人狼議事


64 色取月の神隠し

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 謝ること何もないやん
  
[声をかけてくる娘に、何故謝るのだといった風に首を振る。
痛々しく痛みに歪める主を抱き留めながら視線は火の方へ]

 ちゃうよ。怯え惑うは妖しも変わらへん。
 あの子が今そうなってるように

[それはほんの僅かな歯車の狂い
たったそれだけで、ヒトも妖しも惑うのだ。

火は徐々に沙耶の元から離れていく。
焔に次は敵意よりも畏れ、そして戸惑い……
……言葉は届いているのだろう。
けれど──
絡まった情念の糸が、その言の葉を絡め取ってしまっているのだろうか?
肩を抱き、支えながら手をこまねいていれば、猛る龍の咆哮を耳にする]


 龍っつぁん。
 怯えとぅから、あまり無……

[近づく辰次を険しい表情で迎え、言葉を挟もうとした矢先、更なる咆哮を聞く]


 ……
[開きかけた口をそのままにあっけにとられたまま“パチキ”を目撃し]

 ほんま大胆な子やなぁ。

[むしろここまでくれば粗暴というより清々しいくらいか?
廻りの緊張を一瞬忘れるかのように、惚けと呆れが入り交じったまま事の成り行きを見つめてしまう]

 どっちが苦労するのかしらん?
[彼と共に辿り着いた巫女の姿を見つければ、対照的な二人の表情をを交互に見比べながら苦笑が漏れる]


 ……歯車戻ってきたようやょ

[辰次の破天荒とも思える咆哮が、女に少しの冷静さを取り戻させれば、隠世に赴く気も感じたか。
一度消えた気と同質のものを感じることが叶うのならば、その旨を各々に告げてもいただろう。
もうひとつの感じ慣れない気の存在に『誰やろう?』と小首を傾げもしたけれど。

とはいえ先の咆哮で目を回した者がいたのなら、勿論届くことではないのだが]


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 ― 道の途中 ―

 たまこ姉さん、大丈夫?
 そこまで空気が違うとか無いと思うけど。

[こちら側に来れば、傍に居るたまこに、声をかける。]
 
 僕は、久しぶりってほど、時間が経ってないし。
 元より気にならなかった。

[芙蓉の言葉には小さく首を振って。]

 でも、里に行く前に戻っちゃったから、里の様子は全然分らないんだ。


[芙蓉はなんだかんだで、里の近くまで見送ってくれた。]

 ありがとう。
 後はうん、大丈夫だよ。 
 また後でね。

[里とは違う方向に帰る芙蓉の、その際覗かせた尻尾に、視線を止めて。なるほどと一言呟くと、くるりと里に体を向けた。]


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 辰次さん……!

[己と入れ替わるように明之進へ近付いた辰次は、燃え盛る炎をその手に掴み――頭突きした]

 ひゃっ!

[突然の事に、思わず目を瞑り身を竦めた。
 周囲には竹を焼いたような匂いが漂う]

 た、辰次さん……!?
 その……

[不安げに問い掛けた言葉は、今は呑み込むことにした。
 己自身の痛みよりも優先すべき事があると、それは自身も辰次も同じだろうと思った]

 明之進……。

[祈るように、熱を持った右手を左手で握る]


 そ……だね。
 明之進が傷付くのは、明之進にも同じ心があるから。

[自身を抱きとめる志乃に小さく頷いた。
 それは、遠い過去の自分への戒めでもあっただろう。
 姿が変じてしまったが故、心も言葉も変じたものと思ってしまった自身への]

 ……同じ、でも、伝わらないことはある、か……

[それもやはり、ヒトの世とて同じ事で。
 ――そんな折だったろうか、志乃に先程消えた気が戻って来たと伝えられたのは]

 ……そっか……

[小さく頷き。
 そして今は、信じる事にする。
 再び現れた気配の声が、明之進に届くことを]


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いつのまにか集まってきた妖怪達に現世の御伽噺を聞かせている。


 ほんまに無鉄砲揃いやねぇ。

[沙耶の呼びかけ、そして辰次の豪快な一撃
それぞれの身を挺した行いは、焔に身をやつした明之進に何をもたらしたか?
二人の痕を見据え、ちらりと明之進を見やれば]

 その眼が節穴やないんやったらしっかり見ぃ?
 龍の額も、沙耶の手も…

 そこらの狐火とあンたのことが変わらん思うておったら
 こないなことせんやろぅ?
 あンたのこと……心配してるんよ?

 元に戻って欲しい思うてるんよ?
 それが聞こえんか?
 心の声も届かんか?


[ふぅと一息つけば]

 今来た子、どっちも現の子やよね?
 芙蓉さんでも奴延鳥さんでもないし……
 呼んでこよう思うんやけど?

[何か小さい気をもう一つ感じもするけれど、それも隠世に些かの戸惑いを見せているか?
明之進がどういう状況であれ、誰かがついてやらねばならないだろう。ならば…縁のある二人はここにいて貰った方が良いだろうか?]

 ゆりちゃん? 少しうちと散歩しよか?
 一平太さんたちのお出迎えや。
 ……それにそこの色男のええ話も聞きたいところやしねぇ?

[ちらりと辰次を見やり、くすりと"嗤う"
言外に、『迷わないように早く連れてくるから、明之進を頼む』と…まあそんな意図が伝わったかどうか?]


[とはいえ、無理に誘うつもりもないらしく、色男のいい人嫌がるようならば一人で気のもとへ向かったか。
一度振り向いて、沙耶にもここをよろしくと告げれば、すぅっと闇へ消えていった]


志乃にありがとう、と目配せして見送る。


 ― あやかしの里 ―

 ここが里…。
 あまり、変わった感じは見受けられないけど―。

[里の入口から、初めて見る里に小さく感嘆の息を漏らす。周囲には偶々だろうか、アヤカシの姿は視界に入らなかった。]


 ……センセなにしてますのん?
 もう、こっちの子らと仲良ぅなりましたんね?

 うち、今からセンセの御門弟の方向かえに行こう思うてるんやけど、センセどないします? 
 あ、そうそう…あちらにようけいセンセのお知り合いさんもおりますよん? お会いになったら如何やろか?

[道すがら話に花を咲かせる仁右衛門でも見かけたなら、声をかけたり明之進達がいる場所は伝えただろうか?]


明之進、明之進。
戻れ。戻ってこい。

忘れたいことは忘れとけ、って言ったけど、全部忘れるのはだめだ。
大事なことまで忘れんな。
真っ白になんかなるな、明之進!

[炎の塊へと、何度もその名を呼ぶ。
ずっと彼を象ってきた名前だ。
その姿を思い出させようと。]


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志乃へと頷きを返して。


仁右衛門が遠くで一反もめんに絡みつかれているような気がした。


どこかで逢った一反もめんににこやかに手を振った


 おぉ…丁度良かった。
 こやつらを何とかして呉れ。

[志乃から声を掛けられれば、心底困ったように助けを求めた。
身体には一反もめんが親しげに絡みついている。]

 いや、仲良くというより何故だか知らぬが集まられてだな―――…

[言い掛けて。]

 一平太君も、此方に連れてきたのか…

[複雑な顔をする。]

 その他にも―――…


 明之進……。

[辰次の呼び掛けに勇気づけられたように、娘も顔を上げる]

 お願い。
 憎いと思う分は、全部私にぶつけていいから。
 楽しい、嬉しいって気持ちまで、捨ててしまわないで。
 一緒に取り返してくれる人が……ここにも、いるから。

[憎しみ、苦しみも彼を形作るものだというなら、それを全て引き受けようと思った。
 彼と笑い合う事が己にはもう叶わぬなら、と]

 あなたに傷付けられるのが苦しくたって、あなたがいない苦しさよりずっといいんだから……!


 あら、そんなに好かれとるんに、酷いこと仰いますのね。
 ほら、いっタン。センセ困っとるから離してあげぇ。

[するすると抜ける一反もめんと少しじゃれ合う]

 センセはいろんな人にも妖しにも好かれるんねぇ…
 え? 連れてきた? どうですやろ?
 誰ぞ案内して来ないと普通はこちらにはこれませんのやけど。

[良くわからないといった表情で仁右衛門をしげしげと見つめ]

 ええ、沙耶はうちと一緒に来てくれたし、ゆりさんも色男と一緒でしたよぅ? あぁセンセも色男さんやったねぇ?
[何故複雑そうな顔をしているのだろう? とでも言うように首をこくりと傾げながら瞬きをしている]


 さて、どうしようかな。
 ここに居てもまごまごしても、しょうがないよね。

[立ち往生してもしょうがないと。
今更、怖がることは何も無いのだと。]

 そういえば、揚羽さんはこの場所どう?

[少し気を逸らし気味に。
そう言いながら一歩踏み出した。]


 まあそれはそうと、
 うちこれからお迎えいかななんですよぅ?

 センセはどうされます?
 せや、いっタンもセンセ気に入ってるようやし、乗せて貰ったらええ思いますよぅ?

 な、いっタン?

[ふわふわひらひらしている一反もめんの端をちょこんとつついてやれば、ソレは少し嬉しそうに仁右衛門の廻りをぐるぐる廻っただろうか?]


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[──かくして、しばらくして里を歩く三人の姿を見つけた女は、ふわりと下りて事の顛末を話して聞かせ、皆の元へ誘ったことだろう]


 ―――ふぅ、助かった。

[一反もめんが離れればそう零して、ズレていた眼鏡を掛け直した。]

 ああ、ヒトが自らの意思で此方に赴くことは難しかろうと思ってな。

[不思議そうにする志乃を見つめる。]

 志乃君……君は、君達と言ったほうがいいかもしれぬが。
 何故、ヒトを此処に連れてこようとするんだい?

[けれど問いかけは、彼女の一平太を迎えに行こうと逸る気持ちに遮られたようだった。]

 いや…、私は。

[誘いにはゆるりと首を振る。]

 一平太君はそう短くはない期間私の傍に居たのだから、態々迎えに行く必要はなかろう。

[それに何かあれば、彼から訪ねて来るだろう。]


─ あやかしの里 ─

[仁右衛門とお団子食べて、少し笑って。
一旦別れてそして、朝顔の姿を探しに里を歩いた。

辺りに響く祭りの囃子。
狐の面が笑っているけど、鏡写しの童女の姿は遠いまま]


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…?

[そのとき。祭りの向こうに火が見えた。
ちらちらと瞬く火のほうへ、童女がふらりと足を踏み出す。
賑やかなそちらのほうに、白い布にゆらめいている]

あきづきじんえもんおじさんに、志乃…?

[筝の化身の姿を認め、大きな一つ目をぱちりと瞬く。
赤い手毬を抱きしめて、そちらへと足を進めた]


[ゆるりと首を振る仁右衛門に、少し残念そうにしながらもそれ以上は誘うことはせず]

 ほな、また後で逢いましょうな。

[別れ際にふと振り返る。事はそう安穏ともしてられれなかったが、彼の言葉が止まったことが気になったから]

 センセ。ではお尋ねします。
 人と妖しを“別つ”ものは一体なんやと思います?
 そして……その“別つ”を取り払う術はあると思います?

 センセの問い……うちの答えはそこにあります。

[一瞬寂しげに空を見つめる。空には艶やかな狭間の月
それからゆっくりと彼を見つめにこやかに微笑みを送る]

 うちセンセとお話するのとても楽しみなんですよぅ?
 センセはとてもとてもええお話してくれますから……
 また逢いましょう。 


えっ。一平太さん?
一平太さんがここにいらしているのですか?

[炎となった明之進と対峙する辰次と沙耶を見守っていたが、志乃に声をかけられればそちらを向いて、目を丸くする
志乃が歩き出そうとするのを見れば、志乃と辰次たちを見比べる。ここにいても見守ることしか出来ないと思えば、一平太達のことも気がかりで、志乃に着いていくことにした]

辰次様、沙耶様、ご無理なさらず…!

[闇に消えようとする志乃を追いかけて駆け出した]


[そうしてたどり着いた先で見たのは、一反もめんに絡まれている仁右衛門の姿]

え、秋月、様!?
秋月様も、こちらに来られていたのですか…!!

[驚きに目を丸くする。
志乃が事情を話し、仁右衛門とやりとりするのを見守るが、近づいてくる足音に振り返ると、狐の面を被った童女の姿]

ふああ、一つ目さん、です…。

[夕顔だということはまだ気づかず、目を瞬かせた。]


[そして行こうとした矢先。瞬く大きな眼に愛らしい手鞠花 その姿を認めれば、少し驚いたように、けれど嬉しそうに微笑んで]

 嗚呼、夕顔さんやねぇ…
 現ではちゃんとあえんかったけど
 お久しぶりやねぇ。

[思えば、気の具現化はあったにせよしかとした形で逢うのは初めてか。嬉しそうに招き寄せて、許されるのなら彼女を抱きしめもしただろう]


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[志乃の姿が風に溶け消えれば、静かに目を伏せる。]
 
 甘言を弄すだけでは何も生まれぬ、よな…

[現世の村、残された者達を思う。]

 ――…ならばやはり私は…

[去り際の志乃の言葉]

 …別つものなど何処にもあらぬよ、志乃君。

[そう、想いが確かならば。] 

 まぁ、そうは言っても、術を求めるのは私も同じなのだがね。



[女は走り出したゆりを抱きかかえるようにして飛翔する]

 龍っつぁんやなくて堪忍な

[茶目っ気たっぷりに笑って見せて]

 ねぇ、ゆりさん。龍っつぁんにどないに口説かれましたん?

[純粋が故に心労も幾許か見えただろうか? それを解きほぐすような…ちょっとした悪戯心。
──いや、好奇心も多分に]


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注目:仁右衛門 解除する

処刑者 (7人)

仁右衛門
13回 (4d) 注目

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