17 吸血鬼の城
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――中庭――
[こちらに投げかけられた声は、警戒の色を多分に含んでいて。霧の向こうの人物――声から女性と分かる――は魔物を恐れているように思える]
あの、……私達「宴」に巻き込まれたんですけど、貴女も、……ですか?
[声を掛け反応を待つ。 念のためと、首から下げた人狼の牙を握り締める手に汗が滲んだ]
(288) 2010/06/23(Wed) 22時頃
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靴磨き トニーは、 血と泥に汚れていて、霧の向こうの彼女を驚かせるかも知れない。
2010/06/23(Wed) 22時頃
時を刻まない時計―…‥。
[の問いに、中途半端に紡がれ、零れる言葉。]
何故、私はここにいるんでしょうね。
地獄であれば、責苦で己の穢れと罪を忘れられると言うのに―…‥
[声は平静に、視線は何処か遠くを見つめている。]
こんなに汚れているのに、何故いるんでしょう。
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……そうです。 ええと、……トーニャです。
[霧の向こうから歩み寄る女性は、レセプションや、詩人が姿を消した騒ぎの時に見かけたか。もっとも、彼女は自分の事を知らないだろうと名乗ることにした]
あの、ベネットさんたちと一緒でしたよね。 ……皆さん、ご無事ですか?
(301) 2010/06/23(Wed) 22時半頃
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[を聞いて、静かに笑みを浮かべて、ヘクターの方を向いて、]
でしたら、ナイフを持っていたならば、貸して頂けませんか。
この穢れた血と快楽に溺れた身体を清める事が出来ないのであれば――、
己の手でもう一度、我が身を死に至らしめる為に。
自殺は大罪の一つ、これで私は己の身分相当の場所にいけると。
お礼にこちらの時計を差し上げますから。
[右手に動かない錆びた懐中時計を乗せて、差し出す。]
ほいよ。
こんなモノしかねぇが。
[薄い刃の仕込まれた指輪を引き抜いて渡す。]
刃渡りは短いから、死ぬのは苦労だろうが、頑張れよ。
[代わりに差し出されたモノを見やる。]
時を刻まないのは、そりゃあ「時計」じゃねぇだろうよ。
ネジとゼンマイで出来た「仕掛け」
…あんた自身も人の形をした、ただの「仕掛け」だって云いたそうだな。
くく――どうだ、おれにも詩才あるか。
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[あれ、と首を傾げた。ベネットやドナルドといたのは別の人だったか。それよりも]
三人……も、いなくなっちゃったんですよね。
[ヘクター以外の犠牲者のことは知らないに等しかったから、実感はなかったけれど。 大切な人の姿を思い出し、瞼の淵がじわりと濡れた]
(315) 2010/06/23(Wed) 23時頃
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――……これから、どうなっちゃうんだろ。 どうすれば、良いのかな……。
[助けてくれる大きな背中はもうない。 紋様は血と泥に汚れ、ところどころ消えかけていて、まだ役に立つのか少女には分からなかった。
俯いた頭をグロリアに撫でられながら、ぽつりと不安を零してしまう]
(324) 2010/06/23(Wed) 23時頃
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