73 ─深夜、薔薇の木の下で。
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――自室――
[そういうものか?と首を傾げながら歩く。
ベネットはもう部屋に戻ってしまったのだろうか、全くつかめない友人である。おせっかいすぎて、感謝しにくいではないか。]
…………。
[部屋は出たときのまま、いつも通り。
毛布だけは無いままだが、ベッドへ腰をかけてヴェスを見上げた。]
心配って、……大丈夫だって。
俺ってほら、鈍いし?
身持ち固いし。
[よくわからない自信で返し、ノックスの眉が下がると扉の方を見た]
白い蕾、か…。
ジェフがじめじめなのは今に始まった事じゃないからいいけどさ、こっちに着てないみんなの方が心配だな。
いいほうに動いてる面子はいいのだろうけど。
[少なくとも、聞こえる声の彼はいい方向とはいえない]
……そーだね、もてるね。
みんなどこがいいんだろ。
[ノックスのため息に、お前が言うなといわれそうな事を呟いて]
―自室―
[自分の部屋へ戻ってきたはずなのに
落ち着かないのは同室は自発的に
会話をしようとはしなかったからだ。
寝台に腰かけてこちらを見るものだから
思わず尋ねざるを得ない]
…それで。用事でもあるの。
サイラスとかロバートのところ
行かなくて、いいの。
[意識だけになったとはいえ、
大切な相手よりなぜ自分を優先させたのか。
少しも理解ができなかった**]
──自室──
[脳内には、素直になれと、何故自分がと、ぐるぐる混濁してして。つまり上手く言葉にならない。
見上げたまま、待てされた犬のようにぼやんと顔を眺める。]
いや、今は……ヴェスの側が良いと思ったから。
不快ならすまない。しかし私は一緒に居たくて。
……ヴェスには嬉しくは無いよな。あんな事した奴が何をと思うが。
[何故ロバート?と首を傾げつつ、落ち着きなく髪をいじったり座り直したり。
少しずつプライドを剥がしてみようと格好悪くもがく。**]
俺は別に不快だなんて言ってない。
不快だって思ったらここに来ない。
…俺は、行かなくていいのかって聞いたの。
[軽く肩を竦めて息を吐き出した。
叱られた犬のような様に
息を吐き出すくらいしか出来なかったのだ]
好みじゃないのと一緒にいて
何かしたいことでもあるの。
抱きたいならどーぞ。
ただ、ロバートみたいに金の髪でもないし、
…サイラスの代わりにもなれないけど。
[言葉が示す意味を、彼は理解できるだろうか。
全て、知っていながらあの行為に至ったことを]
[ヴェスパタインの様子にしゅんとしたまま、シーツを握り締める。]
誰の身替わりでなくて、ヴェスが良いと言ったら。
……手遅れだと笑うか?
[隠し事は相当下手だったらしい、ここにも筒抜けだ。がっくり肩を落とした。独りよがりばかりしていたのだと思い知る。
この分だともう、知らない人の方が少ないのでは。
俯いてつま先を見つめる。]
ーーは?
[予想だにしていなかった言葉に
間の抜けた声が溢れた。
思わず自分の髪色も確認した。
だが、何度見ても金じゃない]
…何でまた、急に。
[聞かずにはいられなかった]
……あぁ。そういう事だったのか。
[モリスは長い眠りから目を覚ます。
いや、今も起きているのか寝ているのかわからない状態だけれど。]
多分、『こっち』の方が幸せなのかもしれないけどね。
[モリスは自分の体に刻み込まれた情事の痕を見れば。]
まぁ、だいたい彼の言っている通りで。
彼はオレらの心の奥底に秘めてるモンの手助けをしてるのは確かっスよね。
[モリスはそのまま当ても無く歩き続ける。]
[べネットの言い分には、少し、いや、大分?言いたいことは、あったのだけれど。
それは、アイスブルーだけが物言い、音にはならない。
そうすれば、鈍いという彼は……気がつかないのだろうか。]
とりま、雪うさぎ作りついでに、中庭の薔薇の様子でも見に行く?
[げふんと、空咳を打って、提案を一つ、同室者の二人に向けた*]
[ノックスの視線に、そのアイスブルーを見詰めて]
……俺が誰かを好きになっても気付かないかも、じゃなくて、誰かに好意を寄せられても気づかないって意味なんだけど。
ノックスを好きな気持ちは変わらないよ。
[何か言いたげな色に答える]
雪うさぎ、この状態でも作れる、かな。
作れたとしても、起きている人には見えないかもしれないけど。
[中庭に出ることには同意して、立ち上がる。
まだ少し腰に違和感が残って、二人の後からついていこうと、出るのを待った]
?
??
[身持ちがどうだ、とか。
少年は理解出来ない様子で
二人の顔を交互に見つめていた。
よく分からないが、ベネットからも
部屋にいてもいいと判断された、
ということだけは理解して微かな安堵]
雪うさぎ……!
[そしてノックスからの提案に、
嬉しそうに中庭に向かうだろう。
動きの鈍いベネットに再び首を傾げながら**]
[思いがけない返事に思わず見上げた。
そして真顔で返す。]
急にではない、考える時間はそこそこあった上での発言だ。
一緒に居るのならヴェスがいい。
[思考の開示がとても下手な自分だ、多分説明も美味く出来ないだろうけれどそういう結論が脳内にはあった。]
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