使の羽根色。]
なに? また、はじまるのか?
[甲板に向かいながら、いるものに話しかけた。]
(19) 2014/12/07(Sun) 11時頃
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って、いうまでもないか。 フランク、女神のご機嫌は?
[見えた男は、物騒な女神に口付けている。 聞こえた船長の怒声に湧き上がる男たちの声にゆるくその方角を眺め、次にマストをみやった。]
(20) 2014/12/07(Sun) 11時半頃
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セシルは、次に駆け出すのは操舵手の元。
2014/12/07(Sun) 11時半頃
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―甲板―
[翼休める渡鳥の足元に、不動の小島の如き男の頭は在る。
頭髪を欠いた肌に走る数多の傷と些か硬すぎる頭蓋の感触を、真に波間から突き出た岩か何かのものと勘違いしてか、白羽の鳥はすっかり落ち着いて微睡んでいる様子。
石頭に鳥を乗せた男はといえば、微動ともせず巨躯の背を丸め甲板を眺めていた。左右上下へ動く左眼に、ギロンと剥いたまま動かぬ濁り硝子とエナメルの義眼は置き去られ、所在なげにテラテラ光るばかりであった。
隻眼の負担を受けた左目を助けるのは聴力だ。 怒声だ歌だ鼠だ風浪の聲だ何だと、本日も船は喧しい。
しかし、無傷の右耳と耳殻が殺げた左の耳孔が収集する音の中には、自らに宛てた“命令”は含まれていない。常から命じられねば動かぬ男は、甲板の隅に座り込んだまま注意深く待っている。“命令”を。]
(21) 2014/12/07(Sun) 11時半頃
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[本日の獲物は、黒い豆粒みてえな遠くに位置する、敵船。
船長>>16の怒号により甲板は慌ただしい。 どったどった駆け回る仲間を前に 俺様の女神へのご挨拶も白けてしまう。 ど畜生め。]
うちの船長は、相変わらず鼠を見付けるのが上手いねえ…
[甲板に居ながら、敵船に気付かなかった俺様の話は兎も角 "麗しのレディ"と喩えるよりも"鼠"と喩えたくなったのは 船内でいつもちょこまか駆け回っているキティの所為だ。]
ん―――… あん?
[掛けられた声>>20に、思考が途切れた。 ぐるぅん、と、顔ごと視線を投げかける。]
(22) 2014/12/07(Sun) 12時頃
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革命家 モンドは、メモを貼った。
2014/12/07(Sun) 12時頃
墓堀 ギリアンは、メモを貼った。
2014/12/07(Sun) 12時頃
セシルは、駆ける前、フランクにはにこやかに笑む。
2014/12/07(Sun) 12時頃
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Yo ho. Bitch.
[目に映ったのは、青い目の航海士殿>>20だった。 口端が、自分でも分かるくらいに憎たらしく釣り上がる。 セシルの名乗った名前と、羽根の描かれた双眼鏡の総称。
からかうように、"Bitch"と呼んだのは出会い頭からだった。]
赤い花でも渡せりゃあご機嫌だよ。
[―――…お前の女神さまはご機嫌か?
駆け出す、航海士に、その背に声をかけた。]
(23) 2014/12/07(Sun) 12時頃
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ま、お出迎えと行こうぜ。
[口付けた銃口から口唇を離して 豆粒から刻刻と迫る、敵船の姿を見据えに立ち上がった。]
もういっちょ早く走らせてくれよ。
[背を向けた航海士殿に、もうひとつ、無茶なおねだりをした。]
(24) 2014/12/07(Sun) 12時頃
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― 大部屋 ― [下っ端たちの部屋の一角。 トンカンと、リズムの良い釘打ち音が響く。 乗組員が壊した壁を直す音。
血の気の多い下っ端が多いこの部屋。 多少壁が壊れたところで修理の優先順位は低い。 が、今回は報告を貰ってから直ぐに直しに来た。]
……てめーら、次壊したらただじゃおかねぇからな。
ま、良かったな?穴があく前で。
[にひっと歪んだ笑みを浮かべる。
壁の向こうは、船長室。 それが真っ先に直しに来た理由だった。
修理した上から更にもう一枚板を貼り、修理は完了だ。]
(25) 2014/12/07(Sun) 12時半頃
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[修理に使った道具たちを片付け、上へと向かう。
一つ上に上がると、途端に騒がしい。 船長の号令>>16は聞こえなかったが、 慌しい様子に“客人”が来たのかと、甲板まで駆け上った。
刀の代わりに腰につけているのは、愛用ののこぎり。
のこぎりの刃で傷つけられた傷は治りにくい。 切りつけ、引けば傷口を広げることが出来る。 優秀な船医でも、縫い合わせるのが困難だからだ。
だからこそ、気に入っていた。]
俺の仕事を増やさないようにお出迎えしてくれよな。
[のこぎりを握り、準備をする連中にそう告げた。**]
(26) 2014/12/07(Sun) 12時半頃
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俺の女神がご機嫌だと、この船は大変なことになる。
[フランクから返された言葉にそう返して、 少しだけ首を、また船の揺れに合わせるかのように傾げ、 下からまた、笑み、澱んだ川底の青を細めた。]
だよ、son of a bitch!!
[フランクにそう返して、踵を返す。 絶望に乗るローレライ。縁起が悪すぎるこな男をそれでも船に乗せた船長は、さて、それだけの幸運をもっているのか、それとも?]
(27) 2014/12/07(Sun) 13時頃
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ああ、素早く、あの淑女に近寄るさ。 待たせはしない。
でないと、早漏野郎どもは、妄想だけでイっちまうからな。
[過ぎ去っていく間際も、笑むのは、 ただ、進むだけではなく、標的がみつかったことによる恍惚が漂う。 鼠を仕留める猫のように。]
(28) 2014/12/07(Sun) 13時頃
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セシルは、双眼鏡で淑女をストークしながら操舵手の元へ。
2014/12/07(Sun) 13時頃
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今回のレディはどうやらじゃじゃ馬のようだな。
[船影が近づきその様子が窺えるようになれば一言。 同業者が相手となれば戦闘を避ける海賊もいるが、こちらは生憎船の名に「絶望」を冠す最悪の海賊集団。 その手を緩めることなどあり得る訳がなかった。 むしろただの商船を相手にするのとは違うのだから、全力で向かうべきだろう。
となれば戦闘員を厨房や大部屋で遊ばせている場合ではない。]
ギリー、下にいる奴らを呼んでこい。 獲物が来たと言ってな。
[特に威圧する意思を込めずに、岩のように丸まってる男に命令した。>>21 この白痴を動かすにはただ淡々とした命令があればよかった。]
(29) 2014/12/07(Sun) 13時頃
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違う。 よりソフトに、角度を5度ずらせ。
[操舵手の手に手を重ね、舵を調整する。 片手は、やはり双眼鏡を顔を当て、空を海を、そして、双眼鏡を外すとちらり太陽を見て。今度は懐中時計を取り出す。]
目標まで、 4分半か、な。
[口元そう呟けば、誰ががそれを告げに船長の元走るだろう。]
(30) 2014/12/07(Sun) 14時頃
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