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【人】 硯友社 みょんこ─ 翌日/北シェルター ─ (7) 2016/12/16(Fri) 00時半頃 |
【人】 硯友社 みょんこ[あたし、目開けてるんですよ。 (8) 2016/12/16(Fri) 00時半頃 |
―最期の時―
[わたしが聴き惚れていたのは、血の中から流れてくるような音楽。すべてが溶けてゼロになるような。ブラッド・ミュージック。
何かが耳に押し当てられていても
ぁ……
[だけど、音楽がなりやんで、少しして。
流れ出ていく何か。
地面に広がりゆくなにか。
わたしの一部だったものが取り外されて残る感覚がした
[でもそれは嫌なものではなかった。
何か、残るんだ。
どこか安心感にも似た心持ちのまま、わたしの意識は途絶えた。**]
―ここはどこだろう?―
[気がつくと辺りは乾いていて、暑くて、寒かった。輻輳する矛盾した感覚。見えるものはぼんやりとぼやけて、何があるのか誰がいるのかも分からなかった。]
あー、……そうだ。
眼鏡、眼鏡。
[見えないのはきっとそのせいだ。無意識にかけ直す仕草。ぱちぱちとまばたきする。次第に視界がはっきりしたくる。
奇妙なことに、気づいた。]
えーと。尾崎さん、に、歌瀬ちゃん。
……その数字は、何?
[二人の頭の上にある数字。
カウントダウンのように、見る間に減っていってた。桁数はたっぷり八桁くらいはあるようだったけれど。]
ねえ。ねえってば?
[何度呼んでみても、わたしの声は聞こえてないみたいだった。それどころか居ることにも気づいてない様子で去っていく。]
……はぁ。仕方ないな、誰か探そ。
[とりあえず南シェルターに戻れば、冷くんがいるかな。そう思って移動し始める。]
――ん。あなた、誰?
[少し進んだところで、誰か――あるいは、何か?居るのに気づいた。首を傾げて、眺める。]
[彼女の頭上には、名前。
尾崎さんや歌瀬ちゃんと同じように。でも、違うのは。
さっきのカウントダウンの数字が見当たらなかったこと。
何故だろうと思いつつ、名を呼んでみた。]
中秀、春。ちゃん?
[ぴくり。
聞こえてはいる、気がした。しばらく待ってみようか。思い当たる事がないわけじゃない、し。**]
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【人】 硯友社 みょんこ[ぱち ぱち ぱち。 (50) 2016/12/16(Fri) 13時半頃 |
【人】 硯友社 みょんこ ……ごめんね。 (51) 2016/12/16(Fri) 13時半頃 |
【人】 硯友社 みょんこ─ 桜の木の下 ─ (52) 2016/12/16(Fri) 14時頃 |
【人】 硯友社 みょんこ (91) 2016/12/16(Fri) 21時頃 |
【人】 硯友社 みょんこ (92) 2016/12/16(Fri) 21時頃 |
【人】 硯友社 みょんこ[こうしてみると、思い残すことって、結構あるものですね。 (93) 2016/12/16(Fri) 21時頃 |
【人】 硯友社 みょんこ
(94) 2016/12/16(Fri) 21時頃 |
―廃駅?―
んー…?
[何も変わっていやしない。
地面に自分の死体が転がってる以外には。]
えへっ、そりゃ無理に決まってるよなぁ。
[夢と現実は違う。
ドラ○もんやディ○ニーの世界じゃあるまいし。
勿論心の奥底から祈っていた"願い"なら神は振り向いてくれるのかもしれないが、思いつきの様な考えを口にした所で無意味なのは確かだ。]
[暫くその場所に佇んでいる、いや動けなかったと表現する方が正しいか。
すると藍がやってきた
…藍か。
すまねえな。
[届くはずの無い声を贈る。]
なあ、春ってのは待っても来るもんじゃねえ。
自分で奪い取らなきゃ、冬眠から目覚められないぜ?
[お供えとしてメリーの瞳を置く
静かに立ち去る彼女に手を振る。]
…あばよ。
[中秀、春。ちゃん?
おっと再び来客か。
驚かすんじゃねえ、と声の主の方へと向く。
―――が、何かが違う。
いや、同じとも言えるか。]
お前は誰だ?
ってか、なんで俺の名前知ってるんだ?
どっかで会ったか?
[質問の嵐をぶつけてみる。
そして最後に]
―――おまえも死んだのか?*
【人】 硯友社 みょんこ[泣かないと決めていた女が、最期にたった一滴落とした涙。 (112) 2016/12/16(Fri) 22時半頃 |
【人】 硯友社 みょんこ[最期に一度咳をして、女の体からすうと力が抜けた。 (114) 2016/12/16(Fri) 22時半頃 |
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[生前のわたしだったらきっと物怖じしてしまってたようなQの羅列
わたしは小山内恵都。
あなたの名前は見えてるわ。
どこかですれ違うくらいはしたかもね。
[ そうして、ワンテンポ置いたらしい質問
ええ、とにっこりうなずいた。]
――そう、生きてる間に、シェルターかどこかで。
じゃあわたしからも尋ね返そうかな。
わたしの名前は見えてなかったの?
じゃあ、現世は見えてる?
現世の人たちの名前は?
その頭上に数字があることとカウントダウンされてること、その意味は?
春ちゃんがさっき見てた人、
彼女もうすぐ、こっちに来ることは?
いくつ気づいてたかな。いくつ知ってるかな?
春ちゃんはさ、死後の世界ってあるとしたら、どんなのだと思ってた。
[ これは質問というより、語るための呼び水。]
わたしは、うーん、ざっくりだけど、たぶんね。
もっと平坦だと思ってた。
平穏っていうか。
もっと生々しくないっていうか。
[感覚的には生きてる頃とそんなに変わらない感じがする。現実に生きている人や物体に触れないことで、ああやっぱり、って確認してしまうくらいに。]
たぶん、この状態からでももっかい死ぬとか、しそうなくらいに。
幽霊とかゾンビってさ、ふつう眠ったりしないじゃない。
でも、なんか、……ふぁ。
急に眠くなってきたりとか、しそうで。
大きくあくびをした。
[わたしに合わせるように、だろうか?
春ちゃんも生欠伸したようなのが見えた。
まあ、思い込みと言われればそれまでだけど。
人は見たいものをみてしまう。
元人間の幽霊だってたぶん同じだろう。]
ん……と、ごめん。わたし、寝ちゃうかも。
[くらりと頭を泳がせた。
気を抜くとふわぁって身体が浮いてっちゃいそうだ。]
あ、でもまあ、まだ成仏しそうな気配はないから。
安心して?
[何を安心するかわからないけど、とりあえず。]
それと、天国に行ったりもしないから。
わたしは極楽送りが約束されてるのです。南無阿弥陀仏。
春に向かってまくし立てて、両手を合わせるとそのまま健やかな眠りについた。
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