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― 回想 赤い月の世界 ―
[マーゴが斃れてその場には緑ではなく、赤が広がった事だろう。
しかし赤い月に照らされるグラウンドに彼女から広がる赤は溶けるように、一つになるように、静かに染みて行く]
マーゴ‥‥‥ちゃん‥‥‥。
[大粒の雨が降る、それは無表情な人形のガラス球から毀れているようで]
泣いて――いるの‥‥‥?
そう、あなたも、悲しいのね?
[『敵』と称されていた人形はまるで小さな子供のように泣きじゃくっていた、その光景に胸が痛む]
なんで、こんな事になっちゃったの‥‥‥?
どうして‥‥‥?
連れ去られるのは、緑色になる事じゃないの?
だとしたら、ソフィアちゃんは――
[チカチカと赤と青が点滅を繰り返し、そして青の世界に――]
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― 回想 青い月の世界 ―
[マーゴの遺体を優しく掬いあげる人形、最後の悲痛な言葉は耳に焼きつき、心がいつまでもチクチクと痛んだ]
あの子は、『敵』だけど、『敵』じゃなかった。
ズリエルさんの格好を見れば、そんな気がするわ。
きっと、ただの小さな子供が大きくさせられてしまっただけ、そんな存在だったのよ。
[大きいと言う事はそれだけで恐怖となる、その内面や想いを見る事がなく人は巨大なものには畏怖するものだ]
‥‥‥あれ、なん――
[ドクンと体の芯が脈動するのを感じる、息が出来ない]
こ、れ‥‥‥何‥‥‥ラル、フ‥‥‥
[ドクンドクンと何かが芽吹くような強い脈動、もしも心臓が破裂したならばこういう痛みなのだろうかと思いながら胸を押さえてズリエルを引く手にも自然力が入る]
苦し‥‥‥やだ、痛い‥‥‥
[最後に強く大きく何かが弾けたように胸の中で脈動する、それと同時に緑色に染まり溶ける体]
― 精神世界 ―
[体がバラバラになるような痛み、よく形容されるその言葉。
本当に体がバラバラになってしまうなんて思いもしなかった、正確にはバラバラどころかドロドロなのだが。
体が溶けて行き、心だけになってしまうのが妙にはっきりと分かる、けれど心だけでもマーゴと人形との邂逅が心に刺さったまま痛みを発していて]
痛い、痛いよ‥‥‥。
なんで、こんな目に遭うの‥‥‥。
私、悪い事何もしてないのに‥‥‥。
ラルフ、ごめんね、私‥‥‥。
一緒に、居られないのかな‥‥‥。
[心だけになって最後に思うのも愛する人の事、体が溶けたように、心もまた溶けて、青い光を超えたその先の白い光へ吸い込まれるように光の泡となって消えて行く]
―――‥‥‥。
― 3A教室 ―
『―――‥‥‥レイ。
‥‥‥バークレイ。
アイリス=バークレイ!』
は、はいっ!
はれ‥‥‥?
[聞きなれた声、世界史のゴドウィン先生の声だ。
辺りをキョロキョロと見回すと失笑しているクラスメイト達の姿、何が起こっているのか理解できずにただただおろおろとして]
『俺の授業で居眠りとは随分とお疲れのようだな。
まだ夏休み気分が抜けてないってんなら、
課題1271枚出してやろうか?
ん?』
[顔はいつも笑顔だけれど、やる事は本当にえげつない先生。
心の中で毒づいてクラスを見回せばラルフも苦笑しているだろうか。
ゴドウィン先生のお小言を(08)分程聞かされた後席に着くよう促された]
[ため息をついて席に着けば隣に座っているシェリーから小さい手紙が送られてきて中を開く]
『なーに、ついにラルフ君としちゃったワケ?
優等生のアイリスが居眠りなんて珍しいじゃん!
こりゃ今夜はお赤飯かな?』
[等と囃し立てるのには真っ赤になった、その手紙のやり取りまでゴドウィン先生にみっちり叱られたのは言うまでもない]
―――‥‥‥
[授業中もまったく身が入らない、ミーンミーンともう夏も終わりだと言うのに懸命に最後の命を振り絞って鳴いているセミの声がチョークの音と調和して不思議な感覚だった]
(このクラスってこんなに静かだったっけ――)
[夏休みが終われば受験戦争、ラルフが言っていたような気がする、皆それに向けて動き出していると言う事だろうか]
なぁんか、つまんないの‥‥‥。
[なぜかそう思った、自分も受験生の一人であるにもかかわらず、他の事に気が向いてしまっている気がする。
けれどその事が思い出せなくて、ただぼんやりと窓の外を見つめている**]
―回想 伝説の樹付近―
[人形の手から、落ちる人影。
何でもない事のように重力に従って、そして]
見るな! ……見なくて良い……っ
[アイリスの顔を覆いたかったが、叶わなかった。
強くなる地面の揺れに、立っている事も難しい。
雨が降って、泣きじゃくる人形の少女は、
落ちてしまったらもう元には戻らない体を手にとって、
消える]
…………――なんで、こんな事に、
ならなきゃいけなかったんだ。
[悔恨の声はとても小さい]
―回想 伝説の樹付近―
[月が青色にその色を変えた途端、聞こえた声に振り向く]
アイリス!
[叫び、手を伸ばす]
……――行くなッ!!
[溶ける腕を掴んだら、
それは思いの強さで、己をも侵食して]
ぐうっ……あ、――――!!
[繋いだ手から広がる苦痛は全身が破裂するよう。
肩から肺に達したらもう息も出来ない。
喉から漏れた、音。
身の裡から何か、芽吹くように拍動して、溶け落ちる]
―3-A―
[ぱっ、と。
視界は意識に気付かせない速さで反転した。
世界史教諭の指名に答えない彼女にはらはらして。
小言を聞かされて恨めしげな視線と目が合って、
つい、苦笑してしまう。
――暢気なんだからなあ。
性懲りもない小さな紙片の遣り取りも、
後方に席がある自分の位置からは良く見える。
そしてそう言うのは大概教壇からも見えているのだ]
もう、夏も。終わりだね。
[4時限目終了のチャイムと同時、窓の外に呟きを向けた。
良く晴れて、月は見えない**]
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―― 赤い月が青い月に変わる時 ――
[好きだった人形が。涙を流す姿を、見たような気がした]
……。ヒミツ。ヒミツは。ヒミツのまま。
[人形と共に、『そこ』から姿を消した後。
それだけは、大事なことだ、と、自分に呟いて。
泣いている人形に、行こう、と言って。
その意識を、心地よい闇にゆだねた――]
―― 保健室 ――
……。あれ?
[目が覚めたら保健室だった。
見渡すと、数人のクラスメイトが、ほっとしていて]
『よかったー』『よかった、起きたよー』
あれ、わたし、どうした…かな。
『覚えてない?』『ドッジボールしてたら』『ごめん、思いっきりぶつけちゃって』『マーゴ、後ろにこけて、頭打ってさ。気失ってたんだよ』
[矢継ぎ早に声をかけられる]
そ、そうなんだ。ごめんね。心配かけて。
そういえば、メ――――。メ…? あれ。ごめん、名前、ど忘れした。
『メって誰よー。あたしはアリスでしょー』『ちょっと、大丈夫?』『あー、でもそのくらいがいつものマーゴっぽい』『陸にあがるとぼんやりだからねー』
そこまで言わなくてもいいのに。
[ぷう、と頬を膨らまして。ベッドから降りる。保健の先生が、『ん、ヴェンネッタ、もう大丈夫か? もし、気持ち悪くなったりしたらすぐ誰かに言って休めよ』と言ってくるので、お礼を言って、保健室を後にした]
―― 休憩時間 ――
[隣のクラスに、ふと遊びに行って]
ソフィアちゃん。こんにちは。
[もし、何か元気が無さそうなら『どうかした?』くらいは言ったかもしれない]
……。あの。ごめん、ね?
[言ってから、自分で首をかしげて]
……なんだか、謝らないといけない事が、あった気がするんだけど…。なんだっけ。
[えへ、と笑う。そんな*日常*の断片]
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― 2-C ―
[じぃぃい、じぃぃい、と窓のすぐ外に止まった蝉が、存在を主張していた。
は、と顔を上げれば、もう休み時間。教室の人間は疎らで、少しだけ濃くなった空気に、うぃー、と伸びをして深呼吸]
ん? やあやあ、マーゴちゃん!
あっついねぇ、こんな暑いのに頑張れる蝉はすごいと思うんだぁ。
[掛けられた声
彼女は隣のクラスの友人だけど、こうしてお互いのクラスで何てことない話をするのだって、良く、]
あれ、一人?
……ん、いや、あれ。何言ってんのかな。ごめん。
[あることなのに。ついと、自然にそんな言葉が出てしまって。
おかしな口を塞ぎながら、気を悪くしないでね、と慌ててぱたぱた手を振っていたら]
……? 何で、マーゴちゃんが謝んの?
[きょとんと見つめれば、彼女のほうも、分からない、と首を傾げていて。
ヘンなのー、とけらけら笑って、おあいこだね、と気にしないことにした]
ん。……なんかね。夢を、見てた気がするんだぁ。
夢だから、もう起きちゃったら、良く覚えてないんだけど。
なんかさー…… そんな、全然詳しいこと覚えてないくせに、見たってことがすっごく、落ち着かないっていうか、気になるっていうか……。
……ね、顔も名前も覚えてないのに、もう一度同じ夢みて、その人に会いたいなーんて…… 笑うかな?
[夢の余韻か、ぼんやりする頭を押さえながら。
おかしいよね、とにへり笑うのだった]
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[ようやく地獄の4限目から解放される、クラスメイトたちはこぞって席をくっつけたりしながらお弁当を出し始めたり、購買にパンを買いに行ったりし始めて]
あうー‥‥‥もう世界史嫌いだよー‥‥‥。
[授業中外ばかり見ていた事もまた叱られてぐったりと机に突っ伏す]
‥‥‥ねえ、ラルフ。
ソフィアちゃん、今日来てるかな?
[がばっと急に身を起こして後ろを振り向く、ラルフの顔を見て急に生徒会の下級生を思い出す]
ソフィアちゃんに急に会いたくなっちゃった、今日はお昼三人で食べない?
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―3-A―
[昼休み、先生から再三注意されてぐったりのアイリスの席へ]
言われてるのに余所見するからだろ。
[突っ伏した頭をぽむり撫でると、それは突然起き上がった]
ソフィア? 来てるんじゃないかな。
[携帯を取り出す。アンテナは3本、バッテリーも3つ表示。
電話も、掛ければ程なく繋がるだろう]
あ、ソフィア? 良かった。
ん。……いや、今日の昼、一緒に食べない? ってだけ。
アイリスからソフィアにデートのお誘いだよ、
『急に会いたくなった』ってさ。
場所、生徒会室でも良い?
[
だーって、なんか違うって気がするんだもん。
何かは分からないけど、何か足りないって言うか‥‥‥。
なんだか寂しいんだよ、今の学校。
[伝説の樹に茂る葉が風に煽られてサワサワと音を立てる、蝉の声と風の音。
伝説の樹の下にぼんやりと小さく人影が見えた気がして眼を擦る。
改めて見返すとそこにはやっぱり誰も居なくて]
何か、大切なものを忘れてる気がする。
それが人なのか、物なのか、それすらも分からないけど‥‥‥。
[ラルフがソフィアに電話をかける様子にはっとして自分の携帯を取り出す、ぱかりと開いて液晶画面を見ても別段おかしなところはない]
あれ‥‥‥。
なんでだろう、携帯が使えるのが不思議な事に感じる‥‥‥。
うーん、ゴドウィン先生の言う様にまだ夏休みボケしてるのかなぁ。
― 購買 ―
ほぇ? はーいもしもし、ソフィアでっす。
何か…、 ……ありました?
[昼休み。
今日は三色パンにしようかレッドホットチリパンにしようか、さんざ悩んでから、大人ののりたま弁当を手にしたところで、鳴る携帯]
きゃー、先輩ったら熱烈ですねっ!
勿論良いですよ、そんじゃまた後ほどー。
[ぴ。
通話画面の消えた画面を見つめて、少し考える。
何か。誰か、何か。
誰かのことを、口にしようとした気がしたけど。
自分でも分からず、ひとつ頭を振り。てってか、待ち合わせ場所へと駆け出した]
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―3-Aから生徒会室へ―
[電話口、何事かを問うソフィアの声がどこか神妙で。
何でか知らないが、安心させなくてはと言う感情が働いて、
声はいつもより穏やかさを増す]
ん、解った。じゃあ、また。 ……後で。
[ぷつり、何事もなく、切れる携帯]
寂しい? ん、まぁね。夏休み終わっちゃったし。
三年はこれから高校生と言うより受験生だもんな。
……機種変したばっかりでしょ? ほら、上行こう。
[慌てて携帯を開く所作に苦笑するけど。
ソフィアと電話が繋がった時、一体何が『良かった』なのか、
自分でも解らなくなってしまった]
―生徒会室―
[アイリスを連れて生徒会室に入る。
中央の机に幾つか並んだ椅子と、隅にソファ。
少し古いパイプ椅子は、示し合わせた訳でもないのに、
各人の定位置と言うのが出来上がっていた。
ソフィアの席はまだ、その主を待つ]
……誰か、練習熱心な子がいるみたいだね。
[流れて来る音色と歌声に微笑む。
隅っこにある椅子は、……誰の定位置だったっけ。
何となく、背もたれを軽く撫でて。
その傍の"大切な書類"の段ボールを避けて歩き、自席へ]
― 生徒会室 ―
ん‥‥‥そう、なんだけど、受験とは違う何か‥‥‥自分でもよく分からないんだけど、そういう事じゃないっていうか。
うーん、難しいなあ、この感じ。
[ラルフの腕を取りながら小さく呻いて考え込む、言葉に出来ない何かが胸の辺りにわだかまっているようで気持ちが悪い]
あ、うん、夏休み前に機種変したばっかりだけど‥‥‥。
あれ、壊れなかったっけ?
[なぜそんな事を思ってしまうのか、よく分からないけれどなんとなくそんな気がして、そんな事を考えている内に生徒会室に辿り着きラルフの横にちょこんと座る]
あはは、そう言えば夏休みにここで皆で辛いアイス食べたよね。
もう購買で売ってないハバネロアイスさー‥‥‥。
あれ‥‥‥?
[『皆』とは誰を指すのだろう、ソフィアの差し出したアイスを食べたのは自分、それを苦笑して見ていたラルフ、その他に誰が居た?
おかしな違和感を覚えている内にどこからか聞こえてくるグノーのアヴェ・マリア、夏休み生徒会室で確か自分も歌った気がして]
フルートの、おと‥‥‥。
フルート‥‥‥誰だっけ、フルートの子‥‥‥私の友達だった気がする‥‥‥。
『to:マーゴ
title:あついよー!
message:
とけるぅぅぅぅ
、ヽ`(´д`;)、ヽ`
今日も部活だよね?
遊びにいーかーせーてー
記録とるジャマはしないからっ
差し入れいつものでいい?
じゃ、また後でね!
☆⌒(*^-゚)ノ~』
― 廊下 ―
[購買の袋を振り回しながら、何とはなしに送信画面を眺めていた携帯を閉じる。
見飽きたシステムメッセージも、2度撮りしたみたいに少し暈けた空の待ち受け画面も、特に変わったところも無いのに、何故だか。
携帯を弄るたび、じっと見つめてしまう時間が多かった]
変えよーかなって思うと、惜しくなるもんなのかな。
まー、思い出もあるわけだし…… ?
[視界の端で、何かが揺れた。
隣で誰かも、携帯を弄っているらしい。
その桜のストラップが、窓硝子に揺れて――]
えっ!?
[ばっと向き直る。
其処にはただ、窓硝子が嵌っていて、その向こうは外。
人の居る余地も無い。
自分のとは全然違う携帯。
でも、あのストラップには見覚えがあった。
掴んだ筈の記憶は、すぐにすり抜けていってしまうけど]
……どーして?
[その問いは、確かに。
ストラップの持ち主へと向けられたものだった]
→ 生徒会室 ―
先輩?
[お待たせしましたー、と扉を開けると、何処かぼうっとしたアイリス
どうしたんですか?とラルフに尋ねつつ、暑いからかなと首を傾げ]
アイスありましたよねー、アイス。まだピーチが結構残って…… あれっ。
[冷凍庫を開ける。
けれどそこに、想定してたような、大入りアイスは見当たらず。
なら、と開けた冷蔵庫にも、麦茶とか、そんな、見慣れていたような気がするものがなくて。
あれ、と再び。首を傾げるのだった]
―生徒会室―
……変えて一月経ってないのに?
[もう壊したの、と言外に滲ませて]
ハバネロアイスも今じゃ良い思い出かな?
フルートの友達って結構いるじゃないか、アイリス。
アルトは誰だろうな、綺麗な声してる。
……――良い曲だよね。
[答えても、どこか上の空な彼女。
やって来たソフィアに問われても、良く解らないと言う態で、
軽く肩を竦めるしかなかった]
[冷蔵庫を漁っては首を傾げているソフィアの様子に、
どうしたのかと近くに寄る]
ん、麦茶ない? じゃあ作っとこうか。
……麦茶のパック、どこにあるんだっけ……
[好き好んでこう言う雑用をこなす人がいるので、
普段、自分がやらない作業。戸棚を探しつつ、
――横の窓ガラスに過ぎった影に、戸口を振り返る]
受付 アイリスが機種変してから本当に一月経ってないのか、ふと疑問に感じた。
曲……声? なんかCDでも聞いてたんです?
ええっと……確かここら辺から出してたよーな…… えいっ。にゃー!
[戸棚を探すラルフの後ろから手を伸ばすも、自分では背が届かず。
ぴょんぴょんと跳ねていたが、彼が振り返るのに、自分も振り返り]
……? どーかしました?
え、聞こえない?
……――ん。いつの間にか止んでるね、演奏。
さっきまでは聞こえてたんだけど。
[ソフィアがぴょんぴょこ手を伸ばしている引き戸をがらり。
麦茶パックの箱を取り出す]
…………――いや、
何でもないよ。
[感情、覆うように笑んで。
適当に水道水で、麦茶をいれると冷蔵庫へ放り込んだ。
席に戻って弁当を食べながら、他愛ない会話が続く]
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