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『さっきから何をやっているんだ、お前は』
……っく、…ラシェル。……てか、そっちこそ何やってんの。
[見上げれば、先ほどサッカーボールを蹴飛ばしてたクラスメートが覗き込んでいた。
確かに、泥遊びする年齢ではないし、水溜りに突っ込んだ手を、ぱちりぱちりと叩くさまは、怪しいというか、頭の心配をされるかもしれないが。
バケツ片手に、こっちを無表情に見つめるひとに言われたくない。
てか、そのなみなみ水の入ったヤツをどうするつもりなのかと、]
っ!
[問うよりも、逃げ出すほうが速かった。
更に、それを予測して、相手が自分の肩を抑えるほうが速かった。
結果。ばしゃー、と頭の上から水を被って、びっちゃんびっちゃんになった。
勿論、肩を押さえていたラシェルだって、被害が無いわけはなく]
……にゃー!! もう、何なの何なの! せめて何か理由ー!
『そっちの方が、らしい』
は?
[意味が分からなくて、ぽかんと見上げた顔に、布地が落とされて、あわあわ取り払えば]
『騒いでいないお前なんていうのは、気持ちが悪い。
どうせ良くない頭なのだから、考えるな。常に発散させておけ』
[改めて布地を見れば、それは大判のタオルだった。
何か失礼なこと言ってるよね、とじとり見上げるも、ぐりぐりとタオル越しに頭を撫でられ、そのままラシェルは去っていってしまう]
ちょ、ちょっとー! タオル洗濯しないと返せないし! てゆか結局、だから何なのっていうか、自分もちゃんと拭けー!
[とはいえ、木陰では時折吹く涼しい風が、濡れた身体を心地良く冷やしていくし、この時期に風邪の心配もないだろう。
何とかは風邪を引かないし。や、あれは引いた事に気づかないってだけだった気もするけど。
不器用なクラスメートの、不器用な気遣いだということは、分かっているから。
大人しく、むぅ、とタオルに埋もれて、助言どおり、何も考えずに木の下、目を閉じた]
/*
はい、それでは時間になりました。
カルヴィンの投票が行われていませんが、大多数がマーゴに投票しているため、今日の吊り先はマーゴになります。
カルヴィンはマーゴに投票してください。皆さんは、投票先をもう一度確認し、それ以降は投票を変更しないでください。
マーゴは、死亡フラグ立て頑張ってください。
(#6) 2010/08/07(Sat) 00時頃
[おそらくきっと最初に感じるのは、びりびりと震える空気。
次に感じるのは、ずずずずずずと音を立てて震える大地。
音と震えは徐々に大きくなって]
[ドシーーーーーーン]
[ドシーーーーーーン]
[やがて、巨大な足音になった]
(#7) 2010/08/07(Sat) 00時頃
あっはははははっははははは
きゃははっははっはははっははは
うふふふふふふふふふふふふふふふふ
[夜空に、いいや、空間に響き渡る甲高い幼女の声。
上から、横から、次々と降り注ぐ]
[ぬ、と。
渦巻きから真っ黒な革靴と真っ白なタイツを吐いたプラスチックの巨大な足がグラウンドに突き出された。
はじめは1本。次いで、もう1本]
[巨大な足は、水色のワンピースと白いエプロン、金の長い髪と白のヘアバンドを伴っている。
校舎がドールハウスに感じられる大きさの、巨大な人形。
動かない表情、冷たく見開かれたままのガラスの瞳]
[有名な童話の幼女を象られて作られた人形は、口すら動かさず、けらけらけらけら笑い声を響かせながら、グラウンドに座り込んだ]
[そこに誰がいるか、全く頓着もせず]
(#8) 2010/08/07(Sat) 00時頃
[ぱしん]
[幼女はグラウンドに手をついた]
[身をかがめて、校舎を覗き込む。グラウンドを見る。
<<受付 アイリス>>を、巨大なガラス球が捉えた]
(#9) 2010/08/07(Sat) 00時頃
きゃははははははははははは
[笑い声が大きくなる。
人形は、校舎を両手でよいしょ、とつかむ]
[かぱり]
[校舎は、まるで ドールハウス みたいに、4階が外れた]
[……もっとも、それは、人形の目標が達せられればきちんと元に戻されるのだが]
(#10) 2010/08/07(Sat) 00時頃
/*
今日の「敵」は、巨大な幼女人形です。
狼達とは違い、すぐにPCを害そうとはしません。
持ち上げて、まじまじと眺めたり。
別のところに運んだり。
着せ替えごっこしたり。
勝手にカップリングしてみたり。
まあ、つまり遊ぼうとします。
でも、巨大な幼女人形にとっての「人形」(=PC)があまり暴れると、幼女ならではの残酷さを存分に発揮することでしょう。
というわけで、こちらもここから先はセルフサービスでお願いします。校舎や施設もかぱかぱ外して、元に戻していってください。あんまり位置を入れ替えてしまうと混乱するので、入れ替えた人はメモに明記するといいでしょう。
(#11) 2010/08/07(Sat) 00時頃
/*
なお、本日[[ omikuji ]]で大吉を出すと、彼女は帰りはしませんが、一回り小さくなります。ついでに、しばらくわんわん泣き喚いてそれ以上の行動をやめようとします。
では、何か質問がありましたらいつでもどうぞ。
(#12) 2010/08/07(Sat) 00時頃
メモを貼った。
― 伝説の樹 ―
……?
[きゃはは、と子供の笑い声が聞こえた。
タオルに包まったまま、もぞりと身体を動かせば、ころりとコンパクトが転げ、蓋を開く。
其処に映し出されたのは、人形が人形の家で遊んでいる、ちょっとシュールな光景]
……やっぱ、夢か。
[半ば目を閉じつつ、むにゃりとそう呟いてまた、タオルにもぐりこむ。
意識がはっきりしていたなら、その背に隠れるように冴える月が、赤いことにくらいは気づいただろうに*]
に゛ゃーーーーーーーーーーーーーーー!?
[がば、と木の下でタオルを跳ね除け、叫んだ。
心臓がばくばくいっている。
何事かとこちらを向いた陸上部は、何だソフィアか、とすぐに走りこみに戻ったが、そんなことは気にしていられない]
……る、るーにゃんが、バニーさんでお人形遊び……。
え、何。夢って願望? 違うよね?
[叫び声に何事かと思ったのだろうか。
ふわりと、頭上で揺れる褪せかけの銀糸。
わりと本気で必死にそう尋ねかけたのだが、やっぱり答えのないかみさまは、ついと目を逸らすので。
その意図はともあれ、肯定されたと思い込んで、あううぅと呻きながら、だいぶ身体も乾いたから、ふらふら何処かへ歩いていく。
これ以上あのひどい悪夢を見たくなかったから、寝なおす気にはなれなかった]
― 生徒会室 ―
…… おじゃま、しまっす。
[書類をまとめて、数学科の準備室へ届けた帰り。
ついでだからと、生徒会室へ運ぶ資料を頼まれた。
こんなところで長話するような知り合いも居ないし、長居は無用と。
さっさと置いて戻ろうとすれば、部屋は無人で]
無用心だなぁ。鍵の用心するって、言ったばっかなのに。
てか、お菓子も無いとか…… いやいや、取り締まる側がお菓子持ってちゃ駄目でしょ。
[ひとり突っ込みしつつ、誰かが戻ってくるのを待っている。
普段は、会長あたりが座っているのだろう、上座に腰掛け、軽く伸びをすれば、安物のパイプ椅子はきしりと鳴る。
蝉の合唱に、時折混じる自転車のベルや、グラウンドの運動部員たちの掛け声や、ボールを打ちはなす音。
こんなに賑やかなのに、静か過ぎると感じるなんて、どうかしてる]
メモを貼った。
? なにこれ。
[窓際の空きダンボールから、幾色もの布がはみ出ている。
ついでに、うさぎの付け耳も。
はて、と手を伸ばし、一枚摘み上げてみると
1.チャイナドレス
2.ウェディングドレス
3.タキシード
4.バニーガール
5.水着
6.メイドさん]
{1}
『何だ、もう来てたのか!』
はい?
[うさみみとチャイナドレスを手に、どーゆー取り合わせなのかと首をかしげていたら。
ノックもなしにやってきた顔は、確か副会長の先輩だったような]
『逃げ回ってるって聞いたんだけど、なーんだ。
じゃ、さっさとそれ着ちゃって』
……え、え、な、なんー…?!
[何が何やら分からないまま、ぐいっと準備室へ押しやられ。
早く早く、と急かされる声が、あちらから聞こえる。
先輩相手に、強く問い返す事も出来ず。
仕方ないので、着替えてみた。
女性らしさや、長い手足という身体的特徴からは、凡そ無縁の身で、思いっきりラインの出る服を着るのは、非常に抵抗があったけど。
危惧したほど、布地のあまりもなく、むしろピッタリなくらいで]
…… これ、まさか…
『いやー、似合う似合う!お子様雑技団みたいだけど、そんなとこもきっとお姉さま方の票をあつめぶばっ!?』
[ぺたり、という擬音があまりに似合う胸元に手を当てていれば、やっぱりノックもなしに入ってきた副会長。
いくらなんでも、女の子に対する態度と言葉じゃない。
いや、普段から女の子らしくなんて扱われたことは、数えるほどしかないけど、それにしても]
わーん、生徒会なんて変態のあつまりなんだばかー!!
[膝蹴りを食らわせると、くずおれる副会長をもう見向きせず、ちょちょ切れる涙を押さえようともせずに。
うさみみぴょこぴょこ揺らして走り去るのだった]
メモを貼った。
メモを貼った。
― 購買 ―
そーなんだよぅ。そりゃ、あたしこんなんだし、デリカシーもないし、出るとこも出てないけど、別に平気なわけじゃないのにー!
[えぐえぐ、とペッパーサワーの缶片手に管を巻くのを、馴染みのおばちゃんは、よしよしと話を聞いてくれた。
うさみみの付いたままな頭を撫でながら。
眉毛を捜す作業を忘れぬまま、ふと、そういえば誰かに眉毛コアラを貰ったはずなんだけど、とポケットを探るも、コアラは居なかった]
そーいえば……眉毛コアラの眉毛は、眉毛じゃないんだって。それしか覚えてないんだよね、誰に聞いたんだっけ?
てゆか、悪徳女王の45話、撮り損ねた気がして、おばちゃん絶対見てるだろーから、話聞こうとか思ってたんだよ。でも45話って、今週でも先週でも来週でもないじゃん? なんでそんな勘違いしたのかなぁ。
[慰められて気が済んだのか、同じ番組を追う者同士、取り留めの無い長話が始まる。
くい、とサワーをあおって、傾けた缶の光沢に]
ぶっ!!!!
[木の下で崩れる、今日の夢の主役に今この瞬間確定したに違いないお姫様。
しかも、ご丁寧に、最初に目いっぱい白塗りに頬紅ののせられた顔が、ズームで映り。
だんだんカメラが引いていく、というサービスっぷりだった。
噴いたサワーが勿体無い、といつもの思考に戻るまで。
缶を取り落としたことにすら気づかず、(07)分ほど固まっていた]
ごめんおばちゃん! えっと、雑巾雑巾…… 、ぁ
[7分後。我に返って、慌てて片付けようと覗き込んだ、黒い水面に。
一揃いのような、エプロンドレスを纏った少女2人に、そして――]
っ、あか ……!
[今まで映らなかったその月は、確かに煌々と赤い光を滴らせていた。
よくよく見れば、ドールハウスに見えた建物が馴染みの校舎で、その傍らに立つ少女は規格外の大きさで、かつ人間に良く似てはいても、つくりものの光沢を赤くきらめかせていて。
そして、屋上に立つ、ちいさな、いや普通の少女の姿が]
マーゴちゃんっ!? ダメだよ、何言ってんの!
[いっしょに、と。
その声はけして大きくなかったけれど、はっきりと聞こえて。
一緒に。何処へ? この光景が見えている間だけは、はっきりしていく記憶が、影に呑まれる誰かを、思い出そうとし]
っ……!
[ばしゃ。
あっけない音で、投げ込まれた雑巾がたちまち水気を吸えば、夜の景色はたちまち消える。
はあ、と動いたわけでもないのに上がった息を堪え。
ぎゅ、と胸元を握り締める。ずきりと、痛みを訴えた、そこを]
→ 屋上 ―
は、 ……っ、 !
[呼べない名前。
分からない顔。
景色が消えれば、また不鮮明になる世界と、此処とが違う世界なのだということは、さすがに分かっている。
でも、それでも。
呼べない名前を呼びながら、グラウンドを、廊下を、階段を駆け]
……んで っ……
[開け放った屋上への扉。
その先には、誰も、やはり、居なくて]
なんで…… なんなの! 何も出来ないんなら、見せないでよ!
いっそ、忘れさせてくれればいいじゃん!
[見た、と思う光景が、今のことなのか、ずっと昔かいつかのことなのか、それすら分からない。
ただ、白々しいほど燦々と照りつける太陽の下。
ひとり、ぺたんと膝をついて、誰かの姿を確かに見たはずの其処を、ぎ、と引っかくしか出来なかった]
[意図があったわけじゃない。でも。
視線は、俯きがちのまま、けれど確かに、グラウンドの端に佇む樹を、ぐ、と見つめていた]
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