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―― かつての自室に似た部屋 ――
……ばか 、……。
[とおい、こえを聞いた気がした。
バカって、言うやつがバカなんだ。
夢うつつに呟いた表情はけれど、やわらかく哀しげ。
自分の声に引きずられた再びの目覚めは、やはり曖昧なものだった]
…… ここ、何処なんだろ。
[時間切れになる前に。
彼女が、自分たちを具体的にどうしようとしているのかは、知らなかったから。
この暫くで見慣れた天井とも、また違う位置の染みを、ぼんやりベッドの上で見上げながら]
つか何でオレ、此処に。
失ったやつの控え室にしちゃ、随分至れり尽くせり……
[そこまで考えて、閉じかけていた目を、はっと見開いた。
もしかして、此処には]
克希や、夕輝せんぱいと哲人せんぱいが、いる……?
[思い至れば、跳ねるようにベッドから起き上がる。
包帯とあて布に、しろく覆われた腕がずきりと痛んだが、それどころではない。
真新しいシャツが用意されていたけれど、引き裂かれたようにボロボロになった自分のシャツを羽織り。
ぎぃ、と重苦しい音をたてる扉を開くと、廊下へ足を踏み出した*]
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[哲人からのもう一つの案に、ぱちりと瞬いて。少しの間、考えた。
まず最初に、克希が皆の前からいなくなった。
その後、此処にいるふたりもおそらくは同様のこととなった。ということは]
……そうだね。
もしかしたら、おれたちの後に誰か来るかもしれない。
[自分たちの方が消えたのだ、とはっきり判ったわけではまだなかったが。]
うん、一緒に、探そ。
[意識を、一先ずその方に向けた。
繋がれたその手を、離してしまわないようにと努めながら。
程なくして、ふたりで大広間を後にすることになるのだった。]
―― 大広間→階段前 ――
[廊下を歩きながら、辺りを見回した。]
とりあえず、近くから探してみるしか、ないかな……。
[時折、哲人の方にそっと振り返った。
彼が此方の体調を伺っている時に振り返ったならば、視線が交わることもあったかもしれない。
そんな己の顔色は今はまだ、それなりに良いものだった。
そうしてエントランスの階段前まで差し掛かった時、何かを感じた。
雨音ばかりが響く中、足音のようなものが微かに聞こえた。]
……誰か、上に居る。
[部屋から廊下へと踏み出した楓馬
一度立ち止まり、階上の方を見つめてみた**]
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【人】 博徒 プリシラ―2階自室― (131) 2011/05/21(Sat) 15時頃 |
―→ 2階廊下。かつての休憩所 ――
[ふたりの先輩たちの、元の部屋に近いだろう場所を覗いてみたが、誰の姿も無く。
悠里や成人の姿も無かったが、それは期待していなかったので、気落ちもしない。
たん、とん、と踏みしめるようにゆっくり、廊下を歩く。
しかしそれでも、あまり、床に足がついている感じがしない。
すこし、自分の家と似た空気。
現実味のない、居心地の良さ。
此処でも降り止まぬ雨の音に誘われるように、つきあたりの窓まで辿りつき。
ぺたり、冷えた硝子に額を押し当てた]
[つよく降りしきる雨。侭ならない視界。
抱きしめてくれてた蘭香のあたたかさが、日向の着物と噎せ返るような薔薇の匂いに掻き消されても、まだ。
見つめ続けた、紫の瞳。
驚いていた。当然だ。
それでも最後、稲光の瞬間に手を伸ばしてくれたのは、本当に人が良いとしか言いようが無い。
お前に、蘭香を頼まれたのに。
蘭香に、置いてかないでと願われたのに。
日向に、たいせつなことを教えて貰ったのに。
なにひとつ果たせず、逃げ出した自分に、手を伸ばしてくれるようなやつだから。
――好きになってしまったのだろう]
ばかやろうって、言われるかな。
――絶交かな。
[けれどそれも、あの瞬間まで。
日向が蛍紫に、失踪の真相を話せば、自分の挙動の意味と、謝罪の理由を察してしまうだろう。
そうなれば。
軽蔑、するだろうか。
嫌悪、するだろうか。
あるいは、呆れが憎しみに達するほど、恨まれるだろうか。
いつも、彼のほうが先に折れてくれて。
喧嘩が本気で長引いた事など無かったから。
想像も出来ない、彼の怒りに怯えることしか出来ない]
……っ、
[なんで、言ってしまったのだろう。
伝えなくてはならない事を、すこしでも伝えていくべきだと、分かっていたのに。
言っても、どうにもならないと。
良い結果など、あるわけが無いと、ほかならぬ自分が一番、分かっていたのに。
蘭香にも、気持ち悪いと思われたかもしれない。
大事な幼馴染を、もうひとりがそんな目で見ていたなんて。
此処が、予想通りの場なら。
早く、彼に会いたいと思った。
しあわせな所を邪魔するのは悪いけれど、早く、会って、彼の無事に安心して、謝りたい。
何もしてやれなかった全てを、許してくれないとしても、謝りたかった]
[けれど。
蛍紫には。
会いたくない。
会いたく、無い。
誰かと。……士朗と。
しあわせに、寄り添って。
これからを、見せつけるような、姿なんか。
見たくは、ない]
…… 、だから、日向。
[助けなくて、いい。
助けて貰う資格なんか、ない。
この想いはきっと、恋獄にこそ相応しい。
聲は彼女へ届かなくても、そう、願い続ける]
【人】 博徒 プリシラ[バスタオルを拾い上げて扉を閉じれば、土橋と2人きり。 (132) 2011/05/21(Sat) 16時頃 |
【人】 博徒 プリシラ俺、なんか持ってくる。お前の作ったスープ、多分まだ残ってるから温めて… (133) 2011/05/21(Sat) 16時頃 |
[再び、ひとを見つける為に、歩き回る、足。
ぺたり、ひたり。
ぎぃ、ぎ。
ぱた、ぱたん。
不規則に鳴る、素足が床を擦る音。
止まぬ雨のせいか、ひどく不安定に響く、その音色]
…――― 、
[ひとの声
ぎ、と音が一瞬止まり。ややあって、早まる。
そして]
―― 2階、階段 ――
[階下からは、くすんだ金髪より、白のシャツが視認されたか。
ふわり。
階上から見下ろすよう、俯きがちの人影から。
ひとすじの包帯が解けて、揺らめいた*]
メモを貼った。
【人】 博徒 プリシラ[>>133の前。 (135) 2011/05/21(Sat) 16時半頃 |
【人】 博徒 プリシラ―1階・台所― (139) 2011/05/21(Sat) 16時半頃 |
【人】 博徒 プリシラ[コンロにヤカンが置かれている。そっと手をかざすとまだ熱く、誰かが使ったばかりだと知れる。 (143) 2011/05/21(Sat) 18時頃 |
【人】 博徒 プリシラ―回想― (170) 2011/05/21(Sat) 21時頃 |
―― 1階階段 ――
[ふ、と。人影が階上の方に見えた。
居るのは暫く姿を見ていなかった誰かか、
それとも、見知らぬ何者かか。
…………
近くで見れば判るだろうその髪色は、光の加減の所為かよく判らない。
その面立ちも、はっきりと掴めないまま。
判るのは白いシャツと、揺らめく白。
……見知らぬ何者か、の方に思考が傾いた。]
メモを貼った。
メモを貼った。
メモを貼った。
【人】 博徒 プリシラ―現在・台所― (188) 2011/05/21(Sat) 21時半頃 |
―― 2階、階段 ――
……せんぱ い……?
[見間違うのは難しい長身と長髪
けれど、此処の現実味の無さが、断定を躊躇わせて。
ぼんやりした声音で、そのひとを見つめ]
【人】 博徒 プリシラ…ぷっ (194) 2011/05/21(Sat) 22時頃 |
メモを貼った。
【人】 博徒 プリシラいいじゃん、疼いとけ (203) 2011/05/21(Sat) 22時頃 |
―大広間より―
まあ、俺たちが消えたのだって確定事項じゃねえけど、たぶん確定事項なんて、じっとしてても出てこねえだろうからな。
[だから、探す。足を止めても、解決はどこにもないと思った。
繋いだ手は頼まれても離さない。存在を確かめるように指が絡み合ったまま。]
[近くから探す、という蓮端に頷いて、半歩後ろに控えるように歩む。
足取り、手の引き、違和感はないか伺いながら。時折振り向く蓮端と、目が合えばどうかしたかと目線だけで聞いた。]
[異音を聞いたのは、ほぼ同時だったかもしれない。階段側、雨の音ではない不規則な音。]
……ああ。
誰か、いるな。
[上に、には同意を示して。こちらも立ち止まり、階上を伺う。]
[聞こえた、声は。
どちらを示したかわからないが、せんぱい、と間違いなく言った。
「この屋敷」の住人ではない、確かな証拠。]
誰だ?
[白いシャツ。白い揺らめき。
はっきりとしない呼び声だけでは後輩の誰であるか断定できずに、問いを投げた。]
―― 1階階段 ――
[聞き覚えのある声
けれどはっきり響いてこない声だったのと、何より一度、未知との遭遇の方に思考が寄ってしまったせいで……咄嗟に誰なのか判断ができなかった。]
誰?
[恐れから、後ろの方に居る哲人と繋いでいる指に、力が籠った。
けれど、聞こえたその言葉をよく振り返ってみれば、「せんぱい」、と呼んできていた訳で……]
……君は。
【人】 博徒 プリシラ[土橋の左眼は手で覆い隠した] (210) 2011/05/21(Sat) 22時半頃 |
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