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【人】 道案内 ノックス―2階― (79) 2011/05/21(Sat) 02時頃 |
[ぞくり。ぞくり。這い上がる、悪寒に似た恐怖。
確信じみたものが沸き起こるのに、それを認めたくない自分がいる。]
おか、しい、よな。
絶対、おかしい。
[あれだけ探していなかった大須がここにいて。]
[知らない誰かに案内をされて。]
[夕食が出来ているのに、他に誰もいなくて。]
[それでも、食べよ、と促されれば、空腹に身体は負ける。
たっぷり間を空けてから、ひとつ頷いて、椅子に座る。]
[哲人が席に着けば、自分の椅子も其方に寄せた。
ぴったり、といって差し支えない程度に。
克希がこの行動をどう捉えたかまで気にするだけの余裕は、今のところなかった。
きっと普通の場所で食べれば、とても美味な夕食なのだろう。けれど今の状況の不可解さのせいで、素直においしいと感じることはできなかった。
とりあえず、空腹が癒せれば、それで良い。良い……。
夕食が一段落するまでの間でも、邪魔にならない程度に、そっと、哲人の方に肩を寄せたりもした。]
[椅子が、寄る。
そちらから寄ってこなければ、自分が寄せるつもりだったくらいだ、疑問を持つこともなく、受け入れる。
大須に見られてもいい。このまま自分たちが、ここを出られる保障はない。ならば隠し通す必要さえ、ないように思った。]
[口にした夕食は、ひどく味気なく感じる。
きっと、味は悪くないのだろうが。それを美味しいとは感じられない。
恐怖と、不安と、それから胃が空すぎて、口に運ぶ手はじれったいほどに遅かっただろう。
それでもどうにか、胃に物を入れ終えて。
時折肩に感じる重みに、ほんの少しの安堵を覚えた。]
[もしも、もしもこの予感が本当なら。
最低でも俺たちは、離れなくて済む。]
夕輝。
[今度は、虚ろにではなくはっきりと名を呼んで。
大須には聞こえるか聞こえないか、蓮端を見やる。]
予測でしか、ねえけど。
俺の予感が当たってる、なら、
[その先を紡ぐ勇気が、出ない。
離れなくて済むんだと、思ったのに。なのに、それを現実と認めたくない理性が、言葉を留めた。]
メモを貼った。
[ひとまず、無事に食べ終わることができた。
今のところ吐き気がずるとか呪われたとかそういう自覚はないので、たぶん大丈夫……ということに、しておいた。
頭の中でぐるぐる回る、あれから今までに見聞きした「おかしい」もの。
哲人と違って、何かの予感を得られた、という訳ではない。
不安定な思考の中、それでも一つ確かに変わらないのは。
ただ、一緒に居たい、というその思い。]
……テツ?
[そんな中で、確かな声で名前を呼ばれた。
そして、予測、と。予感、と。けれどその言葉は途中で切れてしまって。
……彼の淡翠の瞳に、自分のそれを、真っ直ぐに合わせながら。一つ間を置いて、その続きを促した。]
当たってるなら、何?
メモを貼った。
[目が合う。自分の薄い色とは対照的に、濃い色の瞳は不安ごと吸い込まれていくような、気がして。
促されて、こくりと一度喉を鳴らしてから、またゆっくりと、口を開く。]
……考えたく、ねえけど。
たぶん、俺たちが向こうからいなくなったんじゃねえかな。
[いなかった大須。見つからなかった大須。見知らぬ状況。
どうして、だとかどうやって、は当然頭の中を巡り巡るけれど、その仮説はやけにぴたりと現状に沿う。]
[ほんの僅かだけの救いは、
蓮端夕輝は皆が語っていたように、目の前から消えていなくなったりしてしまわないこと。]
[彼の挙動から、何か、言い難いことを口にしようとしているのでは、とは感じた。
考えたく、ねえけど、とも前置かれた。
それでも、その口から聞かされた話に、向き合った。]
つまり。
皆と居た別荘から、そうじゃない、ここ、に。
[この状況を思えば、何となくでも合点がいく気がした。
どうやって、とも考えたが、考えるだけ無駄な気もしていた。
とにかく、そういう状態に今置かれている、ということ。]
……ふたり、で。ここに来たってこと。
[克希が居なくなったのは自分たちよりも以前のことになるだろうから、ふたりで、ということになるはずだと考えた。
きっと今頃、部の皆の間では騒ぎになっているだろう、と予想できるにも関わらず。
ふたりで……とそう思った瞬間、何故か、何故か]
[うれしくなった。]
良かった。
テツと一緒で、良かった。
[言ってから、少し複雑な気持ちにもなって……。
けれど、想いに従うように、彼の手に指を伸ばした。]
…………。
とりあえず、戻ろ、か。
[少し唐突に、先程まで一緒に眠っていた部屋へ戻ろうと提案したのは、克希の目にふと気づいたからか、それとも……**]
メモを貼った。
そう、なるな。
[皆といた別荘から、ここへ。二人で、ここへ来た。
戻れないのかもしれないけれど、ここがどこかも知らないけれど、目の前の蓮端は、間違いなくここにいる。
それだけでも、救われる気がしていた。]
[良かった、と繰り返す蓮端の手を、指を絡めるように繋ぎ止めながら。]
戻る、か。
後は、ダメモト誰か探してみる、か。
[戻る、に頷きつつ、もうひとつ案を提示する。
どちらが採用になるにせよ、蓮端の体調を細かに伺いながら、大広間を後にするだろう。
大須や使用人たちに行き先を聞かれたなら、簡潔に戻る。とだけ**]
メモを貼った。
【人】 道案内 ノックス―調音の部屋― (89) 2011/05/21(Sat) 10時頃 |
【人】 道案内 ノックスそれとふみやんからの伝言だけど、これは俺からも。 (90) 2011/05/21(Sat) 10時頃 |
【人】 道案内 ノックス→悠里の部屋― (92) 2011/05/21(Sat) 10時頃 |
【人】 道案内 ノックス俺、今日寝る場所決まってないんだよね。 (93) 2011/05/21(Sat) 10時頃 |
―― かつての自室に似た部屋 ――
……ばか 、……。
[とおい、こえを聞いた気がした。
バカって、言うやつがバカなんだ。
夢うつつに呟いた表情はけれど、やわらかく哀しげ。
自分の声に引きずられた再びの目覚めは、やはり曖昧なものだった]
…… ここ、何処なんだろ。
[時間切れになる前に。
彼女が、自分たちを具体的にどうしようとしているのかは、知らなかったから。
この暫くで見慣れた天井とも、また違う位置の染みを、ぼんやりベッドの上で見上げながら]
つか何でオレ、此処に。
失ったやつの控え室にしちゃ、随分至れり尽くせり……
[そこまで考えて、閉じかけていた目を、はっと見開いた。
もしかして、此処には]
克希や、夕輝せんぱいと哲人せんぱいが、いる……?
[思い至れば、跳ねるようにベッドから起き上がる。
包帯とあて布に、しろく覆われた腕がずきりと痛んだが、それどころではない。
真新しいシャツが用意されていたけれど、引き裂かれたようにボロボロになった自分のシャツを羽織り。
ぎぃ、と重苦しい音をたてる扉を開くと、廊下へ足を踏み出した*]
メモを貼った。
【人】 道案内 ノックス→悠里の部屋― (99) 2011/05/21(Sat) 12時頃 |
【人】 道案内 ノックスありがとう。 (100) 2011/05/21(Sat) 12時頃 |
【人】 道案内 ノックス→自室― (101) 2011/05/21(Sat) 12時頃 |
【人】 道案内 ノックス―悠里の部屋― (108) 2011/05/21(Sat) 12時半頃 |
【人】 道案内 ノックス[脱いだ服を適当に畳んで、寝間着に着替える。 (117) 2011/05/21(Sat) 13時頃 |
【人】 道案内 ノックスっ……ごめん……。 (120) 2011/05/21(Sat) 13時半頃 |
[哲人からのもう一つの案に、ぱちりと瞬いて。少しの間、考えた。
まず最初に、克希が皆の前からいなくなった。
その後、此処にいるふたりもおそらくは同様のこととなった。ということは]
……そうだね。
もしかしたら、おれたちの後に誰か来るかもしれない。
[自分たちの方が消えたのだ、とはっきり判ったわけではまだなかったが。]
うん、一緒に、探そ。
[意識を、一先ずその方に向けた。
繋がれたその手を、離してしまわないようにと努めながら。
程なくして、ふたりで大広間を後にすることになるのだった。]
【人】 道案内 ノックス[少しの逡巡の後、こくりと頷いて新しいタオルに顔を押し付けるようにして泣いた。 (122) 2011/05/21(Sat) 14時頃 |
―― 大広間→階段前 ――
[廊下を歩きながら、辺りを見回した。]
とりあえず、近くから探してみるしか、ないかな……。
[時折、哲人の方にそっと振り返った。
彼が此方の体調を伺っている時に振り返ったならば、視線が交わることもあったかもしれない。
そんな己の顔色は今はまだ、それなりに良いものだった。
そうしてエントランスの階段前まで差し掛かった時、何かを感じた。
雨音ばかりが響く中、足音のようなものが微かに聞こえた。]
……誰か、上に居る。
[部屋から廊下へと踏み出した楓馬
一度立ち止まり、階上の方を見つめてみた**]
【人】 道案内 ノックスえー。 (126) 2011/05/21(Sat) 14時半頃 |
メモを貼った。
【人】 道案内 ノックス―2階廊下― (130) 2011/05/21(Sat) 14時半頃 |
―→ 2階廊下。かつての休憩所 ――
[ふたりの先輩たちの、元の部屋に近いだろう場所を覗いてみたが、誰の姿も無く。
悠里や成人の姿も無かったが、それは期待していなかったので、気落ちもしない。
たん、とん、と踏みしめるようにゆっくり、廊下を歩く。
しかしそれでも、あまり、床に足がついている感じがしない。
すこし、自分の家と似た空気。
現実味のない、居心地の良さ。
此処でも降り止まぬ雨の音に誘われるように、つきあたりの窓まで辿りつき。
ぺたり、冷えた硝子に額を押し当てた]
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